2013年8月23日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
前回までの旧チェコスロヴァキア・プログレから、今度はロシア/旧ソ連のプログレ・バンドをピックアップしてまいりましょう。
まずご紹介するのが、現在のロシアン・プログレ・シーン一の大御所といえる存在、LITTLE TRAGEDIESです!
94年に結成され、00年に実質的なデビュー作を発表し、その後は00年以前のレコーディング音源なども含めた数多くの作品をリリース。過去の音源も含まれているとは言え、08年には1年に3枚の作品をリリースするなど、精力的に活動するバンドです。
冒頭の写真を見るかぎりではブルースロックでもやっていそうな雰囲気ですが、実はこれぞロシア!と言いたくなるヘヴィで荘厳、クラシカルな格調に満ちたシンフォニック・ロックを演奏するバンドなんです。
では、そんな彼らを象徴するようなこの一曲をお聴きください♪
いかがでしょうか。この東欧のバンドにも通じるひんやりとした硬質感を持つシンセ、そしてそれとは対照的なまでのエネルギッシュなアンサンブル。ともすればメタリックに寄りがちになるヘヴィなサウンドながら、どこか温かみを感じさせる演奏が、シンフォニック・ロックとして絶妙のバランスを保っているのがわかりますよね。
それでは彼らの数ある魅力的な作品を、どうぞ試聴しながらお楽しみください!ドラマティックな名作ぞろいですよ☆
LOST WORLDとともに現在のロシアを代表するシンフォ・バンド、98年録音作。LITTLE TRAGEDIES名義ではあるものの、実質的にはキーボーディストGENNADY ILYINのソロ作。クラシカルなキーボード群をふんだんにフィーチャーした、ロシアらしいエレガンスが演奏いっぱいに薫るクラシカル・シンフォニック・ロック。荘厳なストリングシンセやチャーチオルガンが鳴り響く重厚なパートから、コロコロとしたピアノやムーグが駆け抜ける愛らしいアンサンブル、ENIDを思わせる物悲しい旋律美を湛えたシンフォニーまで、クラシカル・プログレという枠の中で、次々と目まぐるしく表情を変えていく演奏が圧巻です。ギターが一部参加している以外は、全てキーボードによる多重演奏となっていますが、そうとは思えない音の厚みと緻密なアレンジが素晴らしい完成度の高い傑作です。
LOST WORLDとともに現在のロシアを代表するシンフォ・バンド、99年録音作。『SUN OF SPIRIT』同様、LITTLE TRAGEDIE名義ではあるものの実質的にはキーボーディストGENNADY ILYINのソロ作品。ギタリストの参加を除いてキーボードの多重演奏のみによる演奏という点は『SUN OF SPIRIT』と変わらないものの、純クラシカルな印象が強かった前作と比べ、こちらは打ち込みリズムを大きく取り入れ、よりロックらしい躍動感が感じられるバンド・アンサンブル的な音作りがされているのが特徴。後のバンドとしてのLITTLE TRAGEDIESのサウンドにぐっと近づいています。荘厳なシンセやオルガンが鳴り響く中を、ギターがヘヴィに切れ込んでくる場面などはまさにLT!ドラマティックに歌い込むロシア語ヴォーカルもすばらしい。硬質な音使いとクラシカルな優雅さが絶妙にバランスした音楽性は、まさにロシアという国からイメージされる音そのもの。LT前夜という位置づけにとどまらない、素晴らしい完成度を誇る一枚です。
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。00年にギターとドラムが入り、5人編成で録音された前作の出生作『RETURN』に続く、06年作。キース・エマーソンばりのけたたましいフレーズ、美旋律極まるクラシカルなフレーズ、ファンファーレのように祝祭ムードに溢れたフレーズなど、表現力豊かに弾きまくるキーボードを中心に、前作にも増して疾走感みなぎるヘヴィ・メタリックなギター&ドラムがボトムを力強く支え、ロシア語の民謡調&シアトリカルなヴォーカルがテンションみなぎる演奏と見事に対比したロマンティシズムと哀感を添える。作曲は緻密でいて、演奏は圧倒的にダイナミック。メランコリックなヴォーカル・パートでは、ハープシコードや透明感あるトーンのシンセが流麗に彩るアンサンブルが出色だし、ストリングスや混声合唱は近現代ロシア音楽を受け継いでいてさすがの美麗さだし、「静」と「動」のスペクタクルな対比で聴き手のエモーションをこれでもかと鷲づかみにするクラシカル・プログレ第一級の作品。これは名作です。
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。08年作。豊穣なロシア近現代クラシックに根ざしたキーボード・ワークとメタリックなギター&リズム隊による対比によるダイナミックなサウンドは本作でも健在ですが、00年代はじめの硬質なサウンドと比べると、だいぶヴィンテージ側に振れて、マイルドに一体感溢れるサウンドとなっている印象。独特の語感を持つロシア語のヴォーカルなど、ロシアならではの哀感も特徴で、ハンガリーのソラリスに通じるような、垢抜けなさもまた魅力。イタリアのレ・オルメや東欧のソラリスあたりのユーロ・キーボード・ロックのファンが何か新鋭を聞いてみたい、という時に最適な一枚と言えるでしょう。
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。2011年作。彼らの楽曲は大きく、ロシア近現代クラシックにHR/HMのダイナミズムを注入した鮮烈な曲と、ロマンティシズム香るリリカルな曲とに分けられますが、本作は、後者のリリカルな楽曲が多くを占めている印象。イントロから溢れだす、ギターとキーボードのユニゾンで奏でられる、まるでキャメルのような伸びやかなロング・トーンのメロディアスなフレーズ。そして、ロシア語によるシアトリカルなヴォーカルにより歌われるリリカルなメロディとそれを格調高く彩る流麗なピアノ。まるでトレースのようにコロコロとカラフルな音色のキーボードが転がるファンタスティックなパートも良いし、終始、陽光に包まれたようなアンサンブルに満ち溢れています。美しい詩情をドラマティックに彩る、ここぞで炸裂するメタリックなギターとドラムによるアクセントも印象的。ファンタスティックかつ壮大な傑作!
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。08年作。豊穣なロシア近現代クラシックに根ざしたキーボード・ワークとメタリックなギター&リズム隊による対比によるダイナミックなサウンドは本作でも健在ですが、00年代はじめの硬質なサウンドと比べると、だいぶヴィンテージ側に振れて、マイルドに一体感溢れるサウンドとなっている印象。独特の語感を持つロシア語のヴォーカルなど、ロシアならではの哀感も特徴で、ハンガリーのソラリスに通じるような、垢抜けなさもまた魅力。イタリアのレ・オルメや東欧のソラリスあたりのユーロ・キーボード・ロックのファンが何か新鋭を聞いてみたい、という時に最適な一枚と言えるでしょう。
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。2011年作。彼らの楽曲は大きく、ロシア近現代クラシックにHR/HMのダイナミズムを注入した鮮烈な曲と、ロマンティシズム香るリリカルな曲とに分けられますが、本作は、後者のリリカルな楽曲が多くを占めている印象。イントロから溢れだす、ギターとキーボードのユニゾンで奏でられる、まるでキャメルのような伸びやかなロング・トーンのメロディアスなフレーズ。そして、ロシア語によるシアトリカルなヴォーカルにより歌われるリリカルなメロディとそれを格調高く彩る流麗なピアノ。まるでトレースのようにコロコロとカラフルな音色のキーボードが転がるファンタスティックなパートも良いし、終始、陽光に包まれたようなアンサンブルに満ち溢れています。美しい詩情をドラマティックに彩る、ここぞで炸裂するメタリックなギターとドラムによるアクセントも印象的。ファンタスティックかつ壮大な傑作!
本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したKey奏者&コンポーザーのGennady Ilyinを中心に、ロシア南西部のウクライナ国境に近い町クルスクで結成された新鋭プログレ・グループ。2014年リリースの恐らく9枚目。エネルギッシュかつ流麗に鳴らされるムーグのリード、そこに時にユニゾンで超絶的に合わせ、時に単独で鳴り響くハモンド。オープニングから躍動するヴィンテージ・キーボードのスリリングな演奏に言葉を失います。タイトかつアグレッシヴなリズム隊とエッジの立ったギターのリフによるロック的ダイナミズムも印象的で、EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まるキーボード・プログレを基調に、クラシック直系の華麗なキメのパートを挟みつつ、これでもかとドラマティックに展開していきます。一転して、音が瑞々しく響く格調高いピアノによる静謐なパート、管楽器が豊かに鳴るロマンティシズム溢れるパートも絶品ですし、ロシア語によるエモーショナルかつ演劇的なヴォーカルか醸すもの悲しさも特筆。「静」と「動」の鮮烈な対比。LOST WORLDと並ぶ現代ロシア・プログレ屈指のグループによる渾身の大傑作です。
LOST WORLDとともに現在のロシアを代表するシンフォ・バンド、99年録音作。『SUN OF SPIRIT』同様、LITTLE TRAGEDIE名義ではあるものの実質的にはキーボーディストGENNADY ILYINのソロ作品。ギタリストの参加を除いてキーボードの多重演奏のみによる演奏という点は『SUN OF SPIRIT』と変わらないものの、純クラシカルな印象が強かった前作と比べ、こちらは打ち込みリズムを大きく取り入れ、よりロックらしい躍動感が感じられるバンド・アンサンブル的な音作りがされているのが特徴。後のバンドとしてのLITTLE TRAGEDIESのサウンドにぐっと近づいています。荘厳なシンセやオルガンが鳴り響く中を、ギターがヘヴィに切れ込んでくる場面などはまさにLT!ドラマティックに歌い込むロシア語ヴォーカルもすばらしい。硬質な音使いとクラシカルな優雅さが絶妙にバランスした音楽性は、まさにロシアという国からイメージされる音そのもの。LT前夜という位置づけにとどまらない、素晴らしい完成度を誇る一枚です。
「太陽と戦慄」期クリムゾンやヘンリー・カウ的な攻撃性を軸に、HF&Nに通ずる繊細さと緻密さ、フランスらしい芸術性や演劇性を融合させたサウンドは、素晴らしき完成度!
VOC1031(VOCATION)
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まさか00年代のエストニアに、ソフト・マシーンやハットフィールドのDNAを継ぐカンタベリーなグループが生まれるとは・・・。硬質さとリリシズム、それを包むエストニアならではの透明感。絶品です。
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2390円 (税込2629円)
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ハンガリーで今最も繊細でイマジネーション豊かなサウンドを鳴らすこの新鋭グループ、もう聴きました?全シンフォ・ファンの皆様へ、カケレコが自信をもってオススメ!
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イタリアの新鋭グループですが、ルネッサンス直系の気品を漂わせる逸品。波打つようなピアノを基調とするクラシカルで繊細な演奏と透明感ある凛とした女性ヴォーカルのなんと美しいこと。これは心洗われる名作です。
CDWK0612B(WHITE KNIGHT)
2490円 (税込2739円)
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