2016年6月9日 | カテゴリー:ロック探求ランキング,最新ロック・ニュース
タグ: ロック&ポップス
SPIN誌が選ぶ「60年代のオルタナティヴな名盤TOP100」をシェアいたしましょう。
ビートルズの登場からウッドストックへと向かう中で、巨大化する音楽マーケット。
そんな状況には見向きもせず、アーティスティックに自己と向き合い、夜な夜な鋭利な音を鳴らしていた気鋭のミュージシャン達。
メインストリームもおもしろすぎる60年代ですが、その裏側でメインストリームを刺激しまくっていた作品達をこの機会に探求いたしましょう。
1位:『VELVET UNDERGROUND / WHITE LIGHT/WHITE HEAT』(Verve 1968)
2位:『STOOGES / STOOGES』(Elektra 1969)
3位:『VELVET UNDERGROUND & NICO / VELVET UNDERGROUND AND NICO』(Verve 1967)
4位:『CAPTAIN BEEFHEART & HIS MAGIC BAND / TROUT MASK REPLICA』(Straight 1969)
FRANK ZAPPAと並んでインプロヴィゼーションをロックの文脈に捻じ込んだ、偉大なるアヴァンギャルド・ロック・ミュージシャン、Captain Beefheartが69年に発表した、歴史的大傑作。9ヶ月間の缶詰合宿の中で録音されたMagic Bandの狂気的な音像は、当時の音楽界に衝撃を与えたOrnette Coleman等、フリー・ジャズ勢の姿勢にも強く影響を受けていたようです。そしてこの音のカタマリを纏め上げたのがあのZAPPAであったことから、よりカオスティックでアナーキーな雰囲気が充満した内容ですね。この調和よりも破壊と変化を求めたサウンドは、90年代以降のオルタナやロウファイ・インディーにも強い影響を与えています。この捩れるギター、のたうつドライング、定まりのないヴォーカルに、サイケの魂が。
5位:『FLYING BURRITO BROTHERS / GILDED PALACE OF SIN』(A&M 1969)
6位:『VARIOUS ARTISTS / NUGGETS: ORIGINAL ARTYFACTS FROM THE FIRST PSYCHEDELIC ERA』(Elektra 1972)
7位:『ORNETTE COLEMAN / FREE JAZZ』(Atlantic 1960)
8位:『TERRY RILEY / IN C』(Columbia 1968)
ロック・シーンに多大な影響を及ぼした、米国カリフォルニアのミニマル・ミュージック/現代音楽家。本作は、インド音楽の要素やジャズのリズムを取り入れた、ミニマル・ミュージックの代名詞として知られる68年発表の代表作。演奏家たちの奏でる幾多の楽器群がパーツとして重なり合い、ゆったりと変容しながらストーリーとして形成されていく、ミニマル・ミュージックの旨味醍醐味に充ちたサウンド。饒舌なまでの楽器群/パーツの多さに拠らず、寡黙とも形容できるような心地良く安寧な耳触りを保ったまま、一曲42分弱のトータルとして身も心も心酔させてくれます。ブライアン・イーノやジャーマン・エレクトロに影響を与えた功績もさることながら、サイケデリック・ミュージックやプログレッシヴ・ロックが隆盛していた同時代の空気と呼応した作品として聴くと、またひとしおの味わいです。
9位:『SUN RA / HELIOCENTRIC WORLDS OF SUN RA VOL.1 AND 2』(ESP-Disk 1965)
10位:『CAN / MONSTER MOVIE』(United Artists 1969)
シュトックハウゼンに師事した現代音楽家や、プロのジャズ・ミュージシャンらによって68年に結成されたドイツのグループ、CAN。彫刻家としてドイツにやってきたアメリカの黒人、マルコム・ムーニーをヴォーカリストに迎えたこの1stは、まさに歴史的な衝撃作です。延々と繰り返されるドラムのビート、ノイズまがいのガレージ・サウンドをかき鳴らすギター、飛び跳ねるように蠢くベース……。そんな音楽家たちによる実験的極まりないアンサンブルに、アマチュア同然のムーニーのヴォーカルが見事に調和しているのだから驚き。ムーニーはこの1stの発売後、神経衰弱によって脱退してしまいますが、時にけだるげに囁き、時にパンクロックのように叫び散らす歌声は、後のヴォーカリスト・ダモ鈴木にも負けず劣らず多彩で個性的。それまでのどんな音楽の型にも収まらない、無機質かつ無国籍なサウンドは、約50年経った今でも未だに最先端と言えるでしょう。
11位:『VARIOUS ARTISTS / TROPICALIA OU PANIS ET CIRCENSIS』(Phillips 1968)
12位:『13TH FLOOR ELEVATORS / PSYCHEDELIC SOUNDS OF』(International Artists 1966)
13位:『KARLHEINZ STOCKHAUSEN / KONTAKTE』(WERGO 1964)
14位:『NICO / MARBLE INDEX』(Elektra 1968)
15位:『LEONARD COHEN / SONGS OF LEONARD COHEN』(Columbia 1967)
16位:『SHAGGS / PHILOSOPHY OF THE WORLD』(Third World 1969)
17位:『MC5 / KICK OUT THE JAMS』(Elektra 1969)
「いつまでもジャムってんじゃねえよ!早いとこ引っ込みな!」そんな意味不明なアルバム・タイトルで華々しいデビューを飾った、MC5の最初の起爆点!68年、デトロイト出身のロックンロール・バンドとしてキャリアをスタートさせた彼等ですが、後世ではその生々しくも激しくのたうつ演奏から、パンク、ガレージ・ロックの元祖とも賞されています。そんな彼らの最大の威力は、やはり生のライヴ。そのハイ・ボルテージな一瞬間を捉えた本作は、後のハードなロックンローラー達に、ジャンルを超えて影響を与えて来ました。音楽が一方で根源的に持っている、破壊衝動、荒々しくも暴力的な衝動がエレクトリック・ギターの轟音に昇華されて行きました。この純粋にハイを目指して突き進む理屈のいらない美しいロックンロールが、音楽的反骨性の精神的支柱としてリスペクトされ続けているのです。
18位:『ZOMBIES / ODESSEY AND ORACLE』(CBS 1968)
美しすぎるメロディ、サイケでリリカルなアンサンブル、スモーキーなヴォーカル、完璧な英サイケ・ポップ68年作!時空を越えて永遠に光り輝くメロディーによる多幸感と英国特有のメランコリックな旋律がない混ぜになり、聴き手の胸を限りなく強く締め付けます!ブリティッシュ・サイケ・ビートの量産工場であったかのアビーロード・スタジオ、BEATLESのエンジニア、JEFF EMERICKが舵をとった、英サイケ・ポップの金字塔!聴いた者すべての心に深く刻まれる普遍的なメロディーをどうぞご堪能下さい!
19位:『ALBERT AYLER TRIO / SPIRITUAL UNITY』(ESP-Disk 1964)
64年にNYのESP-DISKからリリースされた、フリージャズ名盤中の名盤。Albert Ayler(sax)、Gary Peacock(b)、Sunny Murray(ds)のトリオ編成。野獣のように吠え叫ぶアイラーの超絶なブロウを中軸に展開される、スリリングで火花散る圧巻のアンサンブル。こののち、初期ESPがフリージャズに傾倒するきっかけともなった作品です。テリー・ライリーやスティーブ・ライヒといった電子/前衛音楽、あるいはジョン・ゾーンやビル・ラズウェル周辺の米国アヴァン・ロック/即興音楽の源泉にあたる作品として、ぜひロック・リスナーにも聴いてもらいたい一枚です。
20位:『FRANK ZAPPA & THE MOTHERS OF INVENTION / FREAK OUT !』(Verve 1966)
21位:『PINK FLOYD / PIPER AT THE GATES OF DAWN』(Columbia 1967)
サイケデリック・ロック全盛期に登場しデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』をリリースするも、中心メンバーのギタリストSyd Barrettが脱退。以降、ベーシストRoger Waters、ギタリストDave Gilmour、キーボーディストRick Wright、ドラマーNick Masonという布陣でブリティッシュ・ロック史に残る傑作を連発し、1996年には「ロックの殿堂」入りも果たした世界的なグループ。奥深いテーマに基づいたコンセプト・アルバムの数々は、現在に至るまで多くのミュージシャンたちに影響を与えて続けています。1967年に発表されたデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』は、Syd Barrett期のPINK FLOYDサウンドが収められた貴重な作品です。PINK FLOYDと言えば、ベーシストRoger Watersを中心とした体制で大躍進を遂げる70年代の印象がありますが、本作はSyd Barrettを中心とした体制で制作された作品であり、大半の楽曲をSyd Barrett作曲しています。その内容は、強烈な酩酊感と浮遊感を持ったブリティッシュ・サイケデリック・ロックであり、Syd Barrettの個性が発揮されたアルバム。旧邦題が『サイケデリックの新鋭』だったことにも納得のトリップ感覚を持った、60年代らしい作品です。
22位:『VELVET UNDERGROUND / VELVET UNDERGROUND』(MGM 1969)
John Cale脱退後、新メンバーDoug Yuleが加入し制作された69年発表のメロディアスな3rdアルバムがこちら。John Cale脱退に伴い、より一層、Rou Leedの音楽性が開花した一枚。後のオルタナティヴ・ロックやギター・ポップの祖としても位置づけられる本作は、砂糖菓子のような甘いメロディとヨレヨレのファズ・ギター、オルガンのラフな音像がどこまでも耳に心地良い作品。前作「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」の暴力性とPOPなメロディーが絶妙なバランスで両立した好作!
23位:『VAN DYKE PARKS / SONG CYCLE』(Warner Bros. 1968)
24位:『FUGS / FIRST ALBUM』(Folkways 1965)
25位:『SILVER APPLES / SILVER APPLES』(Kapp 1968)
ニューヨーク出身、ドラマーのDan Taylorとシンセ奏者のSimeonによるデュオ。67年の1stで、米エレクトロニック・ポップ/サイケの大傑作。プリミティヴでエネルギッシュなドラム、Simeonが自作したアナログ・シンセが放つ浮遊感たっぷりの電子音を中心に、アシッド臭いっぱいの弛緩したリコーダー、クラシックなどのサウンド・コラージュ、呪術的&メロウなヴォーカルが渦巻くサウンドが持ち味。60年代とは思えない前衛的なサウンドながら、牧歌的ですらあるポップさが同居しているのが凄いところ。メロディの美しさは特筆もので、ソフト・ロックの方向で作品を作ったとしても、歴史的名作として名を刻んでいたことでしょう。恐るべしSILVER APPLES。本当に凄いデュオです。
26位:『LOVE / FOREVER CHANGES』(Elektra 1967)
Jimi Hendrixとも交流があった黒人ロック・ギタリスト、Arthur Lee率いるサイケ・フォーク・ロック・バンドが67年に発表した傑作3rd 。“黒人音楽とTHE BYRDSとの邂逅”とも称された傑作1stの流れを汲んだフォーク・ロック・サウンドに、本作では甘美なストリングスなどのアレンジを導入。サイケ・ポップやネオアコのリスナーまでを魅了する幻想/白昼夢のようなエッセンスを湛えています。Arthur Leeのペンによるカオティックな歌詞も本作の特徴で、甘美で夢見心地なサウンドとの奇妙なコントラストも一興。
27位:『NICK DRAKE / FIVE LEAVES LEFT』(Island 1969)
28位:『JOHN FAHEY / VOL.3: THE DANCE OF DEATH AND OTHER PLANTATION FAVORITES』(Takoma 1964)
29位:『BLUE CHEER / VINCEBUS ERUPTUM』(Philips 1968)
ジェファーソン・エアプレインらが鳴らしたいわゆる「シスコ・サウンド」とは一線を画す、ヘヴィでワイルドなシスコ産サイケ・ロックを提示した超重要トリオの記念すべき68年デビュー作!ガレージ、サイケデリック・ロックの大名盤としても、ハード・ロック、メタル・ロック確立以前のDNAを併せ持った、プレ・ハード・ロックの名盤としても力強いサウンドを聴かせています。ジャンルや理屈を超えて迫ってくる音のカタマリが当時のサイケデリック・シーンの物凄さを伝えているように感じられますね。Eddie Cochran「Summertime Blues」の強烈カヴァーで幕開ける冒頭の段階で完全にノックアウト!圧倒的にヘヴィでエネルギッシュな音像に頭から呑み込まれてください。
30位:『STEVE REICH / EARLY WORKS』(Nonesuch 1987)
31位:『JOHN COLTRANE / ASCENSION』(Impulse! 1966)
32位:『METERS / METERS』(JOSIE 1969)
33位:『WHITE NOISE / AN ELECTRIC STORM』(Island 1969)
英国のミュージシャン、デヴィッド・ボウハウスによるソロ・プロジェクト。69年発表の傑作1st。当時の最先端エレクトロニクスとユニークでアヴァンギャルドなSEを駆使した緻密で偏執的なサイケデリック・コラージュ。コラージュの狭間に見え隠れする、サイケ・ポップ調の美しく儚いメロディ、物憂げなヴォーカル等、なんとも英国的な感性。こんなサウンドが69年に創出されていたのか!?という先進性の意義のみならず、今なおロック・リスナーの耳を刺激し続けているボウハウスの確かな才能が込められた作品です。エクスペリメンタル/電子サイケの系譜としても、同時代にアメリカでリリースされたSILVER APPLESの諸作とともに最重要作。
34位:『SONICS / HERE ARE THE SONICS』(Etiquette 1965)
35位:『FAIRPORT CONVENTION / LIEGE AND LIEF』(Island 1969)
女性ボーカリストSandy DennyとギタリストRichard Thompsonを擁し、トラッド・フォークの最高峰の1つに上げられるイギリスのグループによる69年4th。69年に彼らは3枚ものアルバムをリリースしており、本作は連続リリースの3作目となります。事故によりドラマーのMARTIN LAMBLEが急逝、DAVE MATTACKSを新ドラマーに迎え、フィドル奏者DEVE SWARBRICKも正式に加入。彼ら代表作の1つであるその内容は、前作では1曲のみだったトラッド曲をアルバム8曲中5曲まで増やし、飛躍的な発展を遂げたエレクトリック・トラッド・フォークの路線にさらに磨きをかけた記念碑的名盤となっています。英国叙情が際立ったトラッド・フォークの代表作と言えるでしょう。
36位:『PETER BROTZMANN OCTET / MACHINE GUN』(BRO 1968)
37位:『HOLY MODAL ROUNDERS / HOLY MODAL ROUNDERS』(ELEKTRA 1968)
38位:『DESMOND DEKKER / THIS IS DESMOND DEKKAR』(Trojan 1969)
39位:『SONNY SHARROCK / BLACK WOMAN』(Vortex 1969)
40位:『GODZ / CONTACT HIGH WITH THE GODZ』(ESP-Disk 1966)
ESP発、NYノイズ/アヴァン/サイケ・ストレンジ・フォーク・バンド、形容しがたい(笑)66年最高の傑作!フリー・ジャズ〜アヴァン・フリー・フォークまで一筋縄では行かない強烈な個性&匂いを放つバンドを輩出したESPレーベルの中にあっても、その個性が没するどころか益々高まってしまう、最高に脱力ナチュラル・ハイなフリー・スピリッツ・フォーク・サウンドのフル・コース!なんか良く分からないけど、猫の鳴き声をひたすらニャーゴ!ニャーゴ!とうるさく展開する楽曲等、音楽の常識をくつがえす驚きのサウンドが大展開。英米サイケ・ファンからアシッド・フォーク・ファンまで是非経験して欲しい音像です!インド旅行に出かけたHOLY MODAL ROUNDERS!?と言ったような雰囲気も◎!
41位:『ALEXANDER SPENCE / OAR』(Columbia 1969)
Jefferson Airplaneの中核的存在として、Quicksilver Messenger Serviceの最初期メンバーとして、またMoby Grapeのギタリストとしてもカルト的な人気を誇った、ALEXANDER SPENCEがナッシュビルで完成させた69年発表の唯一のソロ・アルバム。Tom Waits、Robert Plant、Beck、R.E.M等が、こぞってファンを表明するのも納得の穏やかで味のある作風は、米国のSyd Barrettと評されることも。個人的には、そこまでマッドなものではなく、私的な感情を朴訥と呟くかのような落ち着いた作風です。上記バンドのファンの方は、是非一度味わってみてほしい一品です。
42位:『ANTHONY BRAXTON / FOR ALTO』(DELMARK 1969)
43位:『NICO / CHELSEA GIRL』(Verve 1967)
44位:『TOWNES VAN ZANDT / FOR THE SAKE OF THE SONG』(Poppy 1968)
45位:『MONKS / BLACK MONK TIME』(International Polydor Production 1965)
46位:『RAY BARRETTO / ACID』(Fania 1968)
47位:『TERRY RILEY / A RAINBOW IN CURVED AIR』(CBS 1969)
48位:『WATTS PROPHETS / BLACK VOICES: ON THE STREETS IN WATTS』(FFRR 1969)
49位:『ROTARY CONNECTION / ROTARY CONNECTION』(Cadet Concept 1968)
50位:『FRANCOISE HARDY / FRANCOISE HARDY』(Disques Vogue 1962)
51位:『FRANK ZAPPA & THE MOTHERS OF INVENTION / WERE ONLY IN IT FOR THE MONEY』(Verve 1968)
52位:『SCOTT WALKER / SCOTT 2』(Smash 1968)
53位:『INCREDIBLE STRING BAND / HANGMANS BEAUTIFUL DAUGHTER』(Elektra 1968)
54位:『AMM / AMMMUSIC 1966』(Elektra 1966)
55位:『PERREY-KINGSLEY / IN SOUND FROM WAY OUT !』(Vanguard 1966)
56位:『MORTON SUBOTNICK / SILVER APPLES OF THE MOON』(NONESUCH 1967)
57位:『RED CRAYOLA / PARABLE OF ARABLE LAND』(International Artists 1967)
58位:『BBC RADIOPHONIC WORKSHOP / BBC RADIOPHONIC MUSIC』((BBC 1968)
59位:『PIERRE HENRY / MESSE PUR LE TEMPS PRESENT』(PHILIPS 1967)
60位:『PAULINE OLIVEROS / REVERBERATIONS: TAPE & ELECTRONIC MUSIC 1961-1970』(IMPORTANT 2012)
61位:『PHAROAH SANDERS / TAUHID』(Impulse! 1967)
62位:『DICK HYMAN / MOOG: THE ELECTRIC ECLECTICS OF DICK HYMAN』(Command 1969)
63位:『MOONDOG / MOONDOG』(Columbia Masterworks 1969)
64位:『DAVID AXELROD / SONG OF INNOCENCE』(CAPITOL 1968)
65位:『SPONTANEOUS MUSIC ENSEMBLE / KARYOBIN: ARE THE IMAGINARY BIRDS SAID TO LIVE IN PARADISE』(Island 1968)
66位:『VARIOUS ARTISTS / BALINESE GAMELAN: MUSIC FROM THE MORNING OF THE WORLD』(Nonesuch 1967)
67位:『CAETANO VELOSO / CAETANO VELOSO』(Philips 1969)
68位:『KARLHEINZ STOCKHAUSEN / GRUPPEN / CARRE』(DEUTSCHE GRAMMOPHON 1968)
69位:『ROLAND KIRK / RIP RIG AND PANIC and NOW PLEASE DON’T YOU CRY BEAUTIFUL EDITH』(Limelight 1965)
70位:『KAREN DALTON / IT’S SO HARD TO TELL WHO’S GOING TO LOVE YOU THE BEST』(Capitol 1969)
71位:『ERIC DOLPHY / OUT TO LUNCH』(Blue Note 1964)
72位:『SEEDS / SEEDS』(GNP CRESCENDO 1966)
73位:『AMON DUUL II / PHALLUS DEI』(Liberty 1969)
音楽に限らない複合的アーティスト集団だったオリジナルAMON DUULから、より音楽面の追及を目指し分裂したAMON DUUL llとしての69年1st。中近東的なメロディを軸に、サイケデリック・ロックや即興音楽などが複雑に絡み合い融合したサウンドが特徴。パーカッションが刻む民族調のビートの上を、シタールのようにオリエンタルな旋律を紡ぐギター、彼方で鳴るエコーのごとき音響的なオルガン、そして絶妙な脱力感を伴ったドイツ語のヴォーカル&コーラスらが浮遊するスタイルは、初期GONGに通じる魅力があります。混沌とした部分は意外となく、衝動よりも計算されたアレンジ&展開の妙を感じさせるのも印象的。ジャーマン・プログレ黎明期の名作です。
74位:『PENTANGLE / BASKET OF LIGHT』(Transatlantic 1969)
本作は、69年にUKトランスアトランティックからリリースされたペンタングルのサード・アルバムで、メンバーはファーストから不変のジャッキー・マクシー、バート・ヤンシュ、ジョン・レンボーン、ダニー・トンプソン、テリー・コックスの5人編成。プロデュースも前作に引き続きシェル・タルミー。全作品中最もジャズ色が強いアルバムといっていいと思うが、その意味では、例えば次作「クルエル・シスター」のようなしっとり系トラッド・サウンドを好むリスナーには人気のないアルバム。しかし、このバンドをトラッドとブルースとジャズの融合を試みる場として捉えるなら、それが最も成功したアルバムと言えるのではないでしょうか。
75位:『BRIGITTE BARDOT ET SERGE GAINSBOURG / BONNIE AND CLYDE』(Fontana 1968)
76位:『BONZO DOG BAND / GORILLA』(Liberty 1967)
77位:『VARIOUS ARTISTS / BACK FROM THE GRAVE VOLUME ONE』(Crypt 1983)
78位:『NIHILIST SPASM BAND / NO RECORD』(Allied Record Corporation 1968)
カナダはオンタリオで65年に結成されたノイズ/アヴァンギャルド・バンド、68年のデビュー作。自作楽器や自身で改良した楽器を用い、インプロヴィゼーション主体に次々と放たれる無調のフレーズ。それらがノイズの渦を描きながら「構築」を破壊し、聴き手の「理性」をハチャメチャにしていきます。ジャズの素養のあるドラムがボコスカと鳴り響いたり、音は硬質でテンションいっぱいで、クリムゾンの『太陽と戦慄』でのジェイミー・ミューアのセンスやユニヴェル・ゼロが好きなプログレ・ファンにもオススメ。こんな漆黒のアヴァン・ロック・バンドがカナダに居たとは。
79位:『TOD DOCKSTADER / EIGHT ELECTRONIC PIECES』(Folkways 1961)
80位:『CECIL TAYLOR / UNIT STRUCTURES』(Blue Note 1966)
81位:『UNITED STATES OF AMERICA / UNITED STATES OF AMERICA』(Columbia 1968)
82位:『ELECTRIC PRUNES / RELEASE OF AN OATH』(Reprise 1968)
83位:『ROSCOE MITCHELL ART ENSEMBLE / CONGLIPTIOUS』(NESSA 1968)
84位:『KIM FOWLEY / OUTRAGEOUS』(Imperial 1968)
85位:『JOE CUBA SEXTET / WANTED DEAD OR ALIVE』(Bang! Bang! Push Push Push))
86位:『SUN RA / OTHER PLANES OF THERE』(SATURN 1966)
87位:『JOHN LENNON & YOKO ONO / UNFINISHED MUSIC NO.2: LIFE WITH THE LIONS』(Zapple 1969)
88位:『ORNETTE COLEMAN / TOWN HALL 1962』(ESP-DISK 1965)
89位:『BABATUNDE OLATUNJI / DRUMS OF PASSION』(Columbia 1960)
90位:『HARRY PARTCH / THE WORLD OF HARRY PARTCH』(COLUMBIA 1969)
91位:『MUTANTES / MUTANTES』(Polydor 1968)
92位:『MONKEES / HEAD』(Colgems 1968)
93位:『PEARLS BEFORE SWINE / ONE NATION UNDERGROUND』(ESP-Disk 1967)
94位:『PARSON SOUND / PARSON SOUND』(Subliminal Sounds 2001)
95位:『CONLON NANCARROW / STUDIES FOR PLAYER PIANO』(COLUMBIA MASTERWORKS 1969)
96位:『ALAN WATTS / OM』(Warner Bros. 1967)
97位:『BRIGITTE FONTAINE / COMME A LA RADIO』(Saravah 1969)
98位:『MULATU ASTATKE / AFRO-LATIN SOUL VOL.1』(Worthy 1966)
99位:『CROMAGNON / ORGASM (CAVE ROCK)』(ESP-Disk 1969)
数々の問題作を世に送り出してきたNYのESPレーベル。本作は、そんな一筋縄ではいかない作品群のなかでも一際の異彩を放つ、サイケ/アヴァン・ロック・ユニットが69年に録音した傑作。完全にフリークアウトした状態の脳味噌でスタジオに籠り、一心不乱に機材と向き合ったらこんなん出来ました、といった感じのアヴァンで実験的でジャンクで混濁したサイケデリア。ドラミング、叫び、コラージュに至るまでどこか原初的なイメージを喚起させる響きを湛えているせいか、カラフルというよりもトライバルで土臭いサイケ・ミュージックといった風合いです。大地を揺るがすようなディストーション・ドラミングのうえで呪術的なバグパイプがグルグルと渦を巻き上昇していくトライバル・サイケ賛歌M1は、全ロック・ファンにお勧めしたい凄曲!
100位:『MARSHALL MCLUHAN / THE MEDIUM IS THE MASSAGE』(COLUMBIA 1968)
—–
原文はこちら。
http://www.spin.com/articles/best-100-albums-1960s-sixties-alternative-list/
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サイケデリック・ロック全盛期に登場しデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』をリリースするも、中心メンバーのギタリストSyd Barrettが脱退。以降、ベーシストRoger Waters、ギタリストDave Gilmour、キーボーディストRick Wright、ドラマーNick Masonという布陣でブリティッシュ・ロック史に残る傑作を連発し、1996年には「ロックの殿堂」入りも果たした世界的なグループ。奥深いテーマに基づいたコンセプト・アルバムの数々は、現在に至るまで多くのミュージシャンたちに影響を与えて続けています。1967年に発表されたデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』は、Syd Barrett期のPINK FLOYDサウンドが収められた貴重な作品です。PINK FLOYDと言えば、ベーシストRoger Watersを中心とした体制で大躍進を遂げる70年代の印象がありますが、本作はSyd Barrettを中心とした体制で制作された作品であり、大半の楽曲をSyd Barrett作曲しています。その内容は、強烈な酩酊感と浮遊感を持ったブリティッシュ・サイケデリック・ロックであり、Syd Barrettの個性が発揮されたアルバム。旧邦題が『サイケデリックの新鋭』だったことにも納得のトリップ感覚を持った、60年代らしい作品です。
ペーパーケース仕様、デジタル・リマスター、ブックレット・解説・歌詞対訳付き仕様、定価2476+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
本作は、69年にUKトランスアトランティックからリリースされたペンタングルのサード・アルバムで、メンバーはファーストから不変のジャッキー・マクシー、バート・ヤンシュ、ジョン・レンボーン、ダニー・トンプソン、テリー・コックスの5人編成。プロデュースも前作に引き続きシェル・タルミー。全作品中最もジャズ色が強いアルバムといっていいと思うが、その意味では、例えば次作「クルエル・シスター」のようなしっとり系トラッド・サウンドを好むリスナーには人気のないアルバム。しかし、このバンドをトラッドとブルースとジャズの融合を試みる場として捉えるなら、それが最も成功したアルバムと言えるのではないでしょうか。
ジェファーソン・エアプレインらが鳴らしたいわゆる「シスコ・サウンド」とは一線を画す、ヘヴィでワイルドなシスコ産サイケ・ロックを提示した超重要トリオの記念すべき68年デビュー作!ガレージ、サイケデリック・ロックの大名盤としても、ハード・ロック、メタル・ロック確立以前のDNAを併せ持った、プレ・ハード・ロックの名盤としても力強いサウンドを聴かせています。ジャンルや理屈を超えて迫ってくる音のカタマリが当時のサイケデリック・シーンの物凄さを伝えているように感じられますね。Eddie Cochran「Summertime Blues」の強烈カヴァーで幕開ける冒頭の段階で完全にノックアウト!圧倒的にヘヴィでエネルギッシュな音像に頭から呑み込まれてください。
John Cale脱退後、新メンバーDoug Yuleが加入し制作された69年発表のメロディアスな3rdアルバムがこちら。John Cale脱退に伴い、より一層、Rou Leedの音楽性が開花した一枚。後のオルタナティヴ・ロックやギター・ポップの祖としても位置づけられる本作は、砂糖菓子のような甘いメロディとヨレヨレのファズ・ギター、オルガンのラフな音像がどこまでも耳に心地良い作品。前作「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」の暴力性とPOPなメロディーが絶妙なバランスで両立した好作!
英国のミュージシャン、デヴィッド・ボウハウスによるソロ・プロジェクト。69年発表の傑作1st。当時の最先端エレクトロニクスとユニークでアヴァンギャルドなSEを駆使した緻密で偏執的なサイケデリック・コラージュ。コラージュの狭間に見え隠れする、サイケ・ポップ調の美しく儚いメロディ、物憂げなヴォーカル等、なんとも英国的な感性。こんなサウンドが69年に創出されていたのか!?という先進性の意義のみならず、今なおロック・リスナーの耳を刺激し続けているボウハウスの確かな才能が込められた作品です。エクスペリメンタル/電子サイケの系譜としても、同時代にアメリカでリリースされたSILVER APPLESの諸作とともに最重要作。
Jimi Hendrixとも交流があった黒人ロック・ギタリスト、Arthur Lee率いるサイケ・フォーク・ロック・バンドが67年に発表した傑作3rd 。“黒人音楽とTHE BYRDSとの邂逅”とも称された傑作1stの流れを汲んだフォーク・ロック・サウンドに、本作では甘美なストリングスなどのアレンジを導入。サイケ・ポップやネオアコのリスナーまでを魅了する幻想/白昼夢のようなエッセンスを湛えています。Arthur Leeのペンによるカオティックな歌詞も本作の特徴で、甘美で夢見心地なサウンドとの奇妙なコントラストも一興。
デラックス・エディション、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック7曲、スリップケース付き仕様、定価1700+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯に若干ケースツメ跡・軽微な折れあり、スリップケースに若干圧痕あり
盤質:無傷/小傷
状態:良好
小さい角潰れあり
FRANK ZAPPAと並んでインプロヴィゼーションをロックの文脈に捻じ込んだ、偉大なるアヴァンギャルド・ロック・ミュージシャン、Captain Beefheartが69年に発表した、歴史的大傑作。9ヶ月間の缶詰合宿の中で録音されたMagic Bandの狂気的な音像は、当時の音楽界に衝撃を与えたOrnette Coleman等、フリー・ジャズ勢の姿勢にも強く影響を受けていたようです。そしてこの音のカタマリを纏め上げたのがあのZAPPAであったことから、よりカオスティックでアナーキーな雰囲気が充満した内容ですね。この調和よりも破壊と変化を求めたサウンドは、90年代以降のオルタナやロウファイ・インディーにも強い影響を与えています。この捩れるギター、のたうつドライング、定まりのないヴォーカルに、サイケの魂が。
ワーナーのプロデューサーとしてバーバンク・サウンドを担ったり、ビーチ・ボーイズ幻のアルバム『スマイル』の制作に参加するなど、米ロックを語る上ではずせないミュージシャン。彼が68年にリリースしたデビュー作がこちら。古き良きアメリカン・ポピュラー・ミュージックを60年代ポップとして甦らせた作品で、管弦楽器による映像喚起的なアレンジが光る色彩感覚豊かな傑作。
シュトックハウゼンに師事した現代音楽家や、プロのジャズ・ミュージシャンらによって68年に結成されたドイツのグループ、CAN。彫刻家としてドイツにやってきたアメリカの黒人、マルコム・ムーニーをヴォーカリストに迎えたこの1stは、まさに歴史的な衝撃作です。延々と繰り返されるドラムのビート、ノイズまがいのガレージ・サウンドをかき鳴らすギター、飛び跳ねるように蠢くベース……。そんな音楽家たちによる実験的極まりないアンサンブルに、アマチュア同然のムーニーのヴォーカルが見事に調和しているのだから驚き。ムーニーはこの1stの発売後、神経衰弱によって脱退してしまいますが、時にけだるげに囁き、時にパンクロックのように叫び散らす歌声は、後のヴォーカリスト・ダモ鈴木にも負けず劣らず多彩で個性的。それまでのどんな音楽の型にも収まらない、無機質かつ無国籍なサウンドは、約50年経った今でも未だに最先端と言えるでしょう。
「いつまでもジャムってんじゃねえよ!早いとこ引っ込みな!」そんな意味不明なアルバム・タイトルで華々しいデビューを飾った、MC5の最初の起爆点!68年、デトロイト出身のロックンロール・バンドとしてキャリアをスタートさせた彼等ですが、後世ではその生々しくも激しくのたうつ演奏から、パンク、ガレージ・ロックの元祖とも賞されています。そんな彼らの最大の威力は、やはり生のライヴ。そのハイ・ボルテージな一瞬間を捉えた本作は、後のハードなロックンローラー達に、ジャンルを超えて影響を与えて来ました。音楽が一方で根源的に持っている、破壊衝動、荒々しくも暴力的な衝動がエレクトリック・ギターの轟音に昇華されて行きました。この純粋にハイを目指して突き進む理屈のいらない美しいロックンロールが、音楽的反骨性の精神的支柱としてリスペクトされ続けているのです。
US産エクスペリメンタル/電子サイケ屈指の傑作。68年作。「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド meets ブライアン・ウィルソン」と言えるような、実験的かつポップ、狂気かつドリーミーな電子サウンドは唯一無比。68年という時代を考えると、本当に驚異的。これはぶっ飛んでます!文句なしの傑作!
紙ジャケット仕様、SHM-CD、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、内袋・レーベルカード付仕様、定価2667+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
解説に若干黄ばみあり、若干帯中央部分に色褪せあり
廃盤希少、特殊プラケース仕様、SACD/CDハイブリッド、DSDマスタリング
盤質:無傷/小傷
状態:良好
ケースツメ跡あり、ケース側面部に若干割れあり
ワシントンの港町タコマ出身の5人組。ガレージパンクの原型として聴き継がれる65年デビュー作。音の揺らぎや間合いといった要素とは無縁の、サイケ夜明け前の純正ガレージ!直情的なシャウトで吠え倒す、ラウドで原初的なガレージパンククラシックス!
英国が誇るアート集団である彼らの記念すべきデビュー作。ザ・ビートルズの映画「マジカル・ミステリー・ツアー」で披露した「デス・キャブ・フォー・キューティ」をはじめ、さまざまな音楽性をダダイズム的な視点で咀嚼した英国らしさ溢れる作品。12頁の付属ブックレットも再現67年作。
紙ジャケット仕様、12頁の付属ブックレットも再現、ボーナス・トラック7曲、07年デジタル・リマスター、定価2857+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
映画「ヘッド」のサントラ盤として制作された6th。68年発表。キャロル・キング、ジャック・ニッチェ、ニール・ヤング、ライ・クーダーら参加。
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