2025年3月28日 | カテゴリー:Column the Reflection 後藤秀樹,ライターコラム
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第83回 クラシカル・エレガンス そんな時代があった ➀
~ クラシックと、その雰囲気を感じさせる音楽の中で ~
もう3月も終わりに近づいて春らしい暖かさが数日続き雪解けも進んだ・・・と思ったら突然の大雪に見舞われた。毎年のことではあるが、「ああまた春は待ちぼうけか」とため息をついてしまう。
それでも日差しの力は強くなり、どこか前向きな気分にはさせられる。
今年は米大リーグの開幕戦が日本でということで、ここ数日「大谷フィーバー」が続いている。私はTVで見るだけだが、一年前は韓国での開催の場でいろんなことがあったなあ・・もう1年かと年月の流れの速さをこんなことからも実感してしまう。
音楽に関しても、これまで聞いてきたものをあれこれと思い返しているうちに、ここ最近はクラシック・モードに入っている。久々に家の中のCDをあれこれ取り出して眺めながら取り出したのがクラシックで、久々にフォーレ、ラヴェル、ドビュッシー、そしてラフマニノフといった辺りを聞いているうちにまた昔のことをあれこれと思い出してしまった。
そんなわけで、これから数回それらにまつわる思い出話を綴っていきたいと思う。
「えっ、クラシック」などと思わずに、ロックと合わせて聞いてきた体験なので一緒にその面白さを感じていただけたら幸いである。
◎画像1 Le Orme / Collage
まず、最初はレ・オルメの『Collage』から始めよう。
★音源資料A Le Orme / Collage
70年代にイタリアにもEL&Pのようなキーボード・トリオがいるということで注目されたバンドがレ・オルメ。私が最初に聞いたのは73年のイタリア盤『フェローナ&ソロナの伝説(Felona e Solona)』だったが、これは素晴らしく夢中になって聴いた。同じジャケットで英語盤も出されていた。歌詞の英訳がVDGGのピーター・ハミルということでそちらも友人に聞かせてもらったが、歌詞が字余りのようで冗長に聞こえた分ちょっと残念に思えた。その後、77年には日本フォノグラムのRock Company’77/プロフェッショナル・コレクションの1枚として日本盤LPも出されたが、英語盤の上にシングル・ジャケットになってしまっていたものだから当時は買わなかった。
一方、このレ・オルメの方は69年のデビュー作からサイケデリックなポップ・ロックを聴かせていたが、この3作目『Collage』(’71)から長尺曲が増えプログレ的な展開を見せるようになった。特にアルバム冒頭のタイトル曲「Collage」は素晴らしかった。プログレ・バンドの曲はオリジナルなクラシカルな音作りと同時に、クラシックの原曲をアレンジしたものも多く、それが何かを探し出すことも楽しみのひとつだった。因みにこの「Collage」の中間部で聞かれるチェンバロ的な音色の曲はスカルラッティの「ソナタ・ホ長調 K.380」なのだが、それが分かった時は嬉しかった。
クラシカル・ロックという言葉もニュアンスとしては伝わってくるが、クラシカル・フレーズを引用したもの、モチーフとしての音楽性を重要視したもの等いろいろなパターンがあって説明には難しい。
そして、エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)。バンド名にオーケストラが入っているので、如何にもクラシックを想像させる。しかし、今となっては彼らの70年代中期以降のヒット・チャートでの大成功からクラシックを素材にしたポップ・ロックとして認知されている。しかし、71年にデビューした彼らの初期作品には挑戦的な音楽性があって本当に驚かされたものだった。
◎画像2 Electric Light Orchestra / ELO 2
ここで73年の『E.L.O 2』から「From The Sun To The World(Boogie No.1)」を聴いていただこう。
★音源資料B Electric Light Orchestra / From The Sun To The World (Boogie No.1)
ムーヴ(The Move)のロイ・ウッドが、アイドル・レース(Idle Race)にいたジェフ・リンに新たなバンドの音楽性についての協力を求めたことからたどり着いた先がELOだった。スタートは70年にリンがムーヴに加わったこと。そして『Looling On』(’70)と『Message From Country』(’71)を制作する一方で、ELOの最初のアルバムを制作していたというから驚きだ。そのアルバムは意欲的ながら実験的な要素が強かった。
そんな時に届いたのが「ロール・オーバー・ベートーヴェン」だった。これは凄かった。有名曲でチャック・ベリーのオリジナルも聴いていたものの、単にオールディーズのひとつ、ロックン・ロールの古典といった按配だっただけに驚くと同時に「これはいいぞ!」と興奮したことを思い出す。最初はシングル盤を買ったが、間もなくアルバム『ELO2』も買ってしまった。「ロール・オーバー・・・」の方もアルバムではロング・バージョンになっていて、弦楽部分が長いことも魅力。全5曲収録だが、どれも魅力的で完成された「クラシックとロックの融合」と思えた。ロイ・ウッドは脱退していたものの2人のチェロ奏者と1人のヴァイオリン奏者を擁していた。
何度も繰り返し聞いているうちに彼らの本質と思えたのが今回紹介した「フロム・ザ・サン・トゥ・ザ・ワールド」ということになる。副題に「ブギーNo.1」と書かれているのがミソで、間奏の静かな部分直後に「ブギー・サウンド」が全開。これには圧倒された。
以前にも書いたことがあるが、この『ELO2』は私がこれまで聴いてきたアルバムの中でベスト10に入るフェイバリット・アルバムのひとつだ。
続いては同じ曲を2つのバージョンを聴いていただく。まずは、ブライアン・オーガーズ・トリニティの「パヴァーヌ」。
◎画像3 Brian Auger’s Trinity / Befour
★音源資料C Brian Auger’s Trinity / Pavane
「パヴァーヌ」は近代フランスの作曲家ガブリエル・フォーレの作品。ここで聞かれるブライアン・オーガーのバージョン、じつにクールな演奏で原曲よりもずいぶん速いテンポなのだが、メロディの良さは伝わってくるしアレンジの見事さもある。さらに言えばずいぶんとオシャレな雰囲気を感じたものだ。その後のジャズ・ロック、フュージョンに通じるアレンジに仕上げている。
ブライアン・オーガーのトリニティ名義の作品は4枚あり、ジュリー・ドリスコールを迎えた1作目の『Open』(’68)と3作目の『Streetnoise』(’69)が際だって人気の高い盤だ。しかし、彼女が参加していない2作目『Definitely What!』(’68)、そして4作目『Befour』(’70)もスウィンギング・ロンドンの街角の風景を感じることが出来る好盤だ。
各アルバムに当時のヒット曲のカバーが収録されているのだが、70年の『Befour』にはこの「パヴァーヌ」ともう1曲クラシックを取り上げている。そちらは「Adagio Per Archi E Organo」とクレジットされた曲なのだが、「アルビノーニのアダージョ」として知られている曲。このアルバムではジャズのカバーとしてハービー・ハンコックの「処女航海」も取り上げていて、明らかにジャンルを超えたフュージョン的世界を目指したものととらえていいだろう。
このオーガーのバックを支えるトリニティ時代のメンバーとして在籍したドラムスのクライヴ・タッカー(Clive Tucker)、ベースのデヴィッド・アンブロ-ズ(David Ambrose)、そして若き日のゲイリー・ボイル(Gary Boyle)といったバックの布陣のアンサンブルも素晴らしかった。
◎画像4 Thijs Van Leer / Introspection (Holland CBS + US/J Epic)
ひとつのサンプルとしてロック・サイドの「パヴァーヌ」を聴いてみたが、次はタイス・ヴァン・レアーの72年のソロ・アルバム、クラシック・サイドから『パヴァーヌ』を聴いてみたい。
★音源資料D Thijs Van Leer / Pavane(Grand Gala Live – Top Pop)
オランダのフォーカスのタイス・ヴァン・レアーの74年の若く懐かしい姿も見ることが出来る映像なのだが、この曲は彼の72年に出されたソロ・アルバム『Introspection 1』の1曲目に収録されたもの。日本では74年に『ロマンの映像』というタイトルでリリースされていた。
中心となるのはフルート。また弦楽の響きが叙情的で美しく「深い森の中に佇む湖」といった情景が浮かんでくる。私自身、本格的にクラシックにも興味を持つきっかけになった1曲だ。
フォーレという名前はその時初めて知ったのだが、すぐに数年前のTV-CMでBGMとして使用されたことで気になっていた『シシリエンヌ』もフォーレの作品だったということがほぼ同時に分かった。以来、気になるクラシック・コンポーザーの一人になった。
フォーレは昨2024年が『没後100年』となる作曲家。サン・サーンスとは同時期の仕事仲間で、ラヴェルは後輩にあたる。
じつは、ここで演奏されたものは基本となるメロディはそのままだが、全体の構成はフォーレのオリジナルとは異なっていてライト・クラシックのような感じになっている。編曲・指揮はクラシック畑のロジェ・ヴァン・オッテルロー。スキャット・ヴォーカルはレティ・デ・ジョン。『ロマンの映像』で参加しているメンバーと同じで、大きな存在感を示している。
タイスはフォーカスの活動と並行しソロとして一連の『Introspection』シリーズを『4』まで続けるが、それ以外にもジャズ・フュージョン系のアルバム、本格的なクラシカルなアルバムも複数残していてどれも興味深く面白い。
日本でフォーカスは73年にサード『3』→セカンド『Moving Waves』→ファースト『In And Out Of Focus』と逆順番に一気に出された。私は「シルヴィア」と「悪魔の呪文」をFMでオン・エアされたものを録音していたのだが、何と言っても「悪魔の呪文」の圧倒的な凄さ、その迫力に驚いて次の日には『Moving Waves』のLPを買ってきた。そして毎日聞き込むうちに、迫力ある世界観もいいのだが、じつはアルバムの各所に用意されていたクラシカルで静的な部分にも惹かれたものだった。
フォーカスの相棒だったヤン・アッカーマンもかなり本格的なクラシックの素養を持っていて、リュートの見事な演奏も聞かせていた。そうしたタイスとヤンが一緒になってロックに新鮮な風を取り組んだことはとても興味深く見えた。
オランダではエクセプション(Ekseption)がクラシックの名曲をモチーフにポップ・ロックにアレンジして次々と作品を出していた。よく知られたクラシックの名曲が次々とアレンジされて飛び出すことが面白く、国内盤としても70年のファーストからしっかりと発売されていた。
◎画像5 Ekseption 3
それらが一度廃盤になったあと、セカンドの『ジュリア(Beggar Julia’s Time Trip)』(’70)が79年にこちらは日本フィリップスから「ユーロ・ロック・スーパー・コレクション」の1枚として廉価版として登場したことも懐かしい。彼らのアルバムの中で、一番プログレ的なトータル・アルバムになっているのは間違いない。
★音源資料E Ekseption / On Sunday They Kill The World
ここでは、ちょっと地味目の選曲とはなるのだが『Ekseption 3』に収録された「On Sunday They Kill The World」を紹介した。この原曲は「鐘」として知られるラフマニノフの「プレリュード嬰ハ短調 作品3-2」なのだが、静かな中にどこか怒りにも似た強さも感じることが印象的。そして何よりも英国ルネッサンスのアルバム『プロローグ』に収録された「Kiev」の中間部で聞かれることもあり、そのメロディは馴染み深いかもしれない。一般にはフィギュア・スケートの浅田真央が自らの演技で採用した曲ということで広く知られることにもなった。
ラフマニノフの原曲も聴いてみよう。
★音源資料F Rachmaninoff / Prelude in C-Sharp Minor, Op.3,No.2
ラフマノフについては、次回もう少し詳しく書こうと思うのだが、ロシアの音楽についても馴染み深いものが多く魅力的だ。(ウクライナとの衝突は何とかならないものか?) ただこの曲に関しては、じつはラフマニノフが夢の中で自分の葬儀が執り行われていて、そこで流れていた音楽を思い起こして書き留めたのがこの曲だと伝えられている。こんな曲を書かなければ良かったと後に語ったとも言われているが、インパクトの強さもあり彼の小品の中では人気が高い曲でもある。
◎画像6 Trace
一方、エクセプションのリーダーだったリック・ヴァン・ダー・リンデンがトレース(Trace)を率いて、より本格的なプログレ的な音を聞かせてくれたことも印象的だった。トレースも3枚のアルバムを残しているが、74年の最初のアルバムの冒頭『ガリアード(Galliarde)』を聞いてぶっ飛んでしまった。これは、バッハ(J.S.Bach)のイタリアン・コンチェルトの第3楽章を取り上げたと記されているのだが、テンポもかなり速く大胆なアレンジになっている。バックのドラムも凄い。そのピエール・ヴァン・ダー・リンデンはブレインボックス~フォーカスのキャリアで知られているが、彼も何でもこなせる職人だ。ユーロ・ロック・シーンの連中は皆、クラシックの素養を身につけているということを思い知らされた。(それにしてもオランダでは名前にヴァン・ダー・リンデンとつく例が多かったことも改めて思い出した。)
★音源資料G Trace / Galliarde(Part 1)
今回はあと2曲聴いていただこう。
◎画像7 Esperanto / Danse Macabre
英国とベルギーのメンバーを中心とした多国籍バンドとして有名だったエスペラント(Esperanto)の2枚目の『死の舞踏(Danse Macabre)』(’74)のラストに収録されたタイトル曲(原盤は英国A&M)。これは、先ほど触れたフォーレと同じ時代のフランスの作曲家、サン・サーンスの曲。エスペラントの中心はレイモンド・ヴィンセントというヴァイオリニストのバンドで、2人のヴァイオリン、1人のチェリストを含んでいる。サン・サーンスというと『動物の謝肉祭』の「白鳥」のイメージばかりがあるのだが、たくさんの作品を残した偉大な作曲家のひとりだ。この曲は、タイトル通り「真夜中に踊る骸骨」を描写した印象深い曲。原曲の方は3倍ほど長いのだが、ここではその原曲のエッセンスを凝縮した上手い仕上がりになっている。
★音源資料H Esperanto / Danse Macabre
エスペラントは3枚の作品を残していて、10人を超えるメンバーを抱えていた。この2作目はヴォーカルにキース・クリスマス、そしてプロデュースがピート・シンフィールドとなっている。ファーストの『ロック・オーケストラ』(’73)、3作目の『ラスト・タンゴ』(‘75)のアルバムも面白い。
そしてもう一曲。明るい曲調で締めたい。
◎画像8 Mona Lisa / Le Petit Violin de Mr.Gregoire
フランスのモナ・リザの76年のサード・アルバム『グレゴワール氏の小さなヴァイオリン(Le Petit Violin de Mr.Gregoire)』 からインスト曲の「Solaris」。ベーシストのジャン・リュック・マーティン(Jean-Luc Martin)がコンポーザーで、完全にオリジナル。小品ながら立派にクラシカル・ロック・インストゥメンタルに仕上がっている。
★音源資料I Mona Lisa / Solaris
モナ・リザは70年代には74年から79年まで5作品を残している。72年にデビューしたアンジュ(Ange)と同様フランス語の語感が独特で、慣れるまでに少々苦手意識があったことを思い出す。私は大学では第2外国語にフランス語を選択したのだが、フランス語の歌詞の意味を理解できたらという思いもあったことが理由のひとつ。残念ながら単語はともかく文法に苦戦したが、語感には慣れて抵抗感が少しなくなったことが一番の成果かな・・・と思う。彼らのアルバムは国内盤LPとしては70年代に発売されなかったので一般的な認知は低かったと思われるが、2009年に4枚目までが一気に紙ジャケCDとして発売されたことはありがたかった。
今回は、そう言えばクラシカル・ロックとか、シンフォニック・ロックとかクラシック由来のロックに関してこのコラムの中でいくつか触れてきたものの、直接的に扱っては来ていなかったなと気付きました。最近、久しぶりに自分の中でクラシック・モードに入ったことをきっかけに、思いつくままにいくつか並べてみました。おそらくプログレを聞いてきた方ならば、違和感なく読んでもらえるのではないか・・・とは思っています。
次回も、今回のように続けていきます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それでは、また。
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盤質:無傷/小傷
状態:並
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盤質:傷あり
状態:並
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盤質:傷あり
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68年作。ジャジー&ファンキーなブライアン・オーガーのオルガンがとにかく圧巻。疾走感溢れるリズムにあわせてオルガンが暴れまわる「Red Beans And Rice」なんか必殺ですよ。
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69年作。ブライアン・オーガーによるファット&ウォームなハモンド・オルガンを中心としたグルーヴィーな演奏にジュリー・ドリスコールの存在感抜群なソウルフル・ヴォーカルが絡むサウンドは唯一無二。疾走感溢れる必殺チューン「INDIAN ROPE MAN」、格好良すぎです。名作。
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ロック、ブルース、ジャズ、ファンクのクロスオーヴァー・サウンドを志向したTRINITY名義のラスト作。70年リリース。グルーヴィーなオルガンが何と言っても格好良いTRAFFIC「NO TIME TO LIVE」、SLY & THE FAMILY STONE「I WANT TO TAKE YOU HIGHER」など、カヴァー曲のセンスもグッド。
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紙ジャケにスレ多めにあり
オランダのプログレッシヴ・ロックバンドFocusの2作目です。キーボーディスト兼ヴォーカリストのThijs Van LeerとギタリストのJan Akkermanがバンドの顔なわけですが、ヨーデルを取り込んだ一種形容できないLeerのスタイルと、カミソリの様に硬質でありながら最高にキャッチーなAkkermanのギタープレイが絡み合って不思議な高揚感が独自のハード・ジャズ・ロックでありながらそれ一辺倒にはならずに、優雅でメロウな曲も創作でき る何とも稀有な存在!一度嵌ったら、抜け出せない魔的な魅力を放った作品です。1曲目の「Hocus Pocus」は、ハードでキャッチーなギターリフと変てこなヨーデル風スキャットが炸裂しています。2曲目以降は打って変わって叙情的な作品が続きます。ヨーロッパの香り漂う佳品ぞろいです。 そして最後に23分の組曲「Eruption」で締めくくりとなりますが、これはもう鳥肌ものの名曲。まだフュージョンというジャンルが世に出る前からロック、ジャズ、クラシックを融合したクロスオーヴァー・サウンドを作り出していたのは特筆に価します。
オランダのみならずユーロを代表するプログレ・バンド、72年作3rd。変拍子を織り交ぜた切れ味鋭いリズムを土台に、フルートが躍動感いっぱいにエネルギッシュに吹き飛ばし、ハモンド・オルガンとギターが怒涛のソロを繰り広げる奔放なパートの次の瞬間、宮廷音楽のように気品いっぱいでロマンティク溢れるメロディが鳴り響く。彼らを世界的なバンドへと押し上げた「テクニカルさと親しみやすさとの巧みなバランス」が1曲目から光り輝いています。演奏面で特筆なのは、世界的な名手と言えるヤン・アッカーマンのギター。ジャジーな速弾きからコロコロと転がるような親しみやすくメロディアスなフレーズ、静謐でロマンティックなフレーズまで表現力たくみなソロはもちろん、エッジが立ったグルーヴ感いっぱいでいながら歌心にも溢れたリズム・ギターも魅力的です。イエスやジェントル・ジャイアントにも負けないテクニカルさ、キャメルにも匹敵する叙情美、そして、ジャズ、クラシック、ラテン音楽などのエッセンスを巧みに組み合わせるアレンジ・センス。とてつもなく愛らしい名曲「Sylvia」と怒涛の即興ソロで畳み掛ける「Anonymous Two」の両方を奏でられるバンドは、プログレ・シーンにおいても稀有でしょう。オランダが世界に誇る、まさに「プログレッシヴ」な大傑作です。
オランダが生んだ世界的グループ、フォーカスによる74年作4th。アルバムのハイライトは20分に及ぶタイトル曲の「ハンバーガー・コンチェルト」。華やかなブラームスの主題でクラシカルに幕を開けつつ、中間部ではジリジリと温度が上がっていくような重厚なテンポの中、躍動感のあるフルートや、鋭い切れ味と繊細なジャズ・タッチを巧みに使い分けるギターの息を呑むソロ・パートで緊張感を高めます。突如賛美歌のような荘厳なコーラスが現れたかと思えば、彼らの名曲「シルヴィア」を思わせるような輝かしいギターのフレーズによって迎える雄大なフィナーレは、イエスの『危機』にも劣らぬドラマチックさ。アルバムを通して穏やかなミドルテンポの曲調が多く、過去作のような荒々しさは少なくなったものの、教会音楽のようにおごそかな「ストラスブルグの聖堂」に象徴されるクラシカル/バロック調や、流麗なフルートと伸び伸びとしたギターが鮮やかなソロを繰り広げる「バース」など、おおらかさと優雅な気品を併せ持ったアンサンブルに磨きがかかり、よりサウンドのスケール感を増しています。おなじみの奇天烈ヨーデルなどの独特なユーモアも程よいバランスでサウンドに染み込み、非常に円熟した魅力を放つ、彼らの集大成的作品です。
紙ジャケット仕様、20bitデジタルK2、内袋付仕様、定価2400+税
盤質:全面に多数傷
状態:良好
帯有
解説に若干折れ・軽微なスレあり
Jan AkkermanからPhilip Catherineへとギタリストが交代した後の編成による貴重な76年ロンドンでのライヴ。BBC放送用音源で音質はスタジオ盤並にクリア!ジャジーなフィーリングに溢れた流麗でメロディアスなサウンドが実に気持ちの良いライヴ。
元EKSEPTIONのRick Van Der Lindenが新たに結成したキーボード・トリオ。74年作1st。クラシカルかつテクニカルなオルガン、ピアノ、メロトロンをフィーチャーしたドラマティックな一枚。オランダ・プログレを代表する名作。
紙ジャケット仕様、09年デジタル・リマスター、盤は日本国内でデジタルリマスタリングを施した輸入盤を使用、ボーナス・トラック2曲、ブックレット付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
元EKSEPTIONのRick Van Der Linden率いるオランダのキーボード・トリオ。75年作2nd。クラシカルな美しさはそのままに、ロック的なダイナミズムを増した重厚なアンサンブルは驚異的な完成度。全プログレ・ファン必聴の傑作。Darryl Wayがゲスト参加。
紙ジャケット仕様、09年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、ミニシール付き仕様、定価2940
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
紙ジャケに側面部に色褪せあり
Rick Van Der Linden率いるオランダのキーボードロックバンド、TRACEの作品。本作はユーロキーボードプログレ頂点の1枚となった「鳥人王国」から2年を経て77年に発表されたTRACEの最終作3rdです。「鳥人王国」でタッグを組んだドラムのIan MosleyとベースのJaap Van Eikはすでに脱退、クレジット上は「Rick Van Der Linden & TRACE」と表記されており、最終的にRick Van Der Lindenのソロプロジェクトのような形を取るに至りました。サポートは彼がTRACE以前に在籍したEKSEPTIONのメンバーを中心に構成され、前作までのような超破壊的なキーボードロックから作風が変化、コンセプト性の高い「楽曲重視」のシンフォニックロックを展開しています。またストリングス隊やサックス、フルート奏者が参加している点も楽曲に与える影響は非常に大きく、Rick Van Der Lindenのキーボードを中心に勢い重視であった前作までとは打って変わって、構築的なシンフォニックロックという印象。短い曲が切れ目無く続きながらストーリーを築いていく、TRACEの作品中、最も洗練された1枚。
紙ジャケット仕様、09年デジタル・リマスター、英文ブックレット・インサート付き仕様、定価2940
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
インサートに軽微な折れあり
盤質:無傷/小傷
状態:良好
若干角潰れあり
盤質:傷あり
状態:良好
元WALLECE COLLECTIONの人ヴァイオリニストRaymond Vincentを中心に結成されたイギリスのプログレッシブ・ロックグループによる75年3rd。THE BEATLESの楽曲「Eleanor Rigby」の凄まじいカバーから幕を開ける本作は、2ndと並び彼らの代表作と言われる1枚。その内容は、デビュー作である「Rock Orchestra」の作風への回帰が伺えるサウンドであり、ボーカルに比重を置いたデビュー作のポップ感と聴きやすさに、前作のプログレッシブ・ロック的な緊張感を加えたような、集大成と言えるサウンドを提示しています。
紙ジャケット仕様、03年24bitリマスター、定価2039+税
盤質:全面に多数傷
状態:良好
帯有
特典帯付(紙ジャケに巻いてあります)、解説に若干折れ・若干スレあり
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