2025年3月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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こんにちは!カケハシレコードです。
今もっと精力的にアルゼンチン・ロックを再発しているレーベル『FONOCAL』レーベルが最も力を入れているアーティストPASTORALをご存じでしょうか?
デビュー時のフォーク路線からシンフォ~プログレ期など幅広い層に支持されるアルゼンチンを代表するデュオで、同レーベルが24年に1stをリイシューしたことにより全アルバムがCDリイシューされたとのこと。
ということで、今回はアルゼンチンのフォーク・シーンを代表するPASTORALを特集していきたいと思います!
Pastoralは、Alejandro De Michele(ギター/ボーカル)とMiguel Ángel Erausquin(ギター/ボーカル)によって1971年に結成されたアルゼンチンのフォーク・ロック/プログレッシブ・ロック・デュオ。高校時代に出会った二人は、1973年にデビュー作『Pastoral』をリリース。ダークでシュールな詩的世界観と繊細なアコースティック・サウンドが特徴的で、アルゼンチン・フォーク・ロックシーンに新風を吹き込みました。1975年の2ndアルバム『En el hospicio』はLitto Nebbiaのプロデュースによって制作され、名曲「En el hospicio」は2007年にアルゼンチン・ロックの名曲ランキングで41位にランクイン。シンプルながらも深いハーモニーと歌詞の世界観が高く評価されました。
1976年に発表された3rdアルバム『Humanos』は、オーケストラを取り入れた壮大なサウンドと、Charly GarcíaやOscar Moroといった豪華ゲストを迎えたコンセプチュアルな作品。特に「Me desprendo de tu vientre」はクラシカルなアレンジと繊細なボーカルが印象的な大作です。1977年にはブラジルでレコーディングされた『Atrapados en el cielo』をリリース。シンセサイザーや管楽器、バグパイプまで取り入れた多彩なサウンドで、彼らの音楽性の広がりを示しています。
1978年に一度解散したものの、1982年に再結成し『Generación』を発表。フォークランド紛争とアルゼンチンの社会的混乱を背景に、メロディアスなハードポップ的な要素を取り入れた新しいサウンドに挑戦。批判的で辛辣な歌詞も話題となり、アルゼンチン国内で大きな成功を収めました。そして1983年にはEstadio Obrasでの歴史的なライブを実施。電気を消した会場で鉱山労働者の姿を模したステージ演出は伝説となっています。
しかしその矢先、1983年5月20日にDe Micheleが交通事故で急逝。ErausquinはPastoral名義での活動継続を断念し、バンドは終焉を迎えます。それでもPastoralの音楽は今なおアルゼンチン・ロック史に輝き続け、彼らの独創的なサウンドと詩的な歌詞は後世のアーティストにも多大な影響を与えています。
アルゼンチンを代表するフォーク/ロック・デュオ、Pastoralが1973年にリリースした記念すべきデビュー作。録音時間はわずか30時間強という低予算の中で制作された作品ながら、暗くシュールな詩的世界と、牧歌的でありつつもどこか叙情的なフォーク・ロック・サウンドが光る一枚。デュオならではの繊細なハーモニーが、シンプルながらも奥深いメロディに美しく寄り添います。
特筆すべきは、次作で再録される初期の代表曲「En el hospicio」。浮遊感漂うアコースティック・ギターと、柔らかなボーカルが交差しながら、まるで木漏れ日の中を漂うような心地よさを感じさせる名曲! Sui GenerisやPescado Rabiosoといった同時代のアルゼンチン・ロック・ファンや、Nick DrakeやFairport Conventionなど英国トラッド好きにもおススメの一枚です!
デビュー作に続き、甘く美しいコーラス・ワークと繊細なアコースティック・ギターが南米らしいフォークロア色を醸し出す75年作。次作『HUMANOS』で展開されるシンフォ色はまだ控えめながら、Simon & Garfunkelを想起させる美麗なコーラスワークはより進化!思わずウットリしてしまう美メロな「Desde Que」や、後シンフォっぽさを感じさせる「Instrumental a Secas」など名曲多数。シンプルでありながらも詩的な歌詞と心に残るメロディーが魅力の一枚です!
アルゼンチンのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドが76年に発表した3rdアルバム。冒頭を飾る「Humanos」は、その豊かなメロディと詩的な歌詞が胸に響く名曲。アコースティック・ギターの柔らかな響きと、包み込むようなヴォーカルが絶妙に調和し、リスナーを瞬時に引き込んでいきます。シンプルながらも深い感情を湛えたサウンドは、このアルバムで完成を見たと言ってよいでしょう!
アルゼンチンのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドが77年に発表した4thアルバム。3rdと同じく流れるようなメロディーと弦楽器による幻想的なアレンジが素晴らしい名盤!
アルゼンチンのフォーク・ロック・デュオ、79年作5th。陰影を帯びたアコースティックギターの爪弾き、淡いトーンで叙情美を描くギター、たおやかで気品あるピアノらが紡ぐ、これぞアルゼンチンと言うべき詩情に満ちたアンサンブル。そして陽だまりのように温かみ溢れるメロディを、切々とセンチメンタルに歌うヴォーカル。ここぞというパートで加わるハーモニーも胸に迫ります。アルゼンチン・ロックの多くはイタリアン・ロックとの共通点を持っているとされますが、このグループも曲によってLa Bottega Dell’arteなどのイタリアン・ラブ・ロックを思い出させる繊細さが印象的です。叙情派揃いの南米フォークものの中でも右に出るものはないほどにセンチメンタルな情感でいっぱいの名作。
アルゼンチンのプログレッシヴ・ロック・デュオ、Pastoralが1982年にリリースした6作目にして最後のスタジオ・アルバム。3年間の活動休止を経て再結成し、フォークランド紛争とアルゼンチン軍事政権下の社会的混乱を背景に制作された一枚です。皮肉と憂いに満ちた歌詞に、初期から中期にかけてのフォークやシンフォニックなサウンドをベースにしつつ、シンセサイザーを主体としたハードポップや産業ロック的なダイナミズムを融合させたサウンドが光ります。TotoやJourneyといった産業ロック勢にも通じる力強さを持ちつつ、フォーク由来の温かみやアルゼンチンならではの哀愁も感じさせ、フォーク・ロックやシンフォニック・ロックのファンはもちろん、80年代のハードポップや産業ロックの愛好者にも強く訴えかける、アルゼンチン・ロック史に残る名作ですよ!
アルゼンチンを代表するフォークロックデュオによる、1983年4月30日に行われた最後のライブを収録したアルバム。ライブの会場はほぼ暗闇の中、鉱山労働者の格好をし、懐中電灯の付いたヘルメットをかぶった姿でライブしていた模様。初期のフォーク~中期のシンフォ、後期のメロディアス・ハード・サウンドまでバンドの歴史を総括した選曲が◎
アルゼンチンを代表するギタリストであるCarlos García LópezやGustavo Donésの名演もあり、ライブならではのアグレッシブさも感じられるファン必携の名盤ですよ!
アルゼンチンを代表するフォークロックデュオによる、1983年4月30日に行われた最後のライブを収録したアルバム。ライブの会場はほぼ暗闇の中、鉱山労働者の格好をし、懐中電灯の付いたヘルメットをかぶった姿でライブしていた模様。初期のフォーク〜中期のシンフォ、後期のメロディアス・ハード・サウンドまでバンドの歴史を総括した選曲が◎
アルゼンチンを代表するギタリストであるCarlos García LópezやGustavo Donésの名演もあり、ライブならではのアグレッシブさも感じられるファン必携の名盤ですよ!
アルゼンチンのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドが77年に発表した4thアルバム。3rdと同じく流れるようなメロディーと弦楽器による幻想的なアレンジが素晴らしい。名盤。
アルゼンチンのプログレッシヴ・ロック・デュオ、Pastoralが1982年にリリースした6作目にして最後のスタジオ・アルバム。3年間の活動休止を経て再結成し、フォークランド紛争とアルゼンチン軍事政権下の社会的混乱を背景に制作された一枚です。皮肉と憂いに満ちた歌詞に、初期から中期にかけてのフォークやシンフォニックなサウンドをベースにしつつ、シンセサイザーを主体としたハードポップや産業ロック的なダイナミズムを融合させたサウンドが光ります。TotoやJourneyといった産業ロック勢にも通じる力強さを持ちつつ、フォーク由来の温かみやアルゼンチンならではの哀愁も感じさせ、フォーク・ロックやシンフォニック・ロックのファンはもちろん、80年代のハードポップや産業ロックの愛好者にも強く訴えかける、アルゼンチン・ロック史に残る名作ですよ!
レーベル管理上、状態の悪い商品です。盤に複数のキズやジャケ・背ジャケに折れなどがございます。あらかじめご了承ください。
アルゼンチンのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドが76年に発表した3rdアルバム。冒頭を飾る「Humanos」は、その豊かなメロディと詩的な歌詞が胸に響く名曲。アコースティック・ギターの柔らかな響きと、包み込むようなヴォーカルが絶妙に調和し、リスナーを瞬時に引き込んでいきます。シンプルながらも深い感情を湛えたサウンドは、このアルバムで完成を見たと言ってよいでしょう!
アルゼンチンを代表するフォーク/ロック・デュオ、Pastoralが1973年にリリースした記念すべきデビュー作。録音時間はわずか30時間強という低予算の中で制作された作品ながら、暗くシュールな詩的世界と、牧歌的でありつつもどこか叙情的なフォーク・ロック・サウンドが光る一枚。デュオならではの繊細なハーモニーが、シンプルながらも奥深いメロディに美しく寄り添います。
特筆すべきは、次作で再録される初期の代表曲「En el hospicio」。浮遊感漂うアコースティック・ギターと、柔らかなボーカルが交差しながら、まるで木漏れ日の中を漂うような心地よさを感じさせる名曲! Sui GenerisやPescado Rabiosoといった同時代のアルゼンチン・ロック・ファンや、Nick DrakeやFairport Conventionなど英国トラッド好きにもおススメの一枚です!
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