2025年2月27日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: ジャズ・ロック
こんにちは!カケハシレコードです。
先日入荷した沢井忠夫の名作『JAZZ ROCK 琴』を聴きながら、これもジャズ・ロックなの!?と驚きつつ、音楽の奥深さに改めて感動していました!
カンタベリー系やエレクトリック・マイルスの流れにとどまらず、世界各国にはまだまだ個性的なジャズ・ロック作品が存在します。そんな魅力的なアルバムを、これからご紹介していきたいと思います!
それでは、どうぞお楽しみください!
純邦楽界隈だけでなくジャズ・シーンとの繋がりで洋邦の垣根を越えた箏奏者、73年作。71年リリースの村岡実との共演作『 尺八&琴 男の世界 <ボサ・ノヴァ編> 』や74年にオランダの鬼才フルート奏者クリス・ヒンゼ、人間国宝でもある尺八奏者山本邦山との共演した『怪顚』など純邦楽界に留まらない活動で知られる沢井忠夫が本作で挑戦したの…なんと!ジャズ・ロック!?伝統的な民謡をベースに幽玄で夢幻的な雰囲気を持つ尺八と箏のユニゾンに猪俣猛、前田憲男によるジャズやロックのエッセンスが溶け込んだ唯一無二の傑作!ぶっといベースラインからメロウなエレピの調べ、幽玄な尺八がリードを取る民謡ジャズ・ロックな「ソーラン節」が一押し!
一曲目のドラムブレイクと原信夫とシャープス&フラッツによる重厚なビッグバンド・サウンドが鳴り響くイントロに、山本邦山の幽玄な尺八が旋律を奏でる「こきりこ節」は、ジャズと民謡の見事な融合を体現した名曲から、メロウなアレンジの中に悲しみを帯びた尺八の音色が響き、心を揺さぶるような情感に満ちた演奏が展開された「黒田節」など、尺八の哀愁とビッグバンドのダイナミックなアンサンブルが生むコントラストは一聴の価値あり!尺八とビッグバンドという異色の組み合わせを違和感なくまとめ上げ、ジャズmeets民謡としか言いようのない、他では決して聴くことのできないサウンドを作り上げた名盤です!
山本邦山と並び、世界にその名を轟かせる日本を代表する尺八奏者、1970年の名作。68年発表の『ハーレム・ノクターン』や『これぞモダン尺八/第2集』、さらには70年リリースの『尺八ロック』シリーズなど、多くの革新的作品で知られる彼ですが、本作はその中でも最高傑作と言えるアルバム!海外では「オリエンタル・ジャズファンク」として評価が高く、DJやプロデューサーたちから熱烈な支持を得ている一枚。一番人気である名曲「陰と陽(The Positive and the Negative)」は、力強い和太鼓のビートと尺八の妖艶な旋律が織りなすトラックで、エキゾチックな魅力を存分に味わえる一曲。伝統的な楽曲のカバーも見事で、「最上川舟唄」では日本的情緒を保ちながら、ジャズの自由なアレンジを取り入れています。和楽器の可能性を広げ、東洋と西洋の音楽の架け橋となる作品として、音楽史に残る傑作として、幅広い音楽好きに聴いていただきたい一枚です!
トロンボーン奏者、バンドリーダー、アレンジャー、そしてプロデューサーとして知られているキューバ音楽の巨匠の名盤。
スペインとアフリカ起源でキューバ東部の高地で生まれた音楽、ソン・クバーノとファンクやジャズ、ロックの要素が融合した77年作。疾走感あふれるリズムセクションに鮮烈なトロンボーンとホーンアレンジが絡み合い、サイケデリックな音の広がりを感じさせる「Y que bien」はエッジの効いたギターのリフとスリリングなリズムチェンジは聴きものです!
奥深いキューバ音楽の伝統性とロックやジャズが融合した、独自のラテン・ジャズ、ロックサウンドはジャンルの垣根を越えた音楽好きにとっても見逃せない一枚!圧倒的なエネルギーと緻密なアンサンブルが生み出すサウンドを是非体験してみてください!
トルクメニスタン出身の超絶ドラマー/パーカッショニストRichad Shafiが率いたテクニカル・ジャズ・ロック・バンドによる84年作。小気味よいパーカッションも絡めつつドシドシと怒涛の手数で攻め立てるドラムを軸に、ブラスやヴァイオリンも交えたジャズ・ファンク風の快速アンサンブルと、NWっぽいシンセワークを融合させたようなスタイルは実に濃厚にして個性的。一方で、ドラムが落ち着くと、今度はスペイシーにシンセサイザーが広がり幻想的なムードに。時おり耳を撫でる民族楽器の妖しい囁き、そして母国語で歌われる民謡風のエキゾチックなヴォーカルが、中央アジアの地に聴き手をいざないます。途方もなくテクニカルかつ緩急激しいサウンドで、聴き手を最後まで翻弄する凄い一枚!
トルクメニスタン出身のジャズ・ロック・グループによる79年唯一作。ヴァイオリンやサックス/フルートを含む7人組で、両者がユニゾンで紡ぐ中央アジアらしいエキゾチックで哀愁ほとばしるフレーズが堪らなすぎる、驚異のテクニカル・ジャズ・ロックが終始炸裂しています。
サンタナに影響を受けたオーストラリアのジャズ/フュージョン・ロック・グループ。75年唯一作。元ヘロンのG.T.ムーアによるレゲエ・バンドのような木漏れ日感あるゆる~いグルーヴのヴォーカルがはじまり、フュージョンタッチの流麗なエレピが入り、ベースが疾走しだすと、バンドがスピーディーに走り出します。高速で乱れ打たれるパーカッション、軽快なカッティング・ギターもクール!パブ・ロック感のある親しみやすいヴォーカルも良いし、ハードかつ滑らかなトーンで早弾きを繰り出すギターもカッコよし。オシビサなどアフロ・ロックとともに、英ココモのようなご機嫌なフレイヴァーもあって、カンタベリーに通じるようなジャズ・ロッキンなキメも挿入するし、さらに素っ頓狂なジャケの通りにザッパに通じるようなセンスもあって、これは良いバンド!
76年作にZelesteよりリリースされた2nd。デビュー作は、英ブランドXにも負けないテクニカルかつ流麗なジャズ・ロック傑作でしたが、オリジナリティに欠ける、として本人達は納得できていなかったようです。そこで、カタルーニャ地方の民族音楽や地中海音楽のエッセンスとジャズ&ロックを結びついたサウンドを改めて指向し、出来上がったのが本作。ハーモニカやウッドベースやテノーラというスペインの民族木管楽器(チャルメラ風!)やアコーディオンやスパニッシュ・ギターが彩るたおやかな地中海ロックが印象的。ここぞではキレのあるジャズ・ロック・アンサンブルも飛び出し、まるで「マイルス・バンドがチンドン屋をやったら?」といった感じの痛快かつ流麗なサウンドを聴かせます。サムラ的舞踏音楽フレイヴァー、アレアに通じる硬質なウネリ、イスラエルのシェシェットを彷彿させる地中海のたおやかさとがブレンドしたようなサウンドは個性抜群。
スペイン・フラメンコの伝説的カンタオール、カマロン・デ・ラ・イスラが1979年に発表した歴史的名盤。英国のCarmenやスペインのTrianaとはまた異なり、伝統的なフラメンコの側からロックへとアプローチした革新的な一枚!特にタイトルトラック「La Leyenda del Tiempo」に象徴されるように、フュージョン/クロスオーバータッチのキーボードとロック的なパッション、そしてフラメンコの激情的なフィーリングが見事に融合したサウンドは圧巻。
「新世代のタンゴ・ミュージック」を標榜し、ピアニストClaudio Mendezを中心に結成されたアルゼンチンのバンドによる83年のデビュー作。一曲目の巨匠ピアソラをカバーした「500 MOTIVACIONES」から必殺!ロック的ダイナミズムを持つキレのあるリズム・セクションを土台に、サックスとヴァイオリンがあまりにスリリングなユニゾンを聴かせ、その間を縫うように美麗かつミステリアスなタッチのピアノが舞う。息をのむように美しく情熱的な演奏はタンゴ・エッセンス濃厚なテクニカル・ジャズ・ロックという趣で、タンゴ・ファンというよりはむしろプログレ・ファンに直撃するサウンドと言えます。リリシズム溢れるフルートの調べも大変に美しいです。それにしても、サックスとヴァイオリンが織りなす南米らしい官能的な叙情パートと、アコースティックギターとピアノが目眩がするような緻密さのテクニカル・パートを自在に行き来する、演奏の振れ幅と表現力の豊かさには驚かされます。これはジャズ・ロック・ファンには是非お聴きいただきたい逸品!
インドネシアの重鎮SSW、76年当時カセットのみでリリースされたガムラン・プログレ作! 西洋のロックやジャズロックの要素と、インドネシアの伝統音楽が複雑に絡み合い、唯一無二のサウンド!めくるめくガムランと変拍子のプログレッシブ・ロックが融合したオープニングトラック「Sekar Jepun」は必聴です!
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今や知る人ぞ知るニッチ盤ですが、当時は国内盤LPも出ていたという逸品。シカゴやBS&Tからブラスを取って、トラフィックやニュークリアスやピンク・フロイドに通じるメロウネスを加えた感じ?
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尺八とビッグバンドという異色の組み合わせを違和感なくまとめ上げ、ジャズmeets民謡としか言いようのない、他では決して聴くことのできないサウンドを作り上げた名盤です!
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日本の古典と当時の先端を行くクロスオーバー・フュージョンサウンドをが見事にマッチしており、ロックファンが聴いても、グッと来ること間違いナシ!な名盤です。
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サンタナに影響を受けたオーストラリアのジャズ/フュージョン・ロック・グループ。75年唯一作。元ヘロンのG.T.ムーアによるレゲエ・バンドのような木漏れ日感あるゆる〜いグルーヴのヴォーカルがはじまり、フュージョンタッチの流麗なエレピが入り、ベースが疾走しだすと、バンドがスピーディーに走り出します。高速で乱れ打たれるパーカッション、軽快なカッティング・ギターもクール!パブ・ロック感のある親しみやすいヴォーカルも良いし、ハードかつ滑らかなトーンで早弾きを繰り出すギターもカッコよし。オシビサなどアフロ・ロックとともに、英ココモのようなご機嫌なフレイヴァーもあって、カンタベリーに通じるようなジャズ・ロッキンなキメも挿入するし、さらに素っ頓狂なジャケの通りにザッパに通じるようなセンスもあって、これは良いバンド!
一曲目のドラムブレイクと原信夫とシャープス&フラッツによる重厚なビッグバンド・サウンドが鳴り響くイントロに、山本邦山の幽玄な尺八が旋律を奏でる「こきりこ節」は、ジャズと民謡の見事な融合を体現した名曲から、
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尺八とビッグバンドという異色の組み合わせを違和感なくまとめ上げ、ジャズmeets民謡としか言いようのない、他では決して聴くことのできないサウンドを作り上げた名盤です!
山本邦山と並び、世界にその名を轟かせる日本を代表する尺八奏者、1970年の名作。68年発表の『ハーレム・ノクターン』や『これぞモダン尺八/第2集』、さらには70年リリースの『尺八ロック』シリーズなど、多くの革新的作品で知られる彼ですが、本作はその中でも最高傑作と言えるアルバム!海外では「オリエンタル・ジャズファンク」として評価が高く、DJやプロデューサーたちから熱烈な支持を得ている一枚です。
一番人気である名曲「陰と陽(The Positive and the Negative)」は、力強い和太鼓のビートと尺八の妖艶な旋律が織りなすトラックで、エキゾチックな魅力を存分に味わえる一曲。伝統的な楽曲のカバーも見事で、「最上川舟唄」では日本的情緒を保ちながら、ジャズの自由なアレンジを取り入れています。
和楽器の可能性を広げ、東洋と西洋の音楽の架け橋となる作品として、音楽史に残る傑作として、幅広い音楽好きに聴いていただきたい一枚です!
純邦楽界隈だけでなくジャズ・シーンとの繋がりで洋邦の垣根を越えた箏奏者、73年作。
71年リリースの村岡実との共演作『 尺八&琴 男の世界 <ボサ・ノヴァ編> 』や74年にオランダの鬼才フルート奏者クリス・ヒンゼ、人間国宝でもある尺八奏者山本邦山との共演した『怪顚』など純邦楽界に留まらない活動で知られる沢井忠夫が本作で挑戦したの…なんと!ジャズ・ロック!?
伝統的な民謡をベースに幽玄で夢幻的な雰囲気を持つ尺八と箏のユニゾンに猪俣猛、前田憲男によるジャズやロックのエッセンスが溶け込んだ唯一無二の傑作!
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