2025年1月31日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
25年度に入り本格的に取り扱いを開始したアルゼンチンの老舗リイシュー・レーベル「FONOCAL」。
これまでに中古などで、ちらほらと入荷しており、ご存じのかたも多いはず!
レーベルのリリースタイトルを眺めているだけで、長くそして奥深いアルゼンチンのロック・シーンの一端を垣間見られてワクワクしてきますね!
それでは、現在取り扱い中のタイトルをご紹介してまいりたいと思います。
アルゼンチンのシンフォニック・ロック・グループ、74年作の1st。
ダークでテクニカルなキーボード、スティーヴ・ハウからの影響を感じさせるテンション溢れるギターをフィーチャー。変拍子を多用してアグレッシヴに畳みかける、スリリングかつ荘厳なシンフォ・プログレを聴かせています。ヴォーカル・メロディーは、いかにも南米らしい叙情性が魅力的。南米シンフォの名作。
ESPIRITUと並ぶイエス・スタイルのアルゼンチン・プログレ・バンド。
74年のデビュー作に続く77年作2nd。
15分と20分を超える大曲2曲を収録していて、前作よりスケール大きく、洗練されたシンフォニック・ロックを聴かせます。『おせっかい』あたりのピンク・フロイドを彷彿させるメランコリックで浮遊感あるパートからはじまり、ハイ・トーンのヴォーカルがリリカルなメロディを歌い上げると、ゴリゴリ・トーンのベースが疾走しだし、ギターもスティーヴ・ハウばりのスリリングなリード・ギターを聞かせ、一気にイエスばりのプログレ・ハードへと突入。
バタバタと手数の多いドラムは、イタリアン・ロックを彷彿させる熱気を放っていて思わず拳を握りしめてしまいます。イエスのドライヴ感とキャッチーさ、そこにジャケの色合い通りにヴェールをかけるピンク・フロイドばりの叙情美。フランスのカルプ・ディアンがクリムゾンではなくイエスを指向したら、こんなサウンドを奏でるかもしれません。これは名作!
InvisibleやLa Maquina de Hacer Pajarosと並ぶアルゼンチン・シンフォ・グループ
アルゼンチンのハード・ロック・バンド、82年作。
ディープ・パープルやユーライア・ヒープに影響を受けたスピーディー&ドラマティックなサウンドで75年にデビューしたアルゼンチンのバンド。
よりシンフォニック色を強めた76年の2ndから7年ぶりにリリースされたのが本作3rdアルバム。
イタリアのヘヴィ・シンフォを彷彿させる劇的でエモーショナルなヴォーカル、持ち前の様式美的センスにジャズ/フュージョンのエッセンスを加えたスリリングかつ流麗なフレーズで魅力のツイン・リード・ギター、そして、清涼感あるトーンでしとやかに広がるエレピやムーグ・シンセ。
旧ユーゴあたりのシンフォニック&ジャジーなプログレにも通じる味わい。フュージョン・タッチでいて熱気もあるギターが特筆で、IL VOLOでのアルベルト・ラディウスも彷彿させます。これは辺境プログレのファンにはたまらない魅力がつまった名品です。
70年代に2枚のアルバムを残すアルゼンチンのヘヴィ・シンフォ・グループ、94年作、再結成第一弾!
1977年に残されたアルゼンチン・プログレッシヴの至宝の唯一作。
アルゼンチンのプログレッシブ・ロック・バンド、Horizonteが1978年にリリースしたデビュー作。ロック・フォークやフュージョンに、アルゼンチンやアンデスのフォルクローレを融合させた独自のサウンドが光る作品です。特にケーナが奏でる郷愁誘うメロディが印象的な「Sueño de Luz」は、アルバムのハイライトのひとつ。Los Jaivasの影響を色濃く受けながらも、より繊細で抒情的なアプローチが際立っています。アンデス音楽の持つ神秘性とロックのダイナミズムが見事に調和した傑作。フォルクローレ系プログレのファンは必聴!
アルゼンチンのプログレッシヴ・ロック・バンド、ホリゾンテが1979年にリリースした2ndアルバム。デビュー作で確立したロックとフォルクローレの融合に、新たに迎えたキーボーディスト、セルヒオ・バイニコフのプレイが加わることで、シンフォニックな要素が色濃く反映された作品となっています。
シンセサイザーを駆使したスペーシーな響きと、アンデス音楽を基調としたフォルクローレの旋律が違和感なく絡み合い、唯一無二のサウンドスケープを構築。楽曲によってはジャズ・フュージョン的な展開もあり、リズム・アレンジの巧みさが際立ちます。特に「Solo Espero que las Voces Canten」では、アコースティック・ギターと民族楽器が織りなす哀愁のあるイントロから、プログレッシヴなアンサンブルへと展開する構成がお見事!
シンフォニック・ロックの優雅さと南米フォルクローレの郷愁が見事に融合した本作は、サンタナなどのラテン・ロック好きはもちろん、リターン・トゥ・フォーエヴァーなどのジャズ・ロック/フュージョン好きにもおススメの一枚です!
アルゼンチンHMシーンを語るうえで、Rata Blancaと並ぶ存在として知られるバンド、88年作。
Enrique Gomez Yafalのスペイン語によるハイトーン・ボーカルと、LOUDNESSの高崎晃を彷彿とさせるようなテクニカルかつメロディアスなプレイが印象的なMiguel Angel Oropezaのギターの絡み合いがたまらない一枚!
全編にわたり80年代特有のヘヴィメタルらしい、エッジの効いたギター・リフと分厚いコーラス、そしてタイトなリズムセクションが一体となったダイナミックなサウンドが響き、特にギターとベースのユニゾンが生む一体感、そしてドラマチックなアレンジの妙は、この時代のメタルファンにとって堪らないポイントです!
王道のヘヴィーメタル好きはもちろん、辺境のHMシーンを探求する入口としてはもってこいな名盤です。
67年より数々のバンドを率いて活動を行ったアルゼンチンのギタリスト/シンガー、73年作。
1曲目はアクの強いスペイン語ヴォーカルが痛快なブルージーなロックン・ロール・ナンバーが炸裂。ブルース・ロック路線の作品かと思いきや、2曲目は一転南米らしいリリシズムがたっぷりのクラシカルなピアノ弾き語り風ナンバーが飛び出してきて驚きます。
ヴォーカルも前曲とは別人のようにたおやかな表情で歌い上げ、まるでCharly GarciaのLA MAQUINA DE HACER PAJAROSのよう。
以降の曲もブルース・ロックを核に持ちつつもアルゼンチンらしい柔らかな詩情を大切にしたサウンドを聴かせます。
全体の印象はSpinetta率いるPESCADO RABIOSOが近いかもしれません。アルゼンチンにまだこんな才能がいたとは。ラテン気質の熱気とリリカルな気品がいい塩梅で合わさった好盤です。
後にALASでも活躍するドラマーCarlos Rigantiや78年に優れたソロ作をリリースするギタリストJulio Presasらによる初期アルゼンチン・プログレの名グループ。
アルゼンチン最初のコンセプト・アルバムと評される72年唯一作。
パーカッシヴなアコギのバッキングにタメの効いたサイケ&ブルージーなギターがうねるハード・ロックあり、アルゼンチン-らしい詩情豊かなアコースティックなパートあり、英国のクレシダを彷彿させる端正なキーボード・プログレあり、イタリアでいえば、フォルムラ・トレあたりを彷彿させるパッションと歌心溢れるアンサンブルがてんこ盛り。
演奏も素晴らしく、特に、鋭角なタッチで溢れんばかりにエモーションを放つフレーズからジャジーにたゆたうフレーズまでこなす表現力豊かなギターは、アルベルト・ラディウスを思い出します。これは素晴らしい作品。
イタリアン・ロック黎明期に通じる野心に満ちた好盤です。
ALMENDRAと並ぶアルゼンチン・ロック黎明期の名バンドMANALで活躍したベーシスト/ヴォーカリストによる74年1stソロ作。
本人によるアクの強めなスペイン語ヴォーカルとエネルギッシュに弾きまくる切れ味鋭いギターを主役とする、ヘヴィなブルース・ハードを全編で聴かせます。ベーシストのソロながらそれほど主張するプレイはないものの、洒脱にピアノが舞うファンク色香るT.3のようなナンバーでは、粘りのあるファンキーなベースプレイも披露していて、さり気なく実力を見せています。ドロリとした密度の高いブルース・ロックの合間には、南米らしい清涼感が微かに漂うアコースティック・ブルースなナンバーも収録されていて、とてもいい味わい。じっとりと汗をにじませてセッションするメンバーの姿が見えるような、重厚かつ濃厚なブルース・ハードの逸品です。
アルゼンチン、元CRUCISのキーボーディストGustavo MontesanoとSSW/ギタリストのAlejandro De Micheleによるシンフォ・デュオ、80年唯一作
アルゼンチンのフォーク・デュオ。75年作。たおやかなアコギ・バッキング、いかにもアルゼンチンな郷愁を誘うメロディ&コーラス、陽光をイメージさせるリコーダーや打楽器というスタイルのハートウォーミングなフォーク・ロック。しっとりと陰のあるメロディと物悲しいヴァイオリンによる叙情性溢れる楽曲も秀逸。南米の歌心がつまった逸品。
Pescado Rabiosoのオリジナル・ベーシスト、Osvaldo “Bocon” Frascinoを中心に結成されたアルゼンチンのトリオによる19年のライブ音源。
サイケデリックなギターリフ、ブルージーなヴォーカル、70年代を彷彿とさせるリズムセクションが熱気溢れるステージを再現しています。パンデミックやメンバーの死という悲劇が続き、バンドは活動を終えましたが、その最後の記録として情熱的でエネルギッシュな演奏が刻まれています。荒削りながらも力強いサウンドは、70年代ロックファン必聴の魅力を持つ作品です。
スペインの同名バンドとの混同にご注意ください。アルゼンチンの音楽史に残る傑作の数々を送り出してきた音楽レーベルMELOPEA DISCOSの代表を務め、また自身もミュージシャンとして精力的に活動し素晴らしい作品を発表してきたLitto Nebbia。本作は、彼が70年代に参加していたプログレッシヴ・ロック・グループOMの、当時はカセットのみのリリースだったという驚愕の発掘音源(2016年CD化)となっています。カセット起こしの音源ということで、音質が若干こもり気味な点は指摘しておくべきですが、それを補って余りある素晴らしい内容。グループはドラム、ベース、ギター、キーボードというオーソドックスな編成ですが、ラテン・スピリットを強く感じさせるパーカッションも躍動。サイケデリックな印象もあるジャズ・ロック・テイストのアンサンブルに異国情緒豊かなギターやキーボードが加わると、ブラジルのBACAMARTEあたりを引き合いに出したくなるようなサウンドに。しっかりとした録音が残されていれば、CRUCISやMIA、LA MAQUINA DE HACER PAJAROSなど同国の代表格グループたちと肩を並べる名盤と呼ばれていたのではないかと思わされる、完成度の高い1枚です。南米プログレのファンの方はもちろん、このクラスの作品ともなれば全てのプログレ・ファンにオススメできる必聴作!
アルゼンチン出身ハード・ロック・バンド、82年作
アルゼンチン、叙情性溢れる南米プログレ・フォーク名作、73年作
アルゼンチンのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドが76年に発表した3rdアルバム。魅惑的なメロディーとキーボード、弦楽器による南米らしい叙情的なアンサンブルが絶品。名盤。
アルゼンチンのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドが77年に発表した4thアルバム。3rdと同じく流れるようなメロディーと弦楽器による幻想的なアレンジが素晴らしい。名盤。
アルゼンチンの4人組ハード・ロック・グループ、76年作1st。レッド・ツェッペリンやディープ・パープルからの影響が色濃いスピード感いっぱいの正統派ハード・ロック!エッジの立ったキレ味鋭いギター・リフ、タイト&ソリッドなリズム隊、ハイ・トーンのシャウト・ヴォーカル!アルゼンチンらしい哀愁のメロディと豊かなコーラスも魅力的。リフが引っ張るブリティッシュ・ハードのファンは間違いなく気に入るでしょう!これは名作です。
アルゼンチンのプログレッシブ・ロックシーンが生んだ隠れた名盤、ETERNIDADの唯一作。
清涼感のあるリリカルなピアノとキーボードが織りなす美メロディの洪水に圧倒される名曲「Suite: Pensamiento Y Vida」を筆頭に、フォークとシンフォニック・ロックが見事に融合した幻想的な楽曲が並びます。特に「Cuento De Una Niña」では、練りに練られたコーラスワークとドラマティックな展開に思わずウットリ。優美なアコースティックギターとシンセサイザーが絡み合い、バンドネオンやフルートの装飾がアルゼンチンらしいエッセンスを加えています。もしYESがプログレ・フォークをやったらこんな感じになるのでは、と思わせる独特のサウンドは一聴の価値ありです!
同郷のPABLO EL ENTERRADORの流麗なサウンドが好きな人や、YESのコーラスワーク、PFMのシンフォニックな美しさに惹かれるリスナーに、おすすめの一枚です!
ディープ・パープルやユーライア・ヒープに影響を受けたスピーディー&ドラマティックなサウンドで75年にデビューしたアルゼンチンのバンド。よりシンフォニック色を強めた76年の2ndから7年ぶりにリリースされたのが本作3rdアルバム。イタリアのヘヴィ・シンフォを彷彿させる劇的でエモーショナルなヴォーカル、持ち前の様式美的センスにジャズ/フュージョンのエッセンスを加えたスリリングかつ流麗なフレーズで魅力のツイン・リード・ギター、そして、清涼感あるトーンでしとやかに広がるエレピやムーグ・シンセ。旧ユーゴあたりのシンフォニック&ジャジーなプログレにも通じる味わい。フュージョン・タッチでいて熱気もあるギターが特筆で、IL VOLOでのアルベルト・ラディウスも彷彿させます。これは辺境プログレのファンにはたまらない魅力がつまった名品です。
アルゼンチンのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドが76年に発表した3rdアルバム。魅惑的なメロディーとキーボード、弦楽器による南米らしい叙情的なアンサンブルが絶品。名盤。
ESPIRITUと並ぶイエス・スタイルのアルゼンチン・プログレ・バンド。74年のデビュー作に続く77年作2nd。15分と20分を超える大曲2曲を収録していて、前作よりスケール大きく、洗練されたシンフォニック・ロックを聴かせます。『おせっかい』あたりのピンク・フロイドを彷彿させるメランコリックで浮遊感あるパートからはじまり、ハイ・トーンのヴォーカルがリリカルなメロディを歌い上げると、ゴリゴリ・トーンのベースが疾走しだし、ギターもスティーヴ・ハウばりのスリリングなリード・ギターを聞かせ、一気にイエスばりのプログレ・ハードへと突入。バタバタと手数の多いドラムは、イタリアン・ロックを彷彿させる熱気を放っていて思わず拳を握りしめてしまいます。イエスのドライヴ感とキャッチーさ、そこにジャケの色合い通りにヴェールをかけるピンク・フロイドばりの叙情美。フランスのカルプ・ディアンがクリムゾンではなくイエスを指向したら、こんなサウンドを奏でるかもしれません。これは名作!
後にALASでも活躍するドラマーCarlos Rigantiや78年に優れたソロ作をリリースするギタリストJulio Presasらによる初期アルゼンチン・プログレの名グループ。アルゼンチン最初のコンセプト・アルバムと評される72年唯一作。パーカッシヴなアコギのバッキングにタメの効いたサイケ&ブルージーなギターがうねるハード・ロックあり、アルゼンチンらしい詩情豊かなアコースティックなパートあり、英国のクレシダを彷彿させる端正なキーボード・プログレあり、イタリアでいえば、フォルムラ・トレあたりを彷彿させるパッションと歌心溢れるアンサンブルがてんこ盛り。演奏も素晴らしく、特に、鋭角なタッチで溢れんばかりにエモーションを放つフレーズからジャジーにたゆたうフレーズまでこなす表現力豊かなギターは、アルベルト・ラディウスを思い出します。これは素晴らしい作品。イタリアン・ロック黎明期に通じる野心に満ちた好盤です。
アルゼンチンのシンフォニック・ロック・グループ、74年作の1st。ダークでテクニカルなキーボード、スティーヴ・ハウからの影響を感じさせるテンション溢れるギターをフィーチャー。変拍子を多用してアグレッシヴに畳みかける、スリリングかつ荘厳なシンフォ・プログレを聴かせています。ヴォーカル・メロディーは、いかにも南米らしい叙情性が魅力的。南米シンフォの名作。
スペインの同名バンドとの混同にご注意ください。アルゼンチンの音楽史に残る傑作の数々を送り出してきた音楽レーベルMELOPEA DISCOSの代表を務め、また自身もミュージシャンとして精力的に活動し素晴らしい作品を発表してきたLitto Nebbia。本作は、彼が70年代に参加していたプログレッシヴ・ロック・グループOMの、当時はカセットのみのリリースだったという驚愕の発掘音源(2016年CD化)となっています。カセット起こしの音源ということで、音質が若干こもり気味な点は指摘しておくべきですが、それを補って余りある素晴らしい内容。グループはドラム、ベース、ギター、キーボードというオーソドックスな編成ですが、ラテン・スピリットを強く感じさせるパーカッションも躍動。サイケデリックな印象もあるジャズ・ロック・テイストのアンサンブルに異国情緒豊かなギターやキーボードが加わると、ブラジルのBACAMARTEあたりを引き合いに出したくなるようなサウンドに。しっかりとした録音が残されていれば、CRUCISやMIA、LA MAQUINA DE HACER PAJAROSなど同国の代表格グループたちと肩を並べる名盤と呼ばれていたのではないかと思わされる、完成度の高い1枚です。南米プログレのファンの方はもちろん、このクラスの作品ともなれば全てのプログレ・ファンにオススメできる必聴作!
アルゼンチンの4人組ハード・ロック・グループ、76年作1st。レッド・ツェッペリンやディープ・パープルからの影響が色濃いスピード感いっぱいの正統派ハード・ロック!エッジの立ったキレ味鋭いギター・リフ、タイト&ソリッドなリズム隊、ハイ・トーンのシャウト・ヴォーカル!アルゼンチンらしい哀愁のメロディと豊かなコーラスも魅力的。リフが引っ張るブリティッシュ・ハードのファンは間違いなく気に入るでしょう!これは名作です。
アルゼンチンのプログレッシヴ・フォーク・ロック・バンドが77年に発表した4thアルバム。3rdと同じく流れるようなメロディーと弦楽器による幻想的なアレンジが素晴らしい。名盤。
アルゼンチン・シンフォの名作『Banana』(1974年)で知られるバナナの活動初期を網羅したコンピレーション!Music Hallレーベルに残したアルバム『Banana Ha Llegado Al Mundo』と6枚のシングルを収録し、バンドのルーツと進化を感じさせる貴重な作品です。ラテン音楽の影響とロックのエネルギーが見事に融合した「La mufa」、荒々しいブルースナンバー「Un fanfarrón」など、のちのシンフォ路線とは異なり、全体的にビートルズ以降のビート系グループの流れを汲んだサウンドですが、その中にもアルゼンチン特有の哀愁や情熱が息づいていて面白いです。
アルゼンチンの音楽史に刻まれる重要なマスターピースであり、南米ロック・ファン必携の1枚です!
アルゼンチンのプログレッシブ・ロック・バンド、Horizonteが1978年にリリースしたデビュー作。ロック・フォークやフュージョンに、アルゼンチンやアンデスのフォルクローレを融合させた独自のサウンドが光る作品です。特にケーナが奏でる郷愁誘うメロディが印象的な「Sueño de Luz」は、アルバムのハイライトのひとつ。Los Jaivasの影響を色濃く受けながらも、より繊細で抒情的なアプローチが際立っています。アンデス音楽の持つ神秘性とロックのダイナミズムが見事に調和した傑作。フォルクローレ系プログレのファンは必聴!
70年代に2枚のアルバムを残すアルゼンチンのヘヴィ・シンフォ・グループ、94年作、再結成第一弾。
83年作に収録のテクニカルな名曲「La Esencia es la Misma」の再録を筆頭に、これまでの複雑なリズムチェンジを多用した予測不可能な展開とメタルの要素が融合!シンフォニックなキーボードの装飾、叙情的なギターソロ、パワフルなヴォーカルが絡み合い、まさにプログレッシブ・ハードロックの新境地を切り拓いた作品!
24年11月惜しくも亡くなったアルゼンチンHRシーンの重鎮にして、VOX DEIの中心人物Willy Quirogaを中心に結成されたグループの82年作。
基本的にオーソドックスながら時折漏れ出る泣きのフレーズに南米特有の湿度を感じるPalo Penayoのギターに、EL RELOJのキーボード奏者として知られるLuis Valentiのジョン・ロードやキース・エマーソンを思わせるツボを押さえたプレイと絡み、70年代の雰囲気も携えた一枚。
67年より数々のバンドを率いて活動を行ったアルゼンチンのギタリスト/シンガー、73年作。1曲目はアクの強いスペイン語ヴォーカルが痛快なブルージーなロックン・ロール・ナンバーが炸裂。ブルース・ロック路線の作品かと思いきや、2曲目は一転南米らしいリリシズムがたっぷりのクラシカルなピアノ弾き語り風ナンバーが飛び出してきて驚きます。ヴォーカルも前曲とは別人のようにたおやかな表情で歌い上げ、まるでCharly GarciaのLA MAQUINA DE HACER PAJAROSのよう。以降の曲もブルース・ロックを核に持ちつつもアルゼンチンらしい柔らかな詩情を大切にしたサウンドを聴かせます。全体の印象はSpinetta率いるPESCADO RABIOSOが近いかもしれません。アルゼンチンにまだこんな才能がいたとは。ラテン気質の熱気とリリカルな気品がいい塩梅で合わさった好盤です。
アルゼンチンのプログレッシヴ・ロック・バンド、ホリゾンテが1979年にリリースした2ndアルバム。デビュー作で確立したロックとフォルクローレの融合に、新たに迎えたキーボーディスト、セルヒオ・バイニコフのプレイが加わることで、シンフォニックな要素が色濃く反映された作品となっています。
シンセサイザーを駆使したスペーシーな響きと、アンデス音楽を基調としたフォルクローレの旋律が違和感なく絡み合い、唯一無二のサウンドスケープを構築。楽曲によってはジャズ・フュージョン的な展開もあり、リズム・アレンジの巧みさが際立ちます。特に「Solo Espero que las Voces Canten」では、アコースティック・ギターと民族楽器が織りなす哀愁のあるイントロから、プログレッシヴなアンサンブルへと展開する構成がお見事!
シンフォニック・ロックの優雅さと南米フォルクローレの郷愁が見事に融合した本作は、サンタナなどのラテン・ロック好きはもちろん、リターン・トゥ・フォーエヴァーなどのジャズ・ロック/フュージョン好きにもおススメの一枚です!
アルゼンチンHMシーンを語るうえで、Rata Blancaと並ぶ存在として知られるバンド、88年作。Enrique Gomez Yafalのスペイン語によるハイトーン・ボーカルと、LOUDNESSの高崎晃を彷彿とさせるようなテクニカルかつメロディアスなプレイが印象的なMiguel Angel Oropezaのギターの絡み合いがたまらない一枚!全編にわたり80年代特有のヘヴィメタルらしい、エッジの効いたギター・リフと分厚いコーラス、そしてタイトなリズムセクションが一体となったダイナミックなサウンドが響き、特にギターとベースのユニゾンが生む一体感、そしてドラマチックなアレンジの妙は、この時代のメタルファンにとって堪らないポイントです!王道のヘヴィーメタル好きはもちろん、辺境のHMシーンを探求する入口としてはもってこいな名盤です。
アルゼンチンのフォーク・デュオ。75年作。たおやかなアコギ・バッキング、いかにもアルゼンチンな郷愁を誘うメロディ&コーラス、陽光をイメージさせるリコーダーや打楽器というスタイルのハートウォーミングなフォーク・ロック。しっとりと陰のあるメロディと物悲しいヴァイオリンによる叙情性溢れる楽曲も秀逸。南米の歌心がつまった逸品。
ALMENDRAと並ぶアルゼンチン・ロック黎明期の名バンドMANALで活躍したベーシスト/ヴォーカリストによる74年1stソロ作。本人によるアクの強めなスペイン語ヴォーカルとエネルギッシュに弾きまくる切れ味鋭いギターを主役とする、ヘヴィなブルース・ハードを全編で聴かせます。ベーシストのソロながらそれほど主張するプレイはないものの、洒脱にピアノが舞うファンク色香るT.3のようなナンバーでは、粘りのあるファンキーなベースプレイも披露していて、さり気なく実力を見せています。ドロリとした密度の高いブルース・ロックの合間には、南米らしい清涼感が微かに漂うアコースティック・ブルースなナンバーも収録されていて、とてもいい味わい。じっとりと汗をにじませてセッションするメンバーの姿が見えるような、重厚かつ濃厚なブルース・ハードの逸品です。
ハードロック要素は抑えめに、より多様な音楽スタイルが取り入れられており、ブルース調な「Un ladrillo de cinco lados」、牧歌的なカントリー風「Hey, Dios」など幅広いジャンルを取り込んだ好内容盤!
Pescado Rabiosoのオリジナル・ベーシスト、Osvaldo “Bocon” Frascinoを中心に結成されたアルゼンチンのトリオによる19年のライブ音源。サイケデリックなギターリフ、ブルージーなヴォーカル、70年代を彷彿とさせるリズムセクションが熱気溢れるステージを再現しています。パンデミックやメンバーの死という悲劇が続き、バンドは活動を終えましたが、その最後の記録として情熱的でエネルギッシュな演奏が刻まれています。荒削りながらも力強いサウンドは、70年代ロックファン必聴の魅力を持つ作品です。
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