2024年11月29日 | カテゴリー:Column the Reflection 後藤秀樹,ライターコラム
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第79回 ギタリスト、ピーター・バンクスは不遇だったのか? 幸運だったのか? (前編)
~ フラッシュ(Flash)を中心にイエス在籍後を振り返る
ピーター・バンクスというギタリストについて、その名は今でもよく知られていることだろう。彼は2013年に亡くなっているのだから、もうそれからずいぶん経っている。そんな中で、近々彼の73年のソロ・アルバム『Peter Banks』(米盤では『Two Sides Of Peter Banks』となっている)が久々に紙ジャケ再発となる。
◎画像1 『Peter Banks / Same』
その情報を知ったことで、改めて彼が参加した他のアルバムを聴き続けた。未だに忘れられない作品がじつに多いのだが、この機会に彼の作品について2回に分けてまとめておきたいと考えた。
何といっても思い出深いのは、イエスのファースト・アルバムだ。
私にとって最初のイエスはラジオでかかったシングル「心の光(Your Move)」で、その年(72年)の冬に『危機(Close To The Edge)』がリリースされたことで大ショックを受けた。そのアルバムは全曲エア・チェックできたので、年末に『こわれもの(Fragile)』を買った。次に欲しくなったのが、当時国内盤が廃盤で入手できなかった69年の『ファースト・アルバム』。何故そう思ったのか、今となってはよく覚えていないのだが、アーティストの最初のアルバムは素晴らしいものが多いという幻想を抱いていたのは間違いない。これが大正解で、もちろん『こわれもの』も『危機』も素晴らしいことに間違いないのだが、イエスの原点の輝きを見ることが出来たという思いがあった。(このあたりの事情は本コラムの第45回で触れています。)
◎画像2 Yes 『Same』 +『Time And Word』
今回改めて聞き直してみて、ピーター・バンクスの大活躍が再確認できた。1曲目の「Beyond And Before」から彼のギターが唸りをあげる。「I See You」の中間部のジャズっぽい演奏の中に、ハーモニクスを多用したギター・ソロ・プレイはじつにアイディアに溢れていた。「Looking Around」も要所をきっちりと固め、短いながらソロも魅力的だった。A面のみを取り上げたが、B面でも大活躍だ。当時から何故か自分で「ファーストが好きだ」と感じていた理由が改めて浮かび上がったような気がする。
★音源資料A Yes / Beyond And Before
しかし、70年のセカンド『時間と言葉(Time And Word)』では、改めて聞くとバンクスのソロ部分が極端に減っている。そしてファーストに比べても目立たない。オーケストラの導入も含めてセカンドは自分の中での評価はイエスの中でももう一つと感じていたのだが、その理由はそんな辺りもあったかもしれない。実際に、レコーディング中にはプロデューサーのトニー・コルトン(Tony Colton)との折り合いが悪かったというし、バンド内での彼の位置そのものが危うくなっていたということは後になって知ったことだ。
結局、70年4月18日にバンクスはYesを抜けることになる。セカンド『時間と言葉』が英国で発売された時には、既にイエスのギタリストはスティーヴ・ハウになっており、収録曲のプロモーション・ビデオにはレコーディングに参加していないハウが映っている。
当然、その後のハウの加わったサードの『The Yes Album』も素晴らしかったし、さらにはリック・ウェイクマンを加えた作品群の先に書いたとおり凄さは当然認めるわけだが、バンドとしての存続という現実は厳しいものであることをまざまざと見せられたような気分になる。
バンクスのレコーディング・キャリアは、67年のThe Synのシングル「Created By Clive」、「Flowerman」(どちらもDeram)にはじまる。The Syn自体は65年から67年まで活動したバンドだが、オリジナル・メンバーにはクリス・スクワイアがいた。バンクスは途中参加ということになるが、後に発掘され企画されたアルバムにはThe Syn名義のすべての曲に彼の名がクレジットされている。
◎画像3 The Syn 2005年の編集LP『Original Syn』+ 2021年発売の編集CD『Flowerman』
The Synの解散後、スクワイアとバンクスはMabel Greer’s Toyshop(MGT)に加わることになる。
そのMGTはギターとヴォーカルのクライヴ・ベイリー、ドラムスのボブ・ハガー、ベースのポール・ラトリッジという67年に結成されたトリオだった。その年の秋にラトリッジが脱退したことからハガーが知り合いのスクワイアに連絡したことから、スクワイアはバンクスと一緒にMGTに参加することになった。68年5月まで活動を続けたが、バンクスは脱退してしまう。そこにジョン・アンダーソンがリード・ヴォーカルとしてやってきたが、6月にハガーが脱退。新たに入ったドラムスがビル・ブラッフォード、さらにバンクスが再度加わることになり、8月にはキーボードにトニー・ケイが参加。完全にMGTは結成当初とは違うバンドになってしまったことになる。
そんな経緯の元、新たなバンドとして改めてバンド名を考えることになった。
いくつかの候補が出た中で決まったバンド名がYes。これは、バンクスが考えたものだった。後にファースト・アルバムのジャケットと、彼のギターに貼られたステッカーに見られる吹き出しもバンクスのアイディアだった。
つまり、Yesの誕生の元がバンクスということができるわけだ。そうなると、Yesとしてデビューしたものの、セカンド・アルバムのレコーディング直後に突然の解雇となったことが、彼自身にとってはどんな思いだっただろうか?
Mabel Greer’s Toyshopとしての「Before And Before」の音源もあるので、聞き比べてみて欲しい。まだジョン・アンダーソンが加入する前の録音だ。
★音源資料B Mabel Greer’s Toyshop / Beyond And Before (Pre-YES) 1968
ところで、当初存在したMabel Greer’s Toyshopだが、ベイリーとハガーの二人を中心で2013年に再度結成し、トニー・ケイやビリー・シャーウッド(Billy Sherwood)らと一緒に活動。2014年と2017年に2枚のアルバムを出している。
なお、イエスの69年のファースト・アルバムのクレジットをよく見ると、作曲者の一人として「Beyond & Before」と「Sweetness」にはクライヴ・ベイリーの名が確認出来る。MGT時代に創られた曲だったと言えるのだろう。
またThe Synの方もスクワイアと、やはり60年代The Synのオリジナル・ヴォーカルだったスティーヴ・ナルデッリ(Steve Nardelli)が中心になって2004年に再結成し、2005年に『Syndestructible』、2006年に『Armistice Day』を、その流れで今度はフランシス・ダナリー(Francis Dunnery)を迎え2010年に『Big Sky』をリリース。そして、2015年に『Live Losfest』を、2016年にはスウェーデンのプログレ・バンドのムーン・サファリ(Moon Safari)の協力で『Trustworks』を創りあげている。
往年のバンド・メンバーがこうして表舞台にアルバムを作成できたのは、やはりYesの名声があったからだろう。ここに、バンクスだけではない当時のメンバーの悲哀も感じてしまう。
バンクスは明らかにYesからの解雇にショックを受けていたが、70年にはブロドウィン・ピッグ(Brodwin Pig)に参加した。しかし、ミック・アブラハムス(Mick Abrahams)の脱退後ということもあり、音楽性の違いを感じ6ヶ月も在籍したのに確かな軌跡は残せていない。他のメンバーとは上手くいっていたというが、やはり「イエスから脱退した」というショックが大きく、アルコールやドラックに溺れた時期でもあったという。
そんな中、71年8月になってちょっとしたきっかけで、チャンスが生まれた。それがフラッシュの結成だ。ヴォーカルのコリン・カーター(Colin Carter)が英メロディ・メイカー誌の記事の中で、バンクスの厳しい現状を知り、直接連絡を取ったことに端を発すると言われている。続いて、ベースのレイ・ベネット(Ray Bennett)はビル・ブラッフォードの知り合いで、やはりバンクスが新たなバンドのメンバーを探しているということをビルから聞いて参加を決めた。最後にドラムスのマイク・ハウ(Mike Howe)はオーディションを経て選ばれたらしい。
◎画像4 Flash 1 + 国内盤シングル「スモール・ビギニングス」
そして何よりもレコーディングに向けて、プロデューサーのデレク・ローレンス(Derek Lawrence)がバンクスの後押しをしてくれた。彼は初期ディープ・パープルを担当し、70~71年にはウィッシュボーン・アッシュのファースト、セカンドを手がけていたところだった。録音エンジニアにはマーティン・バーチ(Martin Birch)。さらに英Sovereignからのリリース (米はCapitol/Sovereign)ということで、今その顔ぶれは新たな可能性を感じさせる布陣だった。レコーディングは11月に行われた。ジャケットはヒプノシスの手による。今こうして書いていても、ワクワクするスタッフ陣の充実度だ。
レコーディングにはイエス時代のキーボード、トニー・ケイの参加もあった。アルバムは英国で72年2月にリリースされ、日本でも同年8月に発売されている。
国内盤が発売された時に、FMでアルバム1曲目の「Small Beginnings」がかかった。ギターは多重録音の厚みを感じたし、イエス同様にリッケンバッカーの堅いベース音もソリッドでカッコよかった。キーボードも入っていて、それは後にトニー・ケイが参加していたことを知る。コーラスもいいし、何よりメロディーが新たなプログレを感じさせる新鮮さがあった。それを聞いていっぺんで気に入った。
★音源資料C Flash / Small Beginnings
いつものようにレコード店にジャケットを見に行ってびっくりした。スカートがめくれ上がった女性の下着が露わになったデザイン。当時の中坊の私は、最初から見るだけのつもりのジャケットだったが、「こりゃ家に持って帰れないレコードだな」と思ったものだ。その後、友人にアルバムを借りて全編聞くことが出来た。
日本でもシングル「スモール・ビギニングス」が発表され、そちらのジャケットはメンバー写真になっていてほっとした。肝心の曲の方は編集バージョンで短くなっていた。そういえば、イエスのシングル「ラウンドアバウト」も編集されてずいぶんコンパクトな曲になってしまっていた。
このシングル「スモール・ビギニングス」は、米の「レコード・レビュー」という映画に取り上げられたこともあり、米チャートで29位に登るヒット曲となり、アルバム2曲目の「Morning Haze」はアコースティック・ギターを中心としたヴォーカル曲。悪い曲ではないがちょっと肩透かしを食らった感じ。クレジットを見ると曲作り、ヴォーカル、アコースティック・ギターの全てがカーターだった。ラストのコーラスは凝っている。3曲目「Children Of The Universe」はここでもトニー・ケイのオルガンも加わったイエスを思わせる曲調と演奏。イントロからこれもいいぞと思った。アルバムB面は、驚きの混沌から始まる13分の大曲「Dreams Of Heaven」。ここでもバンクスのギターが大きな役割を見せる。アンサンブルとコーラスはやはりイエスに共通するものを感じさせた。中間部のジャージーな展開も大きな聴かせどころになっていた。ラストは哀愁を感じさせる「The Time It Takes」。ラストの「波」を感じさせるノイズが印象に残る。「Small Beginnings」とB面の2曲はバンクスとカーターの共作になっている。
◎画像5 Flash 『In The Can』+国内盤シングル「ライフタイム」
72年のうちにセカンド・アルバム『In The Can』も発売された。日本での発売は73年になって5月に『フラッシュ2』のタイトルでリリースされた。私は国内発売の少し前に米盤で入手して聞いたのだが、やはりまずジャケットに圧倒されてしまった。彼らはこの方針で行くのか・・・とため息も出たが、肝心の内容は素晴らしく1曲目の「Lifetime」が圧倒的だった。曲は間に珍しく哀感を感じさせていて、続くスピード感溢れる部分でのバンクスのギター・ソロも素晴らしい。基本的にはハード・ロックなのだが、キーボード無しのプログレを感じた。最初のテーマ部分に戻るところもカッコよく、ラストも潔い。この曲はヴォーカルのカーターの作品。この曲も短く編集されシングル盤として発売されている。
★音源資料D Flash / Lifetime
続く「Monday Morning Eye」もバンクスらしいギターが全開で改めてメンバー間のアンサンブルも見事。米盤で聴いたせいもあったのか、音圧が強く前作以上に迫力を感じた。ラストのはぐらかされるような終わり方もやはりバンクス。ただ作者はベネットになっている。
A面はこの2曲で終わりだが、B面は間に2分間の短いドラム・パフォーマンス1曲をはさむ形で10分を超える作品が2曲収録されている。最初はバンクスとベネットの共作で「Black And White」。もう1曲はベネットの作品で「There No More」。どちらもなかなか複雑な構造を持った曲だが、各楽器はもちろんのこと、カーターのヴォーカル・パフォーマンスとコーラスも圧倒的だ。ただ、聴いた後にどんな曲だったのかぱっと思い浮かばないのが凄さという以上に、弱さと言えるかも知れない。冗長な部分もあるし、いくつかの曲の断片を集めたように思えてしまう。次々と繰り出されるバンクスのアドリブを含めた多彩なギター・プレイは様々な表情をみせているのだが・・・
フラッシュについては、日本でも結構ラジオでも雑誌でも取り上げられるようになっていたのだが、そこには必ず「イエスの弟分、フラッシュ」という言い方をされていた。新人バンドの売り上げにつなげるために、有名バンドとの関係が語られることは間違いなく多い。私自身もその売り文句を意識して友人にも、「イエスの最初のギタリストだったピーター・バンクスのバンドさ。」という伝え方もしていた。
その頃は、私自身バンクスのこともよく理解していないわけで、「イエスの最初のギタリスト」と名前を出すと皆に「へえ」と言われ、再発されたイエスのファーストLPを貸して聴かせことも思い出す。イエスと言えば『こわれもの』と『危機』が全てだった時代だ。皆、発売予告されていた『イエスソングス』を皆、待ちこがれていた頃の思い出だ。
◎画像6 Flash 『Out Of Our Hands』
3作目の『Out Of Our Hands』は、73年4月~6月にかけてレコーディングされている。ジャケット・デザインからして何か違う世界を見せてくれるような気分にさせられた。モチーフはこれまでと同じなのだが、色彩が豊かになり立体的で幻想的な雰囲気(というより、不気味か?)。しかし、前2作品のデザインをさらに深めたような感じにも思えた。
ずいぶん曲が短くなり、全9曲。しかもアルバム導入部の1曲目は唯一のバンクスの曲で雰囲気は抜群なのだが、たったの43秒! ただ、アルバム全体はトータルな流れを持った物語のように構成されていた。そのモチーフはチェス・ゲームを宗教的な人生になぞらえたような内容。そんなことからか国内盤の邦題は『死霊の国』となっている。国内盤の帯には「自分の耳で触れよ‼ 奇才群フラッシュが遂に啓示した壮麗なる霊魂の美世界を‼」の紹介文。少々おどろおどろしく、やはりハード・ロックのアルバムを紹介する言葉ではなかっただろう。さらに、国内盤には12ページのブックレットに歌詞と詳細な訳のついた解説書がついていた。
当時の高校の仲間は、このアルバムに恐れの気持ちさえ抱いていた。
しかし、結果としてはずいぶんと聞きやすく、これまでの長尺曲の多いアルバムよりも逆にプログレ的であることでアピールできるような内容に思えたのだが・・・・
★音源資料E Flash / None The Wiser (King)
このアルバムは全編が34分でちょっと短くも感じられた。ただ、バンドのアンサンブルも充実し、相変わらずバンクスのギター・パートも変化に富んだ様々な表情を聴かせて魅力的だ。ここでもう1曲。
★音源資料F Flash / Dead Ahead (Queen)
ここでバンドの危機が訪れる。同名のバンドが他にもあったことから訴訟を恐れて、メンバーへの相談無しに米キャピトルが『Out Of Hands』のジャケットに[Flash-FEATURING England’s Peter Banks]と付け加えて発売したことがひとつの事件だった。それはバンクスの意図ではなかったのだが、バンド内では予想されたとおりメンバー内にあった確執を深める結果になってしまった。
それまでもメンバーの間に緊張はあって、マネージメントはバンクスの後継者を見つけバンドの存続を図ろうとしたらしいが、結局73年11月の北米ツアーの最中に解散することになる。
じつは、冒頭で掲げたバンクスのソロ・アルバム『Peter Banks』は、フラッシュの『Out Of Hands』と録音時期が重なっていた。ソロ・アルバムの方はクレジットを見ると72年の11月に録音が始まり、終了が73年の6月だ。先ほども書いたとおりフラッシュの『Out Of Hands』のは73年4月から6月までと記されているので、レコーディングに関しては完全に被っている。
このことを含めてアルバム『Peter Banks』については次回紹介しようと思うのだが、この時期の一連の仕事とメンバーとの確執、そしてマネージメントに対する不信。
イエスとの関係性を彷彿とさせるような状況が、バンクスの神経を蝕んでいく。・・・しかし、彼はその後も立ち上がることになるのだが、それは次回、『後編』に続けていくことにしたい。
本当に突然、ピーター・バンクスのことを思い出して聴きたくなって、イエスからの流れを改めて追い続けるここ最近です。ネットで彼の名前を検索してみると、英米では今も高い人気があるようで、あちこちで彼に関する書き込みを見つけ、その思い入れの深さを感じています。
それにしても、イエスからの解雇、フラッシュの解散に至るエピソードを改めてみるにつけ、彼にとって「音楽」とは何だったのだろうという思い(疑問)が頭から離れません。
彼のギター・プレイには、その高いテクニックも嫌味に陥ることなく、時にユーモラスに思える「人懐っこさ」があると昔から思っていました。イエスにしても、バンクス、ケイの脱退後ハウとウェイクマンが加わって当時の先進プログレの代表格になったことは事実ですが、その後の多くの編集アルバムには彼らの歴史の最初に3枚目までの曲も含めていることは重要なことだと思います。
私にとって、フラッシュはリアルタイムで聞けて本当に新鮮に感じてことを、今新たによみがえらせたところです。しかし、そこでもやはり彼は自分の立場を「不遇」ととらえていたのか、それともイエスという実績の上でフラッシュとして3枚のアルバムが出せたことを「幸運」として思えたのか、なぜかすごく大きな問題として浮かび上がっています。
他の人は考えなくてもいいようなことだけど、自分の中では明らかにしてみたい・・・私は、昔からそんな感じで問題意識を抱えてきたのですから仕方ありませんね。
次回はフラッシュの後に結成したEmpire(エンパイア)から、ソロ活動等についてみていきたいと思っています。
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イエス、フラッシュと渡り歩いてきたギタリスト、ピーター・バンクスによるファースト・ソロ。ヤン・アッカーマンを迎え、スティーブ・ハケット、フィル・コリンズ、ジョン・ウェットン等、豪華メンツを揃え、インプロをふんだんに盛り込んだテクニカル・フュージョン作品。
4枚組ボックス、ブックレット・帯・解説・紙製収納ボックス付仕様、定価9709+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
解説無、帯無、ボックスとブックレット無し、CDの圧痕・ソフトケースの圧痕あり
デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲
盤質:傷あり
状態:良好
ビニールソフトケースの圧痕あり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの71年作4th。その内容は次作「危機」と並ぶ、プログレッシブ・ロック史に留まらず70年代ロック史に残る屈指の大名盤であり、STRAWBSからキーボーディストRick Wakemanが加入、文字通り黄金期を迎えた彼らがトップバンドへと一気に飛躍する様が鮮明に残されています。まだ「危機」のような大作主義こそないものの、「ラウンドアバウト」「燃える朝焼け」など彼らの代表曲を収録。また今作から、その驚異的なエンジニアリング技術で彼らの複雑な楽曲製作に貢献することとなるEddie Offord、そしてその後のYESのトレードマークとなる幻想的なジャケット/ロゴを手がけるRoger Deanが参加、名盤の評価をより一層高めることとなります。
デジパック仕様、スリップケース付き仕様、輸入盤国内帯・解説付仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2400+税
盤質:傷あり
状態:並
帯無
帯無
英国プログレを代表するグループ、71年3rd。John Anderson、Bill Bruford、Chris Squireに加えSteve Howeが加入。前作までのPOPさを残しつつクラシック要素が強まり、楽曲構成がより複雑且つドラマティックなものへと変化しています。大作こそ無いもののYESサウンドを確立させたアルバムです。クラシカルなものからフラメンコまで、多様なフレーズを自然に溶け込ませるSteve Howeのギターが圧巻。細かく正確に刻まれるBill Brufordのドラム、メロディアスに高音を響かせるChris Squireのベース、そして天使の歌声John Andersonを加えたアンサンブルは、瑞々しく表情豊かです。本作でバンドを去ることになるTONY KAYEによるハモンド・オルガンも、英国らしいダークな雰囲気を醸し出しており魅力的。『FRAGILE』、『CLOSE TO THE EDGE』に次ぐ人気を誇る代表作。
紙ジャケット仕様、UHQCD、スティーヴン・ウィルソン・リミックス、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
軽微なスレあり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの72年作5th。その内容は前作「こわれもの」と並ぶ、プログレッシブ・ロック史に留まらず70年代ロック史に残る屈指の大名盤であり、20分近い表題曲をメインに据えたコンセプト・アルバムとなっています。Keith Emersonと人気を分かつRick Wakemanによる華麗なキーボード・オーケストレーション、カントリーからフラメンコまでを自在に操る個性派ギタリストSteve Howeの超絶プレイ、難解な哲学詞を伝えるハイトーン・ボーカリストJon Anderson、テクニカルでタイトなBill Brufordのドラム、そしてリッケンバッカーによる硬質なベースさばきを見せるChris Squire、今にも崩れそうな危ういバランスを保ちながら孤高の領域に踏み入れた、まさに「危機」の名に相応しい作品です。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、インサート封入、定価2000+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
帯中央部分に若干色褪せあり
デジパック仕様、スリップケース付仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
デジパック・スリップケース付き仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
軽微な圧痕あり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの73年作。「こわれもの」「危機」で大きな成功を収めた彼らですが、本作は彼らが更なる高みを目指した1枚であり、Jon Andersonの宗教的なコンセプトをテーマに神秘的な雰囲気と独特の瞑想感、スペーシーな雰囲気で進行する良作です。全4曲から構成され、うち3曲は20分を超えると言う大作主義の極みのような作風は圧巻であり、Bill Brufordに代わりドラムにはAlan Whiteが初めて参加しているほか、Rick Wakemanは本作を最後に脱退。非常に複雑な構成から賛否両論のある1枚ですが、やはりその完成度に脱帽してしまう傑作です。
2枚組、英文ブックレット付仕様、定価不明
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
盤に指紋跡あり、帯はケースに貼ってある仕様です、帯に折れあり
紙ジャケット仕様、2枚組、HDCD、デジタル・リマスター、定価3619+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干スレ・若干汚れあり、解説に軽微な折れあり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの73年ライブ作。名盤「Close To The Edge」を生み出した彼らの自信が感じられる名ライブ作であり、その内容はある種、スタジオ盤以上にファンを虜にしているほどです。もはやおなじみとなったストラビンスキーの「火の鳥」でその幕を開け、「シべリアン・カートゥル」や「燃える朝焼け」「同志」「危機」と、「ラウンド・アバウト」と彼らの代表曲をたっぷりと収録。スタジオ作のクオリティーを完璧に再現するだけでなく、スタジオ作には無いドライブ感の詰まった超絶技巧、名演の数々は全ロックファン必聴です。
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの74年作7th。「こわれもの」「危機」で大きな成功を収めた彼らですが、前作「海洋地形学の物語」でキーボードのRick Wakemanが脱退、後任にはRefugeeの技巧派Patrick Morazが加入しています。その内容はPatrick Morazの参加によってラテン・ジャズ、そして即興色が加味され、超絶なインタープレイの応酬で畳み掛けるハイテンションな名盤であり、「サウンド・チェイサー」ではインドネシアのケチャも取り入れるなど、深化した彼らの音楽性が伺えます。もちろん彼ららしい構築的なアンサンブルも健在であり、大曲「錯乱の扉」の一糸乱れぬ変拍子の嵐など、バンドのポテンシャルの高さが伺えます。大きな成功を経て円熟期に入った彼らを象徴する1枚です。
紙ジャケット仕様、SHM-CD、09年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、内袋付仕様、ブックレット付仕様、定価2457+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
情報記載シール付き
98年初回盤紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、内袋・リーフレット付仕様、定価2000+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
内袋はついていません
盤質:傷あり
状態:並
軽微なカビあり
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの77年作。前作「Relayer」でRick Wakemanに代わりテクニカルなプレイを見せたPatrick Morazが脱退しRick Wakemanが再加入した作品となっています。それに伴い、Patrick Morazの即興色やジャズ色が影響した前作に比べてRick Wakeman色がバンドに再び彩りを与え、シンフォニック然としたアプローチが復活。YESらしい個性が再び芽吹いた1枚と言えるでしょう。加えて、非常にポップな印象を与える作風へとサウンドが変化しており、Doger Deanの幻想的なアートワークからHipgnosisの現実的なアートワークへの移行が興味深い作品となっています。
紙ジャケット仕様、MQA-CD×UHQCD(すべてのCDプレイヤー再生可/ハイレゾ品質での再生にはMQA対応機器が必要)、復刻巻帯付き、リーフレット付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
パンク、ニュー・ウェイブ全盛期の中リリースされた78年9作目。大作主義は鳴りを潜め、10分以下の小曲で構成されているほか、音も時代を反映してそれまでよりもかなり煌びやかでポップなものになっています。とはいえ開放感のある瑞々しいメロディや、各楽器が緻密にメロディを奏でていくアンサンブルの構築性は流石のYESと言ったところ。多様な音色を駆使し、生き生きとフレーズを弾きまくるウェイクマンのキーボード。自由奔放かつ繊細さ溢れるハウのギター。地に足のついたスクワイアのベース、タイトかつ柔軟さのあるホワイトのドラム。そこへアンダーソンのヴォーカルが次から次へとメロディを紡ぎ出す、有無を言わせぬ怒涛のプログレッシヴ・ポップ・サウンドは彼らでなければ生み出し得ないものでしょう。「Release Release」など本作を象徴する1stや2ndに入っていそうなスピーディーでストレートなロック・ナンバーも魅力ですが、白眉は「On The Silent Wings of Freedom」。前作『Going For The One』で聴かせた天上を駆けるような夢想的なサウンドと、「ロック」の引き締まったビートが理想的に共存した名曲に仕上がっています。スタイルは変われどもYESらしさは満点と言っていい好盤。
「こわれもの」「危機」を生んだイエス黄金ラインナップからなるABWHと、かつてイエスに在籍した主要メンバー(クリス・スクワイア、アラン・ホワイト、トニー・ケイ、トレヴァー・ラビン)が合体。8人組新生イエスがここに誕生した91年作。
紙ジャケット仕様、K2 24bitマスタリング、ボーナス・トラック1曲、内袋付仕様、定価2000+税
盤質:傷あり
状態:
帯有
透明スリップケースがついています
定価2500+税、36Pブックレット付仕様
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯特典部分切り取り有り、帯に若干圧痕あり、クリアケース無し
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