スタッフ佐藤です。
5月も後半に入り、気温が一気に上がってきましたね。
最近は北欧ノルウェーのプログレやフュージョン・タッチのプログレなどをご紹介してきましたが、今日は各国の「港町」に注目して、港湾都市生まれのプログレをピックアップしてみたいと思います!
まずはアメリカから、全米最大の港湾都市と言えばここ!
AORグループとしても人気を博した彼らですが、デビュー時はL.A.唯一のプログレ・バンドとしてシーンに登場しました。
この1st、後のAOR路線を予期させるポップで爽やかなメロディラインと、オルガンを軸にした力強くもノスタルジー香る演奏との組み合わせがベリーグッド!
イタリア屈指の港町ナポリを拠点とした名グループがご存知オザンナです。
彼らからは、やや影が薄めな再結成後の5thをご紹介。
問答無用のエネルギーで突き進んだ初期に比べ、より叙情的で深みあるジャズ・ロック・サウンドを聴かせるようになっており、何となくナポリの風土を反映したようなロマンティシズムが感じられます。
名盤ですよ~。
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オランダの小さな国土にあって、貨物取扱数で欧州トップクラスを誇る大港湾都市がロッテルダム。
フィンチが結成したのはロッテルダムともデン・ハーグとも云われますが、どちらも港町なので問題ありませんね。
テクニカルにしてメロディアス、パッションほとばしるインストゥルメンタル・プログレが楽しめる名盤1st。
忙しなく駆け巡るアンサンブルに耳を奪われますが、一転してアコギがリズミカルに鳴らされるパートなどは港町プログレっぽい賑々しさがある気がします。
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オランダならではの端正でいて素朴な人情味にも溢れたメロディアスなプログレッシヴ・ロック名作をセレクトいたしましょう。フォーカスの他にも愛すべきグループがたくさん居ますね。
ジャーマン・シンフォニック・ロックの頂点に位置するバンドとして愛されるNOVALISは、ビートルズの修行先としても有名なハンブルグ出身。
エルベ川に面したハンブルグ港は、ドイツ最大の港として知られます。
代表作として名高いこの3rdアルバムは、神秘的な森をイメージさせるアートワークもあってか、正直サウンド的には港町感はありませんね。
ロマン派ジャーマン・シンフォとも呼ばれるほど、幻想的でロマンティックな音世界が魅力的な傑作!
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スペインからはプログレも盛んなバルセロナにフォーカス。
名盤がひしめいていて悩みますが、バルセロナをバンド名に冠したこのグループにしましょう。
地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうエレピが絶品ですね♪
ハットフィールドやリターン・トゥ・フォーエヴァーが好きなら是非ご一聴を。
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地域ごとに多彩なサウンドを聴かせてくれるスペインのロック・シーン。今回は、バルセロナがあるカタルーニャ州をメインに作品を取り上げてまいります!
南部バレンシア州に位置する、カタルーニャ州のバルセロナと同じく地中海に面した歴史ある港町がカステリョン・デ・ラ・プラナです。
日本では知名度の高くない港町ですが、2010年代屈指の話題性を誇る人気グループDRY RIVERの本拠地になります。
傑作『2038』から4年ぶりとなったこの22年作、往年のQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたような、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます。
バラード系ナンバーでは、地中海の潮風が香るような叙情性も発揮!
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「南米のパリ」と呼ばれ、1970年代までは南米最大の都市として栄えたアルゼンチンの首都ブエノスアイレスも、世界有数の港湾都市として知られています。
Wikipediaによると、ブエノスアイレス市民はポルテーニョ(港の人、浜っ子)と呼ばれてるそうです。
ブエノスアイレス出身グループとして、天才チャーリー・ガルシアを擁したデュオSUI GENERISをご紹介☆
木漏れ日フレイヴァーと南米らしい「詩情」を備えたフォーク・ロックに、ピアノや管弦楽器をフィーチャーして彩り豊かな音世界を繰り広げる名盤2nd。
1stもそうでしたが、当時のアルゼンチンにおける最重要グループだったという事実とは裏腹な、片田舎の素朴な若者が作り上げた音という感じの純真さが魅力です。
いかがだったでしょうか。
気になる作品を見つけていただけましたら幸いです!
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カケレコが今最も注目しているノルウェーのレーベル、NORSKE ALBUMKLASSIKEREのプログレ・リイシューを探求します♪
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・トリオ、75年作。バンドのリーダーは、Key奏者のLucky Guriで、バルセロナ・ジャズ・ロック・シーンの名手達が集まったビートルズのカヴァー作品(傑作!)に参加したり、後には地中海ジャズ・ロックの名バンドMUSICA URBANAに参加するなど、バルセロナ・シーンを代表するKey奏者。シャープに引き締まったドラム、流麗に動くメロディアスかつグルーヴィーなベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、エレピが地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうメロディを奏でます。色彩感豊かなパーカッションやホイッスルなどによる味付けも地中海フレイヴァーたっぷり。バンドは、スペインはカタルーニャ地方のウッドストック・フェスと言える75年に行われた伝説の「Festival Canet Rock」に参加し、高い評価を得ます。バルセロナ産ジャズ・ロック「MUSICA LAIETANA」シーンを代表する一枚として名高い傑作です。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】定価2990+税
盤質:未開封
状態:良好
帯有
帯解説は外付け・盤は未開封
ANYONE’S DAUGHTERなどと並び、ジャーマンシンフォニックロックの頂点に位置するプログレバンドの代表作として名高い3rdアルバム。20分に及ぶ大作を含む3曲によって構成されており、どこを切っても霧に包まれたジャーマン・シンフォニックロックの深みと叙情が溢れ出る、ドイツロマン派を代表する傑作。硬質なリズムセクションと対比するように柔らかに空間を彩るストリングス・シンセサイザーとメランコリックなフレーズを放つギターが特に印象的であり、ボーカル、コーラスのジェントリーで儚げな雰囲気も非常に魅力的な1枚です。
12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの要注目新鋭プログレ・バンド、前作から4年を経てついに届けられた4thアルバム!従来はQUEEN+DREAM THEATERを土台に豊富なアイデアが渦巻く奇想天外ロックを練り上げていた彼らですが、本作ではQUEEN+DTの土台と溢れんばかりのエネルギーはそのままに、よりストレートでドラマティックな表現で生き生きとロックするパフォーマンスが魅力的。80年代後半〜『Made In Heaven』あたりのQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたようなスタイルの、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます。美しいピアノ独奏に続き、ソリッドに刻むギターリフと雄々しいヴォーカルが走り出す導入部から、もうDRY RIVERの世界に惹きこまれています。相変わらずとことん情熱的なスペイン語ヴォーカルと、まさにBrian MayのフレーズセンスとJohn Petrucciの畳みかける技巧を合わせたような超絶ギターが重量感たっぷりのリズムに乗って疾走する、パワフルかつ荘厳な1曲目で早くもノックアウト。そんな1曲目のテンションのままにスケール大きくパッション全開で展開してくサウンドは、従来のアルバムが気に入ったならまず間違いありません。QUEENファン、DTファン、そしてメロディアス・ハードが好きな方にも激オススメの一枚に仕上がってます。文句なしのカケレコメンド!!
UNOとCITTA FRONTALEに分裂したOSANNNAが再結成し、78年にリリースした5thアルバム。UNOからNOVAへと続いたジャズ・ロック・サウンドにイタリア的な詩情を織り込んだ作品。名作「PALEPOLI」を期待すると最初は戸惑いますが、先入観無しに聴くとその音楽性の高さはかなりのもの。緊張感溢れる演奏で畳み掛ける楽曲、叙情的なジャズ・バラードなど、緩急自在の楽曲の完成度はもちろん、それらを巧みなバランスで配した起伏に富んだ構成も見事。
73年作の2nd、アルゼンチン。チャーリー・ガルシアが参加していたことで知られるグループ。繊細なフォーク・サウンドの1stに比べ、これぞ南米と言える「詩情」はそのままに、アレンジが豊かになり、完成度がグッと高まりました。チャーリー・ガルシアによる繊細なタッチのピアノをフィーチャーしたリリカルな曲、管弦楽器がサウンドを広げるポップな曲、McGuiness Flintあたりに通じるパブ・ロック・フレイヴァー溢れる温かい楽曲など、とにかく美しいメロディと叙情豊かなメロディに彩られた佳曲揃い。シンプルなサウンドでメロディが際立つ1st、多彩なアレンジでメロディが華々し響く2nd。どちらもリリカルなメロディーを聴かせるという点では変わりなく、甲乙つけがたい名作。
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