2023年3月17日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
イエスと言えば、やはり『こわれもの』『危機』で聴くことができる構築的で緊張感溢れるサウンドが真骨頂と考える方が多いと思います。
一方で1stや2ndにおける、ギタリストのピーター・バンクスを擁し、ジャズやクラシックの要素をセンス良く織り込んで聴かせる「アート・ロック・バンド」イエスを好まれるファンもきっと少なくないのではないでしょうか。
今回は、そんな初期イエス好きの方に聴いてみていただきたいプログレ作品をピックアップしましたので、お楽しみいただければ幸いです!
それでは、イエスのこのアルバムから出発!
オーケストラとバンドが甘美に融合したサウンドがファンタジックな、YESの記念すべき2nd!
あくまでバンド・アンサンブルのカッコ良さを主役にしながら、オーケストラのつややかさやスケール感もちゃんと生かされたアレンジに仕上がっているのがセンスですよね~。
ある意味、初期イエスの延長線上と言えるのがピーター・バンクス率いるこのフラッシュ。
彼のドライヴ感いっぱいのギターとRay Bennettのゴリゴリと疾走感溢れるベースを軸に、突き抜けるアンサンブルで爽やかに駆け抜けます。
10分以上の大曲を3曲収録しており、やはりYESを彷彿とさせる複雑かつスピーディーな展開が聴き所。
同じイギリスからはこのアルバムもオススメ☆
ゴリゴリとアグレッシヴなベースと、スパニッシュなテイストも漂わせるキレ味鋭いギター。
イエス『こわれもの』やピーター・バンクスのフラッシュが好きなら、このディープな一枚も是非。
続いてはオランダからとっておきの一枚をピックアップ。
初期イエスやフォーカスに通じるスピーディーなアート・ロック感とともに、クレシダやグレイシャスに通じる感じもあって…。
70年、しかもオランダの地でこれほどの作品が誕生していたなんて!
新鋭からは今話題のこの作品でしょう♪
トランシルヴァニア地方出身の人気シンフォ・バンド、22年作♪
リーダーのBogati-Bokor Akosはピーター・バンクスとライヴで共演した経験もあり、バンド名にはYESへのリスペクトが込められているとの事。
本作、イエスで言えば『時間と言葉』あたりのサウンドに『海洋地形学の物語』の神秘性を加えて幻想度を大幅アップさせたような感じ!?
13年にリリースされた彼のソロ・アルバムも初期イエス愛溢れてますよ~。
ハンガリーの人気プログレ新鋭バンドYESTERDAYSのリーダーによるソロプロジェクトの13年デビュー作ですが、これがもう最初の5分でイエスやジェネシスのファンならヤられること間違いなしなファンタスティックぶり!
メロトロンやフルートによるヴィンテージな味付けもグッとくるし、ピーター・バンクス直系のギターのバッキングや歌心いっぱいの流麗なギターソロも良い~。
いかがだったでしょうか。
気になる作品が見つかりましたら幸いです!
【関連記事】
イエス『危機』を出発点に、テンションいっぱいのアンサンブルとファンタスティックなメロディ&コーラスが素晴らしいプログレを世界中からピックアップ!
『GARDEN SHED』で知られるグループとは同名異のブリティッシュ・ギター・トリオ。COMPLEXなどで知られるDEROYレーベルから76年にリリースされた唯一作。前のめりに疾走するアグレッシヴなドラムとゴリゴリと手数多いベースを土台に、ギターがスリリングかつジャジーなフレージングで縦横無尽に駆け回る、というスタイル。ギターのセンスは特筆もので、スリリングな単音フレーズが基本ですがスピード一辺倒ではなく、テンション・ノートによる豊かな色彩を滲ませるのが持ち味。初期YESやFLASHのめくるめくスピード感に通ずるものがあります。プログレッシヴかつジャジーなブリティッシュ・ハードの逸品。これは素晴らしいグループです!
ハンガリー新鋭プログレの人気バンドYESTERDAYSのリーダーでギター/ベース/キーボードを操るマルチ奏者の奇才Bogati Bokor Akosによるソロ・プロジェクト。2013年のデビュー作。バックは、SAMURAI OF PROGに在籍するフィンランドのドラマーなど、世界中のミュージシャンが参加しているようで、インターネットを介してレコーディングを行ったようです。タイトで躍動感いっぱいドラムとリッケンバッカー・ベースのゴリゴリとアグレッシヴで疾走感あるベースが生むグルーヴ、青空へと伸びやかに飛翔するようなヌケの良いムーグ・シンセのファンタスティックなリード。繊細に紡がれるアコースティック・ギターとリリカルなピアノを散りばめた緻密さも印象的だし、メロトロンやフルートによるヴィンテージな味付けもグッとくるし、ピーター・バンクス直系のキーボードのバッキングや、歌心いっぱいの流麗なギター・ソロも良いし、最初の5分で、ジェネシスやイエスのファンならヤられること間違いなしでしょう。次々と溢れ出る70年代プログレへの憧憬に満ちたフレーズにただただ心奪われます。男女ヴォーカルが4〜5人参加していますが、どのヴォーカリストもふくよかでジェントルな歌唱でメロディの美しさ、アンサンブルのファンタジーを見事に引き出しています。手作りの空気感に包まれたアナログな音色もアンサンブルにあっていて良い感じ。ジェネシスなど70年代プログレのファンから、英ニッチ・ポップのファンまでオススメの快作!
歴史的にはトランシルヴァニアとしても知られる、ルーマニアのハンガリー人居住地域出身の人気シンフォ・グループ、4年ぶりのスタジオ・アルバムとなった22年作4th!ギターとキーボード類をメインに十数種類の楽器を演奏するリーダーBogati-Bokor Akosを中心に、2人の女性ヴォーカル、フルート奏者、パーカッション奏者らを含む7人編成での制作です。バンドが憧れの存在に挙げるYESを彷彿させるテクニカルかつアコースティックな牧歌性も織り込んだアンサンブルを、女声voとフルートが作り上げるドリーミーな幻想世界が包み込むシンフォニック・ロックは、ただただ至上の完成度。タイトに変拍子を叩き出すドラムと存在感あるリッケンバッカー・ベースによるYESを思わせるリズム・セクション、Peter Banksに近いセンスでジャジーかつスリリングなフレーズを決めるギター、躍動感いっぱいに疾走するシンセ、柔らかく広がるメロトロンのヴェール…。それだけでも素晴らしいところに、リリシズム溢れるフルート&淡い美声を重ね合わせるW女性voが加わると、もうそれは天上の音楽と言っても過言ではありません。特に2人の女性ヴォーカルはハンガリー語という事を忘れてしまうくらいにスッと耳に馴染む感じが本当に素晴らしい。YESで言えば、Peter Banksが在籍した『TIME AND A WORD』期のサウンドに、『TALES FROM TOPOGRAPHIC OCEANS』の神秘性を加えて幻想度を大幅アップさせたような印象でしょうか。いやはやさすが今作も圧巻の傑作です!
後にSOLUTIONでも活躍するヴォーカル&マルチミュージシャンのPeter Van Der Sande率いるアート・ロック・バンド。1970年の唯一作。サイケ、ブルース・ロックなど60年代の残り香とともに、クラシカルなハモンドやハープシコードや、ゴリゴリと疾走するベースなど、プログレッシヴなエッセンスも盛り込んだサウンドはいかにもこの時代ならではのアート・ロック。1曲目のインストは初期YESばりのハード・ドライヴィング・ナンバーでカッコ良し。ジミ・ヘンばりにファズ・ギターが暴れ回るヘヴィ・サイケな2曲目も痺れるし、クレシダの1stのようなメロウなオルガン・ロックな3曲目、FOCUSに通じるエッジの立ったメロディアスなリード・ギターがオランダらしい歌心いっぱいのハード・インストの4曲目や5曲目もグッとくるし、これは佳曲ぞろい。60年代末から70年代はじめならではの空気をたっぷり吸い込んだユーロ・アート・ロックの好盤です。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!