2022年12月23日 | カテゴリー:Column the Reflection 後藤秀樹,ライターコラム
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キーボードを導入したバンドというのは数え切れないほどある。ヒットしたものはともかく、人知れず埋もれたままになっているものがそれこそ星の数に例えられるほどになるだろう。特に、プログレで括るならばキーボードを使っていることが必須条件のように言われた時期もあった。
ジャンルの言葉を使うと実に便利で、また共通言語のように広く伝わり、相互理解につながってきたように思う。確かに時代を話題として語るときに言葉は雄弁で便利だ。
とりあえずロックという大枠の中で、聞かれているようでいてじつはそうでもなかったもの、名前は知られているが意外と聞かれていないもの、遅くはないからこれからでももっと知られてほしいと思うものをいくつか挙げてきた。
何のことはない、自分が好きな曲の中からオルガンがプログレ寄りの存在感を持ち、その歴史にも注目したいもの、そして今でも楽しめると思うものを集めてきただけのことだ。
どんな世界にも先駆者とか牽引者がいるわけで、英国にはキース・エマーソン、リック・ウェイクマンといった名前は外すことが出来ないだろうし、私自身にとっても彼らの存在は無視できない。しかし、広いロックの世界には、もっともっとその面白さを伝えてくれるキーボード・プレイヤーがいるし、アンサンブルとしてキーボードを重視したバンドも多い。
今回は、現在でもキードード・ロックの代表格として選ばれる作品を選んでみた。その後第一線を突っ走ったわけではないものの、今も広く聞き続けている忘れられないものばかりだ。
◎画像1 Fields
まずは、キーボードのグラハム・フィールド(Graham Field)、ヴォーカル、ベースのアラン・バリー(Alan Barry)、ドラムスのアンドリュー・マクロック(Andrew McCllouch)からなる71年に結成されたトリオ、フィールズ(Fields)からはじめたい。
彼らの活動期に唯一残されたアルバム『Fields』から「ぼくの友だち(A Friend Of Mine)」を聞いていただこう。
★音源資料A Fields / A Friend Of Mine
キーボードのグラハムは、レア・バード(Rare Bird)での活躍が有名だ。シングル「Sympathy」がヨーロッパで大ヒットし、英国でも70年2月にヒット・チャートの最高位27位を記録している。アルバムはグラハム在籍時に2枚、『Rare Bird』(Charisma’69)、『As Your Mind Flies By』(Charisma’70)。グラハム脱退後にも74年までに3枚のアルバムをPolydorからリリースしている。
国内盤としてはレア・バードの「シンパシー」のシングルは発売されたが、2枚のアルバムは当時リリースされなかった。2枚目の『As Your Mind Flies By』は77年になって日本フォノグラムの「Rock Company Professional Collection」としてようやく出ている。そんな中でフィールズのLPは71年にしっかりと発売されていた。それも驚くことに国内初回盤はポスターこそついていなかったが、オリジナル同様のカンガルー・ジャケット。その後、同番号(ECPL-9)で普通のダブル・ジャケット仕様で再プレスされている。
私は当時、グラハムの存在以上にアンドリュー・マクロックが参加していることが大きな決め手となり国内盤を買った(残念ながら再プレス)。当時、アラン・バリーは知らなかったが、彼もジャイルス兄弟とダウンランズ(Downlands)、そしてグレッグ・レイクとシャイ・リムズ(Shy Limbs)というバンド歴を持っていて、そのキャリアからクリムゾン一派として紹介されていた。
ただ、今となっては、シャイ・リムズは、レイクが抜けた後にバリーが参加し、オリジナル・メンバーだったマクロックと一緒に2枚のシングルを発表していることが明らかになっている。
つまり、シャイ・リムズの残党だったバリーとマクロックがグラハムを迎えて再出発したグループがフィールズだったと考えた方がいいのかもしれない。(もちろん、その間にマクロックがクリムゾンに在籍した時代があったのではあるが)
フィールズの唯一のアルバムは、冒頭の「A Friends Of Mine」や「Over And Over」といった曲から3人のアンサンブルの素晴らしさは伝わってくるが、各所にフォーク系のナンバーやスローなインストもあってバラエティに富んでいる。それも、シャイ・リムズの発展形と考えると理解することが出来るように思えるがどうだろうか。
◎画像2 Shy Limbs (German Single) + King Harry
ここでシャイ・リムズが出した69年のシングル「Reputation」①も聞いていただこう。これがまた素晴らしいオルガンに彩られた曲。オルガニストはジョン・ディッカーソン(John Dickerson)。彼もシャイ・リムズのオリジナル・メンバーだったが、77年にEMIからキング・ハリー(King Harry)として『音楽への招待(Divided We Stand)』②というニッチな存在の好アルバムを発表している。彼はシャイ・リムズの前身バンド、ザ・シェイム(The Shame)からグレッグ・レイクと活動し、67年に未発表となる1枚のアルバムを録音、MGMからの1枚のシングルを出していた。
★音源資料B Shy Limbs / Reputation
なお、フィールズの未発表だったセカンド・アルバム『Contrasts Urban Roar To Country Peace』が2015年に突如登場し驚かされた。これは1972年に録音されたもので、バリーは抜け、新たにフランク・ファレル(Frank Farrell)が加入していた。さらに、今年(2022年)になって2枚組の『Feeling Free-The Complete Recordings 1971-1973』という新たなボーナス・トラックを含めた総集編CDが出された。
◎画像3 Contrasts Urban Roar To Country Peace+ Feeling Free-The Complete Recordings 1971-1973
◎画像4 Greenslade
続いてはデイヴ・グリーンスレイド(Dave Greenslade)。自らの名前をバンド名にしたグリーンスレイドのデヴュー作『Greenslade』(73年)から「溺死寸前の男(Drowning Man)」を選んでみた。
彼はコラシアム(Colosseum)を69年から71年のすべてのアルバムに参加、その時点で有名なキーボード・プレイヤーだったわけだが、その後72年にグリーンスレイドとして活動を始め、75年までに4枚のアルバムを発表している。
驚きはそのメンバー構成で、ベースにコラシアム時代からのトニー・リーヴス(Tony Reeves)、ドラムスにはフィールズから移籍したアンドリュー・マクロック(!) が 、そして何ともう一人のキーボード・プレイヤー(!!) としてデイヴ・ローソン (Dave Lawson) (!!!) が含まれていたことだ。
★音源資料C Greenslade / Drowning Man
まずコラシアムは69年発表の1作目『Those Who About To Die Salute You』(Fontana)と続く『バレンタイン組曲(Valentyne Suite)』(Vertigo)の2枚が忘れられない。
私がはじめて彼らの演奏に接したのは、NHKのヤング・ミュージック・ショーのプログラム『Super Show』だった。いきなりコラシアムの「Those About To Die」でスタート。これがすごかった。
最初の認識としては、何といっても評判通りドラムスのジョン・ハイズマンとサックスのディック・へクストール-スミスの存在感が強烈だった。そんな老練と感じられるメンバーの中で若いジェームス・リザーランドのヴォーカルとギターも印象に残った。その後「Those About To Die」をレコードで聞いて、デイヴの強烈なキーボードがすごい迫力で冒頭を彩っていることを再認識した次第。
★音源資料D Colosseum / Those About To Die
私がレコードを通して最初に聞いたのは『バレンタイン組曲』だったが、そちらも一度聞いただけで虜になってしまうほどに魅力的な作品だった。片面すべてを使った組曲としては、イエスの『危機』、EL&Pの『タルカス』、キャラバンの『9フィートのアンダーグラウンド』と並ぶ70年代初頭を代表するオルガン・ロックの名曲・名演奏だと思う。
◎画像5 Colosseum
コラシアムは71年11月に活動を休止。その後、72年後半にデイヴはコラシアムのベーシスト、トニー・リーヴス(Tony Reeves)を伴って新たなバンドを立ち上げた。それが彼自身の名前そのままのグリーンスレイド(Greenslade)だった。彼らの73年のデヴュー盤も大きな話題となり国内盤でも登場した。これは、その発売を楽しみに待った1枚だった。先に書いた通り、参加メンバーに仰天。
アンドリュー・マクロックには当然のこと、大きな期待を持っていたが、もう一人のメンバーが何とキーボード・プレイヤーで、それもデイヴ・ローソンだったことが大きな驚きだった。
彼はウェッブ(Web)の70年の3作目の名作『I Spider』に参加、その後バンド名をサムライ(Samurai)に変え、71年に傑作『Samurai』を発表していたことで大注目のキーボード・プレイヤーだった。(当時、私自身はその名と評判を伝え聞いただけで実際にそれらを耳にするのはもう少し後のことになる。)
デイヴ・グリーンスレイドが自分のバンドにもう一人、キーボードを迎え入れるということはプログレ時代に呼応しているような印象を受けた。当然、単にピアノやオルガンだけでなく、メロトロン、シンセ等新たな楽器を多用することになる。
二人のキーボード・プレイヤーが縦横無尽に演奏しているのだが、74年3作目の『Spyglass Guest』に掲載された詳細なクレジットを見て驚いた。デイヴ・ローソンが作った曲では、ローソンだけがキーボードを弾き、デイヴ・グリーンスレイドは参加していない。4作目『Time & Tide』でも同様。考え方によっては、グリーンスレイドのローソンに対する信頼の表れのようにも受け取れる。
こうしたバンド事情は結構あることも今となっては理解できるのだが、当時は本当に驚いてしまった。
先に紹介したフィールズで名前を挙げたレア・バードも、じつはツイン・キーボード編成だった。デイヴ・カフィネッティ(Dave Kaffenetti)がもう一人のキーボード・プレイヤーで、グラハム・フィールドの脱退後も彼がレア・バードのキーボードを担当し続けていた。
こう見てくると、フィールズとグリーンスレイドには共通した部分が多くとても興味深い。
国内盤レコードとしてのグリーンスレイドはこの73年のファーストが唯一の作品だった。ロジャー・ディーンのジャケットも話題性としてあったのだと思うが、あまり売れなかったのだろう。2枚目以降は国内レコードの発売はなかった。今では世間一般には2枚目の『Bedside Manners Are Extra』がメロトロン名盤として捉えられているが、3作目、4作目もよく出来た作品だと思う。4作目ではベースがマーティン・ブライリー(Martin Briley)に交替している。
◎画像6 Greenslade + Dave Greenslade
デイヴ・グリーンスレイドは76年に『Cactus Choir』にソロ・アルバムを、79年に『The Pentateuch Of The Cosmogony』という絵本のような企画ものの2枚組を出していた。それをきっかけにTV番組の音楽も手がけるようになった。
さらに94年のコラシアムの再結成に参加し、さらには99年からはグリーンスレイドを再始動。活動を続け双方のライヴが幾つもリリースされている。彼の堅実な人柄が見えるような気がする。
◎画像7 Indian Summer
続いては、英国らしい音楽性とバンド・スタイルを持ったインディアン・サマー(Indian Summer)の唯一のアルバムも、オルガン・ロックとして人気の高い作品だ。キーフが手がけた反転写真が印象的で「荒野のサボテンとそれを見上げる犬」というモチーフが、意味ありげで一度見たら忘れられない魅力を持っている。
リード・ヴォーカルとキーボードはボブ・ジャクソン(Bob Jackson)。もう一人の中心メンバーがドラムスのパール・フーパー(Paul Hooper)。ギターのコリン・ウィリアムソン(Colin Williams)もベースのマルコム・ハーカー(Malcolm Harker)もいい雰囲気を持った味のある演奏を聴かせている。
ここでは、「一瞥(Glimpse)」を聞いていただこう。
★音源資料E Indian Summer / Glimpse
インディアン・サマーは、英コヴェントリー出身で隣街のバーミンガムで活動をはじめたが、ほぼ同じ時期にブラック・サバスもデヴューを狙っていたわけだ。互いが意識していたかどうかはわからないがバンド・イメージとしてどちらも「黒」を想起させるという共通項は面白い。
サバスは国内盤レコードとしては70年に『黒い安息日』の邦題でPhilips(日本での初回はVertigoではなかった)から、インディアン・サマーは71年に『黒い太陽』と邦題がつけられRCA/Neonからリリースされたこともどこか象徴的。
ただレコードの売れ行きと人気の方は大きく差がつくわけで、インディアン・サマーの方は本国でも全く売れず、メンバーは生活にも困る状況に陥ったという。結局1枚のアルバムを発表しただけでメンバーが次々に脱退。72年早々に解散してしまう。
その後、マルコム・ハーカーは73年にサイクルズ(Cycles)というハード・ロック・バンドで演奏する。活動当時にはレコードも出ていなかったが2020年に発掘アルバムとして『Cosmic Clouds』がRise Above Relicsレーベルから出されている。
ボブ・ジャクソンは、74年以来バッド・フィンガーをはじめロス(Ross)、デヴィッド・バイロン・バンド(David Byron Band)等、幾つかのバンドを渡り歩くものの、かつての音楽性を聞くことはできなかった。近年のボブはポール・フーパーとともに、60年代から続くポップ・グループ、フォーチュンズ(The Fortunes)に加わり活動していた。
そう考えていくと、英ロック界で魅力的な輝きを放ったインディアン・サマーだったがその輝きも一瞬だったと言える。残念ながら唯一のアルバムが遺産として残された。
◎画像8 Indian Summer 未発表曲集
しかし、2016年に英Record Collector Magazineがインディアン・サマーの70~71年の未発表デモとライヴ音源を2枚組LPとして発掘した。翌年には日本でCD化された。これはありがたく、嬉しかった。彼らはアルバムのレコーディングではメロトロンを使用していたが、ライヴではオルガンのみ。逆にそれが生々しく聞こえ、彼ら本来の演奏が聞けたような気がした。
ところで余談ながら、バンド名の「インディアン・サマー」とは日本では「小春日和」と表し、その意味は「晩秋の季節外れの温かく霞のかかった気候」の様子を伝えたものだ。ひとつの言葉の意味合いに複数の季節が引き合いに出されるのも面白い。
もう一つ、よく知られた英国オルガン・ロック。Vertigoの至宝のひとつスティル・ライフ(Still Life)の71年の唯一のアルバムも名盤として評価されている作品だ。ジャケットも「静物画」と題されたピンクの花があしらわれた気品のあるデザインと思っていたら、見開き下の写真が見てドキッとした思いは多くの方が経験されたことだろう。
◎画像9 Still Life
ベースのグラハム・エイモス(Graham Amos)、ヴォーカルのマーティン・キュア(Martin Cure)、キーボードのテリー・ハウエルズ(Terry Howells)が中心メンバー。アルバムのレコーディングに当たってアラン・サベージ(Alan Savage)がドラマーとしてサポートに入り70年10月にレコーディングを完成させたのがこの『Still Life』だった。
アルバム発表時から2000年代に入るまで、スティル・ライフというバンドはメンバーの詳細も分からない謎のバンドだった。ただ、内ジャケにはメンバーの写真もあり、プロデューサーをはじめとしてメンバー以外のクレジットはしっかり記されていたにも拘わらずだ。
しかし各曲のコンポーズ情報としてAmos; Cure; Howellsのセカンド・ネームがあったことで、マニアックな謎解きが音楽誌で展開されたことは懐かしい思い出話だ。
国内盤レコードは1977年9月、このコラムでは何度も紹介してきた日本フォノグラムの「Rock Company Professional Collection」の1枚として発売されている。
ここではアルバム3曲目の「(十月の魔女)October Witches」を聞いていただこう。
★音源資料F Still Life / October Witches
スティル・ライフの歴史は、65年のピープス(The Peeps)に始まる。エイモスとキュアの2人が中心となる4人組のギター中心のR&B、ビート、モッズ系のバンドだった。英Philipsから5枚のシングルを出した後、68年にハウエルズがキーボードに入ったことでバンド名をRainbowsと変え、69年に英CBSから新たなシングルを発表するのだが、その曲名はバンド名と同じ「Rainbows」。音楽性もフルートとストリングスを加えた室内楽的なサイケ・ポップに変わっていた。
69年に英CBSからもう1枚シングルを出しているのだが、これがポップなスティル・ライフという雰囲気があってなかなか面白い。テリー・ハウエルズというキーボード・プレイヤーが加わったことでエイモスとキュアの中に来るべき70年代に向けて新たな音楽性に挑戦する気持ちが芽生えたと言っていいだろう。
ここで、Rainbowsとしてリリースしたシングル「New Day Dawning」も聞いてみよう。ここでハウエルズはオルガンだけでなくピアノも演奏しているのだが、スティル・ライフの原型として捉えてみると興味深いものがある。
さらに言えば、この「New Day Dawning」は、ドイツで活動したバンド、ネクター(Nektar)も73年のアルバム『Sounds Like This』で取り上げている。それはギタリストのロイ・アルブライトン(Roy Albrighton)がピープス及びレインボーズのメンバーだった縁からだろうと思われる。
★音源資料G Rainbows (ref-Still Life) / New Days Dawning
やはり、スティル・ライフも、60年代初期の英国のビート・ブームにデヴューし、60年代中期・後期にはサイケ・ポップの影響を受けそのスタイルを変え、70年代に向けてプログレ的な音楽性を目指すという足跡を確認することが出来る。
オルガンを中心とした名曲と言いながら、アーティストの前後を振り返ってみることが面白く、オルガンの魅力を伝えるというよりもバンドの歴史紹介のようになってしまっています。でも、前回ほど部屋は散らかりませんでした。何が違ったのでしょうか。
今回からはオルガンを中心としたキーボード・ロックとして少し名の通った名盤扱いされるものを取り上げたのですが、まだあれもこれも取り上げていないという自分の中の消化不良があるので、年をまたぐことにはなりますが次回も続けていこうと思います。
最近のマイブームはCherry Red RecordsのCDでEsotericやGrapefruit、最近ではStrawberryレーベルから次々と出ているBoxセットです。年代別やジャンルも細かく分かれていますが、昔のシングル曲や未発表曲を惜しげなく収録した興味深いものが多いです。
私は昔からレーベル単位のオムニバス・アルバムやアーティストのベスト・アルバムが好きでずいぶんと手に入れてきました。世間一般には人気がないようですが、何かお得感があり、俯瞰してみることが出来るのが面白く、そこをはじめとして個々のアーティストやアルバムへと広げていく入り口になったように思えます。
特にレコード時代にBam CarusoというレーベルからRubbleのシリーズが出来たときに、60年代の知られざるシングルが数多く紹介され、詳細な解説もあってその奥深さに驚いたものでした。それらもCD時代になって再発されてから改めて集めました。他にも再発系レーベルとしてRhinoを皮切りにSee For Miles、Castle、Repertoire、Angel Air、Radioactive、Wooden Hill、Sunbeam、Frawed Gems、Sundazed等々が様々にかつて存在したバンドを有名無名に関わらず紹介してくれています。
間違いなく「過去」は「今(現在)」に結びついていると思います。
私は主に過去のバンドを取り上げています。今も人気の高い名盤もあれば、聞く機会に恵まれないものもあります。懐かしく思ってもらえるものがあればそれでOKだし、「えっ、そんなものがあったんだ」とか「そうそう、それを取り上げてほしかった」と思っていただければ本当に嬉しいです。
今年の終わりに1曲追加して聞いていただきたいと思います。
本コラム第8回(2018年12月7日)でクォーターマスを取り上げましたが、私にとってのオルガン・ロックのベスト、No.1は彼らの唯一の作品です。
その中に含まれた「Post War Saturday Echo」を今年の最後に入れることにしました。2月に起こった大きな戦いが一日も早く収束することを願いつつ・・・
★音源資料H Quatermass / Post War Saturday Echo
何か不穏なことの多かった2022年も暮れようとしています。年末が近づいてサッカー・ワールドカップでの日本の活躍が一番明るい話題だったと思える一年でした。皆さんにとってはどんな1年だったのでしょうか。私は相変わらず時間の流れが速く感じられ、あれもこれもしていないな・・・という思いばかりが強くなっています。
お付き合いいただいた皆様、今年もありがとうございました。来る年が良い年でありますように。
HG
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レア・バードのリーダーGraham Fieldが、元キング・クリムゾンのドラマーAndy McCullough(dr)らと結成し、71年に唯一作『FIELDS』を残したキーボード・トリオ。なんと2nd用に録音されながら、お蔵入りとなっていた幻の音源が発見され、40年以上の時を超えてめでたくリイシュー!1stからベースが代わっており、新たに元スーパートランプのFrank Farrellが参加しています。クラシカルな格調高さの中に英国らしい幻想性や叙情性や牧歌性がにじむハモンド・オルガンをフィーチャーしたキーボード・プログレは変わらず魅力的で、優美なメロディと朗らかなヴォーカルもまた胸に響きます。Andy McCulloghによるタイトでいてふくよかなな歌心あるドラミングもまた聴きどころです。
初期レア・バードのプログレッシヴ性を担っていたキーボード奏者グレアム・フィールドが、ドラマーのアンディ・マカロック(元キング・クリムゾン)等と結成したフィールズの71年の唯一作に、その翌年に制作されるも未発表に終わったセカンドをボーナス・ディスクとして加え、更にBBCセッション2曲とファースト時のアウト・テイクを追加、アルバム本編はオリジナル・マスターからのリマスターという決定版2CDセット。(レーベルインフォより)
元RARE BIRDのGraham Fieldが、元KING CRIMSONのAndy McCulloch、そしてKING CRIMSONのメンバーPeter Giles、Michael Giles、Boz Burrellとも交流の深かったAlan Barryと結成したイギリスのプログレッシブ・ロックグループによる71年デビュー作。その内容はRARE BIRD時代の名残を感じさせ、Emerson Lake & PalmerともつながるようなGraham Fieldのハモンド・オルガンを中心にしたキーボード・ロックであり、Andy McCullochのジャジーでテクニカルなドラムをはじめとしたバンド・アンサンブルが英国らしい叙情と味を持ちつつ、とてもキャッチーな音楽性を放つ良作となっています。
正真正銘の復活Newアルバム。デイヴ・グリーンスレイドによるキーボードは健在で、ツイン・キーボード・アレンジに涙。
元コロシアムのデイヴ・グリーンスレイドと、デイヴ・ローソンによるツイン・キーボード編成で、ロジャー・ディーンのジャケが印象的な1st/2ndが特にプログレ・ファンに人気の好グループ。75年の4th『TIME AND TIDE』リリース直前の3月にスウェーデンはストックホルムで行われたラジオ放送用のライヴ音源。4th収録曲を中心に、2ndから「Pilgrim’s Progress」や「Bedside Manners Are Extra」など代表曲を3曲演奏。オルガンやメロトロンが淡い叙情を描き、キャメルに通じるタイトなリズム隊が躍動するサウンドは、これぞ英国ファンタスティック・プログレ。音質も良好です。
元COLOSSEUMのキーボード奏者Dave Greensladeを中心に結成されたツイン・キーボード編成のグループによる、74年のスイス公演を収録。1st『GREENSLADE』より4曲、2nd『Bedside Manners Are Extra』より5曲の計9曲をプレイ。
COLOSSEUMのDave Greenslade、Tony Reeves、KING CRIMSONのAndrew McCulloch、SAMURAIのDave Lawsonというテクニシャンが集結し、ギターレスのダブル・キーボードの強みを生かしたプログレッシブ・ロックを聴かせたイギリスのグループ。彼らの73年1st『GREENSLADE』〜75年4th『TIME AND TIDE』4作品からのセレクトに加え、長らく入手困難だった73年8月Reading Festival出演時のライヴ音源「Feathered Friends」を収録したベスト盤!
COLOSSEUMのDave Greenslade、Tony Reeves、KING CRIMSONのAndrew McCulloch、SAMURAIのDave Lawsonというテクニシャンが集結し、ギターレスのダブル・キーボードの強みを生かしたプログレッシブ・ロックを聴かせたイギリスのグループの73年2nd。前作と布陣を同じくして製作された彼らの最高傑作と名高い本作は、前作からさらにダブル・キーボードのアプローチが洗練され、ピアノ、オルガン、アナログ・シンセサイザー、メロトロンが多彩な表情を見せる名盤です。メロディーに溢れるポップ・テイストにも磨きがかかり、デビュー作から一貫する英国然とした質感も健在。よりスケールアップした名演で迫る傑作となっています。
COLOSSEUMのDave Greenslade、Tony Reeves、KING CRIMSONのAndrew McCulloch、SAMURAIのDave Lawsonというテクニシャンが集結し、ギターレスのダブル・キーボードの強みを生かしたプログレッシブ・ロックを聴かせたイギリスのグループの73年デビュー作。彼らの作品の個性と言えるキーボードはピアノ、オルガン、メロトロンを中心にクラシカルな雰囲気ではなく、ブルージーないぶし銀のプレイを基本にポップ・テイストを乗せた素晴らしいアプローチを披露。スリリングなパフォーマンスも見せますが、アンサンブル主義のさじ加減が絶妙であり、英国的なマイルドさとファンタジアに溢れています。適度なユーモアを含んだ作風も個性的な、次作とあわせて名盤と言えるでしょう。
COLOSSEUMのDave Greenslade、Tony Reeves、KING CRIMSONのAndrew McCulloch、SAMURAIのDave Lawsonによって結成されたブリティッシュ・プログレ・グループ、74年作3rd。デビュー作からギターレスのダブル・キーボード体制を特徴としてきた彼らですが、本作ではCOLOSSEUMやHUMBLE PIEでおなじみのClem Clempsonや名セッション・プレイヤーAndy Robertといったいぶし銀のギタリスト達が一部の曲で参加。過去作と変わらず明るくファンタスティックな色合いを醸し出すGreenslade&Lawsonのキーボード群をたっぷりとフィーチャーしつつ、小粋なフュージョン・テイストやトラッド感のあるアコギの音色、クラシカルなヴァイオリンなど多彩な表現を取り入れて完成度の高いサウンドを聴かせています。荘厳なメロトロンやチャーチ・オルガンが轟々と響き渡ったり、縦横無尽に駆け巡るダブル・キーボードと手数の多いリズム隊がスリリングに絡み合うテクニカルなパートも披露しつつ、全体的には軽やかでどこかマイルドなユーモラスさが漂っているのがポイント。技巧的ながらも肩の張らない演奏が耳愉しい好盤です。
デジパック仕様、直輸入盤(帯・解説付仕様)、2枚組、デジタル・リマスター、定価3600+税
元COLOSSEUMのDave Greensladeと元SAMURAIのDave Lawsonという2人のキーボーディストが在籍したブリティッシュ・プログレ・グループ、最終作となった75年作4th。オリジナル・ベーシストのTony Reevesが脱退し、Martin Brileyという新たなメンバーに代わっています。過去作に比べてやや軽快なハード・ポップ・テイストが増したサウンドに仕上がってはいますが、オルガンやシンセ、エレピにメロトロンなど多彩なキーボードを駆使した煌びやかでファンタスティックなアンサンブルは相変わらず。作品としてのまとまりは過去作に劣るものの、カラフルなアレンジが光るレベルの高いサウンドで楽しませてくれる好盤です。
デジパック仕様、2枚組、ボーナス・トラック収録、デジタル・リマスター、定価3600+税
盤質:未開封
状態:良好
帯有
Jon Hisemanを中心に結成されDave Greensladeらを擁したイギリスのジャズ・ロックグループの69年2nd。VERTIGOレーベルの第1作という位置付けの本作は、ブルース・ロックへの傾倒が顕著であったデビュー作から音楽的な引き出しが格段に増した名盤であり、ブリティッシュ・ロック然としたハードなロック・アンサンブルからジャジーな表情、クラシカル・ロック的なアプローチまで、テクニカルなインタープレイを交えながら拡散しつつ融合する素晴らしいものです。中でも彼らを代表する名曲となった表題曲「ヴァレンタイン組曲」は圧巻の出来であり、ブリティッシュ・ジャズ・ロック最高峰の1枚と言えるでしょう。
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
特典帯付(紙ジャケに巻いてあります)
2枚組、直輸入盤(帯・解説付仕様)、デジタル・リマスター、定価3570
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
1枚は傷あり、1枚は無傷〜傷少なめ
英ジャズ・ロックを代表するバンド、70年作3rd。クラシカル且つファンキーなオルガン、ブルージーに泣くギター、躍動感溢れるベース、激しくも緻密に制御されたドラム。そして何と言っても、一流演奏陣に引けを取らない野性味溢れるソウルフルなヴォーカルがアツイ!管弦楽によるきめ細かいアレンジに併せるようにドラマティックなアンサンブルが展開され、鋭くスイングするジャジーなドラムや荘厳な雰囲気を醸し出すオルガンなどをド迫力の声量のヴォーカルが豪快にまとめ上げる様には圧倒されます。彼らの代表作「LIVE」、「VALENTYNE SUITE」と共に聴いていただきたい名盤!
71年リリースのライヴ盤で、通算で4枚目となるラスト・アルバム。スタジオ盤でのダイナミズムがさらに増幅された演奏はただただ圧巻。ジョン・ハイズマンの超重量級でいてシャープな怒涛のドラム、ディック・ヘクストール=スミスの熱すぎるサックス、デイヴ・クレムソンの渾身のブルース・ギター、デイヴ・グリーンスレイドの淡くむせぶハモンド・オルガン、そして、クリス・ファーロウのソウルフルなヴォーカル。すさまじい一体感とダイナミズム。間違いなく当時の英国で屈指と言える実力派だったことでしょう。傑作です。
CD2枚組で、DISC2は、ボーナス・トラックとして同時期のライヴ音源を収録。注目は「Valentyne Suite」の収録!新規デジタル・リマスター
紙ジャケット仕様、Blu-spec CD、16年24bitデジタル・リマスター、定価3000+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
VERTIGOレーベル発のプログレッシブ・ロックを代表するグループの71年唯一作。メンバー編成すらクレジットされていないため長らく謎に包まれていたグループですが、その内容はCRESSIDAなどと並ぶ英国ロックの代表作であり、イギリスらしい重厚な質感を持ったブリティッシュ・ロックという趣です。ブルージーでハードに盛り上げながらもジェントリーな響きを持ったバンド・アンサンブルは英国然とした湿り気と翳りを内包させており、ギターやフルートの彩りを交えながらもそのバンド・アンサンブルを引っ張るのはアグレッシブに弾き倒しを見せつつ懐の深いプレイを聴かせるハモンド・オルガン。英国の芳醇な香りを放つ名盤です。
後にSUN TREADERを経てBRAND Xへと加入することとなるPete Robinson、HARD STUFF、ROXY MUSICなどで活躍するJohn Gustafson、STRAPPS、GILLANへと参加するMick Underwoodによるキーボード・トリオ。Harvestレーベルからの70年作。その内容はハード・ロックを基本にクラシックやジャズなどの手法も使い分けるPete Robinsonのオルガンをメインに据えたヘヴィー・ロックの名作であり、オルガンのほかにピアノやハープシコードなどで巧みに表情を変え、楽曲によってはストリングスも導入したシンフォニック・ロック的な音楽性も聴かせます。
デジパック仕様、Peter Robinson自身による5.1 SURROUND SOUNDミックス音源を収録したDVDをプラスしたCD+DVDの2枚組、NTSC方式、リージョンフリー
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