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【ユーロ・レーベル探求 第十二回】FONIT CETRAレーベル~イタリアン・ロックの輝ける歴史を築いたFONIT CETRA

【第十二回】「イタリアン・ロックの輝ける歴史を築いたFONIT CETRA」

寄稿:ike333さん

KAKERECO GREETINGS vol.18に寄稿させていただきましたが、1980年頃、土曜の深夜(明け方)にFM東京で、「スペースフュージョン」というANGEやらイル・ボロやらのユーロロックのアルバムを紹介してくれる音楽番組がありました。高校生であった私は、毎週眠い目をこすりながら、エアチェックしたものです。しばしば眠ってしまってカセットに録音しそこねてしまったのですが、その様な時の悔しさは半端ではありませんでした。

でも、録音できたときにはまた新たな困難が待ち受けており、例えば、オザンナ系列のUnoについては幸い録音できたのですが、フロイドの狂気を真似たライザ・ストライクのスキャット部分のあまりのすばらしさには狂喜し、レコードが欲しいという思いがとても強くなってしまいました。しかし、1974年のアルバムが輸入盤屋にあるわけでもなく、まあ、東京中を駆けめぐったものです。

Unoについては、幸い、出版元がイタリア大手レコード会社FONIT CETRAであったこともあり、1980年の再版盤(でもジャケがメンバーの写真になっていて残念)が輸入盤屋に流通してめでたく音源GET。以来、愛聴盤です。

FONIT CETRAは、国営レコード会社CETRAと、歴史の長い民間レコード会社FONITが合併したもので、様々なジャンルの音楽をリリースしていますが、重要バンドのアルバムも多数リリースしており、イタリアン・ロックの輝ける歴史を引っ張ったのもこのレーベルだったと言えるでしょう。同レーベルのアーティストというと、やはりNEW TROLLSとOSANNAが筆頭格ですが、以前の回で書いたNEW TROLLSを除くいくつかの素晴らしいアーティストについて書きます。

OSANNA

CITTA FRONTALE(イルバレのG.Leoneも居た)が発展して結成されたナポリの雄。中学時代に入手した雑誌で「PFMがラテン民族の陽。イタリアの暗い陰を描いたグループがオザンナ。」と紹介されていて興味津々でしたが入手困難で、ようやく中古でGETしたのが4作目『LANDSCAPE OF LIFE』(1974)でした。メロトロン全開の曲、ハードロック(友人からギターソロが演歌だと笑われましたが)などごちゃ混ぜでしたが一生懸命聴きました。

78年頃、伊再発盤がでて(ジャケはみなシングルジャケに変貌)、ヘビーかつ妖しい美しさの漂うハードロックの1作目『L’UOMO』(1971)、NEW TROLLSの『CONCERTO GROSSO』で活躍したバカロフによるオーケストラアレンジの素晴らしい『MILANO CALIBRO 9』(1972)、イタリアン・ロックの奇跡としか思えなかった民族系陰の音楽の大傑作である『PALEPOLI』(1973)を聴くことができるようになり、とっても充実した気持ちになったのを記憶しています(後にキングレコードから日本盤がしっかりでました。)。なお、再結成してCBSから発表した5作目『SUDANCE』(1978)には、明るいジャズロックの名盤で、様変わりしたOSANNAに当時驚かされました。


UNO

『PALEPOLI』発表後OSANNAが分裂して、D.Rustici (g)、E.D’anna(fl,sax)が結成したユニットで、ヘビネスさと美しさが同居した傑作アルバム『UNO』(1974)を発表しました。さらに、この2人はCervelloのC. Rustici (g)と共に英国に渡り、NOVAを結成。2作目の『VIMANA』(1976)は、BRAND Xの加勢もあり、ストイックな超名作ジャズロックアルバムとなりました。さらにNOVAは米国に渡り最終作である4作目『SUN CITY(1978)を発表、ファンキーになったと言われていますが、E.D’annaのフルートも舞っていて悪くない作品だと思います。

CITTA FRONTALE

OSANNA分裂期、L.Vairetti、M.GuarinoがSax奏者などのメンバーを加えて再結成した同バンドは1975年に『EL TOR』という暖かみのあるジャズロックのアルバムを発表しています。やはり、コロコロとロールするGuarinoのドラムスやVairettiの歌を聴くとOSANNAの香りがプンプン。名盤です。

ALUSA FALLAX

60年代から79年頃まで活動など続けていたらしいですが、1974年の”『INTORNO ALLA MIA CATTIVA EDUCAZIONE』は唯一のアルバムです。全体としては平均的なイタリアン・ロックではありますが、フルートが適度に活躍し、またkeyがシンフォニックで心地よく、意外と魅力的なアルバムです。

I CALIFFI

『FIORE DI METALLO』(1973)は、パイプオルガン、アグレッシブなオルガンなどが目まぐるしく展開する演奏曲「VARIUS」で有名です。もう一曲プログレ然とした演奏曲があり、その他は少しポップな歌とハードな演奏によるロック・アルバムです。

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DELIRIUM

ジェノバ出身のバンドで、同郷のDe Andre的な歌とアコギが中心のイタリア然とした音楽を 奏でます。1作目『DOLCE ACQUA』(1971)のみ名ボーカリストIvano Fossati(vo.fl)が在籍していましたが、本作は、ジャズ的エッセンスもあるアコースティックで魅力溢れるアルバムです。2作目『LO SCEMO E IL VILLAGGIO』(1972)ではFossatiの穴をSax奏者が埋め、メロトロンも多用して比較的に演奏が中心のアルバムとなっています。そして”『III』(1974)は、暖かいフルートに導かれつつも複雑な展開をするトータル色のある傑作アルバムです。



PROCESSION

後にARTI E MESTIERIに参加することとなるハイトーンのボーカリストGianfranco Gazaが在籍したバンドで2作目『FIABA』”(1974)が同レーベルからリリースされています。本作は、1作目ほど尖った感じはありませんが、Sax,fl等が活躍し、ストリングス系keyの音が快適な好盤だと思います。

RACCOMANDATA CON RICEVUTA DI RITORNO

最近Luciano Regoli(vo,g)により再結成されましたが、当時の唯一作「PER…UN MONDO DI CRISTALLO』(1972)は、イルバレなどに匹敵する気魄迫る闇の傑作アルバムです。テクニカルで目まぐるしく変化するピアノ、アコギ、フルート、サックスなどによる突進するような演奏が素晴らしく、また、ラストのストリングスとの掛け合後、突然現れる穏やかな歌部分がとても美しく感じられます。本作の後、L. RegoliとN.Civitenga(g)の二人はSAMADHIに参加することとなります。

RICORDI D’INFANZIA

唯一作『IO UOMO』(1973)は、重たいオルガン、ハードなギターによるヘビーなイタリアン・ロックのアルバムです。しかし、歌やメロディーをよく聴くと、イタリアの歌心を感じることの出来るもので、イタリアン・ロック・ファンとしては結構楽しめるアルバムだと思います。

SAMADHI

1974年の唯一作は、アラビックなジャケットではありますが、その様なサウンドではありません。しなやかで伸びやか、かつ、さわやかなイタリア語の歌の美しいプログレアルバムで、アコギ、ピアノ、ストリングス系キーボードなどでセンスの良い快適な曲が多い素敵なアルバムだと思います(ジャケで損している!)。

なお、この他にも、Tito Schipa Jr.(『IO ED IO SOLO』(1974)等)、GLI ALLUMINOGENI(『SCOLOPENDRA』(1972))、GOBLINの先祖の様なFLEA(『TOPI O UOMINI』(1972))、GARYBALDI(2作目『ASTRORABIO』(1973))などイタリアン・ロックの有名なアルバムがFONIT CETRAからリリースされており、また、MAURO PAGANIの2作目『SOGNO DI UNA NOTTE D’ESTATE』(1981)も同レーベルからでした。





ユーロロックレーベルというと、まだまだたくさんありますが、例えば独PILZ等はJUKE BOXの「クラウト・ロックが好き?樽底に眠る「キャベツの深漬け」も、食べてみる? ~三大レーベル~」で紹介されていますし、スウェーデンのSILENCEは「洗練されたゴッタ煮!?北欧SILENCEレーベル」で、フィンランドのLOVE RECORDSにも「フィンランドの名グループWIGWAMとその仲間たち」が実質的にレーベルの紹介文にあたると思います。

ということで、これまで12回に渡りユーロロックレーベルに関する駄文にお付き合いいただきどうもありがとうございました。

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洗練されたゴッタ煮!?北欧Silenceレーベル

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イタリアらしいダイナミックな名盤が目白押し、FONIT CETRAレーベル!

イタリアらしいダイナミックな名盤が目白押し、FONIT CETRAレーベル!

OSANNA

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伊ロックのダークサイドを代表する73年作。異教の祝祭を想わせる空気と圧倒的なダイナミズムで突き進むアンサンブル、荒々しいジャズ・ロック展開、そして伊らしい伸びやかさを持ちながらも狂的な昂ぶりを見せるヴォーカルなどをごった煮にして練り上げた伊ヘヴィー・シンフォ史上の怪作!

UNO

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OSANNAのダニーロ・ルスティチとエリオ・ダンナというメイン・メンバー2人がドラマーを加えて結成したバンドによる74年作。アコースティカルかつドラマティックに高揚していく楽曲に乗せて展開される、OSANNAに通じるへヴィーなサウンドと崇高なまでの美しさをあわせ持った名品です。

CITTA FRONTALE

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OSANNAの前身バンドで分裂したOSANNAの元メンバーにより再結成され発表された75年作。OSANNAからダークさを除きより叙情性を増したような音楽性ですが、フルートの美しいさえずりや泣きむせぶサックス、しなやかなエレピなどのオリジナリティに彩られた好作品。

ALUSA FALLAX

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クラシカルで格調高いシンフォニック・ロックを展開する74年唯一作。イタリアらしいバタバタと畳みかけるアンサンブルの上をピアノ、フルートが流麗に舞う展開は、まさにイタリアン・プログレの王道を行くスタイル。ファンタジックな色合いを持つシンセの音色も素晴らしい一品。

I CALIFFI

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73年作より。荘厳なパイプオルガン独奏を経て、スピーディーに飛び出していくアンサンブルが痛快な一曲。後半はピアノが美しいソロからテクニカルなプレイまでを披露する胸の躍る展開を聴かせます。純クラシカルな鍵盤サウンドとロック的ダイナミズムを巧みに配した一曲です。

DELIRIUM

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いかにもイタリアと言うべきダイナミズムいっぱいの演奏を披露する名バンド、74年3rd。切れ味鋭いリズム隊と、フルート、オルガン、サックスによって描かれる熱気あふれるハードなアンサンブルが何とも素晴らしい一曲。

PROCESSION

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74年発表の2ndより。アコギ、オルガン、フルートがまどろみの世界を演出する中、彼方からヴォーカル、ギターが囁くと、一気に力強いアンサンブルへと収束していく、静と動の見事な対比が堪能できる一曲。躍動感いっぱいのベース、激しくかき鳴らされるアコギと聴き所満載。

RACCOMANDATA RICEVUTA DI RITORNO

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近年新作を発表したことでも知られるイタリアン・ロック・バンド72年作。圧倒的にダイナミックなヘヴィー・シンフォ的展開と煌めくようなフォーキーなサウンドとによって描かれる、静と動の激しい振れ幅が印象的な演奏を展開します。謎めいた魅力を放つ作品。

RICORDI D\’INFANZIA

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73年作より。宇宙を感じさせる静謐な場面から、一気に引きずるようにヘヴィーなアンサンブルへと発展、そして伸びやかでドラマティックなヴォーカル・パートへと繋がっていく曲構成が出色の組曲。ダークな質感のオルガンと野太くハードなギターのコンビがサウンドの要となっています。

SAMADHI

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RACCOMANDATA RICEVUTA DI RITORNO、L\’UOVO DI COLOMBOなど実力派バンドのメンバーらにより結成されたバンドによる74年作。ジャケットの印象とは裏腹に、ピアノ、ストリングス、アコギらによって繊細に紡ぎだされる美しいアンサンブルとイタリアらしいファンタジアがいっぱいに詰まった傑作です。

関連カテゴリー

FONIT CETRAレーベル 在庫一覧

  • OSANNA / PALEPOLI

    イタリアン・ヘヴィ・シンフォニック・ロックを代表する衝撃作、73年リリース

    CITTA FRONTALEを母体に、Danilo RusiciとElio D’annaを中心に結成され、呪術的なサウンドとほの暗い叙情でトップバンドへと登りつめたイタリアのへヴィー・プログレッシブ・ロックグループの73年3rd。彼らの最高傑作として名高い本作は、彼らの個性である呪術的な暗鬱とした音楽性、圧倒的なサイケデリアを描く音像、そして過剰なへヴィネスを内包したギター、サックスが先導するフリー・ジャズ路線のアプローチが高次元で融合したイタリアン・プログレッシブ・ロックを代表する名作であり、おどろおどろしいながらも神秘を感じさせる傑作です。

  • UNO / UNO

    オザンナの中心メンバーDanilo RusticiとElio DAnnaがオザンナ分裂期に結成したグループ、74年作

    OSANNAのDanilo RusticiとElio D’AnnaがOSANNA分裂期に結成したイタリアン・プログレッシブ・ロックグループの74年作。残ったOSANNAメンバーMassimo GuarinoとLino VairettiはCITTA FRONTALEを結成し、やはり牧歌的な名盤を生み出していますが、こちらはイギリス録音によりブリティッシュナイズされた作風を取り、PINK FLOYDの作詞が有名なN.J.Sedgwick、GONGなどの作品が有名なDennis Mackayのプロデュース、そしてPINK FLOYDの名作「Dark Side Of The Moon」に参加したLiza Strikeがボーカル参加するなど、力のこもった作品となっています。OSANNAの呪術性は控え、ブリティッシュ・ハード・ロックを基調にしたブルージーなサウンドであり、バンドはこの後ジャズ・ロック色を押し出し、NOVAへと発展していきます。

  • CITTA FRONTALE / EL TOR

    元OSANNAのメンバーによるグループ、75年作、アコースティックでリリカルな伊プログレの傑作

    Danilo RusticiとElio D’Annaが新バンドUNOを結成したOSANNA分裂期、残ったメンバーMassimo GuarinoとLino Vairettiを中心に結成されたイタリアのプログレッシブ・ロックグループの75年作。その内容はOSANNAの呪術的なサウンドとは無縁の牧歌的なプログレッシブ・フォーク・ロックを基本にした、アコースティックな味わいが素晴らしい作風となっています。各種パーカッションを動員しサックスが響くリズミカルなジャズ・ロックから、フルートが優しく彩るフォーク作、ハーモニカがむせび泣くバラードまで引き出しが多く、確かな技巧と叙情を持ちつつも聴きやすいポピュラリティーを兼ね備えた傑作となっています。

  • I CALIFFI / FIORE DI METALLO

    謎めいたジャケットのイメージとは裏腹にメロディアスなサウンドを聴かせるイタリアン・プログレ逸品、73年作2nd

    イタリアン・プログレ・グループ、73年に発表した2ndアルバム。オルガンが叙情的な響きを聴かせる穏やかなパートと、スリリングなドラムが印象的なハードなパートを対比させたプログレッシヴなアンサンブルが特徴のグループ。どちらのパートでも一貫しているのは哀愁漂うメロディーで、つい口ずさんでしまう魅力に溢れています。時にパイプ・オルガンを大胆に用い、クラシカルな展開も聴かせます。名盤と呼ぶには派手さにかけますが、たいへん優れた作品です。ファンタスティックなジャケットだったら、もっともっと評価された作品でしょう。

  • DELIRIUM / LO SCEMO E IL VILLAGGIO

    フォーキーな音楽性を取り入れたイタリアン・プログレ好バンド、72年発表2nd

    SAGITTARIを母体に結成され、ビート・ロック、フォーク・ロック系のサウンドからプログレッシブなアプローチへと変遷していったイタリアのプログレッシブ・ロックバンドの72年2nd。結成からの中心人物であったボーカリストIvano Fossatiが脱退し発表された本作は、それまでのIvano Fossati色を押し出したボーカル路線から一気にプログレッシブな音楽性へと変化した作品であり、キーボードを中心に変拍子を貪欲に取り込み、また、新メンバーのMartin Griceによるサックスやフルートを大きくフューチャーし、ジャズからアヴァンギャルドまで幅広く聴かせる名作となっています。

  • FLEA / TOPI O UOMINI

    ETNAの前身バンド、スリリングで熱気溢れるイタリアン・ハード、72年作

    ETNAの前身バンド。72年作の唯一作。ETNAとは異なり本作で聴けるのは、スリリングなギター・リフ、ヘヴィ&アグレッシヴな爆走ドラムをフューチャーしたハード・ロック。ブリティッシュ・ロックからの影響が強く感じられますが、性急な展開や伊語による熱気溢れる歌メロはいかにもイタリア。

  • PROCESSION / FIABA

    「静」と「動」の対比鮮やかな伊プログレ、74年2nd

    74年発表の2ndアルバム。1st時はツイン・ギター編成のグループでしたが、本作では、ギターが一人抜け、代わりにサックス&フルートが参加しています。前作で印象的だった、アコースティック・ギターを基調とした「静」の部分とヘヴィなバンド・アンサンブルによる「動」の部分を対比させた躍動感溢れる作風は健在。サックス&フルートの加入はかなり好影響で、「静」の部分ではフルートによる叙情性、「動」の部分ではサックスを活かしたジャズ・ロック的なアンサンブルにより、「静」と「動」の部分が前作以上にドラマティックに響いています。名作。紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター。

  • TITO SCHIPA JR. / LO ED IO SOLO

    イタリアならではの「詩情」がこれでもかと溢れる傑作、74年作

    偉大なるテノール歌手Tito Schipaを父に持つ、イタリアのキーボーディスト/ヴォーカリストによる74年作。繊細なギター・アルペジオと内省的で優美なヴォーカル&メロディによる弾き語りをベースに、バンド演奏とオーケストラがプログレッシヴなエッセンスを加えます。手数多くシャープでいてふくよかな温かみのあるドラム、「紡ぐ」という言葉がぴったりに切々と感情を表現するリリカルなギター、物憂い叙情を帯びたキーボード、格調高くクラシカルなストリングスからは、これぞイタリアン・ロックと言える聴き手の感情をかきむしる「詩情」と「ドラマ」が溢れています。20分を超える楽曲でのまるでクラシック!と言える鮮やかな構築美も見事。NEW TROLLSやFORMULA 3あたりの歌心いっぱいの楽曲が好きなら間違いなく気に入るでしょう。イタリアの歌心溢れる傑作。

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