2022年3月11日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
先日、洋風料理店を経営しておられるというカケレコユーザーの方より、こんなリクエストをいただきました。
お店のBGMに使えそうなアルバムを探しております。音楽に興味のない一般の方はサラッと聞き流せる軽快さで、且つ芸術性も感じさせる作品の「BGMセット」などあるとワクワクします。
というわけで今回はリクエストにお応えして、世界のプログレから洋風料理店で流していただけそうな「軽快さ」と「芸術性」を備えたBGMをセレクトしていきたいと思います。
BGMとして特におすすめな楽曲の試聴音源もご用意しましたので、皆様もご紹介するBGMに乗ってどんな料理が出てきそうか想像しながらお楽しみいただければ幸いです♪♪
西欧ロックの中心地イタリアからスタートいたしましょう~。
イタリアン・ジャズ・ロックの最高峰に位置する名バンドの75年2ndアルバム。
美しさと緊張感が拮抗するような前作よりは、優雅で滑らかなタッチが増えた本作の方がBGM向きでしょうか。
それでも、流麗なメロディの後ろで関係ない音楽をやっているかのように叩きまくるこのドラム!
アーティスティックな感性を備えたグループが多いフランスからはこの素晴らしき一枚をチョイス☆
中世音楽や舞曲をベースにした個性派フレンチ・シンフォを聴かせるグループ、19年作10th。
芳醇な地中海エッセンスや瑞々しいトラッド・エッセンスを織り交ぜリズミカルに畳みかける軽快なサウンドが耳に心地いい!
スペインにもBGMにもってこいの作品がございますよ。2枚をピックアップ!
地中海の青空へと吸い込まれていくような、リリカルで可憐に舞うエレピがもう絶品。
その名の通りバルセロナ出身のキーボード・トリオが紡ぐ、メロディアスかつ緻密なクロスオーヴァ―・ジャズ・ロックが堪能できます。
ハットフィールド&ザ・ノースやリターン・トゥ・フォーエヴァーのファンにも聴いてもらいたい!
上のBARCELONA TRACTIONで素晴らしいキーボードワークを聴かせたLucky Guri。
そのGuriをリーダーに、72年に制作された全曲ビートルズのカバー・アルバムがまた極上の出来栄えなんです。
全編インストなのでお洒落なBGMとしても最適ですし、よく耳を傾ければ強烈な躍動感とキラメキに満ちた演奏と「そう来るか!」というアレンジの妙が楽しめるナイスな一枚です。
北欧もBGM向きの美しく幻想的な作品が多いですが、その中からこのアーティストを一押し!
フィンランドの至宝とも言うべきギタリストが放った2ndソロ。
さながらRETURN TO FOREVERへの北欧からの回答とも言えそうな、ジャジーで精緻かつポップで華やかなサウンドを聴かせてくれます。
北欧らしい凛とした透明感と繊細なリリシズムが堪らないなぁ。
辺境代表はイスラエル!軽やかにして気品溢れる良作品揃いの中から厳選した2枚がこちら♪
このシンプル過ぎるジャケットではどんな中身か分からないと思いますが、実はSHESHET、KTZAT ACHERET、KAVERETというイスラエルが誇る名グループのメンバーが結成したスーパートリオが残した作品です。
全員が優れたコンポーザーなので、まばゆいイスラエル・ロック名品群の中でも特に美メロが満載。
そんな美メロを一層優美に彩るデリケートなアンサンブルも素晴らしいんです。
イスラエル・ロックの最高峰SSWと言えば彼。
自身による優雅なピアノをフィーチャーした弾き語り調ナンバーを中心に、バンド演奏も織り交ぜながら洒脱に聴かせるスタイルは、これぞイスラエル・ロックと言える気品がたっぷり。
ヘブライ語のエキゾチックな響きも含め、小粋なBGMとして良いのではないでしょうか。
ユーラシアを離れ、今度はオーストラリアからとっておきの作品をご紹介♪
オーストラリアには、ニッチながらこんな洒脱でカッコいい音を聴かせる作品がありました。
軽快かつ流麗なギターのカッティング、緩急自在のリズム・セクション、そして、その上をたおやかに舞う管楽器のリード。
テクニカルにして清涼感もたっぷりのフュージョン・ロックが魅力です。
南米はアルゼンチンにも、是非プログレBGMとしてオススメしたい作品があります。2枚をどうぞ!
アルゼンチン・ロック界の天才Charly Garcia率いるバンドの77年2ndアルバム。
個人的に「英米以外のお洒落なロック」を聴かれたら、必ずオススメしたい作品です。
この曲なんて「南米のスティーリー・ダン」とも形容したくなる洗練されたAORタッチに、プログレッシヴな構築的展開が加わったような最高の一曲!
アルゼンチンと言ったらタンゴでしょ、という事であればこの作品。
音の方を一言で表すなら、「もしハットフィールドやソフト・マシーンがタンゴをやったら?」。
バンドネオン奏者によるリーダー作だけあって、哀愁ほとばしるバンドネオンが全編リードする上質なタンゴ・ロックを奏でます。
昼下がりから夕暮れにかけてあたりに流すと雰囲気があって良さそう♪
いかがだったでしょうか。
軽快さという点でフュージョン・タッチの作品が多めになりましたが、洋風料理にそれなりに合うセレクトになったのではないかと思います。
「○○で流せるプログレBGM」、今後もシリーズとして続けていきたいと思いますので、どうぞお楽しみ☆
アレアと並ぶイタリアン・ジャズ・ロック史上の名バンド。オリジナル・メンバーが再結集してリリースした01年再結成作。民族音楽色を強めた郷愁を誘うサウンドメイクを土台にして躍動する、往年と変わらぬ手数でタイトに打ち込むドラム、芳醇な歌心を備えたベース、煌びやかに音を散らすキーボード、柔らかな気品を放つヴァイオリン、そして哀愁のフレーズをとめどなく紡ぎ出すギター。ARTI E MESTIERIというバンド以外では絶対に聴くことのできないテクニカルな演奏の中に悠久のロマンが匂い立つようなジャズ・ロックが堪能できます。傑作!
アルティ・エ・メスティエリの最初期のライヴ音源として発掘された貴重なアーカイブ集。デビュー時期のもっとも勢いのある彼らの怒濤の演奏が堪能できるファン必聴盤。(レーベルインフォより)
アレアらと並びイタリアン・ジャズ・ロックの最高峰に位置するバンド。Frio ChiricoとBeppe Crovellaを中心とする編成で再始動、前作『Murales』から3年を経てリリースされた03年スタジオ・ライヴ作品。傑作1stよりオープニングを飾る「Gravita 9,81」と大作「Articolazioni」、ライヴ・アルバムでのみで聴けたファンタジックな英語曲「Comin’ Here To Get You」など全4曲を演奏。2人の演奏の素晴らしさは言わずもがなですが、前作でもプレイしたCorrado Trabuioの芳醇な響きのヴァイオリンが特筆もので、オリジナル版に忠実でありながらも独自の優美な表情を加えているように感じます。アルティ・ファンであれば一聴の価値ありの好盤です!
アレアと並ぶイタリアン・ジャズ・ロック史上の名バンド、7作目のオリジナル・アルバム。Furio Chirico、Beppe Crovellaを中心とする編成に、2曲のみながらオリジナル・ギタリストGigi Venegoniが参加。結成30周年を記念し過去の楽曲や初期の未発表楽曲を新録したアルバムとなっており、往年と変わらぬ怒涛のスピードとテクニックを叩き込むパートと滑らかなタッチのリラックスしたパートとが緩急自在に切り替わる目の醒めるようなアンサンブルがお見事すぎます。人気曲「Gravita 9.81」も切れ味抜群!
紙ジャケット仕様、19年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、定価2500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
プログレッシブ・ロック界を代表する技巧派ドラマーFurio Chiricoといぶし銀のプレイを聴かせるキーボーディストBeppe Crovellaを擁する、イタリアを代表するジャズ・ロックグループの74年デビュー作。その内容は非常にテクニカル且つシンフォニックなジャズ・ロックであり、次作と並んで彼らの代表作となっている名盤。非常に歌心豊かなメロディーを奏でるヴァイオリン、サックスなどを取り入れたそのサウンドはシンフォニックで優美な音像を構築し、Furio Chiricoのパワフルで手数の多いドラムが乱舞。そこに時に激しくソロを弾き、時にメロトロンで雄大な叙情を語るBeppe Crovellaのキーボードが響きます。技巧で迫りつつも、メロディーの良さで聴かせる名盤です。
デジパック仕様、直輸入盤(帯・解説付仕様)、デジタル・リマスター、定価3000
盤質:傷あり
状態:並
帯有
小さい破れあり、解説に若干汚れあり
アレアらと並びイタリアン・ジャズ・ロックの最高峰に位置するバンド。超絶ドラマーFurio Chirico以外のメンバーを一新し、83年にスタジオ・ライヴで録音された4thアルバム。疾走するFurio Chiricoのドラムは言わずもがな、ドラムに煽られるかのように次々とスリリングなフレーズを応酬させるサックス、エレピ、ギターのテクニックも抜群。アンサンブルのまとまりとテンションは前作以上で、テクニカルなジャズ・ロックとして間違いなく一級品と呼ぶべき快作です。
直輸入盤(帯・解説付仕様)、定価2857+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干帯中央部分に色褪せあり
アレアと並ぶイタリアン・ジャズ・ロック史上の名バンド、01年リリースのアーカイヴ音源集。『TILT』に収録されながら一部のCD規格以外ではカットされている「Scacco Matto」を筆頭に、デビュー以前のデモ音源、アルバム未収録曲、英語ヴァージョン、新曲など貴重な12曲をまとめた、アルティ・ファンなら押さえておきたい一枚です!
紙ジャケット仕様、19年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
アレアらと並びイタリアン・ジャズ・ロックの最高峰に位置するバンド。85年作の5thアルバム。前作以上にメロウかつファンキーな作風が印象的ですが、フリオ・キリコのドラムは相変わらず鋭利なフレーズを連発。主にサックスが担うジャズ/フュージョン然とした滑らかなメロディとドカドカと遠慮会釈なくタイトに叩き込むリズムとの温度差がこの作品ならではの独特なテンションを生み出しています。10分を越える大曲「Waiting For Laura At Banfora Hotel」が聴き所。
アレアと並ぶイタリアン・ジャズ・ロック史上の名バンド、2005年に行われた初来日公演を収録。イタリアン・ロック・ファンにはなじみ深い1st『Tilt』と2nd『Giro Di Valzer Per Domani』を中心とするセットリストとなっており、最も勢いのあった初期の名曲群をたっぷりと堪能できます。00年代以降に参加の若手メンバーの演奏力も充実しており、オリジナルと遜色ないパフォーマンスが発揮された好ライヴ作となっています。
中世/古楽的ロックを追求するデュオ「VITAL DUO」でも活躍する双子のPayssan兄弟Thierry Payssan(Key)とJean-Luc Payssan(ギター)を中心に80年代から活躍するフランスのプログレ・バンド。09年作から6年ぶりの2015年作で2枚組の大作。中世トラッドや古楽、地中海音楽や南欧トラッドミュージックを織り交ぜながら、イエスやグリフォンやマイク・オールドフィールドからの影響を感じさせるサウンドは80年代のデビュー時から変わらず魅力的。オープニング・ナンバーからエネルギッシュで、性急に畳み掛けるリズム隊や前につんのめるようなシャープなエレキ・ギターによるドライヴ感とともに、古楽器が圧倒的なテクニックで格調高くも軽やかに鳴らされます。全体をシンフォニックにまとめあげるヴィンテージなキーボードもいい感じ。ベテランとは思えない、微笑ましくも尖った諧謔センスたっぷりのジャケのイメージ通りに切れ味バツグンな音楽センスがみなぎるさすがの快作。これは名作です!
Thierry Payssan(Key)とJean-Luc Payssan(ギター)、双子のPayssan兄弟を中心に80年代初頭より活動するフレンチ・シンフォニック・ロックの人気バンド、21年11月のスペイン公演を収録した22年リリースのライヴ作品。最新アルバムである19年作『Air CARAVAN』や16年作『PAVANES』など近作のナンバーから80年代の初期代表曲までをプレイしています。リズム隊、キーボード、ギターが中世音楽や地中海音楽のエッセンスいっぱいに緻密に絡み合う彼らのサウンドですが、いやはや本当にライヴ?と思ってしまうほどに一糸乱れぬアンサンブルにはただただ驚嘆してしまいます。香り立つ中世音楽エッセンスはGRYPHONを、軽やかに交差する超絶技巧はGENTLE GIANTを、緻密にしてスケール大きな楽曲展開はMIKE OLDFIELDを想起させる、そんな凄いバンドです。上記のアーティストがお気に入りな英プログレ・ファンには是非堪能して欲しい至上のパフォーマンス!
双子のPayssan兄弟、Thierry Payssan(Key)とJean-Luc Payssan(ギター)を中心とするフレンチ・シンフォ・グループによる、記念すべき85年デビュー作。彼らの持ち味が、キーボードとギターが流れるように繰り出すスピーディなフレーズの応酬と、トラッドや舞曲に影響を受けたリズミカルな疾走感を融合させた独自のスタイル。流麗さと躍動感が詰まったシンフォニック・ロックは痛快の一言です。神秘的な旋律を奏でる気品あるフルートのプレイにも注目。このテクニック全開でありつつどこまでも優雅で奥ゆかしいサウンドは、初期GENESISや初期CAMELのファンにもぜひお楽しみいただきたいところ。80sフレンチ・プログレではNo.1と言える出来栄えのシンフォ傑作です。
Thierry Payssan(Key)とJean-Luc Payssan(ギター)、双子のPayssan兄弟を中心に、80年代初頭より活動するフレンチ・シンフォニック・ロックの代表的バンド、19年作10th。同郷MALICORNEや英国のGRYPHONの流れを汲む、中世音楽、トラッド、舞曲をベースにした”踊れるプログレ”を本作でも追及しており、デビュー時より変わらぬアプローチをさらに推し進めたサウンドが魅力です。前のめり気味に畳みかける躍動感いっぱいのリズムに乗って、民族音楽のように賑々しく奏でられるシンセ&オルガンと、Mike Oldfieldばりにシャープで流麗にフレーズを弾くギター&緻密なアコギらが絡み合い、思わず体が動いてしまうようなリズミカルで華やかなシンフォニック・ロックを紡ぎます。アコギがジャカジャカとかき鳴らされシンセが高らかに舞う、地中海エッセンスも香る祝祭感に満ちた演奏は「CELEBRATION」のP.F.Mにも通じていてエキゾチズムたっぷり。一方、合間では技巧が炸裂するスリリングなテクニカル・シンフォも飛び出し、トラッド調ナンバーとの間に鮮やかなコントラストを作り上げていて素晴らしい。今回も期待を裏切らないサウンドを届けてくれる一枚!
中世/古楽的ロックを追求するデュオ「VITAL DUO」でも活躍する双子のPayssan兄弟Thierry Payssan(Key)とJean-Luc Payssan(ギター)を中心に80年代から活躍するフランスのプログレ・バンド。2015年、2014年、2012年のライヴ映像を収録したDVD。イエスやグリフォンやマイク・オールドフィールドからの影響を軸に、中世トラッドや古楽、地中海音楽や南欧トラッドミュージックのエッセンスを織り交ぜたサウンドが持ち味。このバンドはエネルギッシュな躍動感も魅力ですが、映像で見るとこれがまたカッコ良い!ギターとキーボード奏者が頭を激しく揺らしながら、音を自在に解き放っています。カケレコでも大人気だった2015年作『PAVANES』の楽曲も収録!
双子のPayssan兄弟、Thierry Payssan(Key)とJean-Luc Payssan(ギター)を中心とするフレンチ・シンフォ・グループによる、88年の2ndアルバム。舞曲由来のリズミカルさと共に軽やかに疾走するシンフォニック・ロックを聴かせた1stに対し、本作はリズム隊に重量感が増しより緊張感あるタイトなシンフォニック・ロックを聴かせます。エッジの立ったハードなプレイも交えた技巧派ギターが演奏の主軸となり、シンセやオルガンがその周囲を流麗に舞い踊るアンサンブルは、両者が流れるようにソロを繋いでいた前作にも劣らず魅力的。リズムに関しては、舞曲的なリズミカルさから80年代的なダンサブルなノリへと傾いている曲もありますが、ギターのプレイと同期した時のキレのある演奏のカッコよさは前作以上でしょう。やはり傑作!
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・トリオ、75年作。バンドのリーダーは、Key奏者のLucky Guriで、バルセロナ・ジャズ・ロック・シーンの名手達が集まったビートルズのカヴァー作品(傑作!)に参加したり、後には地中海ジャズ・ロックの名バンドMUSICA URBANAに参加するなど、バルセロナ・シーンを代表するKey奏者。シャープに引き締まったドラム、流麗に動くメロディアスかつグルーヴィーなベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、エレピが地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうメロディを奏でます。色彩感豊かなパーカッションやホイッスルなどによる味付けも地中海フレイヴァーたっぷり。バンドは、スペインはカタルーニャ地方のウッドストック・フェスと言える75年に行われた伝説の「Festival Canet Rock」に参加し、高い評価を得ます。バルセロナ産ジャズ・ロック「MUSICA LAIETANA」シーンを代表する一枚として名高い傑作です。
後にBARCELONA TRACTION〜MUSICA URBANAとスパニッシュ・ジャズ・ロックを代表するグループで活躍する名Key奏者Lucky Guriと70年代初期のスパニッシュ・ジャズ・ロック・シーンを代表するグループMAQUINA!のサックス奏者Peter Roarを中心に、言わずとしれたICEBERGの名ギタリストMax Sunyerや、MAQUINA!のリズム隊が参加したスーパー・グループ。72年作の全曲ビートルズ・カバー・アルバム。もう、このレビュー書きながら、興奮しています!2曲目の「Strawberry Fields Forever」で泣きそうです。イージーリスニングな感じは微塵もなく、サイケ・ポップのカラフル感を残しつつ、ロック的シャープさとオシャレな洗練とが同居した最高にカッコ良くワクワク感溢れるサウンドを聴かせています。シャープでタイトな音色と手数多いフレージングがカッコ良すぎるドラムを中心に、ピアノとサックスが時にどっしりと時に軽やかに躍動し、NUCLEUS時代のChris Speddingを彷彿とさせるセンス溢れるMax Sunyerが脇を固めます。このキラメキが伝わるでしょうか。カケレコが自信を持ってオススメする大傑作!ビートルズ・ファンもサイケ・ポップ・ファンもニッチ・ポップ・ファンもジャズ・ロック・ファンもカンタベリー・ファンも全員必聴!
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TASAVALLAN PRESIDENTTIのリーダーであり、北欧を代表するギタリスト。73年作の2ndソロ・アルバム。ジャズ・ロックは前作でやり尽くしたのか、本作では、アコースティック・ギターとフルートを中心としたリリカルなアンサンブルによる叙情的なサウンドを聴かせています。前作のスリリングな演奏を期待すると肩透かしを食らいますが、メロディアスなアルバムとしての完成度はかなりのもの。北欧らしい静謐なアンサンブルをベースに、スリリングなパートを効果的に配置しサウンドを引き締める構成など、ただならぬ才能を感じさせます。北欧ロックを代表すると言っても過言では無い傑作。
KTZAT ACHERET(NO NAMES)〜SHESHETで活躍したフルート奏者Shem Tov Levy。同じくNO NAMESで活躍し、SSWでも名を残すShlomo Ydov。イスラエルを代表するグループKAVERETのギタリスト&シンガーYitzhak Klepterの3人によるスーパー・トリオ。79年作。3人ともが名コンポーザーのため、本当にどの曲も佳曲揃い。たおやかなで胸に響くメロディ、優美なアコギにフルートとエレピが叙情を添えるアンサンブル。歌ものイスラエル・ロックの逸品。
イスラエル・ロックの象徴的グループKAVERATでの活躍も知られる同国屈指のSSW/ピアニストYoni Rechterが、60年代半ばより活動した伝説的SSWのArik Einsteinとの連名でリリースした89年作。クレジットを見るとすべての作曲とアレンジメントをYoni Rechterが行なっているようで、実質的に彼のソロ作と言って良さそうです。フルートにSHESHETのShem-Tov Levi、ギターにCHURCHILL’S〜KAVERETのYitzhak Klepterら盟友が参加。自身による気品たっぷりに転がる優雅なピアノをフィーチャーした弾き語り調ナンバーを中心に、バンド演奏も織り交ぜながら洒脱に聴かせるスタイルは、これぞイスラエル・ロック。ジャジーにもクラシカルにもコロコロと調子を変える自在なピアノと、温かみをもって語り掛けるような優しいヘブライ語ヴォーカル、それを支えるように随所で軽やかに舞い上がるフルート&柔らかなトーンでメロディアスにフレーズを紡ぐギター。時折ビッグ・バンド風の派手な音も飛び出して、たおやかな佇まいにも華やかさを添えていて素晴らしい。イスラエル随一のSSWによる隠れた秀作です!
イスラエル・ロックの象徴的グループKAVERATでの活躍も知られる同国屈指のSSW/ピアニストYoni Rechterが、60年代半ばより活動した伝説的SSWのArik Einsteinとの連名でリリースした89年作。クレジット上ではArik Einsteinはバッキング・ヴォーカルのみの参加で、実質的にYoni Rechterのソロ・アルバムとなっています。しとやかな響きのピアノをメインに据えた弾き語り調で進行するサウンドは、気品高くもどこか気だるげな空気が漂っていて、これぞイスラエル・ロックと言いたくなる浮遊感ある聴き心地が癖になります。数曲で参加の女性シンガーYehudit RavitzやフルートのShem-Tov Leviら、SHESHETのメンバーの参加も凛とした音作りに貢献。クラシカルなタッチを基調にしつつ、ジャジーで洒脱なプレイも織り込んだ陰影豊かな演奏に心奪われること必至。ヘブライ語の神秘的な語感も合わせて、異国情緒あふれる歌ものロックの名品です!
74年から83年の活動期間中に5枚のスタジオ作を残したオーストラリアの名ジャズ/フュージョン・ロック・バンド、75年デビュー作。軽快かつ流麗なギターのカッティング、緩急自在のリズム・セクション、そして、その上をたおやかに舞う管楽器のリード。清涼感たっぷりのフュージョン・ロックが魅力です。エレピとギターとベースによる高速ユニゾンなど、マハビシュヌやウェザー・リポートばりのテクニカルなパートでの切れ味も特筆。フュージョン系ロックのファンにオススメの快作です。
チャーリー・ガルシア率いるアルゼンチン・ロック・グループ。76年作の1st。アコースティック・ギターのリリカルなアルペジオに導かれる穏やかなメロディーに、チャーリー・ガルシアによるシンセ&ピアノが時にダイナミック、時に繊細なフレーズで彩りを添えるスケールの大きなサウンドが印象的。ややもすると泣き過ぎてしまいそうなアンサンブルをピシッと引き締める切れの良いリズム隊も抜群。特にクリス・スクワイアを想わせるベースが絶品です。メロディー、アレンジ、演奏とも最高レベルの傑作。
チャーリー・ガルシア率いるアルゼンチン・ロック・グループ。77年作の2nd。前作での穏やかで美しいメロディーはそのままに、ジャズ、フュージョン色が増し、より洗練されたテクニカルなアンサンブルが楽しめる作品。弦楽アレンジの大胆な導入によりリリカルなメロディーの魅力も最大限に引き出されています。演奏の切れはさすがで、静と動の部分のメリハリが強調された結果、完成度は増した印象。前作と並び、アルゼンチン・ロックを代表する傑作。
アルゼンチンのバンドネオン(タンゴで用いられるアコーディオンのような蛇腹楽器)奏者。ジャズ・ロック色の強い77年作。INVISIBLEのギタリストやESPIRITUのキーボーディストなど、プログレ人脈のゲストも注目。バンドネオンのサウンドは哀愁いっぱいですが、ドラムやギターが入ると一気にプログレッシヴに。手数多くシャープなドラム、ソフト・マシーンを彷彿とさせる硬質なキーボード、流麗な早弾きをビシバシとキめるギターなど、ソフト・マシーン『バンドルズ』あたりも彷彿とさせるアグレッシヴなサウンドで聴き手に迫ります。ビシバシとしたアンサンブルに圧倒されていると、バンドネオンが哀愁のフレーズを奏で、ギターがリリシズム溢れる泣きのフレーズを奏で、一気に南米色を増していき、聴き手の胸に迫ります。これは表現力豊かな素晴らしい作品です。名作!
アルゼンチンのバンドネオン(タンゴで用いられるアコーディオンのような蛇腹楽器)奏者による78年作。AVE ROCKのベーシストOscar Glavic、ESPIRITUのキーボード奏者Gustavo Fedelが参加して録音されていて、タンゴやジャズのエッセンスとともに、シンフォニックなプログレッシヴ・ロックのエッセンスが見事に結びついたサウンドが印象的。Rodolfoの物悲しくも凛としたバンドネオンとともに、Gustavo Fedelのピアノやキーボードも出色で、双頭バンドと言えるようなバランスで、2人が生む音色が有機的なアンサンブルを生んでいます。バンドネオンに寄り添っては静謐なトーンで緊張感を生むピアノ、ここぞで高らかに鳴りシンフォニックな響きを加えるムーグやアープ・シンセ。高らかなシンフォニック・ロックから一気に哀愁のバンドネオンが立ち上がる瞬間はこの作品ならではの魅力と言えるでしょう。変拍子を織り交ぜて、時にふくよかに、時にシャープに引き締めるリズム隊、そして、繊細なタッチのオブリガードからアタック感の強いロック寄りのトーンでアグレッシヴにうなるリードでダイナミズムを生むエレキ・ギターも特筆です。前作『DE TODAS MANERAS』もプログレ、カンタベリーのファンは必聴でしたが、本作もまた前作を凌駕せんばかりの傑作。これはジャズ・ロックのファンは必聴!
ボーナス・トラックとして、映画『Crecer de golpe』に提供したサントラ音源1曲を収録、ペーパーケース仕様
レーベル管理上、ペーパーケースに圧痕・スリ傷などの不良がある場合がございます。ご了承ください。
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