2作目『AL OTRO LADO』(1978)は、ギター11人が抜けて(ベースも交代)、PSIGLO(ウルグアイ)やCRUCIS(アルゼンチン)に在籍したキーボード奏者Jorge G.Banegasの参加によりシンフォ度が高まったなかなかの好盤です。このほか、ポップなロックとなった3作目『AHORA』(1979)などをCHAPAからリリースしています。
2作目『HONBRE, TIERRA Y ALMA』(1979)は更にハードロック寄りとなりますが、3作目『EL HIJO DEL ALBA』(1980)は、冒頭からキーボードの洪水、そしてスパニッシュギター、バリバリのエレキギターにより、少し「LARKS TONGUES IN ASPIC」似のフレーズも出てくる、雄大なシンフォ系アルバムで、最高傑作です。4作目の『MUSICA PARA LA LIBERTAD』(1983)は、よりタイトで格好良いシンフォとなりました。スペインのヘビーシンフォで、NUとともに最重要なバンドと言えるでしょう。
TARANTULAに次いで登場したバンドがNUです。Vo兼key、フルート奏者Jose C.Molina率いるスペイン屈指のハードロック/ヘビメタバンドで、デビュー盤『CUENTOS DE AYER Y DE HOY』(1978)は、エッジの効いたギター、金切り声の様なバイオリン、リリカルなフルート、疾走するドラムス、不安げなボーカルと、どこをとっても伊のRACCOMANDATA RICEVUTA RITORNOか、北欧のTRETTIOARIGA辺りに匹敵するヘビーシンフォの大傑作です。
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2作目『A GOLPE DE LATIGO』(1980)も引き続きフルート、バイオリン入りヘビーなプログレで、なかなか魅力的です。3作目の 『FUEGO』(1983)では、バイオリンが抜け、フルートが特徴の純然たるヘビメタとなります。もう1作品CHAPAに残し同レーベルを離れますが、その後も着実に活動している様で、傑作となった最近作『VIEJOS HIMNOS PARA NUEVOS GUERREOS』(2011)もドラマチックなハードロックを展開、健在振りを示しています。
2作目『PRET A PORTE』(1980)は、時代を反映したのか、『REGGATTA DE BLANC』期のTHE POLICEの影響も見られる、よりポップなロック・アルバムです。
BORNE
TOPOの次がBORNEで、『EXPRIME LA NARANJA』(1979)は、スパニッシュ色の強いA①、B③などを除けばかなりインターナショナルな音の、少しフュージョンがかったBRAND Xといった感じのジャズロックの好アルバムです。外せません。
CRACK
CRACKの『SI TODO HICIERA』(1979)スペイン屈指のシンフォ・アルバムと言われていますが、確かに男女ボーカル、舞うフルート、リリカルなピアノ、チャーミングな音色のシンセをはじめとするkey群など全てに渡りシンフォニックで、魂に訴えるような美しいメロディが展開する傑作アルバムです。スパニッシュ色は強くなく、むしろイタリアンに近いと思います。
MEZQUITA
これに続き登場したMEZQUITAのレコード『RECUERDOS DE MI TIERRA』(1979)は、ジャケ買いでした。絵のクレジットを見て納得、TRIANAやALAMEDA等でおなじみ、MAXIMO MORENOによるものです。音楽の内容は、テクニカルなスパニッシュギター、スペイン語の歌やフラメンコ的演奏やフレーズが満載、典型的なアンダルシア風のアルバムです。とてもスリリングなスパニッシュ・シンフォの傑作だと思います。