2021年12月29日 | カテゴリー:どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ 市川哲史,ライターコラム
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つくづく、世界最大の音楽データ検索エンジン《Discogs》の驚異的な利便性が、ありがたい。
米ポートランドで設立された2000年以降、多大なる恩恵に与ってきた。どんなディスコグラフィーでも、各国盤やプレス毎の内容の違いまで完全網羅できるのだから、夢のようだ。40年以上も前の高校時代に、もしもDiscogsを閲覧できていたら、幸福過ぎて頓死してたと思う。それくらい「最低限の」ディスコグラフィーに飢えていたのは、私だけじゃないはずだ。
洋楽を聴き始めた70年代中盤、情報はあまりに乏しかった。そのバンドの作品が何タイトルあるのかぐらいなら、レコード店のエサ箱に並ぶ在庫や音専誌掲載の広告や帯裏に印刷されたカタログ紹介から類推できたとしても、各メンバーの課外活動や前歴における作品など、とてもわからない。日本盤ライナーノーツは資料としてポンコツだし、「知る術がなかった」と書くのが正しい。とにかくあらゆるとこから情報を拾って、自力でディスコグラフィーを作るしかなかった。ああ涙のDIY。
とはいえそんな四面楚歌の状況だったからこそ、却って〈好きなバンド関連の全ての音源が欲しい〉的な、日本人洋楽リスナーに最も顕著な「性癖」が醸成されちゃった気がしないでもない。この原稿読んでるプログレッシャーズの皆さんも、そうでしょ。御多分に漏れず。
たとえば、田舎の中学三年生がロキシー・ミュージックを大好きになりました。
ブライアン・フェリイさんやフィル・マンザネラ、アンディ・マッケイ、エディ・ジョブソン、イーノらの名義作品をアルバム未収録曲も含めて集めるのは当然として、次に私が向かった先は、ついぞ固定化されなかったベーシスト&鍵盤弾きの沼だった。
すると、ジョン・グスタフソン関連ならザ・ビッグ・スリーとクォーターマスとハード・スタッフとイアン・ギラン・バンドとアン・オデルとショパンと……。サル・マイダならスパークスとミルクン・クッキーズは外せないし、リック・ウィルスだとデヴィッド・ギルモアに後期スモール・フェイセズにフォリナーにフランプトンズ・キャメルにパリッシュ&ガーヴィッツに末期バドカン……。ジョン・ポーターのアンクル・ドッグは外せないし、デヴィッド・スキナーのクランシーとトゥワイス・アズ・マッチ、ポール・キャラックはウォーム・ダストにエース、スクイーズとキリがなかった。アラン・シュウォルツバーグだとマウンテン、アラン・スペナー&ニール・ハバードならココモもグリース・バンドもアルヴィン・リー&カンパニーもジューシールーシーも……。ポーターなんか、後に大プロデューサーになってしまったし。
何が言いたいのかというと、パブ・ロックから英国スワンプから文系ファンキー・ミュージックからニッチ・ポップからホワイト・ファンキー・ソウルからマージー・ビートと、未知の音楽大魔境に片っ端から足を踏み入れざるをえなかったこと。要は、そのおかげで音楽的視野をあちこちへ拡大できたわけで、後から思えばありがたかった。結局、誰かバンドに心奪われるたびにそんな作業を繰り返した蓄積だもの。
この〈素晴らしき徒労〉の醍醐味から、我々はずっと逃れられずにいるのだ。
では絶望的なデータ不足だった当時、私はどうやって情報を確保していたのか。
時系列は前後するが、『ロッキンf』誌で70年代後期にスタートしたと思しきバンド別ディスコグラフィー連載《ロック・ファイル》が、まず最初の蜘蛛の糸だった。
毎月まあまあの頁数で、それこそ在籍者の個人活動まで丁寧に拾ってくれた企画で、いま思えば全然不完全なのだけど、当時はとにかくありがたかったのを憶えている。知らないアルバムがちゃんとジャケ写入りで、しかも参加ミュージシャンまで記載されていたのだから。人の出入りが激しいクリムゾンの回なんか、1978年7月号から10月号まで4ヶ月にわたって掲載されたはずだ。
パート2【レイク/シンフィールド/メルコリ/ボズ/ティペット】・パート3【ウェットン/マカロック/ウォレス/ビルブル/クロス】・パート4【マクド/ハスケル/兄ジャイルス】のチーム分けは、なかなか微妙だったが。
さらなる援軍は、ほぼ同時期の1978年秋にブロンズ社から出版された名著『ブリティッシュ・ロック大名鑑』。黄色いカバーにフィーチュアされたのは、ロキシー『フォー・ユア・プレジャー』のあのヒップラインと、ヘンリー・カウのジャケ写。タイトルの脇では、〈ロック黎明期からニュー・ウェイヴまで 750項目5000名を網羅〉の文字が躍る。
そりゃ買うでしょ?
その年の暮れに八つ墓村の本屋で偶然見つけ、2300円というほぼLP1枚分の高値に泣きながら買ったよ。貧乏高校生の私は。
写真点数は決して大きくないし、一切の主観的批評を排除した極めて簡潔かつ客観的な記述からは、そのバンドがそのアルバムがどんな音なのか聴こえてこない。残念ながら。それでも淡々と綴られる、バンド・ラインナップの変遷と必要最小限のディスコグラフィー、そして各メンバーたちの来歴と関わってきた作品名を詰め込んだ膨大なデータ量は、三日三晩私を眠らせなかったのだ。
真面目な話、固有名詞にまみれる幸福感のあまり、腹上死するかと思った。
この本を契機にようやく、私のちっぽけなロックの世界観の中で、幾百幾千もの点がどんどん線で繋がり始めた。あくまでも「知識」としてに過ぎないと言えばそれまでだけど、あとから自分で調べて見て探して聴いて、独自に血肉化しちゃえばいい。
前述したロキシー関連村だって、まずはこの『ブリティッシュ・ロック大名鑑』を頼りに描いてみた地図で、第一歩を踏み出せたのだから。プログレ沼も同様だ。
もちろん『レコード・コレクターズ』誌の資料的価値の高い表紙巻頭特集も重宝するが、あの雑誌がロックにシフトチェンジしたのは意外にもおもいきり遅く、1987年2月号のブルース・ロック特集から。また、なぜかプログレはずっと敬遠され続け、初めてのプログレ号は1989年3月号のクリムゾン特集まで実現していない。
だからこそ、『ブリティッシュ・ロック大名鑑』は画期的だった。
ところがこの福音の書、発売まもなくで版元のブロンズ社が倒産してしまい、必然的に絶版の憂き目を見る。それでも2002年秋にようやく、新たな版元・柏書房から800頁函入豪華本『ブリティッシュ・ロック大名鑑 一九五〇年代-七八年』としてリイシューされたのは、よかったのではないか。
とはいえ8000円という価格のインフレ的高騰と、1979年以降のデータがほぼ加筆されてない内容の「据え置き」、そしてほぼすべての写真図版の削除と残念続きではあるが、ま、それだけ資料本をコンパイルする作業は大変なのだってことで。
何度も言うが、恵まれ過ぎだよ21世紀。
さて今回なぜ、こんな想い出話(失笑)を書いてるのかーー記憶の屋根裏で忘れ去られてたダンボール箱に、懐かしい書籍を発見したからだ。昭和のクリムゾン信者なら誰もが読み込んだバイブルだった、北村昌士氏1981年渾身の力作『キング・クリムゾンー至高の音宇宙を求めて』である。
ああ懐かしい。
そもそも洋楽アーティストの単体書籍なんて、発売されるだけで奇跡だったあの時代。シンコーミュージックが《ROCK BOOKS》というまんまのネーミングのシリーズを、ツェッペリンとパープルの2冊で始めたのだけれど、内容的にはなかなか微妙だった憶えがある。ところがこのKC本だけは、抜きんでた説得力を備えていたのだ。
まず、当時としては画期的な情報量と史料性があった。そのベースとなったのが、1975年2月発表の2LP編集盤『新世代への啓示』に封入されていた、極めて資料性の高いブックレットーーフリップ卿自身が執念深く蒐集しあげたスクラップ記事や公演スケジュールがびっしりの全20Pなのだが、日本盤は未封入だっただけにまさに、貴重な本邦初公開だったわけだ。
しかもその「記録」を、『フールズメイト』誌初代編集長・北村氏さすがの〈超観念的キング・クリムソン論〉と作品評が、英米音楽紙から拾ったメンバーたちの発言群の力も借りて血肉化しまくるのだから、そりゃもう大変である。前年ひそかに好事家たちの喝采を浴びた、『フールズメイト』Vol.13&14掲載の特集記事《キング・クリムゾンー存在と歴史》のエクステンデッド・ヴァージョンとも言えるが、そのカロリーは高過ぎた。
とにかく目次を刮目してくれ。
これこれこうでなくちゃ。そして彼が語るクリムゾン論は、プログレッシャーズの中でもロマンチック派のひとびとの心を鷲ぐっと摑んでしまったのだ。
たとえば、【LARKS’ TONGUES IN ASPIC】は、「複雑に記号化された魔術の体系において、《太陽と月の結合》と全く意を同じくする生物的属性における宇宙原理の完成――すなわち性交――を表す隠喩」となる。「ヒバリの舌は繊細であり能動的な性質を持った肉片として男根のメタファー」で、一方「アスピックは英国の家庭でごく普通に出されるゼリーで肉や魚を固めた料理、つまり柔らかく受動的な女性性器のメタファー」。つまり、この「タイトルと神秘主義的寓意画として描かれたジャケット・デザインは共に全宇宙・全物質界の男性的性質と女性的性質の結合という、完全に一致したコンセプトに基づくもの」と解釈してしまった。
だから、「音それぞれの関係は宇宙の組成因子の如く精妙であり、ある普遍的な変化のプロセスが激越なサウンド・コスモスとして表現」され、「不完全な金属である鉛が様々な化学的試練を経て、完全なる金属――黄金――へと変化する錬金術の過程、カオスが宇宙原理の組織化を受けて霊的な体系へと変容するヴィジョン、あるいは勃起したペニスと燃えたぎったヴァギナとの熱情的な結合……それらはすべて同一の観念の内にある宇宙の法則の照応的なパラフレーズであることを暗示する凄まじい実在の奔流がこの曲(=太陽と戦慄パート2)を支配している」と定義する。
どうです、このまさに錬金術師的なレトリックと論旨は。これは北村氏に限った話ではなく、こういう解釈をしたがるひとたちが実はとても多かった時代なのだ。いや、もっと正確を期せば、熱心に聴く者を〈深読み〉という魔界の迷宮にもれなく誘なうのが、キング・クリムゾンなのである。だから、当時の極めてシリアスなクリムゾン論には、ニーチェだってカバラだってヘルメスだってプラトンの四大元素だってサンボニズムだって引用されていた。
別に氏と本書を揶揄するつもりはない。そもそも当のフリップ自身も、「キング・クリムゾンは大宇宙(マクロコスモス)の中の小宇宙(ミクロコスモス)だ」などと口走ってた時期なのだから、これはこれで一つの〈正しきクリムゾンの聴き方〉だったわけだ。
私もロッキングオンのライターを始めた頃は、フリップ卿がかぶれてた神秘主義を理解すべくグルジェフやJ.G.ベネットの著作を読み込んだり、そういえばデビシルに付き合ってギュンター・グラスの愛読者になってみたりーーその後ノーベル賞を獲るとは思わなかったがーー一応、〈こっちの世界〉にも馴染もうと努力はした。
でもやっぱ駄目だったぁ。笑い死ぬかと思った。どんなに頑張っても私は下衆なリアリストであって、綺麗言と世迷言にはとても付き合ってられないらしい。
そもそも【LARKS’ TONGUES IN ASPIC】とは、「現在制作している音楽を言葉で表現してほしい」とレコーディング中に訊かれた〈打楽器界のブルーザー・ブロディ〉ジェイミー・ミューアが思いついた絶妙のフレーズ、「煮こごりの中に入ったひばりの舌」に過ぎない。そこに性的な比喩を見い出して嬉しくなっちゃったフリップの図もまた、容易に浮かぶ。
そして、そんなシニカルな英国的言葉遊びの成果だからこそ、1973年10月23日のグラスゴー公演で、インプロからのLTIA 1演奏中に大声で騒いだ客たちをMCで「自分の肺を破壊中の諸君」とたしなめたことを42年後に想い出し、そのインプロ曲を“SHARKS’ LUNGS IN LEMSIP(風邪薬シロップ漬けのぼろぼろの肺)”とわざわざ命名して、『スターレス』23CD+2DVD+2BD箱に収録できちゃうのではないか。
こんな軽口までおもいきり拡大解釈してしまうプログレッシャーズとは、どこまでいたいけなのだろう。だからといって私には無理なので、どんなアートよりも人間くさい〈群像劇〉としてプログレを堪能してますけどなにか。
とにかくこの北村本は、洋楽アーティスト本としては破格のセールスだった。1981年6月初版発行で同年12月には第3版とは、嘘みたいだ。私の『どうしてプログレを好きになってしまったんだろう』は、重版かかるまで一年も懸かったのに。くそ。
そしてそれ以上に、日本のキング・クリムゾン信者たちのバイブルとして愛読されたことで、よくも悪くも我々のクリムゾン観を決定づけたはずだ。「19歳のフリップが参加したザ・リーグ・オブ・ジェントルメン名義のシングルが2枚リリースされている」とか「マカロックは解雇された」とか、事実誤認も実は目立つ。でもそれは仕方ない。あの情報が乏しかった時代にこれだけクリムゾンを体系化できたこと自体が奇蹟なのだから、そこは積極的に目をつぶるのが人情というものだ。
しかしフリップ自身も、まさか極東の島国でここまで深読みされあげるとは想像もできなかっただろうと思う。私のロッキングオン時代の元同僚なんか、インタヴューで夏目漱石の小説を持ち出してフリップの作曲法との共通点を一方的に投げかけ続けた。無論、鼻であしらってはいたが、内心はビビってたのではないか。
だって日本を訪ねる度に、インタヴューに来る奴来る奴皆が皆、訊いてくる質問が正気の沙汰じゃないんだもの。
さて私にとっての北村本とは、附録のディスコグラフィーに他ならない。いわゆる在籍者関連のアルバムが過去最高に網羅された、頼りになる存在だったからだ。
なにせヴォリューム的には、ジャケ写&解説仕様が108作品で、さらにタイトルのみ&ごく一部ジャケ写付き仕様が166作品ときた。「全部聴きたい」からの「全部揃えたい」とついつい夢見たプログレッシャーズは、かなりいたと思う。40年前の私もそうだった。
そして蒼き野心は日常に埋没しやがて忘却されるのが常だが、長いコロナ禍による巣籠り原稿生活も手伝って、気がつけば買いそびれてたレコードたちが揃ってしまった。因果な稼業である。
しかしこのディスコグラフィーを眺めてるだけで、〈未知の強豪〉への期待感が勝手に高まってしまったものだ。犯罪的ですらある。
40年経ったいまなおCD化されていないアルバムも数多いのだから、当時入手困難だったものが半数以上を占めた。だからそのアイテムが入手困難であればあるほど、エジソンでやたら高値であればあるほど、「ウルトラスーパースペシャルデラックスな音に違いない!」と、過剰な期待感を一方的にこじらせるケースが続出したのである。一体、どれだけ〈隠れた名盤〉の蜃気楼を追いかけてしまったことだろう。
たとえばボズ&メルコリ&ウォレスの『アイランズ』離脱組が、直後にアレクシス・コーナーと合流結成したスネイプのアルバムーー『ジ・アクシデンタル・バンド』と『ライヴ・オン・ツアー・イン・ジャーマニー』なんかは、良くも悪くも想像の範囲内の音で、特に後者はティム・ヒンクレーやスティーヴ・マリオットも参戦する大ブルース・ロック大会で当然恰好いいけれど「だよな」、と意外性には欠ける。
なんておいおい、そんな当たり前の幸せに文句を言ったらバチがあたる。このディスコグラフィーで一体、何枚のアルバムに肩透かしを食らったことか。もちろん勝手な妄想を膨らませたこっちが悪いのだけど。
そういう意味では、スティーヴ・ヨーク『MANOR LIVE』が蜃気楼の象徴かと思う。いまなお日本未発売かつ未CD化。内容的には、ボズとウォレスに加え、マーク・チャリグやオリー・ハルソールも参加した総勢19名による謎のセッション・アルバムときた。
しかも1973年5月25日、あの英ヴァージン・レコードの記念すべき設立第1弾リリース4Wの内の一枚なのだから、身構えないわけにはいかない。だって他の3Wは、カタログ番号【V2001】マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』と、【V2002】ゴング『フライング・ティーポット』と、【V2004】ファウスト『ファウスト・テープス』だもの。〈よそが「出さない/出せない」レコードを出す!!〉のが信条の新レーベルに相応しいこのラインナップで、ヨークは【V2003】だよ3番目だよ金銀銅だよ。もう目茶目茶クールなアルバムに決まってるじゃないか。
しかもタイトルの《マナー》とは、レコードの通販業から2年で21店舗を展開して小売り業を成功させたリチャード・ブランソンが経営に乗り出した、レコーディング・スタジオの名称だ。オックスフォードシャーにある13世紀の領館マナー・ハウスを買い取り改装した、マナー・スタジオ。レコーディング機材のチェックを兼ねて、その空き時間を自由に使用させたのがマイク・オールドフィールドで、多重録音で制作したアレの存在がレーベルを誕生させたと言ってもいい。そんな背景を妄想すると、意味ありげでしびれるタイトルだと思った。
なぜかジャケにたたずむ麒麟さんも意味ありげだし、でも日本盤出てないし輸入盤屋でも見かけないし、あー聴きたい聴きたい聴きたい聴きたい。
北村本読了から2年、家庭教師のバイト代でようやく入手したら、あれ、ジャケとは全く無関係のジャズ&ブルースのジャム・セッション大会じゃん。レーベル・カラーと真逆じゃん。よくよく精査したら、スティーヴ・ヨークは英R&Bもどきバンド《ヴィネガー・ジョー》の元ベーシストで、このバンドにはロバート・パーマーやエルキー・ブルックスも在籍。そりゃこういう方向のセッションになるわなぁ。気づけよ買う前にーーと現在なら思うけど、何度も言うようだが当時は資料が乏しいのだ。ヴィネガー・ジョー以前にヨークをまず調べられなかったんだから。
実際に聴いたら、前述のスネイプのような盛大なマッチョ感がない分あっさりしてるので、疾走感に欠けるクロスオーヴァーに聴こえなくもない。このジャムなのに低カロリーな音は、意外に癖にはなる。私は嫌いではない。プログレッシャーズ的には、ヴォーカル3曲+ベース2曲で一人アク出しまくりのボズが聴きどころなのだろうが、わざわざ必死で探して聴かなくてもいい。すまん。
一方、同じマナー・スタジオで同じセッション形式で録られた1974年の全曲インスト・アルバム、チリ・チャールズの『BUSY CORNER』は、この聴き慣れぬアーティスト名とタイトルそしてヴァージン【V2009】の文字のみが掲載されてたパターンだ。実物を手にすれば素朴な紙質に細かく描き込まれた線画のジャケの心地よさがわかるのに、ジャケ写はなし。
ちなみにチャールズはこの後ニルソン、ヴァン・ダイク・パークス、ローウェル・ジョージの仕事で名を馳せた、ハワイ出身(!)のドラマー兼パーカッショニスト。このアルバムにはボズ&メルコリの他に、オシビサのロバート・ベイリーが参加している。もちろん日本未発売でCD化されてない。ところがこの無名アルバムが、かなりいいのだ。いま思えばフュージョンっぽいジャズ・ロックながら、当時としては珍しいラテン風味が漂う早すぎたサウンドが惜しい。メルコリ史上ベストテンに数えてもいいサックスの出来も、捨て難い。もし見かけたら即買ってくれ。蜃気楼も捨てたもんではない。
同じくタイトルのみだったニール・セダカの『LIVE AT THE ROYAL FESTIVAL HALL』は、意外にも世界未CD化の1974年2月2日公演のライヴ盤。それだけなら出逢うことがなかったはずのレコードだったが、マイケル・ジャイルズが叩きアンディ・サマーズがギターを弾いてたことが後日判明し、慌てて探して聴いた憶えがある。言うまでもなく二人の演奏に個性が反映されてるはずもなく、裏ジャケ掲載写真全4点中2点にジャイルズがセダカの背景として写り込んでたことが唯一の収穫か。
とにかくジャイルズの項目は、知らない名前のアーティストだらけだった。クリムゾン脱退からのマクドナルド&ジャイルズが短命に終わると、彼は自らの公言通りにセッション・ミュージシャン道を爆走する。しかもジャクソン・ハイツやグリムスやイヴォンヌ・エリマンといった衆知の作品群はともかく、フォーク系というかSSW系というか、我々日本人には極めて馴染み薄いクリスチャン・ミュージック界隈の仕事が、やたら多いのだ。そのため長く苦労したというか、途中でどうでもよくなったというか、今回のコロナ禍で浮いた金と時間で数十年ぶりに買い集めてしまった。仕方ないので遅ればせながらの実地検分に取り掛かることにした。
中でも最も消極的に購入したのが、マイク・モートン・コングレゲイション『NONSTOP TOP 20』シリーズ。「何じゃこりゃ」のタイトルまんまの、当時の最新ヒット曲をひたすらカヴァーした企画盤だ。T.レックスだってジョージ・ハリスンだってボウイだって、片っ端からカヴァーする。とはいえちょいちょいオールディーズのお馴染み曲も挟んでたりして、とてもアバウトなのだ。
しかもどの曲も徹底して、クリスチャン・ミュージックっぽいのどかで明るいアレンジで統一されている。で曲間は歓声で繋がれているし、《コングレゲイション》の意味は「礼拝所」だし、まるで日曜の昼下がりに英国中の田舎町で開かれる、教会の募金イベントのようだ。かつて昭和のビアガーデンでどんな種類の楽曲でも演奏していた、懐かしの箱バンに近いかもしれない。
そんな人畜無害のアンサンブルでジャイルズが叩いてるとは、聴いても200%気づかないはずだ。ただし本人はどうも愉しそうにフィル回したりしてるので、きっと趣味と実益を兼ねた明るいバイトなのかもしれない。60年代の下積み生活の頃を、懐かしんでいたのだろうか。
北村本では1枚しか触れてなかったが、『NONSTOP TOP 20 volume one』『volume two』『volume three』『NONSTOP ROCK’N’ROLL 20』と実は計4枚に参加した。驚くべきは4枚とも1971年リリースというほぼ隔月刊ペースで、しかもたった99ペンスの超低価格商品。ジャケは全種同じ柄の色違いで、裏ジャケにはタイプ打ちで曲目表と「皆また買ってくれてありがと! 前作の『1』はすごく売れてチャート最高11位だったよ!! 今回も気に入ったら友達に勧めてねー♡『2』裏ジャケより)」的な挨拶文が掲載されてるだけ。そりゃ低コストですわ。
この原稿は決して、北村本『キング・クリムゾンー至高の音宇宙を求めて』をディスってるわけではない。こうした先達の妄想と度を超えた蒐集癖で培われた日本の信者たちの前で、〈音楽は我らが友〉クリムゾンは2021年暮れ大団円を迎えてくれたのだから、改めてしみじみ読み返してしまった私である。妄想は自由なのだ。
ついでだから『フールズメイト』誌13・14号も捜索した。懐かしい。表紙に《ぱふ増刊》の文字を見つけて、またまた瀕死の記憶が蘇る。『ぱふ』とは漫画評論誌で、『ロッキングオン』と『ぱふ』と『ビックリハウス』と『宝島』を併読するのが、文系ポップ・カルチャー70年代後期の〈かっこいい流儀〉だったっけ。
そういえば何の因果か私は、1992年夏に超満員の武道館でX JAPANのYOSHIKIとトーク・ライヴを演ったのだけど、『フールズメイト』2代目編集長・羽積秀明氏と一緒だった。既にヴィジュアル系雑誌に路線転換してたわけだが、これも縁なのかもしれない。
いろんな意味で、思えば遠くにきたもんだ。
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第二十九回:「ロバート・フリップの〈夢破れて山河あり〉物語 プログレ「箱男」通信【KC『ヘヴン&アース』箱】号➌」はコチラ!
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第三十二回:「LEVINは何しに日本へ? の巻」はコチラ!
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第三十七回:「ジャコ・ジャクジクが〈ポール・ヤング〉に憧れた日 1980年代に遺したJAKKO青春の蹉跌シングルズを徹底追跡してみた。」はコチラ!
DGM0551(DISCIPLINE GLOBAL MOBILE)
ブックレット一体型デジパック仕様(トールサイズ)、三方背ケース付き仕様、4枚組
盤質:傷あり
状態:並
ボックスに若干汚れあり、若干角潰れあり
2タイトル3CDボックス、ボックスに帯付仕様、各タイトルはプラケース入り仕様、ボーナス・トラック3曲、36Pブックレット付仕様(英語版・日本語版)、定価5500+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
若干解説ホチキス錆あり、側面部に色褪せあり
3枚組ボックス、ボックスに帯付仕様、各CDはプラケース入り仕様、定価6500+税
盤質:無傷/小傷
状態:
帯有
帯に破れあり、ボックスにスレあり、その他は状態良好です
69年のBBCセッションと69年10月のアメリカ公演を収録したライヴ・アルバム。
2枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、オリジナル・ブックレットと日本製ブックレット付仕様、定価4369+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯無
帯無、1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり、ボックスに黄ばみあり
2枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、オリジナル・ブックレットと日本製ブックレット付仕様、定価4369+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
カビあり、帯に折れあり
2枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、オリジナル・ブックレットと日本製ブックレット付仕様、定価4369+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり
盤質:無傷/小傷
状態:並
ジャケット1枚にケースツメ跡あり、カビ多めにあり
4枚組ボックス、各CDはプラケース入り仕様、帯・解説付仕様、68ページオリジナル・ブックレット&88ページ対訳ブックレット付仕様、定価9709+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
カビあり、帯に破れ・折れあり
プラ製透明スリップケース&ブックレット付仕様、2枚組、定価3689+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり、スリップケースに経年変化あり
2枚組、ボックス入り仕様、Tシャツ付き仕様、フリップ監修による06年デジタル・リマスター、定価4410
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
ボックス・Tシャツなし、帯に折れ・黄ばみあり
CLUB47(KING CRIMSON COLLECTORS CLUB)
デジパック仕様、DVDオーディオ2枚組、NTSC方式、リージョンフリー、スリップケース・ブックレット付仕様(画像はスリップケースです)
盤質:傷あり
状態:良好
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1969年に発表されたデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』は、プログレッシヴ・ロックのスタート地点となった大名盤であり、プログレッシヴ・ロックを聴くならまずはこのアルバムからと断言できる作品です。メンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストGreg Lake、ドラマーMichael Giles、管楽器に加えて鍵盤楽器(メロトロン)も担当するIan McDonald、そして作詞家Peter Sinfieldという布陣。「21世紀のスキッツォイド・マン」のオープニングから緊張感のある変拍子アンサンブルやユニゾン・フレーズが畳み掛け、「風に語りて」では牧歌的でありながら浮世離れした音世界を構築。“混沌こそ我が墓碑銘”の一節があまりに有名な「エピタフ (墓碑銘)」と、同じくリリックの幻想美に酔いしれる「ムーンチャイルド」を経て、メロトロンの洪水に溺れるシンフォニックな最終曲「クリムゾン・キングの宮殿」へ。“THE BEATLESの『Abbey Road』をチャート・トップから陥落させた”というエピソードの真偽はともかくとして、プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを告げる衝撃的な作品であることは間違いありません。『クリムゾン・キングの宮殿』に触れずにプログレッシヴ・ロックを語ることは、まず不可能でしょう。
紙ジャケット仕様、HQCD、04年24bitデジタル・リマスター、カラーブックレット付仕様、定価2700+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1970年に発表されたセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』は、デビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』の延長上に位置する作品となっています。『クリムゾン・キングの宮殿』発表後、ギタリストRobert Frippと作詞家Peter Sinfieldを除く3名が脱退を表明するも、諸事情によりGreg LakeとMichael Gilesは引き続き本作のレコーディングに参加。新たにKING CRIMSONに参加したのは、ピアニストKeith Tippett、管楽器奏者Mel Collins、ベーシストPeter Giles(Michael Gilesの実弟)、そしてヴォーカリストGorden Haskell。その結果、本作には8名ものミュージシャンの名前がクレジットされることになりました。音楽的にはデビュー・アルバムと同一線上で捉えることも可能ではありますが、例えばKeith Tippettのジャズ・ピアノをフィーチャーした「キャット・フード」、あるいは、ホルスト作曲の組曲「惑星(火星、戦争をもたらす者)」を思わせるリズムとカオティックなメロトロンが凄まじい相乗効果を生む「デヴィルズ・トライアングル」など、新たな試みも行われています。なお本作の後、Greg LakeはEMERSON, LAKE & PALMERとして再デビュー、そしてMichael GilesとPeter Gilesの兄弟はすでにKING CRIMSONを脱退していたIan McDonaldと共にMcDONALD AND GILESを結成します。
解説元から無し、ファミリーツリー付き仕様、定価2800
盤質:全面に多数傷
状態:並
帯有
ケースツメ跡あり、若干カビあり、帯に折れ・小さい破れあり
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、初回プレスステッカー付き仕様、定価2625
盤質:全面に多数傷
状態:良好
帯有
解説無、初回プレスステッカーなし
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、初回プレスステッカー付き仕様、定価2625
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。セカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』を最後に、Greg Lake、Michael Giles、Peter Gilesが脱退。1970年に発表されたサード・アルバム『リザード』は、『ポセイドンのめざめ』に参加していたベース・ヴォーカリストGorden Haskellと管楽器奏者Mel Collinsが正式加入、さらにドラマーAndy McCullochを迎え入れ制作されました。ゲスト・ミュージシャンは、過去作にも参加のジャズ・ピアニストKeith Tippettがバンドメイト(コルネット奏者Mark Charigとトロンボーン奏者Nick Evens)を引き連れ参加している他、オーボエ奏者Robin Miller、さらにYESのヴォーカリストJon Andersonが、表題組曲「リザード」の「ルーパート王子のめざめ」で歌声を響かせています。本作は、Keith Tippettが持ち込んだフリー・ジャズのエッセンスがグループに新たな息吹を注ぎ込んだ作品であり、特に「インドア・ゲイムズ」や「ハッピー・ファミリー」におけるインプロヴィゼーションなどで、その影響をはっきりと聴き取ることができるでしょう。一方で、フルートが舞う「水の精」ではこれまでのKING CRIMSONらしい牧歌性も披露。ラストには20分を超える表題組曲「リザード」が控えます。フリー・ジャズへの接近を通じて、後のKING CRIMSONサウンドの重要なポイントとなる即興色を拡張した傑作です。
紙ジャケット仕様、HQCD、99年24bitマスタリング音源使用、内袋付仕様、定価2700+税
盤質:全面に多数傷
状態:良好
帯有
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。サード・アルバム『リザード』をリリース後に、ベース・ヴォーカリストGorden HaskellとドラマーAndy McCullochが脱退。1971年に発表された4thアルバム『アイランズ』は、ベース・ヴォーカリストBoz(Boz Burrell)とドラマーIan Wallaceを迎え制作されました。ゲスト・ミュージシャンは、前作『リザード』にも参加のジャズ・ピアニストKeith Tippett、コルネット奏者Mark Charig、オーボエ奏者Robin Millerに加えて、ダブル・ベース奏者Harry Millerと女性オペラ歌手Paulina Lucasが新たに参加しています。本作は、いて座三裂星雲のジャケットが示す通り「静寂」あるいは「静謐」といったワードが相応しい神秘的なサウンドが展開される傑作。KING CRIMSONらしいヘヴィネスが炸裂する『船乗りの話』のような楽曲も収められていますが、全体的にアコースティック楽器に比重が置かれています。Keith Tippettらは言うまでもなく、Harry Millerの浮世離れしたダブル・ベースや、Paulina Lucasの魔術のようなソプラノ・ヴォイスも楽曲に素晴らしいアクセントを加えています。本作を発表後、Peter SinfieldがRobert Frippと対立し解雇、さらに残る3名も音楽性の違いが明確になりKING CRIMSONは解散。Robert Frippは再始動に向けて新たなメンバーを探すことになります。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ステッカー付き仕様、英文ブックレット・内袋付き仕様、定価2500+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
30TH ANNIVERSARY EDITION、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:良好
ケースツメ跡あり、若干側面部に色褪せあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1971年の4thアルバム『アイランズ』を発表後、Peter SinfieldがRobert Frippと対立し解雇され、さらに残る3名もRobert Frippとの音楽性の違いが明確になりKING CRIMSONは解散となりました。1972年に発表された『アースバウンド』は、解散決定後のアメリカ・ツアーの模様を収録したライブ・アルバムであり、KING CRIMSONのディスコグラフィーの中で最も批判的意見の多い作品と言えるでしょう。その最も大きな理由は音質の悪さにありますが、やはり録音状態の良し悪しは作品の評価に直結してしまうため、本作に対する評価は必ずしも高くありません。ただし、発売から半世紀が経過した現在であれば、本作にもKING CRIMSONの歴史上重要な史料的価値があります。ライブ・アルバムとしては必ずしもオススメできる作品とは言い切れませんが、『クリムゾン・キングの宮殿』から『アイランズ』までを聴いた後でこの作品に触れると、KING CRIMSONに関する知識をより深めることができるでしょう。
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。4thアルバム『アイランズ』を発表後に解散したKING CRIMSONですが、Robert Frippは新たなメンバーを探しKING CRIMSONを再始動。グループの最高傑作と名高い1972年の5thアルバム『太陽と戦慄』を世に送り出しました。メンバーはギタリストRobert Frippに加えて、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Bruford、パーカッション奏者Jamie Muir、ヴァイオリン奏者David Crossという布陣。本作は、確かな技巧を持ったミュージシャンたちによる最高品質の実験音楽作品であり、1曲目の「太陽と戦慄 パートI」と最終曲「太陽と戦慄 パートII」に象徴される、即興演奏を重視したメタリックなプログレッシヴ・ロックの大傑作となっています。また、2つの先鋭的な楽曲に挟まれた中盤の楽曲たちも素晴らしく、John Wettonのヴォーカルが冴えわたる「土曜日の本」や、最初期のKING CRIMSONサウンドが頭をよぎる「放浪者」、 ヘヴィーなギターとスキャットから始まる「イージー・マネー」 、Jamie Muirの話し太鼓(西アフリカの伝統的な太鼓の奏法)を曲名に冠した「トーキング・ドラム」と、どの楽曲も強烈な個性を持っています。ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックを聴くうえで、避けて通れない名盤です。
紙ジャケット仕様、MQA-CD、スティーヴン・ウィルソン・ステレオ・ミックス、12年版ステレオミックス、ボーナス・トラック3曲、英文ブックレット封入、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。6thアルバム『暗黒の世界』後にヴァイオリン奏者David Crossが脱退。3人体制となったKING CRIMSONは、1974年に7thアルバム『レッド』をリリースしました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Brufordという布陣。ゲストには、ソプラノ・サックス奏者Mel Collins、アルト・サックス奏者Ian Mcdonald、ヴァイオリン奏者David Cross、コルネット奏者Mark Charig、オーボエ奏者Robin Millerという旧メンバーあるいは過去作にもゲスト参加の経験を持つミュージシャンたちが迎えられています。その内容は、アルバムのオープニングを飾る「Red」から破壊的なギター・サウンドとアグレッシヴなリズム・セクションに驚愕する傑作。KING CRIMSON作品の中で最も素晴らしいバラード曲との呼び声も高い「堕落天使」、初期のKING CRIMSONサウンドをヘヴィーに再構築したような「再び赤い悪夢」、インプロヴィゼーションのライブ録音楽曲「神の導き」、抒情的なヴォーカルが印象的な前半部とギターやサックスが暴れまわる後半部から成る長尺曲「スターレス」と、全曲がプログレッシブ・ロック史に残る名曲です。本作のリリースをもって、KING CRIMSONは再び解散することとなりました。裏ジャケットに使われている、レッド・ゾーンに振り切れた音量メーターが、本作の狂暴な音楽性と当時のグループの状況を示唆しています。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、初回プレス盤限定ステッカー付仕様、定価2500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、英文ブックレット・日本語リーフレット付仕様、定価2233+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり
ロバート・フリップによる89年リマスター、ファミリーツリー付き仕様、定価2233+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
帯にケースツメ跡・折れあり
ロバート・フリップによる89年リマスター、定価2136+税
盤質:全面に多数傷
状態:並
帯有
盤に目立つキズあり、カビあり、帯に色褪せあり
ロバート・フリップによる89年リマスター、定価2136+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
複数ケースツメ跡あり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。5thアルバム『太陽と戦慄』に続いて1974年にリリースされた6thアルバム『暗黒の世界』は、スタジオ・レコーディングとライブ・レコーディング(73年録音)が混在する変則的な作品となっています。収録曲順に見ていくと、「偉大なる詐欺師」と「人々の嘆き」は完全なスタジオ・レコーディング。「隠し事」はライヴ・レコーディングで、「夜を支配する人」はライヴ・レコーディングの冒頭から途中でスタジオ・レコーディングに切り替わります。「トリオ」はライブ・レコーディングで、「詭弁家」はライブ・レコーディングに後からスタジオ・ヴォーカルをかぶせた楽曲。「暗黒の世界」と「突破口」はライブ・レコーディングとなっています。前作『太陽と戦慄』でパーカッション奏者Jamie Muirが脱退したため、本作のメンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Bruford、ヴァイオリン奏者David Crossという布陣。内容的には、初期の強烈なKING CRIMSONサウンドに回帰したようなスタジオ楽曲と、インプロヴィゼーションで聴かせるライブ楽曲に分かれています。本作を発表後にDavid Crossが脱退し3人体制となったKING CRIMSONは、次作『レッド』の制作に取り掛かります。
紙ジャケット仕様、HQCD、24bitマスタリング音源使用、内袋付仕様、定価2700+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり
フリップ自身による89年リマスター、定価2136+税
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯有
カビあり、帯中央部分に色褪せあり
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、初回プレス盤限定ステッカー・内袋付仕様、定価2500+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
小さい汚れあり、若干折れあり、紙ジャケに小さい角潰れあり
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、初回プレス盤限定ステッカー・内袋付仕様、定価2500+税
盤質:傷あり
状態:並
帯無
帯無、内袋にカビあり
75年発表のライブ・アルバム。「RED」発表前の74年に録音されており、当時のラインナップはRobert Fripp(g)、John Wetton(b、vo)、 Bill Bruford(ds)、David Cross(vln、key)の4人編成。アルバム中3曲でEddie Jobson(vln、key)のパートがダビングされています。鮮やかなヴァイオリンの旋律を切り刻むメタリックなギター・リフ、グイグイとウネリを生み出して暴走するリズム隊。この時期ならではのパワフル且つ緊迫感溢れる即興演奏に終始圧倒されっぱなし。代表的名曲「21st Century Schizoid Man」では原曲のサックス部分をヴァイオリンで再現しており、よりヒステリックな爆発力を楽しむことが出来ます。沸点目掛けて上り詰めるRED期クリムゾンの凄さを体験出来る名ライブ盤。
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1974年に7thアルバム『レッド』を発表し、KING CRIMSONは解散。しかし、ソロ・ミュージシャンとして活動する中でバンドへの意欲が高まったRobert Frippは、ギター・ヴォーカリストAdrian Brew、ベーシストTony Levin、そしてドラマーBill Brufordと共にKING CRIMSONを再結成しました。アメリカ人ミュージシャン2名が加入した新生KING CRIMSONによる1981年の8thアルバム『ディシプリン』は、フリッパートロニクスと称されるギター・シンセサイザー、スティック・ベース、電子ドラムといった新しい楽器が導入され、音楽性も、アフリカン・ミュージック(ポリリズム)の民族色を取り入れたアプローチや、ミニマル・ミュージック、そしてニュー・ウェイヴやディスコ・ミュージックのような流行音楽にまで手を伸ばし新しいKING CRIMSONサウンドを生み出しています。『ディシプリン』はリリース当時こそ音楽性の変化が賛否両論を巻き起こしたものの、現在では『クリムゾン・キングの宮殿』や『太陽と戦慄』と並んでグループの傑作アルバムのひとつと言われる高い評価を受けています。
ロバート・フリップによる89年リマスター 、ファミリーツリー付き 、定価2233+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干折れ・若干ケースツメ跡あり、側面部に色褪せあり
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、初回プレス盤限定ステッカー付仕様、定価2,500+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり
紙ジャケット仕様、MQA-CD(CDプレイヤーで再生可/ハイレゾ再生にはMQA対応プレイヤーが必要)、11年スティーヴン・ウィルソン・ステレオ・ミックス、英文ブックレット封入、定価2800+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
40TH ANNIVERSARY SERIES、デジパック・スリップケース付き仕様、2枚組(CD+DVD)、ボーナストラック3曲、DVDはNTSC方式、リージョンフリー
盤質:無傷/小傷
状態:良好
スリップケースにスレあり
724381012321/CAR101232(CAROLINE)
30th ANNIVERSARY EDITION、HDCD、24bitリマスター
盤質:傷あり
状態:良好
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1981年の8thアルバム『ディシプリン』で再始動したKING CRIMSONは、翌82年に9thアルバム『ビート』を発表しました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ギター・ヴォーカリストAdrian Brew、ベーシストTony Levin、そしてドラマーBill Brufordという布陣であり、KING CRIMSONの歴史上初めて前作と同一メンバーによるスタジオ・アルバムとなりました。本作は、ビートニク(第二次世界大戦後のアメリカで起こったカウンター・カルチャー)の作家であるジャック・ケルアックの作品「路上」に着想を得たアルバム。例えば冒頭の「ニール・アンド・ジャック・アンド・ミー 」はニール・キャシディ(上記「路上」の登場人物のモデルとされる)、ジャック・ケルアック、そして「ミー」がAdrian Brewを指しています。同一メンバーということもあって8thアルバム『ディシプリン』からの流れを汲んだ内容であり、ポリリズムの多用、ミニマルなフレージング、エスニック・ミュージックのテイスト、そしてインプロヴィゼーションなど、前作から継承されたサウンドを聴かせています。ニュー・ウェイブ風のポップな衣装を身にまといつつも、注意深く耳を傾けてみると非常に高度な音楽的アプローチを行っているというのが、この時期のKING CRIMSONの特徴でしょう。
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1984年に発表された10thアルバム『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』は、8thアルバム『ディシプリン』と9thアルバム『ビート』と同一メンバーにて制作されました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ギター・ヴォーカリストAdrian Brew、ベーシストTony Levin、そしてドラマーBill Brufordという布陣。本作は、KING CRIMSONのスタジオ・アルバムの中ではあまり目立たない存在かもしれません。その理由は、契約履行のために作ったアルバムという印象が強いことや、Adrian Brewのポップ・センスに寄せた出来になっていることなどが挙げられるでしょう。確かにアルバム前半には分かりやすいヴォーカル・ナンバーが収録され聴き手を困惑させるかもしれませんが、後半ではKING CRIMSON版インダストリアル・ロックとでも名付けたくなるようなインストゥルメンタルが配置されています。もちろんインプロヴィゼーションもフィーチャーされており、最終楽曲のタイトルは、なんと「太陽と戦慄 パートIII」。Robert Fripp本人も本作に対してはポジティブな感想を持っていないようですが、8thアルバム『ディシプリン』からの一連の流れを知る意味で、チェックしておきたいアルバムでしょう。
ボーナス・トラック6曲、デジタル・リマスター、歌詞付仕様、解説はネット上でダウンロードする形式です、定価1500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
ケースに小さいヒビあり
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1980年代に『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』を発表し活動を休止したKING CRIMSONの次なるリリースは、94年のミニアルバム『ヴルーム』。この時期のKING CRIMSONは
ギタリストRobert FrippとAdrian Brew、ベーシストTrey GunnとTony Levin、ドラマーPat MastelottoとBill Brufordという布陣から「ダブルトリオ期」と呼ばれています。本作は、95年のフル・アルバム『スラック』へのウォーミング・アップのような意味合いの作品であり、事実6曲中4曲がアルバム用にリミックスされ『スラック』にも収録されています。内容は、7thアルバム『レッド』に通じるヘヴィーな楽曲を中心としており、KING CRIMSONの進化はまだまだ続くと確信させられる出来栄えです。
紙ジャケット仕様、初回プレス限定ステッカー付仕様、デジタル・リマスター、定価2300+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1980年代に『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』を発表し活動を休止したKING CRIMSONは、94年に久々の新作となるミニアルバム『ヴルーム』を送り出し、翌95年には『ヴルーム』の楽曲を含むフル・アルバム『スラック』を発表しました。この時期のKING CRIMSONはギタリストRobert FrippとAdrian Brew、ベーシストTrey GunnとTony Levin、ドラマーPat MastelottoとBill Brufordという布陣から「ダブルトリオ期」と呼ばれています。内容は、冒頭の「ヴルーム」を聴いただけで7thアルバム『レッド』の衝撃がよみがえるような、強烈なヘヴィー・プログレッシヴ・ロックとなっています。Robert Frippは、新たなKING CRIMSONの音楽性を「ヌーヴォ・メタル (Nuovo Metal)」と標榜しました。
DGM96042(DISCIPLINE GLOBAL MOBILE)
デジパック仕様、ブックレット・ポスター付き仕様
盤質:全面に多数傷
状態:
盤に曇りあり、小さい破れあり
3枚組ボックス、ボックスに帯付仕様、各CDはプラケース入り仕様、ボーナス・トラック1曲、48Pブックレット付仕様(英語版・日本語版)、定価6500+税
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯有
側面部に色褪せあり、ボックス・ブックレットに若干カビあり、その他は状態良好です
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