2021年8月31日 | カテゴリー:50周年記念連載企画「BACK TO THE 1971」,世界のロック探求ナビ
タグ: カンタベリー・ロックプログレ
2021年にカケレコがお届けしている特別企画「BACK TO THE 1971」。
今からちょうど50年前、1971年に産み落とされた名盤を取り上げて、その魅力に改めて触れてみようというのがこの企画です。
ビートルズの活躍を中心としてロックに多様な表現が生まれた1960年代が幕を下ろし、60年代の残り香漂う1970年を経て、いよいよ新たな時代へと目を向けた作品が生まれていったのが1971年という時期。
英米ロックの名作はもちろん、欧州各国の重要作品も取り上げて、各作品の誕生日または誕生月に記事をアップしてまいります。
この機会に、ロックが最もまばゆい輝きを放っていた時代の作品達にぜひ注目していただければ幸いです。
それでは皆で、BACK TO THE 1971 !!!
今回ご紹介させていただくのはこちら、
CARAVANの3rd、『IN THE LAND OF GRAY AND PINK』!
カンタベリー・ミュージックと聞いてまず初めに本作を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
収録曲はどれもがほがらかでポップ、親しみやすいキャッチーなメロディの宝庫、どの曲も穏やかで安らぎに満ちていて、目をつぶれば英国の田園風景が瞼の裏に浮かびます。
効果的に用いられるメロトロンやフルートなど音色が、ジャケットの世界観にそぐう童話然とした幻想的な情景も垣間見せてくれることでしょう。
■WINTER WINE
間奏のマジカルなサウンドはCARAVANの醍醐味ではないでしょうか?リチャード・シンクレアのヴォーカルが得も言われぬ哀愁を醸し出していて、うっとりしてしまいます。
アルバム表題曲。少々とっぴな展開を見せますが、そこがまたくせになります。聴き終えた後も浮遊感に包まれる美麗な曲です。
23分にも及ぶ全8部からなる大作です。大作と聞いて身構えることなかれ、ポップでいて幻想的なメロディも豊富な非常に入り込みやすい楽曲です。中盤では全楽器がJAM的に絡み合う展開が用意されていたりと、最後まで全く飽きずにお聴きいただけることでしょう。
いかがだったでしょうか?
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DVD、直輸入盤(解説帯付き仕様)、日本語字幕なし、NTSC方式、リージョン記載なし、定価3500+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり・軽微な折れあり
言わずと知れたカンタベリー・ロックの名グループ、2013年の『Paradise Filter』から8年を経ての21年スタジオ・アルバム!Pye Hastings、Geoffrey Richardson、Jan Schelhaasらお馴染みのメンバーに、2010年代から在籍のドラマーMark Walker、ゲストのベーシストとして腕利きLee Pomeroyという5人を中心とする編成。もう1曲目冒頭から、張りがあって弾けんばかりにフレッシュな演奏に「おお!」となります。楽しげに弾むリズム、瑞々しいギターカッティング、優雅に飛翔するヴィオラ、芳醇に湧き上がるオルガン。満を持してPyeがRichard Sinclairみたいに低くなった味の滲む声で歌い出すと、「Golf Girl」を初めて聴いた時のような感覚がこみ上げてきて思わずグッと来てしまいました。Pyeのアコギに、ゲストのJimmy Hastingによる愛らしいフルートが寄り添う兄弟共演のパートも涙ものだし、Richardsonのヴィオラが主役の最終曲はWOLF「悲しみのマクドナルド」ばりの名演だしで、さすが聴き所満載。デビューから53年目(!)、衰え知らずのCARAVANサウンドが全編で味わえる快作です!
SOFT MACHINEと同じWILDE FLOWERSを母体にRichard Sinclairらによって結成されたグループであり、カンタベリー・ジャズ・ロックシーンを代表するグループの71年3rd。彼らの代表作との評価も高いその内容は、淡いサイケデリック・ロックの質感と、Richard Sinclairの甘く響くボーカル、Dave Sinclairの各種キーボードによるマイルドなアンサンブルが上質に響くカンタベリー・シーン屈指の名盤であり、英国然とした湿り気を帯びた雰囲気とSOFT MACHINEよりもポップ且つメロディアスな音楽性が素晴らしい1枚。20分超の大作も採用し、プログレッシブ・ロックならではのスリリングなインタープレイを見せ付けながらも、やはりナイーブでセンチメンタルな叙情に溢れた傑作です。
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