2021年8月12日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
アイルランドからアメリカ大陸へ渡った多くの移民たち。移民とともに渡ったアイランド音楽が他文化の音楽と出会い、多様な米国ルーツ・ミュージックが生まれ、また、その米国ルーツ・ミュージックはアイルランドのミュージシャンに影響を与え・・・。今日はそうして生まれたアイルランド産フォーク/SSW作をピックアップしてまいります。
故郷の北アイルランドへの旅からインスピレーションを得て制作された74年作の9thアルバム。
イギリス出身でアメリカ東海岸へ渡り、西海岸へと横断し、そしてまた大西洋を越えてイギリスへと移動しながら、英米ルーツ・ミュージックが合わさった芳醇すぎる傑作を生みだし続けた孤高のSSW。彼の屈指の一枚がこれですね。
アイリッシュ・フォーク×ザ・バンド!?
英国情緒と米国憧憬のバランスがたまらない。スティーライ・スパンに在籍していた男女デュオ、76年作。
北アイルランドはベルファスト生まれのSSW、英DAWNからの72年作。
英国的な叙情性とアメリカンな枯れた雰囲気があいまったアンサンブルが素晴らしいな~。ヴァン・モリソンやアーニー・グレアム好きには堪らない哀愁溢れる名作!
同じくベルファスト出身のフォークデュオ、73年唯一作。
柔らかく純粋なボーカルとギター、煌びやかなアイリッシュ・ブズーキー、神秘的なピアノ・・・まるでフォーキーな讃美歌のようです。
こちらはアイルランドに渡ったアメリカのフォーク・グループの76年作。
全編米国のグループらしいおおらかさに包まれています。メアリー・ブラックが賞賛したジェントルでふくよかな男性ヴォーカルが良いです!
アイルランド出身ミュージシャンの作品をお探しならコチラから!
こちらも合わせてご覧ください!
【関連記事】
ヴァン・モリソンと同じ北アイルランド・ベルファスト生まれのミュージシャンによる作品をピックアップしてみました。
北アイルランドのベルファスト出身、ショーン・デイヴィーとジェイムス・モリスとで結成したフォークデュオ。73年の唯一作。レーベルは、ブリティッシュフォークの良作を多くリリースしているヨークレコードです。しっとりと流れるように奏でられるピアノのアルペジオ、マーク=アーモンドあたりを彷彿させる叙情的でいて洗練されたリズム・セクション、そして、ちょっぴりスモーキーでいて透明感のある繊細な歌声。一聴した印象は「流麗」なのですが、どこか厳かで胸が締め付けられるような物悲しさがあって、メロディ・ラインに意識を留めると、おぉそうか、サンディー・デニーが歌っていそうな感じ。どこか寂寞とした感じで、北アイルランドの寒々しい風景が思わず浮かんできます。オープニング・ナンバーから言葉を失うほどの名曲で、柔らかながらも純粋でいて芯のあるボーカルとギター、そこにアイリッシュ・ブズーキーがきらびやかに鳴らされ、ピアノが神秘的に入り込み、静かにオーケストラが交じってきて・・・まるでフォーキーな讃美歌のようです。アルバムには、中期キンクスを思わせる牧歌的な曲もあり、2人が紡ぐポップなメロディも特筆もの。プロデューサーはストローブス結成メンバーのトニー・フーパ―。ジャケの内気そうな2人そのままといえる内省的でいて気品に満ちた、英国フォーク・ポップの隠れた名盤です。
アイルランド出身、元STEELEYE SPANの夫婦フォーク・デュオ、76年作。1曲を除き全てオリジナル曲の今作は、アイリッシュ・ミュージックを感じさせるフィドルや、カントリー・フレイヴァーたっぷりの温かいスティール・ギター等、英国情緒と米国憧憬が溶け合った豊穣なサウンドです。トラッドというよりはシンガー・ソング・ライター的な内省的な旋律で、Gayの伸びやかなボーカルがひときわ澄んで響きます。ザ・バンドに通じるようなTerryの枯れたボーカルも味わい深く、ダルシマーやオート・ハープ、バンジョーなど多彩な弦楽器やDave Pegg、Dave Mattacksによる安定のリズム・セクションが厚みあるアンサンブルを繰り広げています。TENNENT & MORRISONのDavid Morrison、B.J. Cole参加、Sandy Robertonプロデュース。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!