2020年10月26日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
10月25日は、プログレ界を代表するヴォーカリスト ジョン・アンダーソンの76歳のお誕生日でした!
昨年、単独名義では約10年ぶりの新作が出ましたが、持ち前のハイトーン・ヴォーカルも綺麗に出ていて、作風は円熟味を増しつつもまだまだ衰えぬパフォーマンスを聴かせてくれているのが嬉しい限りでしたね。
そんなジョン・アンダーソンから連想されるのはやっぱりイエスですよね。ということで、今回はイエスに影響を受けた各国バンドの作品を巡っていきたいと思います。
ジョンのハイトーンまでコピーした強者バンドも登場しますので、どうぞお楽しみください☆
「アメリカのイエス」と言えばこのグループが筆頭格ですよね!
ウェイクマン彷彿の煌びやかなキーボード・サウンドといい、コーラスを伴ったハイトーン・ヴォーカルといい、とにかくイエスへの愛に溢れていますねぇ。
ラストの「ダダダ♪」のとこなんてもう微笑ましい限りです。
STARCASTLEよりはマイナーですが、イエス度は負けてない!
ハイトーンの爽快なヴォーカルが印象深いファンタジックで伸びやかなパートはYESの影響大。そこから一転、忙しなく駆け巡るように緻密なアンサンブルはGENTLE GIANT直系。
両バンドのいいとこ取りって感じの米プログレ快作!
「フランスのイエス」と言われるバンドですね。
イエスの構築性や緊密なアンサンブルを手本としつつ、フランスらしい芸術性の高い独自のプログレへと昇華させた名盤がこの2nd。
ほの暗く耽美な幻想性に酔わされます…。
オランダを代表する名グループも初期はイエスやELOからの影響が感じられるプログレ・ポップを聴かせていました。
キャッチーなメロディセンスはもちろん、スクワイアを意識したゴリゴリ・ベースも効いてます♪
ジェネシスとイエスを合わせたようなファンタジックな音楽性にストリングスがドラマチックに絡み、おまけオランダ出身らしいハイセンスなポップ・エッセンスもたっぷり注入!
ヴォーカルも所々ジョン・アンダーソンっぽいんですよね~。
ポーランドのイエスと言ったらこのグループに決まりかな?イエス『究極』あたりの音楽性に近い、硬質感と叙情性とが絶妙にバランスしたかなりの好作☆
意外と多くないイタリアのイエス系バンドの中でも屈指の出来栄え!?
トリデント・レーベル閉鎖により未発表となった悲運の伊ロック逸品。YESを手本にしたのがよくわかる歯切れ良く明瞭なアンサンブルと、イタリアらしい気品あるたおやかな音選びのセンスが素晴らしい!
Rod StewartのプロデュースでアルバムをリリースしたバンドGRAILの元シンガーChris Williamsがドイツに渡り、現地ミュージシャンらと結成したプログレ/ポップ・ロック・バンド。
マイナーなバンドですが、グリーンスレイドやグリフォンあたりと肩を並べる好グループですよ~。イエス直系プログレのファンは是非一聴を!
ノルウェーでここまで見事なYES直系のファンタスティック・プログレが鳴らされていたとは。
なおかつ牧歌的でリリシズムや透明感に溢れるサウンドには北欧らしさもたっぷりだし、ファンタスティックなジャケットもすんばらしいし、これはYESファンに自信をもってオススメ!
ジャケからは重厚なサウンドを思い浮かべますが、その内容はYESからの影響をたっぷり吸いこんだファンタジックで少し牧歌的なシンフォニック・ロック。マッターホルンに木霊するコーラスワークも絶品!
南米はアルゼンチンにも素晴らしきイエス影響下バンドたちがいますよ。
こちらは「魂、精神」の名を冠する南米プログレの筆頭株。
1stはなるほど「南米のYES」という表現に相応しい熱量とスリリングさを放つ名作でしたが、この2ndではもはやその形容には到底収まりきらない南米らしいおおらかでスケール大きなサウンドを展開。
でもアンサンブルが攻撃的に突き進むパートではちゃんと「こわれもの」あたりのイエスが顔をのぞかせてくれますよ。
アルゼンチンからはこのバンドもご紹介したい!
イエスのファンタスティックさとクリムゾンの凶暴性の両方を併せ持ったようなテンション溢れるギター&キーボードのプレイがいいなあ。
リリカルなジャケですが、中身はスリリングかつ荘厳な南米シンフォの名作!
ラストは、日本のこの注目グループ!
バンド名で気づくように、80年ごろのYESサウンドを絶妙に取り入れたキャッチ―で色彩感溢れるファンタジックなプログレがとにかく素晴らしい!
あらゆる面でジャパニーズ・プログレ離れした19年作2nd!
いかがでしたか?気になる作品が見つかりましたら幸いです☆
プログレッシブ・ロックの歴史においてYESフォロワーは数知れず各国から乱立していますが、その中でも最も有名なYESフォロワーとなったアメリカのシンフォニック・ロックグループの76年作。時代がコンパクトなロックへと向かっていた時期に、アメリカ独特のポップセンスを感じさせながら70年代プログレッシブ・ロックにこだわった長尺主義などを積極的に採用しており、その演奏は本家と間違えるほどの徹底したクローン・サウンドとなっています。特にきらびやかなキーボード・サウンドにはRick Wakemanの影を感じ、ハイトーンのボーカリストはまさにJon Anderson風。ここまで徹底したサウンドを追求すればそれ自体が個性になり得るという名盤です。
ノルウェーのグループ、74年作の2nd。1stからメンバー交代があり、新ヴォーカリストが加入。ハード・ロック寄りだった1stと比べ、かなりファンタスティックに洗練された印象。流麗かつスリリングなギター、ゴリゴリと疾走感溢れるベース、親しみあふれるキャッチーなメロディ、卓越したコーラス・ワークなど、YESからの影響を強く感じます。ただ、YESよりも牧歌的で、いかにも北欧といえるリリシズムに溢れているのが持ち味。そこを支えているのがキーボードで、メロトロン、ピアノ、オルガン、シンセを駆使し、ファンタスティックな音世界を構築しています。柔らかなハイ・トーンが魅力のヴォーカルもメロディの良さを最大限に引き出しています。変拍子を多用しアグレッシヴに畳み掛けるパート、優美でファンタスティックなパートとも、確かなテクニックと歌心に溢れています。これは素晴らしい作品です。オススメ!
ポーランドのシンフォ・プログレ・グループ、80年作の1st。物悲しくリリカルなメロディ、ハイ・トーンの憂いを帯びたヴォーカルがとにかく素晴らしい。YESのようにテクニカルに疾走するパートや、GENESISのように美しいアコギ・アルペジオを中心とするファンタスティックなパートなど、秀逸なメロディをさらに引き立てるアンサンブルもハイレベル&ハイセンス。ほの暗く冷たいトーンのキーボードもいかにも東欧的で良い感じ。名作。
オランダの名プログレ・グループ、74年作の2nd。前年リリースのデビュー作の延長線上にあるサウンドで、イエスやジェネシス meets ELOやパイロットと言えるキャッチーかつドラマティックなプログレが印象的。オープニング・ナンバーから超絶キャッチーな名曲で、イエス譲りのゴリゴリ・ベース、鋭角に切れ込むメロディアスなギターが疾走する中、ハイ・トーンのヴォーカルが美しいメロディを歌い、コーラスがどこまでもクリアに広がります。ジェントル・ジャイアントばりの器楽的アンサンブルからXTCもびっくりなビートリッシュな楽曲まで、とにかくメロディ、アンサンブルともにキレ味抜群。イエスやグリーンスレイドあたりのファンは間違いなくグッときっぱなしでしょう。名作です。
直輸入盤(帯・解説付仕様)、ボーナス・トラック1曲、定価2,500+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
盤に研磨跡あり、帯にラミネートシール貼り付け・破れ・色褪せあり、解説にケースツメ跡あり
スイスのプログレッシヴ・ロック・バンドによる76年発表の1stアルバム。オルガンとメロトロンを中心とするキーボードを主軸に据えたアンサンブルを持ち味とするバンドで、曲展開、メロディーライン、コーラスワークなどはイエスからの影響が強く感じられます。特に卓越したコーラスワークは並み居る欧州プログレの中でも屈指の出来栄えでしょう。YESタイプのユーロ・シンフォニック・ロックとしてかなりの完成度を誇る名品です。
アルゼンチンのシンフォニック・ロック・グループ、74年作の1st。ダークでテクニカルなキーボード、スティーヴ・ハウからの影響を感じさせるテンション溢れるギターをフィーチャー。変拍子を多用してアグレッシヴに畳みかける、スリリングかつ荘厳なシンフォ・プログレを聴かせています。ヴォーカル・メロディーは、いかにも南米らしい叙情性が魅力的。南米シンフォの名作。
Rod StewartのプロデュースでアルバムをリリースしたバンドGRAILのシンガーだったChris Williamsが渡独し、現地ミュージシャンらと結成したプログレ/ポップ・ロック・バンド。71年のデビュー作。エッジの立ったトーンのギターがツンとしたフレーズを奏でるイエス的なパート、スリリングな変拍子をバックにハモンド・オルガンが攻撃的なフレーズで畳みかけるEL&P的なパート、ドイツらしくバロック調のオルガン/ピアノが流麗に響くクラシカルなパートなどがめくるめく展開するオープニング・ナンバーからこのバンドの持つ技術とただならぬセンスが伝わってきます。時にクリムゾンのマイケル・ジャイルスばりのスリリングかつ引き締まったリズムを聴かせるドラム、Chris Williamsによる演劇的かつ牧歌性のあるヴォーカルも特筆。マイナー・グループの部類ですが、グリーンスレイドやグリフォンあたりと肩を並べる好グループ。オススメです。
2002年結成のジャパニーズ・プログレ・バンドによる19年作2ndアルバム。バンド名からも窺えるように、当初はYES『DRAMA』の再現パフォーマンスを目的に結成されたというだけあって、80年ごろのYESサウンドを絶妙に取り入れたキャッチ―で色彩感に溢れたファンタジックなプログレを鳴らします。重量感たっぷりのダイナミックなリズムワーク、アグレッシヴかつツヤのあるギター、ファンファーレのように輝かしいシンセ、芳醇な響きのオルガン、そしてネイティブと遜色ない英語詞で声量豊かに歌い上げるヴォーカル!テクニカルで密度の高いアンサンブルから、熱いエモーションが溢れ出してきます。楽曲も多彩で、まるで「Tempus Fugit」のように疾走感いっぱいのナンバーから、80年代ロックを思わせる煌びやかなポップ・チューン、ドラマチックなバラード、そして壮大なスケールで盛り上がるシンフォニック・ロックまでを、素晴らしい完成度で聴かせ切ります。YESファンを筆頭にあらゆるプログレ・ファンに聴いてほしい快作です!
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!