2020年10月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
メロトロンも駆使したダブル・キーボード編成による叙情溢れるサウンドで、英国プログレにおいて高い人気を誇るのがGREENSLADE。
今回は、バンドをサポートしたミュージシャンも含めた「GREENSLADEファミリー」に注目して、関連作品をたっぷりとご紹介してまいります☆
COLOSSEUMにおけるジャズの高い素養に裏打ちされた卓越したオルガンのプレイ、そしてGREENSLADEでのメロトロンも用いた幻想的キーボード・サウンド。間違いなく英国プログレ界屈指の名キーボーディストですね。
R&Bを出発点に、ブルース・ブームを通過し、ジャズもクラシックも飲み込んだ高度なハイブリッド=プログレッシヴ・ロックへと行き着いた、クリムゾン1stと並んで60年代英ロックの最終到達点と言える傑作。表題曲におけるGREENSLADEのオルガンワーク、神懸かってます…!
彼らが解散直前の71年3月に残した英ロック史に輝く傑作ライヴ盤!
ハイズマンによるド迫力のドラミングに乗って、グリーンスレイドのブリティッシュな渋みたっぷりのハモンドとブルージーなデイヴ・クレムソンのギターワーク、クリス・ファーロウのソウルフルな歌声がダイナミックに躍動するアンサンブルが凄まじい…。
中古棚からこんな一枚を発掘!80~90年代の映画/TV用音楽から選曲された音源集。いかにもブリティッシュな気品もたっぷりの心地よいインストが並ぶ好作品です。
バンド名こそGREENSLADEですが、そのDave Greensladeとほぼ同等の活躍を見せていたのが、もう一人のキーボーディストDave Lawsonです。60年代より磨いてきたオルガンの腕前と、独特の絞り出すような粘り気あるヴォーカルを特徴とします。
英国叙情あふれるジャズ・ロック・バンドWEBのこの最終作に参加しています。ジャケットはやや不気味ながら、クリムゾン「リザード」も彷彿とさせる静謐でしっとりとしたパートがなんとも美しい名品です。
デイヴ・ローソンを中心に管楽奏者を含む7人が集結したWEBの後身グループ。淡いトーンのオルガン、マイルドなファズギター、叙情的にむせぶサックスやビブラフォンが織りなすサイケデリック&ジャジーなサウンドがグッド!
DAVE GREENSLADEとはCOLOSSEUM時代からのバンドメイトだったベーシストTONY REEVES。キャリア豊富で、60年代半ばよりJOHN HISEMANらと共にジャズ/R&Bシーンで腕を磨き、ブルースブレイカーズでも活躍したベテランでした。
ジャケットからして、アル・スチュワート、イアン・マシューズ、ピート・デロあたりのファンはたまらないっすよね。音も憂いと翳りと叙情たっぷり。トニーをはじめとするバックメンバーの芳醇な演奏も聴きものです♪
キーフによるジャケからして最高ですね。深みあるボーカル、どっしりとした渋いバンド・サウンド。隅から隅まで英国の香りが充満しています。
トニーは2曲でベースを弾いていますが、この曲でのグルーヴィーでご機嫌なプレイ、大好きです。
ご存じキング・クリムゾンに抜擢された技巧派ドラマー。主張は強くないものの、ジャズ・ドラムを基礎にタイトかつ手数多く叩くシャープなプレイがカッコいいんです。
地味…と言われがちな70年3rdですが、アヴァンギャルドさと優麗なファンタジックさのバランスはクリムゾンの中でも随一ですよね。アンディの高い技量がしっかりと感じられる堅実なドラミングもさすが。
元レア・バードのキーボーディストが、アンディらと結成したオルガン・ロック・グループですね。憂い溢れるクラシカルなオルガンと手数多いシャープなドラムとの対比が鮮やか!
脱退したトニーに代わって加入したベーシストがこのMartin Briley。ベーシストとしての技量もさることながら、実はポップSSWとしても優れた才人なんです。
グリーンスレイドのほか、イアン・ハンターのバンドでも活動した人物なのですが、この81年ソロ、クリス・レインボウやロイ・ウッドなど米憧憬の英ポップSSW好きならきっと気に入るはずのキャッチーかつ気品あるモダン・ポップ/パワー・ポップ好盤!
オルガンやファズ・ギターが荒々しく主張し合う、怪しく混沌としたサウンド・・・これぞ70年代前夜英国アート・ロック!この英サイケ・バンド、ヴァニラ・ファッジやアート期パープル、あるいは初期フロイドが好きなら超オススメ!
GREENSLADE作品にゲストとして参加したギタリストたちにもフォーカス!
おそらくはデイヴやトニーと共にCOLOSSEUMで活動していた縁で、GREENSLADE『SPYGLASS GUEST』に客演しています。
コロシアム~ハンブル・パイで活躍したギタリストによるブルース・ロック・トリオ。クリーム「クロスロード」ばりにブルージーにジャジーに引きまくる鋭角フレーズてんこ盛り!
ピーター・フランプトンに代わるギタリストとして、名手クレム・クレムソンが加入した名盤6th!かつて以上にソウルフルなマリオットのヴォーカルと、歯切れよくブルージーなギターのアンサンブルが最高ですね!
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主にフォーク・ロック・シーンを支えた名セッション・ギタリストですね。彼も『SPYGLASS GUEST』で味のあるギターを披露しています。
アンディ・ロバーツ率いる英ロック・グループ。米国憧憬の中にもフィドルが英国的な陰影を描くフォーク・ロック、ルーラルなコーラスが染みるスワンピーな曲、ペダル・スティールが美しいハートウォームな曲など、英国的メロディが堪能できます。
アンディの書く美しく芳醇なメロディとウエストコースト・フレイヴァーたっぷりのご機嫌かつ繊細さもにじむギターワーク。マイナーだけど「アメリカなイギリス」として最高峰の逸品でしょうね。一曲目ではオリー・ハルソールが太くヌケの良いギターを弾いていて、こちらも最高!
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ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。セカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』を最後に、Greg Lake、Michael Giles、Peter Gilesが脱退。1970年に発表されたサード・アルバム『リザード』は、『ポセイドンのめざめ』に参加していたベース・ヴォーカリストGorden Haskellと管楽器奏者Mel Collinsが正式加入、さらにドラマーAndy McCullochを迎え入れ制作されました。ゲスト・ミュージシャンは、過去作にも参加のジャズ・ピアニストKeith Tippettがバンドメイト(コルネット奏者Mark Charigとトロンボーン奏者Nick Evens)を引き連れ参加している他、オーボエ奏者Robin Miller、さらにYESのヴォーカリストJon Andersonが、表題組曲「リザード」の「ルーパート王子のめざめ」で歌声を響かせています。本作は、Keith Tippettが持ち込んだフリー・ジャズのエッセンスがグループに新たな息吹を注ぎ込んだ作品であり、特に「インドア・ゲイムズ」や「ハッピー・ファミリー」におけるインプロヴィゼーションなどで、その影響をはっきりと聴き取ることができるでしょう。一方で、フルートが舞う「水の精」ではこれまでのKING CRIMSONらしい牧歌性も披露。ラストには20分を超える表題組曲「リザード」が控えます。フリー・ジャズへの接近を通じて、後のKING CRIMSONサウンドの重要なポイントとなる即興色を拡張した傑作です。
紙ジャケット仕様、HQCD、99年24bitマスタリング音源使用、内袋付仕様、定価2700+税
盤質:全面に多数傷
状態:良好
帯有
元RARE BIRDのGraham Fieldが、元KING CRIMSONのAndy McCulloch、そしてKING CRIMSONのメンバーPeter Giles、Michael Giles、Boz Burrellとも交流の深かったAlan Barryと結成したイギリスのプログレッシブ・ロックグループによる71年デビュー作。その内容はRARE BIRD時代の名残を感じさせ、Emerson Lake & PalmerともつながるようなGraham Fieldのハモンド・オルガンを中心にしたキーボード・ロックであり、Andy McCullochのジャジーでテクニカルなドラムをはじめとしたバンド・アンサンブルが英国らしい叙情と味を持ちつつ、とてもキャッチーな音楽性を放つ良作となっています。
紙ジャケット仕様、12年24bitデジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、ポスター付き仕様、定価2730
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
Jon Hisemanを中心に結成されDave Greensladeらを擁したイギリスのジャズ・ロックグループの69年2nd。VERTIGOレーベルの第1作という位置付けの本作は、ブルース・ロックへの傾倒が顕著であったデビュー作から音楽的な引き出しが格段に増した名盤であり、ブリティッシュ・ロック然としたハードなロック・アンサンブルからジャジーな表情、クラシカル・ロック的なアプローチまで、テクニカルなインタープレイを交えながら拡散しつつ融合する素晴らしいものです。中でも彼らを代表する名曲となった表題曲「ヴァレンタイン組曲」は圧巻の出来であり、ブリティッシュ・ジャズ・ロック最高峰の1枚と言えるでしょう。
2枚組、直輸入盤(帯・解説付仕様)、デジタル・リマスター、定価3570
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
1枚は傷あり、1枚は無傷〜傷少なめ
ピーター・フランプトンに代わるギタリストとして、名手デイヴ”クレム”クレムスンが加入、米アルバム・チャート6位をマークした6thアルバム。スティーヴ・マリオットの、かつて以上にブルージーでソウルフルなリード・ヴォーカルを主軸に、勢いと安定感を兼ね備えた圧倒的なパフォーマンスを披露した傑作。72年作。
グリーンスレイドでお馴染みのKey/Voのデイヴ・ローソンが加入して70年に3rd『I SPIDER』を発表したバンドWEBがそのまま発展したバンドがSAMURAI。彼らの71年唯一作が本作です。管楽器奏者を含む7人編成で、淡いトーンのオルガン、角の取れたマイルドなファズギター、叙情的にむせぶサックスやたゆたうビブラフォンが織りなす幻想美溢れるサイケデリック&ジャジーなブリティッシュ・ロックが印象的です。引き締まったドラムやゴリゴリとアグレッシヴなベースなどタイトなリズム、そしてデイヴ・ローソンによる英国的な優美な歌声も特筆。KHANあたりと並ぶR&Bからサイケを通過したジャズ・ロックへとたどり着いた英国ロックの逸品です。
71年リリースのライヴ盤で、通算で4枚目となるラスト・アルバム。スタジオ盤でのダイナミズムがさらに増幅された演奏はただただ圧巻。ジョン・ハイズマンの超重量級でいてシャープな怒涛のドラム、ディック・ヘクストール=スミスの熱すぎるサックス、デイヴ・クレムソンの渾身のブルース・ギター、デイヴ・グリーンスレイドの淡くむせぶハモンド・オルガン、そして、クリス・ファーロウのソウルフルなヴォーカル。すさまじい一体感とダイナミズム。間違いなく当時の英国で屈指と言える実力派だったことでしょう。傑作です。
フェアポートを抜けたサンディー・デニーが71年に発表したファースト・ソロ。フェアポートと比べてトラッド色が薄まった分くっきりと浮かび上がる彼女の繊細な歌声が絶品。いかにも英国フォーク的な荘厳なメロディーがまた素晴らしく、盟友リチャード・トンプソンのつぼを押さえたギターも曲を一層引き立てています。
スリップケース付き仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
スレあり、スリップケース無し
リヴァプール・シーンやグリムズやプレインソングでの活動でもソロでも英ロックのファンにはお馴染みのアンディ・ロバーツが、元ヤンコ・パートナーズやミック・エイブラハムズ・バンドのKey奏者ボブ・サージェントらと結成したグループ。サンディ・ロバートソンのプロデュースで録音され、アトミック・ルースターやジンハウスやハンニバルなども所属するB&Cレーベルより71年にリリースされた唯一作。2曲目「Sad」の名曲ぶりが凄い!抑制されたリズム隊とピアノが「くるぞくるぞ」と聴き手の期待を煽るタメの効いたイントロから雰囲気たっぷり。バックにはメロトロンも鳴らされ、ハイ・トーンのスモーキーなヴォーカルがエモーショナルに憂いのあるメロディを歌い上げる。リズムが走り、オルガンが鳴らされ、ピアノがジャジーなフレーズを彩ると、そこは英国ならではの翳りある世界。そこに追い打ちをかけるように鳴らさせるメロトロン!ブリティッシュ・ロック一級の名曲ですね。その他の曲も粒ぞろいで、米国憧憬の中にもフィドルが英国的な陰影を描くフォーク・ロック、ルーラルなコーラスが染みるスワンピーな曲、ペダル・スティールが美しすぎるハートウォームな曲など、英国的なメロディが堪能できます。英フォーク・ロック/SSWのファンはもちろん、ネオン・レーベルあたりのジャジーで叙情的な英ロックのファンにもたまらない名作!
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