2020年3月27日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ:
スタッフ佐藤です。
カケレコスタッフが日替わりのテーマでアルバムをピックアップする「日々是ロック」。今日は「有名バンドを離脱したミュージシャンのソロワーク」を探求!
あるバンドを脱退した人物がソロではどんなサウンドを鳴らしているのかというのは、なかなか興味を引くところですよね。
今回はプログレ界隈を中心に、そんなミュージシャン達の注目すべき作品をセレクトしてまいります☆
YESの初代ギタリストによる73年ソロ・アルバム、ヤン・アッカーマン/フィル・コリンズ/スティーヴ・ハケット/ジョン・ウェットンらが参加。インプロをふんだんに盛り込んだテクニカル・フュージョン作品です。
GENESIS独自のサウンドが完成しブレイクを果たす前夜に脱退したのが初代ギタリストであるフィリップス。数年間にわたりギターの腕を磨き、満を持してリリースした1stが本作です。英国の気品をそのまま音にしたかのようなロマンとファンタジーがいっぱいに詰まった名品ですよね。彼が最後に参加したGENESIS作品『TRESPASS』に通じるリリカルで幻想的なサウンドが素晴らしいですね。
デビュー作『Time Was』のみに参加したJETHRO TULLの初代ギタリストと言えば?グルーヴを強調した「ノレる」ブルース・ロックとしては英国でも最高峰ではないかなぁ。めちゃくちゃ痺れる74年スペイン公演を収録!
英国ロック界きっての自由人と言えばこの方ですよね。ソフト・マシーン脱退の翌年に発表された69年1st、底抜けに陽気でサイケデリック、でも同時にそこはかとなく滲み出すダークな哀愁。まるで人生そのものを奏でているようなストレンジ・ポップの名盤です。
スコットランドのバンドとして初めて全英1位を獲得した名ポップ・バンドMARMALADEのフロントマンが、グループ脱退後にアラン・パーソンズをプロデューサーに迎え発表した75年作。ヴォーカリストのソロ・アルバムらしく歌の魅力がたっぷりとフィーチャーされた、まさに珠玉のヴォーカル・ポップ・アルバムに仕上がっています。
ワールドツアーを成功させ絶頂期を迎えたP.F.Mを脱退、地中海沿岸の伝統音楽と真摯に向き合う中で作り上げた、ロック×民族音楽の最高峰と言うべき大傑作。
よろしければこちらの記事もどうぞ!
【関連記事】
2016年末、話題のプログレ本『どうしてプログレを好きになってしまったんだろう』を出版した、あの市川哲史氏がカケレコでコラムを執筆!その名も「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ」!!
元PFMのヴァイオリン/フルート奏者。77年にPFMを脱退した後は、自身の音楽的ルーツを求め、地中海の民族音楽を探求。その成果として制作された79年作の1stソロ。イスラム文明とキリスト教文明とが幾重にも重なった地中海で育まれた地中海音楽と、ロックやジャズとを結びつけた地中海ロックの頂点に君臨する一枚。マウロは、ヴァイオリン、フルートの他、ギター、オルガン、ピアノ、ピッコロ、ブズーキ、ウード、サズを操るなど、マルチ・インストゥルメンタル奏者としての才能を見事に開花。そこに、AREAやPFMのメンバー、地中海プログレの名グループCANZONIERE DEL LAZIOのメンバーが加わり、アラビックな旋律が渦巻くエキゾチズムとロックのダイナミズムとがぶつかりあった芳醇かつ強靱なサウンドが生み出されています。特にアレアが参加したオープニング・ナンバーは、ヴァイオリンと民族弦楽器とのユニゾンによるこぶしを効かせたようにウネる旋律を軸に、強靱なジャズ・ロック・パート、CANZONIERE〜のメンバーのパーカッションが北アフリカの祝祭に紛れ込んでしまったような土着フレイヴァーを奏でるパートとを対比させながら展開するスケールの大きな名曲。PFMのメンバーが参加したクラシックとジャズと地中海音楽の豊かなフュージョンの豊かなフュージョンを聴かせる4曲目や、デメトリオ・ストラトスの超絶スキャット、マハビシュヌばりのソロの応酬が凄まじい5曲目もまた必聴。様々な時代・地域・民族が交差し溶け込んだコスモポリタン・ロックと言える傑作です!
ジェネシスの初代ギタリストとして活躍し、70年代後半以降はソロ・ミュージシャンとして英国的叙情性に満ちた質の高い作品をリリースしてきた彼の、記念すべき77年1stソロ。ジェネシスのメンバーであるマイク・ラザフォード、フィル・コリンズらが参加。フィリップスによる丹念に爪弾かれるアコースティック・ギターの調べを、ゆったりとおおらかに流れるシンセとリリシズムに満ちたフルートの音色が彩るスタイルを軸とした、アコースティカルな手触りのシンフォニック・ロックを聴かせます。アコースティック楽器主体の演奏ですが、中世トラッド色とよりアカデミックなクラシック的要素の両方が違和感なく一体となった、たおやかな牧歌性とともに格調高くも瑞々しい英国然とした音色が印象的。ジェネシス脱退後にクラシック音楽とクラシック・ギターを本格的に学んだというその成果が遺憾なく発揮されています。演奏のみならず組曲「Henry」におけるハイレベルな楽曲構築性なども彼の豊かな才能を証明しており聴き所。3曲あるヴォーカルナンバーは、1曲でフィリップス、2曲でコリンズがヴォーカルを取っており、特にコリンズによるヴォーカルナンバーは、ジェネシスとは趣の異なる繊細で素朴な味わい深さが大変魅力的。清冽な小川の流れ、風にそよぐ木立、一面に広がる田園など、英国丘陵地帯の情景がイマジネーション豊かに立ち上がってくるような名品です。
デモ音源やシングル・バージョン音源やスタジオ音源などを収録したDISC2を含む2枚組仕様、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:良好
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!