2020年1月17日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
1月17日に英ギタリストのミック・テイラーさんが71歳のお誕生日を迎えました。
ストーンズの2代目ギタリストとして最もよく知られるミックですが、セッション・ギタリストでもある彼はプログレも含む様々な作品で名演を残しています。
英国ロック界屈指の職人肌ギタリストの参加作品より注目すべきタイトルをピックアップしてみましょう♪
ピーター・グリーンやクラプトンといったレジェンド・ギタリストを輩出した名門バンドですが、初代ギタリストはミックでした。伸びのある心地よいトーンで弾きまくるそのプレイは、弱冠18歳とは思えぬ雄弁さ!
ブルースブレイカーズにてバンドメイトであったキーフ・ハートレー率いるグループ。本場アメリカのリスナーも魅了するなどブルース・ロックを極めたキーフ兄貴がホーン・セクションを導入し、BS&Tやシカゴにも負けないブラス・ロックを鳴らした傑作がこちら!ミックはラストの「Believe In You」にてらしさ満点の味わいあるギターを披露しています。
ストーンズからはこのアルバムをピックアップ。本作に収録の「Winter」における伸びやかで叙情たっぷりのギターソロが大好きなんですよね~。なお本作は鍵盤奏者としてビリー・プレストン、ニッキー・ホプキンス、イアン・スチュアートという腕利き達が参加しており、キーボードの充実も特徴的です。
上記アルバムと同年には、アルバム参加への返礼かその逆かは分かりませんが、ニッキー・ホプキンスのソロ・アルバムでプレイしています。柔らかなタッチのピアノが彩る、英国らしい気品と哀愁がいっぱいに詰まったロック名盤なんですよね~。ミックの繊細さも滲ませるしなやかなプレイスタイルは本作の雰囲気にベストマッチです。
A.ホールズワース、D.ウェイ、M.テイラーらが参加する78年作。ピエールの個性的なパーカスワークと、名手達のプレイとの間に起こる化学反応が聴き所♪
ローリングストーン誌「歴代最高のライヴ・アルバム TOP10」にもランクインしている傑作ライヴ盤。アーシーでまったりとしたサウンド、力強いグルーヴ感に瑞々しいポップ・センス…こんなに気持ちの良い音はなかなかありません。この「A Apolitical Blues」ではミックがゲスト参加、素晴らしいリードとスライドギターを披露しています。
キリスト教3部作完結後の82年作。独特の艶があるマーク・ノップラーのプレイといぶし銀の中にリリシズムも秘めたミック・テイラーのプレイ、相性は抜群ですよね。「ディラン流AOR」と言うべき隠れた名作!
他にもストーンズ・メンバーのソロやゲイリー・ムーア、U2などなど多数の作品でプレイを残していますね。
派手さはなくとも常に的確かつ奥深いプレイを提供してくれる、彼こそ「名手」と呼ぶにふさわしい存在ではないでしょうか。
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スタッフが様々なテーマに沿ってオススメ作品を取り上げ、世界のロックをカケハしていく「日々是ロック」。今回のテーマは『英国のいぶし銀ギタリスト』!
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近年、BIGPINKレーベルより1st~3rdが続いて再発された英国のブルース・ロック・バンド、AYNSLEY DUNBAR RETALIATION。ジャジーで大人の魅力漂う彼らの作品を特集いたしました!
ザ・フー、キンクスのアルバムへの参加を皮切りに、ビートルズメンバーのソロ作や、ストーンズ、ジェフ・ベック・グループなどの作品に参加するなど、言わずと知れた英ロックシーンを代表するセッションピアニスト。73年の初ソロアルバム。彼ならではのコロコロとリリカルなトーンのピアノの素晴らしさは言わずもがな、米スワンプの名SSWジェリー・ウィリアムスと共作した4曲など、哀愁漂う流麗なメロディが絶品。センシティヴな感性が光るメランコリックな歌声もまた特筆です。特に「Lawyer’s Lament」は美しすぎる名曲で、ゲスト参加したミック・テイラーのギターも哀愁たっぷりに響いています。クイックシルバー・メッセンジャー・サーヴィスのアルバムにも収録されたインストゥルメンタル「Edward」も聴き所で、繊細なタッチながら嵐のようなピアノが圧巻。中盤スピードが緩むと、ピアノとホーン、そしてジョージ・ハリスンのスライド・ギターがゆったりと絡み、まどろむような空気にはサイケデリックな空気を感じます。ニッキーならではのリリカルなピアノとともに、60年代〜70年代の黄金のロック名盤への参加で培った芳醇なセンスが滲み出た名作。どの曲もこれでもかと胸に響きます。
廃盤、紙ジャケット仕様、2枚組、02年リマスター、ボーナス・トラック10曲、内袋付仕様、定価3238+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
ジョン・メイオール率いるブルースブレイカーズを経て、キーフ・ハートレイが結成したグループ。69年にデラムからデビューした同年のうちにリリースされた2nd。前作ではゲスト参加だったヘンリー・ローザーが正式にメンバーとしてクレジットされ、BS&Tやシカゴなど米ブラス・ロック・ムーヴメントとも呼応し、ヘンリー・ローザーを中心とするホーン・セクションをフィーチャーした英ブルース/ブラス・ロックが印象的。ブラス・ロックといっても米国勢のように華やかにならず、むせび泣くように叙情的なのがいかにも英国。ジャジーなフルートとゲスト参加したミック・ウィーヴァーによる淡いオルガンが醸し出す叙情美に心奪われます。ミラー・アンダーソンの憂いたっぷりのヴォーカルも相変わらず絶品。キーフ兄貴のボコスカと重くタイトなドラムもキマってます。米ブラス・ロックの「逞しさ」「華やかさ」に英国ならではの叙情性で対抗したブラス・ロック名作。最高のグルーヴ!
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