2020年7月30日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
スタッフ佐藤です。
現在のプログレ・シーンで、人気/実力/影響力においてザ・フラワー・キングス(TFK)あたりと並ぶ存在が、鬼才スティーヴン・ウィルソン率いるイギリスのグループPORCUPINE TREE。
シンフォニックなサウンドを持つTFKに対し、ピンク・フロイド影響下のダークで透明感に満ちた完成度の極めて高いモダン・プログレを創出したことで、多くのフォロワー・バンドを生み出していることでも知られます。
そんなわけで、各国から登場している”ダークな透明感”を受け継ぐPORCUPINE TREE系プログレを探求してみたいと思いますよ♪
と、その前に、まずはPORCUPINE TREEの名盤をご紹介。
往年のプログレ名盤を手掛ける名ミキサーとしても手腕を発揮する、現代プログレ・シーンの重要人物STEVEN WILSON率いるグループ。
クリムゾンやフロイドらからの影響をオルタナティヴかつ鋭角的なセンスで昇華したモダン・プログレの代表作!
それでは、まずは直近リリースの注目作からオススメをご紹介!
OSADA VIDAの元メンバーが率いるグループなのですが、同郷RIVERSIDEに通じるメランコリーとヘヴィネス+ハード・ポップ的キャッチ―さ、言えちゃう個性的なサウンドを展開します。実直でハートフルなヴォーカルも魅力のポーランド新鋭20年作2nd!
PORCUPINE TREEやスティーヴン・ウィルソンのファンにオススメのグループがこちら。
モダンなエレクトロニック要素を取り入れつつ、PINK FLOYD的な仄暗さと北欧らしい透明感を併せ持った叙情的な音空間が相変わらず素晴らしい。
ソロでも活躍するギタリストBjorn Riis擁するノルウェー新鋭、20年作5th!
PORCUPINE TREEに強い影響を受けたドイツの新鋭による20年作。
とはいえ陰鬱さはそれほどなく、気品あるピアノをフィーチャーしたパートなどはANYONE’S DAUGHTERなど往年のジャーマン・シンフォに通ずる優美さ!
PORCUPINE TREEの激しさとGENESISのファンタジックさを掛け合わせて、ポーランドらしい翳りで包み込んだみたい…!?
ここぞで溢れるメロトロン(風音色)もGENESIS的でたまらないなあ。
演奏からミックスまでを一人で手掛けるポーランドのマルチ奏者によるソロ・プロジェクト、20年作2nd!
イギリスの新鋭プログレ・グループによる19年デビュー作。
PINK FLOYDやPORCUPINE TREEを受け継いだメランコリックに揺らめく音響空間が美しい…。
ゆったりとしたテンポで丹念にドラマを紡ぎ出す英国プログレの逸品です。
全編を覆う重厚感とダークな色調の中で、不意にポーランドらしい美麗さが浮かび上がってくるサウンドが魅力。
PORCUPINE TREEや同郷RIVERSIDEタイプのメロディアス・ロック新鋭19年作!
なんとアジア・プログレ最後の秘境(?)、インドから素晴らしい新鋭バンドが登場!?18年デビュー作。
PORCUPINE TREEやMARILLIONあたりからの影響を感じさせる重厚でダークな色調のシンフォニック・ロックはかなり完成度高し。
時おり顔を覗かせるオリエンタルなフレーズがまた堪らない♪
まだまだPORCUPINE TREE好きにオススメの名作をご紹介!
ポーランドが誇る名プログレ・グループですね。
ギターがザクザクとリフを刻む「モダンなヘヴィネス」とヴィンテージなトーンのキーボードによる「叙情美」とが織り成して描かれる、メランコリックな音世界。
PORCUPINE TREEのファンは是非一聴を!
ドイツ、マルチ・ミュージシャンJens Lueck率いるプロジェクト・バンドによる17年デビュー作。
さながらジェネシスの優美なファンタジックさとポーキュパイン・ツリーの内省感あるモダン・プログレ質感を融合させたような感じ。
リコーダー、チェロ、ヴァイオリンなども導入し、トラッドやクラシックの要素も散りばめたサウンドメイクの豊かさも見事!
この荒涼とした物悲しい世界観にうっすらと幻想美が広がる感じ、いかにもポーランドって感じでいいなぁ。
新鋭トリオ・バンドによるエモーショナルかつ退廃感のあるモダン・プログレ17年作!
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迫りくる凶暴なアンサンブル、そして叙情美。クリムゾンの遺伝子を受け継いだ90年代以降の新鋭グループを世界中からピックアップ!
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ポーランド出身、ヴォーカル、ギター&キーボード、ドラムスのトリオ・プログレ・バンド、17年作。陰鬱ながらも透明度高く美しいトーンのギター、ここぞでシンフォニックに湧き上がるストリングス系のシンセ、派手さはないながらシャープな切れ味を持つ技巧的なドラミング、そして英詞で朗々と力強く歌う男性ヴォーカル。無駄なく組み上げられたスタイリッシュなアンサンブルと、荒涼とした物悲しい世界観にうっすらと幻想美が広がるポーランドらしい退廃感ある音作りでドラマチックに聴かせます。ギターはメランコリックなプレイが主ですが、速弾きも交えたテクニカルなプレイから、最終曲で聴ける激情ほとばしる熱くエモーショナルなプレイまで、ソロパートでもその実力を遺憾なく発揮します。非現実的な浮遊感を醸し出すプログラミングの用い方も見事なセンス。いかにもポーランド然とした仄暗くも感動的な力作です。
YESTERNIGHTに簡単なインタビューを行いました!
-1.本作『The False Awakening』で、どのようなサウンドを目指しましたか。
僕らはこのデビューアルバムで特定の音楽スタイルというものを目指したわけじゃないんだ。各メンバーのインスピレーションによってもたらされた自然な結果がYESTERNIGHTというバンドだと言えるからね。
-2.YESTERNIGHTの音楽に最も影響を与えているバンドや作品を教えてください。
ピンク・フロイド、ポーキュパイン・トゥリー、オーペス、アナシマあたりかな。まだまだあるけどね。
-3.これまで聴いた中で最もお気に入りのアルバムを教えてください。またそれを聴いたとき印象はどんなものでしたか。
僕達の一番好きなアルバムと言ったら、おそらくはポーキュパイン・トゥリーの『Deadwing』だね。たくさんの美しいメロディーと様々な音楽ジャンルによって構成されている、とても刺激的でインスピレーションに富んだアルバムだよ!
-4.音楽以外の活動や趣味はありますか。
メンバーのうち2人は料理をするのが大好きだよ!
-5.あなた達が活動しているブィドゴシュチュ(Bydgoszcz)という街について教えてください。
ブィドゴシュチュは僕らメンバーが出会った街なんだ。メンバーのKamilだけがブィドゴシュチュ在住で、Marcinがオランダのユトレヒト、Bartekがワルシャワとそれぞれ別の街に住んでいる。
ブィドゴシュチュはポーランド北部のとても美しい街だよ。ポーランドで8番目に大きな都市で、36万人が住んでいる。またブィドゴシュチュは音楽の街とも呼ばれてきた、現代ヨーロッパ文化にとって重要な場所でもあるんだ。
-6.日本でYESTERNIGHTの音楽が聴かれていることをどのように思いますか。
これは驚き以上のもので、実のところ信じられないくらいだよ!とにかくとても名誉なことだね!
-7.これまでに聴いたことがある日本のバンドはいますか。
GazettEというバンド(日本のヴィジュアル系ロック・バンド)を聴いたことがあるよ。
-8.最後に日本のプログレ・ファンへメッセージをお願いします。
僕達のアルバム「The False Awakening」を聴いてくれてありがとうございます。日本で僕らの音楽が聴かれていると聞いて大変光栄な思いです。いつか、あなた達の住んでいる美しい国で演奏ができたら素晴らしいことだと思います!
2005年結成のポーランド出身プログレ・バンド、19年作5th。PINK FLOYDやPORCUPINE TREE、同郷のRIVERSIDEなどからの影響を感じる、ダークな質感のメロディアス・ロックを鳴らします。重くタイトに打ち込むドラミング、メタリックなリフワークから哀愁のフレーズ連発のソロまで自在なギターが演奏の中心ですが、そこに静謐なリリシズムを加えるピアノの音色も光ります。全編を覆う重量感とダークな色調の中で不意にポーランドらしい美麗さが浮かび上がってくるようなサウンドが魅力です。メインで歌うのはピーター・ガブリエルかフィル・コリンズをスタイリッシュにしたような声質の男性ヴォーカルですが、要所で女性キーボーディストが伸びのある美声を披露していてその対比もまた劇的。サウンドの重厚さとは裏腹と言える、キャッチ―なメロディと明快な曲展開で聴きやすく仕上げられた力作です。
2014年に結成、インドより登場した5人組プログレッシヴ・ロック・バンド!18年にデジタル音源でリリースされたデビュー作の待望のCD化となります。そのサウンドは、PORCUPINE TREE、PINEAPPLE THIEF、近年のMARILLIONあたりからの影響を強く感じさせる重厚でダークな色調のシンフォニック・ロック。重々しくタイトに刻むリズム、畳みかけるように繰り出すヘヴィ・リフからハケットやロザリー譲りの繊細な泣きのプレイまでを弾きこなすギター、そのギターとユニゾンもしつつ演奏に厚みと奥行きをもたらすシンセ&オルガン、虚空に響く物悲しいピアノ、そして端正かつ哀愁を帯びた声質が魅力の英語ヴォーカル。サウンド的にはメタリックではないのですが、各楽器にずしりとした重量感がありアンサンブルの音圧は相当なもの。なのに閉塞感はなくメロディの良さも相まってスタイリッシュに聴かせるセンスが光っています。また上記英国バンドを手本としたサウンドから、不意にギターやオルガンがオリエンタルな旋律を奏で始めるパートもあって、多くはないもののインドのグループらしさも感じられます。とにかく抜群の聴き応えを誇るシンフォ傑作です!
ポーランド出身、プログレ・バンドOSADA VIDAにも在籍したヴォーカル/ギターMarek Majewskiを中心に結成されたグループによる20年作2nd。うっすらと漂うメランコリックな音響空間と、それを突き破るように唸りを上げるメタリックなギターが対比する、同郷RIVERSIDEに通じるサウンドを展開。特徴的なのがそこに乗る意外なほどキャッチ―なメロディで、実直でハートフルなヴォーカルも相まって、ハード・ポップ的と言えそうな抜けの良い明快さを生んでいるのが魅力です。現代ポーランドらしい陰影と重量感、そしてキャッチ―な聴きやすさが見事に調和した快作です。
ソロでも活躍するギタリストBjorn Riis擁するノルウェーの新鋭プログレ・バンド、16年の4thに続く20年作5th。PINK FLOYD影響下の仄暗くメランコリックな叙情美はそのままに、本作ではエレクトロニクス要素を大幅に導入し、一層スタイリッシュに洗練されたサウンドを展開。強靭かつ反復的なリズム隊のビートにスペーシーなシンセサイザーのシーケンスが合わさったパートなどはかなりモダンな仕上がりながら、優美で切ないメロディやギルモアを思わせるエモーショナルなギター・ソロ、しっとりと翳りを帯びたヴォーカル、そして壮大で起伏に富んだダイナミックな曲展開など、プログレ・ファンにもグッと来る充実の内容となっています。PORCUPINE TREEやSteven Wilsonのソロが好きな方にもオススメです。
ドラム、キーボード、ヴォーカル、プログラミングなどを務めるマルチ・ミュージシャンJens Lueck率いるプロジェクト・バンドによる17年デビュー作。冒頭のリック・ライト・リスペクトの深遠なキーボードのプレイからニヤリとしてしまいますが、アンサンブルが動き出すと、ジェネシス憧憬のファンタジックなサウンドが一気に広がりいきなり感動してしまいます。繊細なトーンで熱くエモーショナルにフレーズを弾くハケットを意識したギターは、全面参加するベテラン・テクニカル・シンフォ・バンドSYLVANのギタリストJan Petersenによるもの。ただそんなファンタジックなサウンドの中にもどこか常にうつむき加減な陰鬱さが漂っているところにドイツらしさを感じます。リコーダー、チェロ、ヴァイオリンなども導入した、トラッドやクラシックの要素も散りばめられたサウンドメイキングの豊かさも見事だし、透明感ある美声を響かせるドイツの女性シンガーIsgaardをフィーチャーしたナンバーも聴き所です。ジェネシスの優美なファンタジックさとポーキュパイン・ツリーの内省感あるモダン・プログレ質感を融合させたようなありそうでない音楽性で聴かせる一枚です。
イギリスの新鋭プログレ・グループによる19年デビュー作。PINK FLOYDやPORCUPINE TREEからの影響が強い、メランコリックに揺らめく音空間が美しいモダン・プログレを鳴らします。幻想的に響くアコギのリフレインとたなびくシンセが重なり合って生まれる優しくもダークな陰影を帯びたサウンドの中を、ギルモア憧憬のブルースフィーリングと現代的なソリッドなキレの良さを備えたギターとデリケートに歌う男性ヴォーカルが交錯、ドラマチックに広がる音世界で聴き手を圧倒します。テクニカルに攻めるタイプではなくテンポは全体にゆったりとしていますが、丹念に色彩を折り重ねて情景を描くようなアンサンブルが静かな感動を呼び込む名品です。IT BITESのJohn Mitchellが参加。
ポーランド出身、演奏からマスタリングまで全てを一人で手掛けるマルチ・ミュージシャンBartosz Gromotkaによるソロ・プロジェクト。19年1stに続く20年作2nd。沈み込むようなほの暗さとエモーショナルな激しさ、そして切なく幻想的な叙情性が同居した、メリハリの効いたアンサンブルは1stに引き続き見事。メタリックなギターがザクザクとリフを刻んだかと思えば次の瞬間にはアコギの繊細なアルペジオが広がっていたり、艶のあるエレピやメロトロン風キーボードがアンサンブルをまろやかに包み込んでいたりと、攻撃性とリリシズムが一曲の中で調和したサウンドが堪らなくドラマチックです。PINK FLOYD、KING CRIMSON、PORCUPINE TREEは勿論、GENESISファンにもお勧めできそうなファンタジックさを湛えた逸品。
06年にデビューしたドイツの新鋭プログレ・グループ、19年作3rd。本人たちも影響を認める通り、PORCUPIRE TREEを強く彷彿とさせるエモーショナルかつメロディアスなプログレッシヴ・ロックが特色。とはいえPORCUPIRE TREEと比較すると陰鬱な雰囲気はそれほどなく、どこかポップさすら感じさせる瑞々しく透明感に包まれたアンサンブルが魅力的。鋭角的かつ重厚なギターが主張する激しいパートもありつつ、気品あるピアノや優美なシンセをフィーチャーしたナンバーなどはANYONE’S DAUGHTERあたりのジャーマン・シンフォにも通ずる美麗さ。モダンさと温かみを兼ね備えた、メリハリの効いたサウンドが素晴らしい逸品です!
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