2020年3月12日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
さぁ、ここからはユーロを探求!
ギター、オルガン、唾飛ばしフルートが渾然一体となって狂おしく畳み掛けるアンサンブルの熱気の凄まじいこと。
一歩も引かない女性ヴォーカルも圧巻だし、このドイツのバンド、アフィニティやベーブ・ルースのファンは必聴だなぁ。
クレシダやスティル・ライフなどヴァーティゴ系のオルガン・ロックをベースに、ソフツやカーンあたりのカンタベリーのエッセンスをまぶした感じ。
何とドイツのバンドとは!?
ハード・クラシカルなオルガンを中心にしたスモーキーなジャーマン・ロックを聴かせるドイツのグループの71年作。
バッハの「フーガ」を取り入れて、荘厳なチャーチ・オルガンで盛り上げたと思ったら、ラウドで荒削りなギターでスリリングに畳みかける!
これぞジャーマン・クラシック・ロックと言うべき魅力に溢れた名品ですね。
ドイツ西部はケルンにて71年に結成されたグループ。BRAINレーベルより74年にリリースされたデビュー作。
ジェスロ・タルやクレシダやイタリアのヘヴィ・シンフォが好きなら、きっと掘り出しもののはず!
こ、この一曲目、ユーライア・ヒープやVERTIGOオルガン・ロックのファンはイチコロですよ。
クラシック大国ドイツらしい荘厳なオルガンや叙情的なヴァイオリンをフィーチャーした名作ですね。
ユーライア・ヒープやスプーキー・トゥースや初期ディープ・パープルが好きなら、このドイツのバンドはずばり必聴!
FRUMPYのキーボード奏者Jean-Jacques Kravetzが72年にリリースしたソロ。
ずばりVERTIGOの名盤にも匹敵するオルガン・ハードと言って過言なし!
個性的なグループを多く排出したPilzからリリースされたジャーマン・ロック・グループの71年作。
スモーキーな渋みを持ったオルガン、淡く叙情的なフルート、そして、ハスキーな歌声を聴かせる女性ヴォーカル。
英AFFINITYやオランダのEARTH & FIREのファンにはたまらない、ニッチ&ディープながら奥深いジャーマン・ロック逸品。
ジャーマン・プログレ・グループSAHARAの前身バンド、72年唯一作。
ブルージーなギターやハモンドが印象的なブリティッシュ・ロック影響下のサウンドを基調としつつ、唾吐きフルートによるジャジーなフレーズが飛び出したりとジャーマンらしいごった煮感もたっぷり。
あまり知られていないグループですが、これはなかなか良いですよ!
こちらはスイスのグループですが、POPOL VUHやHOLDERLINなどと同じドイツPILZレーベルからリリースされた71年作。
ジャケは不気味だけど、中身は奥ゆかしいフルートやスモーキーなハモンドを活かした、叙情たっぷりのオルガン・ロック!
70年代にドイツで活動しつつ、アルバムを残さずに消えた幻のオルガン・ロック・バンドのライヴ音源発掘盤。
これがクラシカルでジャジーでブルージーで、奥ゆかしくも叙情と哀愁たっぷりで、オルガン・ロック・マニアには堪らぬ好内容なのです・・・!
アフィニティばりにくすんだトーンのジャケも印象的ですが、クラシカルかつ陰影に富んだオルガンも絶品。
叙情とともに、バロック音楽の気品もあわせもったイタリアン・オルガン・プログレの傑作!
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水上都市ヴェネチア出身だからこその水と光の織りなす色彩と「ヴェネツィア共和国」の歴史が生む豊穣さとがつまった高貴なるヴェネツィアン・ロック名作『フェローナとソローナの伝説』を特集!
叙情派フレンチ・プログレの名作を残したSANDROSEの前身なのですが、サイケ色も加味したスリリングなオルガン・ロックが炸裂していて実にカッコ良し!
グルーヴィーなオルガンとメロディアスなピアノのアンサンブルも素敵~。
マグマのバーナード・パガノッティが在籍していたプログレ黎明期のフレンチ・ロック・バンドによる70年唯一作。
くすんだトーンのオルガンをフィーチャーしたアート・プログレで、ピンク・フロイドとコロシアムとトラフィックをゴッタ煮にしたようなサウンドはジャケの通り秘宝臭ぷんぷん。
ジャケの気味悪さはトップクラスですが…
中身はEL&PとDEEP PURPLEが合体したような!?これでもかとクラシカル&ドラマチックなハード・ロック好盤!
PROCOL HARUMの「青い影」に通ずるような美しいオルガンの調べ、これでもかと泣きまくるギター、柔らかなフルート、そして幻想的なメロトロン。
圧倒的に叙情性溢れるアンサンブルはただただ涙するしかありません。
オランダを代表するシンフォニック・ロック・グループによる71年作2ndで、ユーロ・ロック史に残る傑作!
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オランダならではの端正でいて素朴な人情味にも溢れたメロディアスなプログレッシヴ・ロック名作をセレクトいたしましょう。フォーカスの他にも愛すべきグループがたくさん居ますね。
オープニング・ナンバーを聴いて驚きました!スティーヴ・ウィンウッドばりのソウルフル・ヴォーカル!
このオランダのオルガン・ロック・バンドの69年作は痺れますよ~!
VERTIGO勢やヴァン・ダー・グラーフを彷彿させるジャジーなオルガン・プログレをベルギーで発見!
ソウルフルな女性ヴォーカルが入って、強烈な暗黒おとぼけジャケに負けず、サウンドもキてます!
マイナーなグループながら、英ヴァーティゴの名作群にも比肩する、淡くメロウでハードなオルガン・ロックを聴かせる好グループ。
再発レーベルからのインフォには、初期JETHRO TULL、TRAFFIC、MOODY BLUES、CRESSIDAのファンにオススメ、と書いてありますが、確かにその通り!
目指すところはデイヴ・スチュワート率いるEGGあたりだと思いますが、素っ頓狂なジャケの通り、ちょいとズレちゃってます。
でも、そこが愛すべき好グループ!
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スペイン北東部の地中海沿岸に位置するカタルーニャ地方出身、70年に結成されたカタルーニャ・ロック(通称ライエターナ・ミュージック)の最初期のグループFUSIOONの2ndをピックアップ!
ギリシャ出身で主にフランスで活動したグループ。71年のデビュー作。
ピアノ/オルガン奏者が中心で、ゾンビーズやグレイシャスやスプリングなど気品あるブリティッシュ・ロックからの影響を感じますが、やはりギリシャ出身ならではの美意識が溢れているのが特筆。
地中海つながりでイタリアン・ロックに通じるセンスがあり、例えて言えば、ゾンビーズ『オデッセイ・オラクル』にフォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスが乱入したりこんな音になりそう!?
こ、これは、まるでスウェーデンのユーライア・ヒープ・・・。
疾走するドラマティックな構成、泣きのツイン・リード、荘厳なオルガン。この泣きの旋律はやられますね。
ジミ・ヘンやザッパのスウェーデン公演のサポート・アクトもつとめたスウェーデン・ロック黎明期の名サイケ・プログレ・バンド。
後にKEBNEKAISEを結成し活躍するギタリストも加入して、屈強なサイケ・ハードは英米の名作と比べても遜色なし。
結成は67年までさかのぼり、ビート・ロックグループとしてデビュー後、時代の流れに対応してプログレッシブな音楽性へと変化。以降、EL&P系のキーボード・ロックバンドとして知名度を上げ、活動を続けるグループの73年5th。イタリアンシンフォニック・ロックの名盤として有名な作品であり、「フェローナとソローナ」をテーマにした、組曲形式で聴かせるコンセプトアルバムとなっています。全編で溢れるイタリア然とした叙情とメランコリックな肌触りは特筆すべきものであり、オルガンを中心にした攻撃性のあるキーボード・ロックとAldo Tagliapietraの儚げなボーカル曲との対比がやはり素晴らしく、ジャケットのような気品漂うサウンドを作り上げています。
ペーパーケース仕様、伊語バージョンと英語バージョンとをカップリングした2枚組デラックス・エディション
盤質:無傷/小傷
状態:良好
FRUMPYのキーボード奏者Jean-Jacques Kravetzが72年にリリースしたソロ。9分を越える1曲目から、ブルージーなハード・ロックのファンはノックアウトでしょう。ゆったりとタイトなリズム隊、豊かなトーンのタメの効いたエモーショナルなフレーズが素晴らしいブルージー&ハードなギター、淡いトーンのメロディアスなオルガン&ピアノ。そして、スケールの大きなソウルフルなヴォーカル。この曲の芳醇な香りは絶品の一言。その他の曲も、アグレッシヴなキーボードをフィーチャーしたよりプログレッシヴな楽曲、荘厳なオルガンが炸裂するオルガン・ハード、クラシカルなピアノが美しいバラードなど、佳曲揃い。これは名作です。おすすめ
ハード・クラシカルなオルガンを中心にしたスモーキーなジャーマン・ロックを聴かせるドイツのグループの71年作。バッハの「フーガ」を取り入れた楽曲を初めとして、チャーチ・オルガンのごときエコーを効かせたハモンド・オルガンの様式美で聴かせるクラシカルなセクションと、ラウドで荒削りなギターが勢い任せに引っ張るサイケデリック・ハードなセクションに分かれた楽曲は非常にスリリングな表情を見せ、その節操の無いサウンドがとても魅力的です。ジャーマン・ロックらしい実験色も覗かせるなど、個性的でマニアックな好作です。
74年作の2nd。様々な要素が雑然としていた(そこが魅力ですが)1stと異なり、本作で聴けるのはオルガンを中心としたジャズ・ロック。ただ、本格派という感じではなく、人を食ったようなジャケット通りのどこかコミカルさも感じる人懐っこいサウンドが特徴的。目指すところはデイヴ・スチュワート率いるEGGあたりと同じだと思いますが、EGGと比べちゃうとちょっとかわいそうかもしれません。でも、テクニックは安定してるし、曲も魅力的だし、ジャケ含めまさしく愛すべき作品という表現がぴったりです。
紙ジャケット仕様、2020年デジタル・リマスター、SHM-CD、ボーナス・トラック2曲、定価3143+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
サックス&フルート奏者在籍のジャーマン・ロック・バンド、71年の唯一作。手数多く走るドラムとよく動くベースによる安定感あるリズム隊を土台に、ブルージー&ハードで引きずるようなギター・リフ、淡くむせぶハモンド・オルガンを中心として、時に叙情的に、時に熱気ムンムンに畳み掛けるアンサンブルは、クレシダやスティル・ライフなどヴァーティゴ系のオルガン・ロックに通じる質感が印象的です。フルートやサックスがリード楽器としてフィーチャーされているのも特筆で、ジャズのエッセンスが感じられ、初期ソフト・マシーンやカーンのようなカンタベリーな味わいすら感じます。4曲の大曲主義で駆け抜ける構成も実に巧み。これはブリティッシュ・ロック・ファンにもたまらない名作です。
ギリシャ出身で主にフランスで活動したグループ。71年のデビュー作。ピアノ/オルガン奏者が中心で、ゾンビーズやグレイシャスやスプリングなど気品あるブリティッシュ・ロックからの影響を感じますが、やはりギリシャ出身ならではの美意識が溢れているのが特筆。地中海つながりでイタリアン・ロックを思わせ、特に突っかかるようなファズ・ギターやパーカッシヴなアコギなど、ギタリストはフォルムラ・トレのアルベルト・ラディウスを彷彿させます。ゾンビーズ『オデッセイ・オラクル』にアルベルト・ラディウスが乱入して混沌とさせつつも気品が損なわれていない楽曲など、このグループならではの魅力いっぱい。フルートやストリングスがリリカルに流れる曲も美しいし、トレの『夢のまた夢』もびっくりな荘厳なオルガンをフィーチャーしたラスト曲「Bad Trip」もすごいテンションだし、英語の歌メロはどれも流麗で絶品だし、英ロックのファンもユーロ・ロックのファンも必聴のずばり名作!
女性ヴォーカル、フルート奏者を要するジャーマン・ロック・バンド。オリジナルは2枚組でリリースされた70年のデビュー作。オープニングの「Riddle In A Swamp」から痺れまくり!アグレッシヴに疾走するキレ味抜群のリズム隊、叩きつけるように鳴らされるリズムと「狂おしい」というキーワードぴったりに弾きまくられるリードともにまるでパンクのように初期衝動のエネルギーがつまったエレキ・ギター、宗教的な荘厳さとともにそそり立つオルガン、激しく吹かれるフルート。いやはや凄まじい熱気。アンサンブルに応える女性ヴォーカルも圧巻で、英国アフィニティのリンダ・ホイルを彷彿させます。ジャーマン・オルガン・ハード屈指の傑作です。アフィニティやベーブ・ルースのファンは必聴!
70年代に西ドイツで活動し、ELOYやGURU GURUともツアーを行った幻のバンド、当時のライヴ音源を収録した18年発掘盤。そのサウンドはくすんだトーンのクラシカルなハモンドを中心に、ブルージーなギターやうねりのあるベースを交えて哀愁たっぷりに展開する王道のオルガン・ロック。CRESSIDAを思わせるジャジーで叙情的な曲調がメインかと思いきや、聴いていくとピアノ、オルガン、シンセを切り替えながらスピーディーにフレーズを弾き倒すリック・ウェイクマンばりのパートがあったり、『神秘』〜『原子心母』頃のフロイドを彷彿とさせるサイケデリックなナンバーが飛び出したりと、多彩でクオリティの高い内容にビックリ!長尺曲が多いものの、アグレッシヴなソロ・パートに粛々とした叙情パート、味のあるヴォーカル&コーラスパートが交差する起伏のついた構成、そしてどこまでもリリシズムに溢れたメロディとハーモニーでじっくりと聴かせます。決して録音状態は良くないものの、単なるアーカイブに留めておくには惜しい好内容。オルガン・ロックやジャーマン・ロック・ファンは要チェックです。
Jean Pierre Alarcenなどが参加しており、SANDROSEの母体といわれているフレンチ・オルガン・ロック・バンドの69年作。SANDROSEが女性ボーカリストRose PodwojnyとJean Pierre Alarcenを中心に組み立てられたプロジェクトであったのに対し、EDEN ROSEはその方向性からキーボーディストHenri Garellaのサウンドが大きくフューチャーされており、ややサイケデリックな質感を感じさせるスリリングなオルガン・ロックを展開しています。非常にグルーヴ感溢れるサウンドであり、ドラマチックなSANDROSEとはまた違った魅力のある名盤です。
ベルギー出身、ギターレスでサックス奏者とオルガン奏者を含み、女性ヴォーカル在籍という編成のプログレ・グループ。70年のデビュー作。サックスが低く垂れ込めるVDGGばりに荘厳なパートとジャジーなオルガンをフィーチャーしたジャズ・ロックなパートを行き交うアンサンブル、そしてジュリー・ドリスコールやキャロル・ギライムスを彷彿させるソウルフルな女性ヴォーカル。ベルギーのプログレと言えば、WATERLOOやIRISH COFEEのようなオルガン・プログレやCOSやPAZOPなどカンタベリー・フィーリングなジャズ・ロック・グループを思い出しますが、その両方のエッセンスを併せ持つのがこのグループ。シャープな高速リズムに女性スキャットとサックスとオルガンがユニゾンで畳みかける4曲目は、まさにこのグループならではと言えます。強烈な印象を残すジャケに負けない、ハイ・レベルでオリジナリティ溢れる好グループ!
73年作、スイスのハード・ロック・グループによる自主制作盤。ギターとオルガンによるクラシカルなリードが印象的なサウンド。ソロ部分だけでなく、バッキング部分もなかなか優れており、緊張感に富んだリズムアレンジを多用し、泣きのツボを押さえたドラマティックなアンサンブルが秀逸。流れるようなメロディーを引き立てています。佳曲揃いの好盤。
ギタリストSandro Chiesaを中心に結成、個性的なグループを多く排出した独Pilzよりリリースされた、スイス出身オルガン・ロック・グループによる71年唯一作。スモーキーな渋みを帯びたサウンドに仕上がっており、ジャジーなオルガン、ブルース・ロック的なアンサンブルはかなり聴かせるもので、フルートがリードを取るパートではゲルマンのロマンティシズムと深み、翳りも醸し出されます。ブルージー且つハードな楽曲が並んでいるものの、Pilzレーベルらしいサイケデリアをところどころに漂わせているのも印象的。隣国スイス産ながら、クラウト・ロック・ファンなら是非押さえておきたい好作品と言えるでしょう。
ヴァイオリン入りのクラシカルなシンフォニック・ロックを聴かせるドイツのグループのデビュー作。作品をリリースする度に洗練されたシンフォニック・ロックを構築していく彼らですが、デビュー作である本作ではクラシカルな要素は多く含みながらもシンフォニック・ロックというよりはハードなオルガン・ロックという趣。VERTIGOレーベル諸作のようなで荒めの演奏が魅力的ですが、ヴァイオリンやリコーダーを駆使しスメタナの「モルダウの流れ」を取り上げるなど、後の彼らの飛躍を感じさせるに充分なデビュー作となっています。
ドイツのバンド、72年の唯一作。スリリングなギター・リフによるブルージーなハード・ロックをベースに、フルートやサックスによるジャジーなエッセンス、リリカルなアコギと哀愁のヴォーカルによるビートルズ的なエッセンス、ハモンド・オルガンによるブリティッシュ・ロック的なエッセンスを加えたアンサンブルは、オリジナリティに溢れていて、聴き応え抜群。安定感ある演奏、緩急自在の曲展開、印象的なメロディーなど、かなり完成度の高いグループです。
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