2019年9月26日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
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スタッフ佐藤です。
70年代には、ルネッサンスのアニー・ハズラム、カーヴド・エアのソーニャ・クリスティーナという2大歌姫が活躍した、プログレの女性ヴォーカル。
現在のプログレ・シーンに目を向けると、そんな70年代当時以上に女性Voプログレの人気と女性Vo在籍バンドの割合が飛躍的に高まっています。
そこで、各国から注目作がリリースされている中から、「今聴くべき女性ヴォーカル・プログレ」を7タイトル厳選いたしました。
こちらをご参考に、個性豊かな女性ヴォーカル新鋭プログレ達をご堪能いただければ嬉しく思います!
まずご紹介しておきたいのが、ブラジルのこの男女デュオによる2ndアルバム。
彼らが敬愛するRUSHやMARILLIONの影響を感じさせる、ダイナミックな緩急ある構成と静謐に紡がれる幻想的な音空間が持ち味で、アンディ・ラティマーやスティーヴ・ロザリーの叙情を受け継ぐギタープレイもイマジネーションを豊かに広げます。
そしてそこに、透き通るような美声の中に微かに物悲しい趣を秘めた女性ヴォーカルが、スッと胸に染み入ってくるのですから、もう絶品としか言いようがありませんよね…。
キャラヴァンやマッチング・モールといったカンタベリー・ロック・バンドを継承したスタイルを公言する、イギリスの新鋭プログレ・バンドが彼ら。
その宣言通り、ジャズ・ロック色の強い「ウォータールー・リリー」あたりのキャラヴァンが頭をよぎる、渋くも芳醇なジャズ・ロック・スタイルと軽やかなポップ・エッセンスが調和したサウンドを聴かせてくれます。
ヴァイオリンも弾く女性シンガーLucie Vは、ソーニャ・クリスティーナをパワフルにしたような存在感ある歌声が魅力で、カンタベリー・フォロワーに留まらない絶大な個性を与えています。
イギリスだと、このグループもとても良いです。
YESやネオ・プログレ勢を受け継ぐ構築的かつメロディアスなプログレを聴かせる英新鋭19年作。
疾走感あるパートでもヘヴィにならず英国然とした気品を崩さない演奏、そしてジャズを歌ってもハマりそうなしっとり落ち着いた歌いぶりの女性ヴォーカルがとても良い!
女性ヴォーカル・プログレにおいて随一の勢力を誇るポーランドからは、この才女率いるグループを取り上げましょう。
ヴォーカル/作曲ともにビョークばりの才覚を発揮する女性アーティストMarzena Wronaを中心とするトリオ・バンドがリリースした待望の2nd。
全編にプログラミングを駆使したエレクトロニカ的な音作りに抜群に映える、艶めかしくアーティスティックなポーランド語ヴォーカルは、一度耳にしたら容易には頭を離れないほどに印象的。
その蠱惑的な音世界に聴き手を惹き込むなかなか危険な一枚と言えるかも。
もう一つポーランドから取り上げたいのが、女性ヴォーカル・プログレの宝庫ポーランドでも屈指の人気を誇るLOONYPARKです。
この5thでは女性ヴォーカルが交代していますが、そのクオリティは露ほども変化していません。
しっとりと歌い上げるタイプだった前任者に対し、比較的エモーショナルでアグレッシヴな歌唱をメインとしているのですが、持ち前の端正かつ陰影にも富んだ宝石のように美しいアンサンブルと素晴らしく調和してるんですよね。
文句なしの傑作!
まさか00年代の日本に、ここまでの女性ヴォーカル・プログレが誕生するとは思ってもみませんでしたよ…。
古き良きプログレへの敬意を抱きつつ、新たな時代のプログレを模索したこの3rdが素晴らしいのなんの。
メロトロンやムーグや躍動し、新世代プログレの歌姫Mizukiが渾身の歌唱を響かせるこれぞ会心作!
ハンガリーで今最も繊細でイマジネーション豊かなサウンドを鳴らすこの新鋭グループと言えばこのYESTERDAYS。
この世とは思えない淡く浮遊感ある幻想世界を描き出すファンタスティックなアンサンブルと、ごく自然体で歌う優しい風のような女性ヴォーカルの組み合わせはただただ至上。
湧き上がってくるものをそのまま音にしたかのような気負いのなさが、格別な聴き心地の良さに繋がっている気がします。
全シンフォ・ファンの皆様へ、カケレコが自信をもってオススメ!
いかがだったでしょうか。
今後ますます盛り上がっていくであろう女性ヴォーカル・プログレに是非ご注目ください!
06年デビュー作『HOLDFENYKERT』でシンフォ・ファンの度肝を抜いた、ハンガリー出身/ルーマニアを拠点とする新鋭シンフォ・グループ、18年作3rd。いや今作も素晴らしいですよ〜!シャープなキレを持つリズム・セクションを土台として、メロトロンが幻想のカーテンをなびかせ、フルートが幽玄を奏で、品のある艷やかなシンセが疾走し、そして柔らかなアコースティックギターが心地よく響く、驚くほどに瑞々しく透明度の高いアンサンブル。そこに命を吹き込むのが、土着的な響きを持つハンガリー語を息を呑むほど神秘的に聴かせる女性ヴォーカル。それらがしなやかに組み合わされて形作られていくどこまでも繊細な音世界は、過去作よりもさらに美しく洗練されている印象です。ここぞという場面でヴァイオリン奏法を駆使して優美に泣くギターのプレイも胸を打ちます。パーカッションを交えエキゾチックに彩る民族エッセンスもシンフォニックなサウンドに自然に溶け込んでいて素晴らしい。終始、この世とは思えない淡く浮遊感ある幻想世界が眼前に広がる名品。文句なしにおすすめ!
カケレコ国内盤(帯・解説付仕様)、ペーパーケース仕様、黒い盤面の特殊CD-R、定価2990+税
レーベル管理上の問題によりペーパーケースにスレがある場合がございます。また自主制作CDにつき、ジャケットの色味が画像と異なる場合がございます。予めご了承ください。
ペーパーケース仕様、500枚限定(盤面が黒い特殊CD-Rです)
ペーパーケースにスレがございます。また自主制作という関係上、ジャケットの色味が画像と異なっている場合がございます。ご了承ください。
カケレコ国内盤(帯・解説付仕様)、ペーパーケース仕様、黒い盤面の特殊CD-R、定価2990+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯に若干折れあり
カケレコ国内盤(帯・解説付仕様)、ペーパーケース仕様、黒い盤面の特殊CD-R、定価2990+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
規格番号が違いますが同一CDです、盤に研磨跡あり、スレあり
ペーパーケース仕様、500枚限定(盤面が黒い特殊CD-Rです)
盤質:傷あり
状態:良好
若干角潰れあり・スレあり
2018年デビュー、90s英プログレ・バンドCYAN〜FYREWORKSで活動したメンバーを中心に結成されたグループによる19年作2nd。カンタベリー・ロックを継承するサウンドを自認する通り、CARAVANらカンタベリー・ロックをベースにした愛すべきサウンドを聴かせてくれた前作と同じく、70年代的ヴィンテージ・テイストたっぷりのプログレ/ジャズ・ロックを芳醇に鳴らします。味わい深く鳴るハモンド、ファンタジックに舞うムーグ、カンタベリー・テイストの叙情的なサックスらが紡ぐジャジーかつポップなアンサンブルと、力強く厳かに歌い上げる女性ヴォーカルのコンビネーションは相変わらず絶品。組曲も含む構築的な楽曲をCARAVAN的な軽やかさで駆け抜けるスタイルが魅力的な好盤です!
【カケレコ国内盤】直輸入盤(帯・解説付仕様)、ペーパーケース仕様、定価2990+税
レーベル管理上の問題により、ペーパーケースに角つぶれがある場合がございます。予めご了承ください。
【カケレコ国内盤】直輸入盤(帯・解説付仕様)、ペーパーケース仕様、定価2990+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
圧痕あり
KENTISHSPIRES/SPREZZATURA(KENTISH SPIRES)
ペーパーケース仕様
盤質:傷あり
状態:良好
圧痕あり
実力派がひしめく現ポーランドでも屈指の人気シンフォ・グループによる、3年ぶりとなった19年5thアルバム。前作からの大きな変化として女性ヴォーカルの交代が挙げられます。前任者はどこか緊張感のある厳かな歌唱が印象的でしたが、後任はより感情を強く出すエモーショナルな歌唱が素晴らしく、これまでになくドラマ性を高めており特筆です。演奏陣はさすがで、耳を引くユニークなリズムパターンを織り交ぜて存在感を示すリズム・セクション、ポーランドらしい陰影と哀感を乗せひたすら美麗フレーズを繰り出すギター、バックを気品高く流れゆくストリング・シンセらが、呼吸をぴったり合わせ紡ぎ上げていく宝石のように美しいアンサンブルに聴き惚れます。また出番は多くないものの、物悲しいリリシズムと柔らかなファンタジーを併せ持つピアノのタッチも絶品で、LOONYPARKらしい角のないしなやかな音色使いを象徴しているかのよう。従来どおりの端正で美しいアンサンブルと新ヴォーカルが担うアグレッシヴな表情が見事に調和した傑作!
2014年に始動した男性ギタリスト/マルチ奏者と女性ヴォーカリストによるブラジル産シンフォ・プロジェクト、待望の19年作!前17年作『WHAT I FOUND』も2人とは思えない驚くべき豊かさを内包した名品でしたが、本作も息をのむほどに静謐で幻想的な音世界が待っています。シンセ&オルガンがうっすらと幻想のベールを広げると、A.ラティマーとS.ロザリーの中間にいるような泣きのフレーズ満載の美麗ギターが舞い、スッと胸に染み入る透明感いっぱいの美声ヴォーカルが囁くように歌います。ゆったりとしたテンポのナンバーが主ですが、前作以上にロマンティックで丹念に紡がれていく優美な作品世界にじっくりと浸りたい逸品。傑作です。
ストレンジ・デイズの岩本晃市郎氏がプロデュースのほか作詞・作曲・アレンジ等に全面参加する新鋭で、沖縄出身の女性ヴォーカリストMizukiと女性ピアニスト/キーボーディストAnna Hardyを中心とするプログレッシヴ・ロック・グループ、前作から1年で届けられた19年3rdアルバム。デビュー作に顕著だった70年代ジャパニーズ・ロックから現代のJ-POPへと受け継がれる日本人の耳に馴染みのある情緒に富んだメロディライン、そして前作で大きくフィーチャーされたメロトロン/ピアノ/オルガンが作り上げる中世音楽的エレガンスを帯びたシンフォニック・ロック要素。ライナーでも語られている通り、それら過去2作品の特色を組み合わせた、MIZUKI DA FANTASIAならではの音楽性を突き詰めたサウンドとなっていてこれは見事です。上記3種のキーボードが折り重なり厳かかつ慈愛に満ちた音世界を生み出す中を、凛とした美しさにブルージーな哀愁を加えたようなヴォーカルが圧巻の表現力で歌い上げる前半は、胸打たれるバラードが満載。後半になるとムーグをはじめとするシンセサイザーが唸りを上げ、プログレ然としたスケール大きな演奏が繰り広げられます。YUKA & CHRONOSHIPで活躍するゲスト演奏陣による重量感みなぎるプレイにも注目です。ロックが最もエネルギーに満ちていた1969年から半世紀が経ち、来たる新たな時代へと向けられた作品となっています。前2作が気に入ったなら本作もマスト!
15年にデビューしたポーランドのプログレ/アート・ロック新鋭、4年ぶりとなる19年作2nd。前作でも聴かせた孤高の世界観は健在です。まず耳に飛び込んでくるのが艶めかしくもアーティスティックな女性ヴォーカル。浮遊感あるパートでの囁くような歌声はビョークを強く意識している印象ですが、一方で多重録音した自身のヴォーカルが折り重なって迫ってくるようなパフォーマンスは、蠱惑的と言える妖しい魅力を放っていて特筆。サウンドはエレクトロニカ色が強いですが、うっすらと音色を重ねるヴィンテージ・トーンのオルガンや幻想的なトーンで響くギターも実に美しく、エレクトロなサウンドに人肌の温かみを添えています。ヴォーカルに加え作曲とプログラミングも手掛けるMarzena Wronaの才能にまたもや圧倒される力作!
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