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スタッフ厳選☆今週の3枚!!【2019年7月~12月アーカイブ】

10月27日~2日の3枚

その1. MILLENIUM/WEB

まずは、ポーランドのみならず00年代以降のプログレ・シーン全体でも屈指の活躍ぶりを見せる彼らの19年作からまいりましょう!

99年結成、今年で始動から20年を迎えた現ポーランドを代表するシンフォ・グループが放った、スタジオ・アルバムとしては13作目にあたるのが本作です。

昨年リリースされたセルフカバー的アルバム『MMXVIII』では新ヴォーカルMarek Smelkowskiを起用していましたが、今作では初代ヴォーカリストのLukasz Gallが復帰。旧来からのファンにとっても嬉しい内容となりました。

音楽性もPINK FLOYDやGENESIS~MALLIRIONへのリスペクトに溢れたシンフォニック・ロックに、ポーランドらしい深いリリシズムと翳りのある叙情美を加えた、揺るぎなきMILLENIUMサウンド。

虚空に切なく響くようなピアノ、アンサンブルに奥行きをもたらす深遠なシンセ、ギルモアとS.ロザリーをミックスしたようなエモーションたっぷりに泣くギター、そしてスタイリッシュな中に哀愁を秘めた変わらぬ素晴らしい歌声…。シリアスでメランコリックに紡がれる演奏が、サビに向けて気高く飛翔していくあまりにドラマチックな展開は毎度ながら見事の一言です。

ポーランドはフロイド憧憬のグループが数多く存在することで知られますが、20年にわたり磨き上げられてきたサウンドは、もはや別格の完成度に至っています。いやはや今作も素晴らしい!

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その2. GIORGIO FICO PIAZZA/AUTUMN SHADES

続いては、イタリアン・ロックの最高峰P.F.Mのオリジナル・ベーシストによる19年作に注目!

あのP.F.Mのオリジナル・メンバーで、衝撃のワールドデビュー作『幻の映像』でも名演を残したベーシストGiorgio “Fico” Piazza。

2枚目はP.F.M時代。右から2番目。

その彼が、『幻の映像』以前にイタリア国内で発表したP.F.Mの1st『幻想物語』と2nd『友よ』を全曲演奏したスタジオ・ライヴ作品が本作になります。

Piazza以外は若手のメンバーとなっていますが、各人の実力はさすがハイレベル。演奏の中核をなすキーボードは、クラシカルで知的なタッチのピアノ、キレのあるジャジーなオルガン、静謐に広がるメロトロンなど、ジャズとクラシックを鮮やかに行き来する見事なもの。Flavio Premoliによるオリジナルにかなり忠実で、深いリスペクトを感じさせます。

重くタイトに攻めるドラミングは立体的な質感と鋭い緊張感をもたらしていてカッコいいし、もちろんPiazzaによるベースも畳みかけるようなユニゾンからふくよかなトーンで紡ぐ歌心溢れるプレイまで往年と変わらぬ名手ぶりを発揮。

1stと2ndのナンバーをミックスした新鮮な構成も聴き所の、好セルフカバーとなっていますよ♪
19年のライヴ映像をどうぞ!

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その3. SAINO/SAINO

最後は、ドイツのプログレ発掘レーベルPAISLEY PRESSから届いた超絶マイナーな一枚をご紹介します。

前身バンドを経て76年に活動を開始したフレンチ・プログレ・グループのデビュー作にあたる82年作。

コロコロしたエレピとソリーナが作り出す夢想的な浮遊感と、ジャジーな中にマイク・オールドフィールドやスティーヴ・ハウに近いフレーズセンスも感じる忙しなくも緊張感あるギターが織りなす、スリリングかつフランスらしいエレガンスもたっぷりのインスト・プログレ。SHYLOCKを思い出させるスタイルです。

比較的甘やか聴き心地のリード楽器のプレイに対し、手数多くキレのあるリズム・セクションも特筆で、ジャズ・ロック的な硬質さで演奏をタイトにまとめ上げています。

自主リリース盤であったことや82年という時期もあり当時注目されることはなかったようですが、これだけの好内容、もし結成当時に発表されていればフレンチ・プログレの名品に数えられていたかもしれません。

なおこのSAINO、84年には2ndもリリースしており、そちらはヴォーカルをフィーチャーしたANGEタイプのサウンドを聴かせているとの事。こっちもきっとリイシューしてくれるはず…待ってますぞ!

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10月20日~26日の3枚

その1. EDDIE MULDER/VICTORY

まずご紹介するのが、現オランダのプログレ・シーンにおいて中心的な存在と言えるこのアーティストによる新作ソロ!

80年代以降~現代のオランダでは、CAMELに影響を受けたシンフォニックなバンドが数多く登場してきたことをご存じの方も多いかもしれません。

そんなオランダにおける90~00年代のCAMEL系シンフォ・グループを代表するのがFLAMBOROUGH HEAD。Eddie Mulderはそのギタリストとして知られます(現在はベーシストとして在籍)。

またFLAMBOROUGH HEADを一時脱退していた時期にも、TRIONやLEAP DAYといったCAMELタイプのグループで中核メンバーとして活躍、常にクオリティの高い作品を生み出し続けてきました。

しかし彼の活動において注目すべきはバンド活動だけではありません。2015年からはソロワークも開始していて、本作品は早くも5枚目のソロとなります。

彼のソロ作品で特徴的なのが、アコースティックギターによるソロギター曲がメインである事。瑞々しい響きを持つギター演奏とリリカルで温かみのあるメロディによって紡がれる楽曲の数々は、木漏れ日感満点で休日の昼下がりにゆったりと耳を傾けるのにピッタリ。

一方でバンドスタイルのナンバーも聴き応えがあります。さすが経歴を反映したCAMEL彷彿をシンフォニック・ロックで、メロトロンも贅沢に使用した美麗で広がりあるサウンドを楽しませてくれます。
1曲であのKARFAGENを率いるAntony Kaluginがキーボードで参加していて、Eddieの甘いギターと美しく調和するパートは間違いなくCAMELファンの泣きポイント。

今作も期待を裏切らない一枚に仕上がっています♪

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その2. LOCKSLEY HALL/LOCKSLEY HALL

続きましては、米サイケの人気レーベルGEAR FABよりリリースされたリイシューをピックアップ!

LOCKSLEY HALLはワシントン州のサイケ・グループ。本作は69~70年に録音されつつも96年までお蔵入りとなっていた発掘音源集で、CDでは初のリイシューとなりました。

薄暗いジャケに反して内容はソウルフルで艶のある紅一点ヴォーカルをフィーチャーしたウェストコースト風男女混声サイケで、グルーヴィーに転がる明るいオルガンやガレージ・テイストたっぷりの生々しいギターもイイ感じ。

エネルギッシュでノリ良いナンバーから気だるくアシッド臭に包まれたナンバーまで、ジャニスやグレイス・スリックを思わせる「姉御」な女性ヴォーカルを中心とした色気漂うサウンドはかなり聴き応えアリです。

もちろんJEFFERSON AIRPLANEやBIG BROTHER & THE HOLDING COMPANYのファンには直撃なサウンドとなっていますよ!

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その3. RENIA/FIRST OFFENDERS

最後は旧譜ですが、久々に入荷した人気作なのでこちらで取り上げておきたいと思います。

本作は、英レーベルTRANSATLANTICより73年にリリースされたRENIA唯一のアルバム。TRANSATLANTICは60年代にはジャズやフォークをメインとするレーベルでしたが、70年前後からはロック/プログレも積極的にリリースするようになり、メル・コリンズがいたCIRCUS、MARSUPILAMI、JODY GRIND、DEVIANTS、STRAY、GRYPHONなどがTRANSATLANTICからアルバムを発表しています。

そんな中でこのRENIAは、満足なプロモーションをしてもらえず埋もれてしまった一枚。でも聴いてみれば、これはSTRAYやSTRIDERあたりのファンなら絶対に「おおっ!」となる素晴らしい内容なんですよ。

どっしりした安定感もありつつ疾走感いっぱいに刻むリズム、エッジの立った熱気あるプレイがカッコいいギター、グルーヴィにも叙情的にも自在なオルガン、そしてちょっとPROCOL HARUMのGary Brookerを思い出させる鼻にかかったハイトーン・ヴォーカル。

ハード・ロック的なキレの良いサウンドを軸にして、パブロッキンな軽快さ、キャッチーなポップ・センスも織り交ぜたスタイルは、一枚で終わってほしくなかった完成度。

上記STRAYやSTRIDERに加え、初期のR&B色あるPROCOL HARUMが好きな方にも聴いてほしい哀愁ブリティッシュ・ロックの隠れた名盤です。

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10月13日~19日の3枚

その1. DRY RIVER/DC

最初にご紹介したいのが、カケレコが一押しするスペインの新鋭グループによる最新ライヴ作品です。

メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインはバレンシア州出身のバンドで、その両者を融合させたスタイルを軸に展開するテクニカルで情熱的なサウンドが持ち味です。

本作は2019年1月、首都マドリッドでのステージを収録した音源&映像をセットにしたもの。

彼らの代表作となった18年3rd『2038』を中心とした選曲で、一曲通しで合唱が沸き起こるほどに会場が一体となっていて、とにかくライヴ盤としての臨場感が素晴らしい!

彼らのライヴでは欠かせない「ボヘミアンラプソディー」の完全再現も勿論やっているし、リッチー・ブラックモア率いるレインボーの現ヴォーカルであるRonnie Romeroも1曲でゲスト参加しており聴き所です。

クイーン・ファンにはこの最高に熱いパフォーマンス、是非聴いてほしいなぁ。

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その2. NU/MADRID RIO

続いてもスペインから届いたライヴ新作をピックアップ♪

78年のデビューから40年を迎えたマドリッド出身の名バンドによる、18年のライヴを収めた2CD+DVDが本作。

「スペインのキング・クリムゾン」とも云われるヘヴィ・プログレを聴かせた1stが有名な彼らですが、以降はシンフォニックな要素のあるメロディアス・ハード路線で活動してきました。

そんな彼らのキャリアを総括した選曲となっており、オルガンとギターが豪快かつスリリングに疾走する往年に負けないキレのある演奏に興奮必至。

イアン・アンダーソンのごとく、フルートも操るフロントマンJose Carlos Molinaの存在感も素晴らしくて、ハイトーンのスペイン語ヴォーカルで堂々と歌い上げます。

名実ともにスペインを代表するバンドの健在ぶりが実感できます。

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その3. MAGIC PIE/FRAGMENTS OF THE 5TH ELEMENT

最後は北欧ノルウェーより、人気バンドの19年作をご紹介!

元ユーライア・ヒープのkey奏者によるバンドKen Hensley & Live Fireでヴォーカルを務めたEiríkur Haukssonが在籍するテクニカル・シンフォ・グループMAGIC PIE。

本作、まるで初期GENESISとSPOCK’S BEARDを合体させて透明感いっぱいに仕上げた感じ!

得意とするテクニカルなバンド・アンサンブルを全編で炸裂させつつも、英プログレ譲りの奥ゆかしいファンタジックさ、突き抜けるようにキャッチーなメロディ、そしてKAIPAにも通じる北欧のバンドらしいクリアな音色使いなどを絶妙に溶かし込んだサウンドは驚きの完成度に達しています。

特にラストに待っている23分の大作は、超テクニカルに畳みかける演奏と爽やかなヴォーカルパートで劇的に構築された、彼らの集大成と言ってもよさそうな名曲で感動しちゃいました。

このナンバーだけでも一聴の価値ありと言ってしまいたい!

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10月6日~12日の3枚

その1. CELLAR NOISE/NAUTILUS

最初にピックアップするのは、イタリアより登場した新鋭プログレ・バンドによる待望2nd!

CELLAR NOISEは、2017年にデビューを果たした新鋭バンドで、1stアルバムは現代イタリアが誇る鬼才Fabbio Zuffantiによるプロデュースしたことで話題となりました。

彼のプロデュースもあって、モダンな中にジェネシスをはじめとする70年代プログレからの影響を強く受けたファンタジックさを宿したスタイルが印象的な1stでしたが、2ndとなる今作ではメタリックな重厚感とテクニカルさが格段に増した硬質でアグレッシヴなプログレへと大きく路線を変えてきました!

プロデュースはバンド自身ということで、元々やりたかったのはこういうスタイルだったのかもしれません。

手数多く肉感的なリズム隊とヘヴィなリフを次々と繰り出すギターがゴリゴリと突き進む強靭なサウンドを軸に、1stの頃と変わらぬヴィンテージ質感のオルガン、シンセ、メロトロンがファンタジックに彩りを加えます。

ヘヴィな楽曲の合間に聴かせる、繊細なタッチのクラシカルなピアノと哀愁ある男性ヴォーカルが織りなすしっとりとした叙情ナンバーも絶品です。

スタイルは結構変わりましたが、激しいサウンドの中でもイタリアらしい叙情美をちゃんと味わわせてくれる力作ですよ♪

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その2. ATONAL/PLEGARIA URBANA

続いては、初CD化されたアルゼンチンのこの作品に注目してみましょう☆

男性2人と女性1人のトリオで、79年に唯一作となるこのアルバムを発表したという以外はほぼ情報がないこのATONALというグループ。

素朴なフォーク・ロック・スタイルに、フルート/シンセ/ピアノらがシンフォニックな味付けを施すこの作風は、同国ならSUI GENERISを彷彿させます。

同時に個人的に思い出すのがバスク地方の名バンドITOIZ。この奇をてらわない演奏に滲み出てくる切ない異国情緒がそう思わせるのでしょうか。

その一方で、半分近くはボサノヴァ調の軽やかでお洒落なフォークが鳴らされていて、そんな両者が共存した音楽性が彼らならではの持ち味となっています。

鼻にかかったソフトな歌声の男性ヴォーカルと明るく伸びやかに歌う美声の女性ヴォーカルによるデュエットも、これぞアルゼンチンという感じで絶品ですね。

アルゼンチン・ロックの重要人物の一人Lito Nebbiaがキーボードを務めている点も特筆の名品!

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ORGANIC NOISES/ORGANIC NOISES

ラストの一枚は、直近でもっとも注目を集めている新鋭と言えるこのポーランドのグループによるデビュー作!

ポーランド南部の大都市クラクフを拠点とするORGANIC NOISEは、ポーランド人メンバーとアルメニア人メンバーで構成された5人組バンド。

音楽アカデミーの教授も務め、アルメニアの伝統音楽に精通する女性管楽器奏者Zofia Trystula(写真右端)を中心に活動します。

そのスタイルは、エキゾチック且つ粛々とした神秘性を帯びたアルメニアや東欧の伝統音楽と、ロック、ジャズ、フュージョン、メタル等の要素を自在に組み合わせた圧巻の「コーカサシアン・エスノ・ジャズ・ロック」。

しなやかに躍動するジャジーなピアノに気品溢れるヴァイオリン、ザクザクとメタリックなリフを刻むギター、ジャズの素養を感じるタイトでテクニカルなリズム隊、異国情緒漂う旋律を奏でるムーグ…。

そこへZofiaが操るドゥドゥク、ズルナといった民族管楽器や民謡調の抑揚を付けた深遠な女性ヴォーカルが重なり合い、強靭さと神々しさ、優美さとドライヴ感を併せ持った、かつて聴いたことのないようなサウンドが繰り広げられます。

GONGからVESPEROといったスペーシーでエキゾチックなジャズ・ロックのファン、そしてLOST WORLD等ヴァイオリン・プログレのファンも要チェックな一枚!

「ORGANIC NOISE」というバンド名にも痺れますよね!

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9月の「今週の3枚」は次ページでお楽しみください☆

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