2019年6月13日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ増田です。
最近、家でハード・ロックを大音量で流して逮捕された男性のニュースが話題になっていましたね・・・。
「迷惑だなあ」とは思いつつ、自分としてもあまり他人事ではないので、音量には気を付けて音楽を鑑賞したいと思います。
さて今回のテーマは「お洒落プログレ&ジャズ・ロック」。
隣の家の窓から流れてきたら思わず「センス良いな~」なんて思ってしまいそうな、聴き心地のいい作品を集めました。
有名どころだと、これが一番「お洒落」かな?
フュージョン的流麗さ華やかさと淡くセンシティヴに広がる英国叙情との完璧な融合。
ジャケからもセンスの良さが漂うカンタベリー・ロック大傑作ですね。
続いてイギリスから、ヴィブラフォン奏者Frank Ricottiと、72~74年までELOのベースを務めるMichael D Albuquerqueによるデュオ71年作。
1st時COLOSSEUM風のソウル・ジャズをもっと洗練させたような、洒脱で涼しげな歌ものジャズ・ロックを聴かせています。
こちらは「渋めのFOCUS」と言えるかもしれないメロディアスで技巧的なダッチ・ジャズ・ロックの74年作。
ジャズ/フュージョン/ハードロックを織り交ぜた自在なギタープレイもヤン・アッカーマンばり!ジャケの酷さだけが惜しいなぁ…。
ラテン・フレイヴァーのお洒落な装いの下で、ビシバシとシャープにキメるドラムと繊細かつ尖ったタッチのギターによる硬質なインタープレイ。
名付けてスパニッシュ・カフェ・テクニカル・ラテン・ジャズ・ロック!?
洒脱なジャズ・ファンクとカンタベリー・ライクな幻想性、それからちょっぴり変テコな要素。
このベルギー産プログレッシヴ・ジャズ、知ってたらセンス抜群ですよ。
なんとオーストラリアにマハビシュヌやウェザーリポートばりのフュージョン系ロック・バンドが居たとは・・・。
テクニカルさとたおやかさが交わったアンサンブルが絶品の75年作デビュー作。
アルゼンチン・ロックを代表するミュージシャンの一人Lito Vitale率いるフルート、ピアノ、アコギのトリオ。
見て下さい、お洒落なのにこの超絶技巧。凄すぎて頭が痛くなりそう・・・。
続いて新鋭からもご紹介しましょう。
カンタベリー・ミュージックとチェンバー・ロックをモダンに昇華して、さらにシチリアの涼風を吹かせたような感じ!?
緻密かつポップに駆け抜けるアンサンブルがどこまでも心地良いイタリアの新鋭グループです。
こちらは南米アルゼンチンのお洒落なジャズ・ロック・グループ。
アルゼンチンらしい甘美な陰影を持ったメロディを印象的に聴かせる、芳醇なジャズ・ロックはカンタベリー・ファンにもオススメです。
同じくアルゼンチンから、最近届いたばかりの19年作をご紹介!
テクニカルなプログレ/フュージョンに、小気味よいパーカッションが絡みつくアルゼンチンの個性派新鋭。それにしても、このパーカッション連打は心地よすぎます…。
ダイナミックでお洒落なピアノ・ジャズかと思いきや、チェロやクラリネット等の管弦楽器が厳かなチェンバー・テイストを醸し出していて新鮮。
洗練と格調高い伝統性のバランスが絶妙な、英国アコースティック・チェンバー・ジャズ・ロック!
プログレ、ハード・ロック、カンタベリーにスペース・サイケ、ファンクにブルーグラス…。
とことんごった煮なのに、それでいてお洒落でイマジネーション豊かなサウンドに仕上げるこのセンスの良さと言ったら!
この米国プログレ・トリオの19年デビュー作、要注目ですよ!
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70年代に欧州を中心に世界中へと拡散したカンタベリー・ロックの影響。現代のバンドにもその音楽性は引き継がれカンタベリー・タイプの新鋭を数多く誕生させています。実力派揃いでお送りいたしましょう♪
元CARAVANのRichard SinclairとSteve Miller、元MATCHING MOLEのPhil Miller、後にNATIONAL HEALTHで活躍するPip Pyleにより結成され、Steve Millerが脱退、KHANを経たDave Stewartが参加したカンタベリー・ジャズ・ロックバンドの代表格の75年2nd。カンタベリー・ジャズ・ロックの代表作である本作は、20分の大作「Mumps」を含め、 前作より全体的に整理、洗練された世界観をすっきりと聴かせる作風となっており、クロスオーバー・ジャズ・ロック色を強めた音楽性へと変化しながらも、彼ららしいポピュラリティーを持ったサウンドと、胸を打つメロディーが素晴らしい傑作です。
2014年デビュー、アルゼンチンはブエノスアイレス出身、ピアノを中心にエレピ、オルガン、シンセを操るキーボーディストとギタリストを擁する4人組ジャズ・ロック/フュージョン・グループによる17年作3rd。南米らしい甘美な陰影を持った美しいメロディを印象的に聴かせる、ロマンチックな表情のジャズ・ロックには前2作を経てさらに磨きがかかっている印象。ピアノやギターは流麗なタッチでソロを応酬させるジャズ本来のクールな佇まいを見せるのに対して、可憐な音色が耳を引くエレピが浮遊感あるファンタジックで柔らかな聴き心地をもたらしていて、少しフィル・ミラーを思わせるギターも相まってハットフィールドやナショナル・ヘルスなどのカンタベリー・ロック・バンドに通じる得も言われぬ芳醇さを生み出しているのが素晴らしい。お約束と言えるバンドネオンの哀愁の音色も必殺です。近年のジャズ・ロック・バンドには珍しく比較的ロック寄りのノリとダイナミズムを持つドラムも特筆で、アンサンブルを力強い躍動感で牽引します。ジャズとロックを最高のバランス感覚で組み合わせた、これぞジャズ・ロック!と呼びたい快作。これは激カケレコメンド!
70年代前半に活動したオランダのジャズ・ロック・グループによる74年作2nd。俊敏なリズムに乗って、派手に弾きまくるオルガンとスリリングで技巧的なギター、渋くむせぶブラスらが丁々発止で繰り広げるスタイリッシュなジャズ・ロック・アンサンブルが炸裂!のっけからかなりカッコいいです。2曲目からはややジャズ要素が強めですが同郷FOCUSへの意識を感じさせるメロディアスなナンバーが続きます。ジャズ・ロックと言うと無骨で硬質な印象を持ちがちですが、このバンドはフュージョン的な軽やかさとどこかお洒落な感覚が備わっていて、伸びやかで洗練されたサウンドがとても心地いいです。ギターはジャジーに抑えたプレイを主としますが、ここぞという場面ではハードに切り込む熱いプレイで圧倒し振れ幅自在。このへんは少しヤン・アッカーマンを彷彿させるかも知れません。舞うようなタッチでクールに音を刻むエレピのプレイも特筆です。これほどのバンドが埋もれていたとは驚き!ジャケの酷さが勿体無いですが、中身は絶品ジャズ・ロック。これは名品です。
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