平成が終わり、令和が始まろうとしていますね。
今から振り返ること50年前、1969年もまた、時代が大きなうねりを迎えていた時代でした。
8月15、16、17日の三日間に渡って行われた「愛と平和の祭典」ウッドストック・フェスティバル。
ヒッピー・ムーブメントの最高潮といえるこの超大型野外コンサートは歴史的な成功を収めるも、40万人もの観客を動員してしまったことから、やがてロックは大人たちの商業主義体制の中に呑まれていくことになります。
一方、12月6日に行われたローリング・ストーンズ主催のオルタモント・フリーコンサートでは、準備や物資の不足による混乱の末、観客がヘルズ・エンジェルスのメンバーに殺害されるなど、ウッドストックとは対照的な悲劇的事件となりました。
ベトナム戦争の泥沼化と反戦デモのさらなる激化、公民権運動の指導者キング牧師をはじめとする相次ぐ暗殺事件、「ラブ&ピース」に象徴されるフラワー・ムーブメントの終焉。
そんな時代の曲がり角でロック・ミュージシャンたちは、それまでの「ラブ&ピース」だけでは片づけられない、さらに複雑で深淵な音楽の追求に勤しんでゆきます。
ハード・ロックやプログレッシヴ・ロックの誕生、ロックのラウド化と難解化。60年代から70年代へと移り変わり、ロックがさらなる変動を迎えた1969年の作品を、半世紀を迎えるこの2019年に振り返ってみませんか?
今年のカケレコでは<ロック黄金時代回想企画【1969】>と称し、69年デビュー・アルバム特集など様々な企画を行っております。
今回はカケレコ・ユーザーの皆様が「これが一番」と思う1969年のアルバムを大募集!
大好きな作品をぜひ、熱いコメントと共に語って下さい。投稿は5/7(火)まで!
投稿いただいた作品とコメントは、後日カケレコのwebマガジンで発表いたします。
募集は終了いたしました。沢山のご応募、ありがとうございました!
スタッフ佐藤が選ぶ69年ベスト・アルバムは、フランク・ザッパ『ホット・ラッツ』です!(『宮殿』『アビーロード』と悩みましたが)
1曲目「Peaches En Regalia」を初めて聴いた時の感動は忘れられません。
まるでハットフィールド&ザ・ノースやナショナル・ヘルスら70年代のカンタベリー勢を先取りしたような、緻密にして流麗に紡がれるアンサンブルの芳醇さたるや。何十回聴いても自分の中で変わらぬ輝きを放ち続ける一曲です。
ザッパ印のグネグネした個性派ギターとヴァイオリン&サックスがスリリングに駆け抜ける他の曲も勿論たまりません。
ジャズ・ロック黎明期にしてこの完成度、ザッパの尋常ならざる才覚を実感させる一枚です。
スタッフ増田が選ぶ69年ベスト・アルバムはデビュー作と同年にリリースされたFREEの2nd『FREE』です。
青空に巨大な人の影が映り、そこから宇宙が覗くこのジャケ。少し某百貨店の巨大人形も思い出しますが『素敵だなあ、きっと「All Right Now」みたいな爽やかなサウンドが飛び出すんだろうなあ』と思ったら、FREEの中でも特に重たく暗い印象のあるアルバムで驚きました。
「Mouthful Of Grass」や「Mourning Sad Morning」はもちろん、「Free Me」なんてサバスの「Black Sabbath」にも匹敵しそうな陰鬱さ。
ポール・ロジャースによるソングライティングやコクのあるヴォーカル、各音が際立ったブルージーでクールなアンサンブルも見事なのですが、『平均20歳にも満たない時期に、どうしてこんな暗い曲を作ってしまったのだろうか…』というのが衝撃的で、しばらく抜け出せなくなりました。
スタッフみなとは、NICK DRAKEの1st『FIVE LEAVES LEFT』をピックアップいたしました。
たった3枚のアルバムを残して世を去り、商業的成功には恵まれなかったニック・ドレイク。
3作目の『ピンク・ムーン』を聴くことが多いのですが、あらためてこの1stを聴いてみると、やはり一瞬にして引き込まれてしまいます。
流れるようなフィンガー・ピッキングがとても細やかで、英国の霧や風、小川が自然と目に浮かんできます。
ロバート・カービーによるストリングス・アレンジも素晴らしく、繊細なニックの人柄を表すような、陰影あるメロディを豊かに表現しています。
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