2019年3月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
こんにちは、スタッフ佐藤です。
誕生日を迎えるロック名盤を取り上げてご紹介していく「名盤誕生日」。
3月1日に誕生日を迎えた名盤は、誕生から46年目となるピンク・フロイドの73年作『THE DARK SIDE OF THE MOON(狂気)』です!
プログレッシヴ・ロックという枠組みを超えて、20世紀の音楽文化を代表する作品の一つとすら云われるのが本作。
マイケル・ジャクソン『スリラー』に次ぐ史上第2位の販売枚数を誇るアルバムとして、いまだに存在感を放ち続ける不朽の名盤です。
元タイトル「The Dark Side of the Moon」(月の裏側)という比喩にも現れているように、人間の内面に潜む「狂気」を克明に描き出したコンセプト・アルバムとなっており、どの一瞬が欠けても成立しないと思わせるほどに完璧に練り上げられたアルバム構成は惚れ惚れするほど。
5人目のメンバーと言って差し支えないレコーディング・エンジニアのアラン・パーソンズによって丹念に編集された様々なSEのコラージュ、空間的な広がりを担うシンセサイザーの効果的な使用、ヒプノシスによるジャケットアートなども手伝って、複合的かつ多角的な魅力を備えたひとつの芸術作品と言えると思います。
そして通算8枚目の作品ということもあり、メンバー達は楽曲面でも演奏面でもまさに脂の乗り切ったパフォーマンスを聴かせていますね。
各種エフェクターを強く効かせたSE的なプレイと、持ち味のブルーズフィーリングを湛えたエモーショナルなリードプレイを弾き分けるデイヴ・ギルモア。
空間を押し広げるようなシンセや格調高く物悲しいピアノのプレイが素晴らしいリック・ライト。
正確無比なドラミングに加え、冒頭「Speak to Me」のコンポーズを始めとする前衛的音楽センスが光るニック・メイスン。
そしてフロイドの人間心理を深く追求した孤高のアーティスト性を司る、偉大なるコンセプトメーカー、ロジャー・ウォーターズ。
本作に表出した4人の才能と精神性は、ビートルズの諸作品におけるそれと比較しても何ら劣ることはないでしょう。
Speak to Me
本作は、英国で最高2位、アメリカでは見事1位に輝いていますが、そのアメリカにおけるチャートアクションで、ギネスにも認定される驚異の記録を打ち立てたことはご存じの方も多いと思います。
米ビルボード73年3月17日付のチャートで95位に初ランクインした『狂気』。それから7週目となる4月28日付けのチャートで遂に1位に上り詰めます。翌週には4位に順位を下げますが、驚くべきは、それ以来『狂気』が200位内から姿を消したのがなんと88年7月23日付のチャートであるという事実。
実に937週、15年3ヶ月にわたって200位内に残り続けるという空前絶後の記録を残したのです。
この記録は現在でも破られていませんし、2位がボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズのベスト盤が持つ539週なので、まさに他の追随を許さない超超ロングセラーと言っていいでしょう。
Money
メンバーによる演奏以外で印象に残るのが、コーラスやスキャットなど、女性シンガーたちの活躍です。
ライト作「虚空のスキャット」で鳥肌の立つようなスキャットを披露しているのがクレア・トリー。
彼女については、深民淳氏がコラムにて詳しく取り上げておられますので、是非お読みください。
The Great Gig in the Sky
そして名曲「タイム」を劇的に盛り上げる女性コーラスの4人が、レズリー・ダンカン、ドリス・トロイ、リザ・ストライク、バリー・セント・ジョン。
黒人R&B/ゴスペル・シンガーのドリス・トロイ、そしてキャロル・キングを彷彿させる英SSWレズリー・ダンカン、60年代からソングライターとしても活躍したセッション・シンガーのリザ・ストライクなど、それぞれ異なる音楽的バックボーンを持つ4人が声を重ね歌い上げるコーラスは、本作を形作る様々な魅力の中でも特筆すべきものでしょう。
Time
あと忘れてはならないのがディック・パリーによる叙情的なサックス。後半のドラマチックな展開へと誘う名演を提供していますね。
Us and Them
先にビートルズにも匹敵する才能と精神性と書きましたが、ビートルズにジョージ・マーティンやジェフ・エメリックといった信頼を置く仲間がいたように、フロイドにも彼らの音楽性を支える多くの人物がいて、その人たちの活躍があってこそ『狂気』という傑作が生まれたことがわかります。
歴史的名盤の誕生を祝うために、今日は本作をデスクトレイに乗せてみてはいかがでしょうか?
ここからは、(たぶん)史上初 『狂気』写真集 をお楽しみください!
↑ 箱入り『狂気』たち。
↑ 手をつなぐ『狂気』。
↑ 輪になってみた。
↑ おや?一人カメラ目線の『狂気』がいますね。目立ちたがり屋さんかな?
↑ 何となく並べる。
↑ 内ジャケやブックレットの写真が全然違う!
「俺も誕生日なんだけどなぁー」
ごめんな。来年はちゃんと祝うから…。
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16分を越える「Interstellar Overdrive」のフル・ヴァージョンと11分を越える「Nick’s Boogie」の2曲に加え、「Interstellar Overdrive」のビデオ・クリップ、ミック・ジャガーなど4人のインタビュー映像を収録。
盤質:傷あり
状態:並
若干カビあり
2枚組、24ビット・デジタル・リマスタリング、スリップケース付き仕様(画像はスリップケースです)、定価3495
盤質:傷あり
状態:
帯無
帯無、スリップケースにいたみあり
67年5月から68年12月までのピンク・フロイドのBBC音源を収録した編集盤。シド・バレット在籍時の音源を14曲、シドが抜けてデイヴ・ギルモアが加入してからの音源を10曲収録。全24曲。シド在籍時の未発表曲「Vegetable Man」「Scream The Last Scream」のTOP GEAR出演時の音源や、2nd「Set The Controls」のシド在籍時バージョンなど、初期フロイドのファンにはたまらない音源満載。BBC音源なので、音質も良好!
シド・バレットが抜け、デイヴ・ギルモアが加入してからの4人編成での69年のラジオ放送音源をまとめた編集盤。69年5月の「TOP GEAR」出演時のBBC音源5曲、69年7月のBBC音源1曲、69年8月のアムステルダムはパラディソでのライヴ4曲を収録。すべてラジオ放送用音源のため音質クリア!
CD+DVDの2枚組ボックス、CD・DVDは日本プレス、(ボックスハードカバー・ブックレット・ポストカードは直輸入)、NTSC方式、リージョンフリー、帯・解説付・ブックレット付き仕様、定価5500+税
盤質:傷あり
状態:
帯有
CD+DVDの2枚組ボックス、CD・DVDは日本プレス、(ボックスハードカバー・ブックレット・ポストカードは直輸入)、NTSC方式、リージョンフリー、帯・解説付・ブックレット付き仕様、定価5500+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
1枚は盤に傷あり
CD+ブルーレイディスクの2枚組、帯・解説付仕様、「ポスト・カード+24ページハードカバー・ブックレット」付き仕様、定価7020
盤質:傷あり
状態:並
帯有
若干カビあり
CD+DVDの2枚組ボックス、ブックレット・ポストカード3枚付き、DVDはNTSC方式/リージョンフリー
盤質:傷あり
状態:良好
68年5月のイタリアとオランダでのライヴ音源、そして同年7月のアメリカにおけるライヴ音源を収録。1stと2ndからのナンバーにロジャーのインタビュー音源を含む全9曲。
89年、イタリアのヴェネツィア公演を収録。87年リリース『鬱』のナンバーと、『狂気』『炎』『ザ・ウォール』からの代表曲を交えた全14曲。
映画『モア』のサントラとして69年にリリースされた作品。「シンバライン」「グリーン・イズ・ザ・カラー」など、ライヴの定番となった名曲を含む充実作。
ペーパーケース仕様、James Guthrieが新規デジタル・リマスター、Storm Thorgersonがブックレットを監修した2011年再発CD
盤質:傷あり
状態:良好
ブルース・ロックに根ざした音楽性を持ちサイケデリック・ロックからその歩みを始め、全盛期にはRoger Watersの哲学的な歌詞と完璧なまでのコンセプト性で数々の伝説を作り上げた、世界を代表するロックグループの69年4th。「原子心母」で最初の成功を手にする直前の本作は2枚組みでのリリースとなっており、1枚目にはライブ録音、2枚目がスタジオ作という特異な編成。ライブテイクはバーミンガム・マザーズクラブとマンチェスター商科大学での録音であり、「太陽讃歌」や「神秘」など当時の彼らの代表曲が非常にパワフルに演奏されており、前期PINK FLOYDの貴重なアーカイブとなっています。一方でスタジオ作は、4人のソロ作品という趣であり、非常に実験的要素を感じる楽曲が収められています。
ペーパーケース仕様、2枚組、デジタル・リマスター、解説・歌詞対訳付き仕様、定価3700
盤質:傷あり
状態:
帯無
帯無、一部に色褪せあり
2枚組、スリップケース・ポスター付仕様、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:並
スリップケースにいたみあり
ブルース・ロックに根ざした音楽性を持ちサイケデリック・ロックからその歩みを始め、全盛期にはRoger Watersの哲学的な歌詞と完璧なまでのコンセプト性で数々の伝説を作り上げた、世界を代表するロックグループの71年6th。その内容はサイケデリック・ロックの質感を残しながらもブルーズ・ロック、ハード・ロックのアンサンブルも取り込み、スペーシーな音像で迫る作風となっており、なんと言っても彼らを代表する1曲と言える大曲「Echoes」が大きくその存在感を放っています。ロックというジャンルに人間の精神性や虚無感など様々な要素を内包させ、音楽と言う枠組みさえも骨抜きにしてしまうような絶対的な個性に溢れた名盤であり、PINK FLOYDらしさが確立された必聴盤です。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、解説元から無し、年表・歌詞付き仕様、定価2548
盤質:傷あり
状態:並
帯有
タバコ臭・タバコの黄ばみあり
ペーパーケース仕様、デジタル・リマスター、解説・歌詞対訳付き、定価2600
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
盤に目立つキズあり、若干スレあり
ペーパーケース仕様、James Guthrieによる新規デジタル・リマスター、Storm Thorgersonがブックレットを監修した2011年リイシュー盤
盤質:傷あり
状態:
ペーパーケース仕様、James Guthrieによる新規デジタル・リマスター、Storm Thorgersonがブックレットを監修した2011年リイシュー盤
盤質:傷あり
状態:良好
若干スレ・圧痕あり
廃盤希少!紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、解説元から無し、年表・歌詞付き仕様、定価2427+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
72年に『狂気』のレコーディングを中断して映画『ラ・ヴァレ』用に録音されたサントラ。浮遊感のあるサイケデリックな楽曲、ギターとリズム隊がゴリゴリとドライヴ感溢れる楽曲、この時期のフロイドならではのメロウでリリカルなフォーク・ロック曲など、サントラ盤とはいえ、他の名作スタジオ作に勝るとも劣らない佳曲を多数収録した充実の一枚。
ブルース・ロックに根ざした音楽性を持ちサイケデリック・ロックからその歩みを始め、全盛期にはRoger Watersの哲学的な歌詞と完璧なまでのコンセプト性で数々の伝説を作り上げた、世界を代表するロックグループの73年8th。もはや解説不要なまでの英国70年代ロックを代表する傑作であり、アメリカのビルボードチャートにおいて200位以内に15年間に渡ってランクインするという記録を打ち立てたロックの金字塔です。人間の内面に潜む「狂気」をリアルに描いた作品となっており、Alan Parsonsによって丹念に編集された様々な効果音のコラージュ、シンセサイザーの効果的な登用、ヒプノシスによるジャケットアートなどトータルコンセプト・アルバムとして不朽の名盤と言えます。
廃盤、ペーパーケース仕様、2枚組デラックス・エディション、デジタル・リマスター、スリップケース付き仕様、定価3700
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
スリップケースにスレあり
ペーパーケース仕様、デジタル・リマスター、解説・歌詞対訳付き、定価2600
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干圧痕あり
ペーパーケース仕様、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:並
盤キズ多めにあり
ブルース・ロックに根ざした音楽性を持ちサイケデリック・ロックからその歩みを始め、全盛期にはRoger Watersの哲学的な歌詞と完璧なまでのコンセプト性で数々の伝説を作り上げた、世界を代表するロックグループの75年9th。前作「狂気」を発表しツアーも成功のうちに終了、休業解散状態であったバンドが再びシーンに返り咲いた作品であり、創設時のメンバーSyd Barrettを想起させるテーマを盛り込んだ、Roger Watersの色濃いコンセプト・アルバムとなっていますが、その内容は「狂気」のクオリティーをそのままに別なベクトルへ向けて発信した傑作です。トータル志向という意味では確かに「狂気」に軍配が上がるも、各楽曲のクオリティーは全く見劣りせず、彼らの代表作の1枚に上がることも多い名盤です。
廃盤、ペーパーケース仕様、スリップケース付き仕様(画僧はスリップケースです)、スタジオ・アルバム(11年リマスター)+未発表音源の2枚組、定価3524+税
盤質:傷あり
状態:
帯有
スリップケースに折れ・圧痕・変色あり、ペーパーケースに圧痕・変色あり
2枚組、James Guthrieによる新規デジタル・リマスター、Storm Thorgersonがブックレットを監修した2011年リイシュー。ペーパーケース・スリップケース付き仕様(画像はスリップケースです)
盤質:傷あり
状態:良好
廃盤希少!SPECIAL LIMITED EDITION、デジパック仕様、(トールサイズ)SACD/CDハイブリッド、ポストカード6枚付き仕様
盤質:無傷/小傷
状態:並
一部に小さいカビあり
ブルース・ロックに根ざした音楽性を持ちサイケデリック・ロックからその歩みを始め、全盛期にはRoger Watersの哲学的な歌詞と完璧なまでのコンセプト性で数々の伝説を作り上げた、世界を代表するロックグループの77年10th。「狂気」「炎」を作り上げたバンドのネクスト・ステージは、前作までバンドに漂っていた内省的な幻想性を取り払い、非常に現実的なテーマに基づいた強烈な社会風刺の作風となりました。資本家、ビジネスマン、労働者をそれぞれ豚、犬、羊にたとえた今までになくアクの強いコンセプト・アルバムであり、Roger Watersが、コンセプトのみならずバンドのサウンドに関する主導権をも掌握した作品となっています。
ベストセラーとなった前作「ウォール」で描ききれなかったロジャー・ウォーターズの心象風景をとらえた作品。ピンク・フロイド分裂の引き金となった問題作にして、フロイド作品に通底する狂気を集約させた一枚。
DVD、ロシア盤、NTSC方式、リージョン5(ディスクにはリージョンフリーと記載がありますが実際はリージョン5です)
盤質:傷あり
状態:良好
94年の「対(TSUI)」ツアーの模様を収めたライヴ・アルバム。アメリカ、ヨーロッパを回る77都市、110回の公演で300万人以上を動員したツアーは「史上最大の光と音のスペクタクルショー」として今や伝説として語り継がれるツアーとなった。荘厳なピンクフロイドの音世界とともに、史上最大のステージセット、複雑怪奇な映像を写し出す大円形スクリーン、目が痛くなるほどの光の洪水(ヴァリライトが生き物のように動き回り、レーザー光線が会場中を照らし出す)、牙の生えたブタが宙を舞い、巨大ミラーボールが光を放ち、これでもかと言わんばかりの花火の嵐・・・。まさに「美」としかいいようのない、それまでのコンサートの定義を大きく変えるものであった。今作の目玉はなんといっても「狂気」全曲再演収録。75年の最後の演奏以来19年振りに94年7月のデトロイト公演で復活。ここに収録されているのは、8月ドイツ、9月イタリア、10月ロンドンのライヴより。1-(2)の「天の支配」はUS公演ではオープニング・ナンバーだったのだが、誰もが度肝を抜かれたシド・バレット在籍時の1stアルバムからの曲。
ブックレット仕様、スリップケース付仕様、2枚組、情報記載シール付仕様、定価4100
盤質:傷あり
状態:良好
帯-
情報記載シールなし、スレあり圧痕あり
72年2月20日ロンドンはレインボー・シアターでのライヴ音源、『狂気』をフルで演奏した冒頭10曲は高音質サウンドボード音源、そのほかはクリアなオーディエンス録音、72年と73年のライヴ音源2曲も収録
70年11月21日に行われたモントルー・ジャズ・フェスティバル公演を収録したライヴ音源。収録曲は、
■ DISC 1
1. Astronomy Domine
2. Fat Old Sun
3. Cymbaline
4. Atom Heart Mother
5. The Embryo
6. Green Is The Colour
7. Careful With The Axe Eugene
■ DISC 2
1. Set The Controls For The Heart Of The Sun
2. A Saucerful Of Secrets
3. Just Another 12 Bar
4. More Blues
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