2018年12月8日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,今週のカケレコFacebook
タグ: プログレ
こんにちは。12月に入り、段々と冬らしくなって参りました。皆さま体調等大丈夫でしょうか。
さて今週は、「変拍子プログレ」というテーマで、facebookに投稿してまいりました。
心に染みる叙情もいいけれど、やっぱりプログレと言ったらテクニックでしょ!という貴方に、変態的な変拍子炸裂しまくりの名作達をご紹介いたします!
まず今日取り上げるのはジェントル・ジャイアントの73年作『オクトパス』。
シャルマン3兄弟を中心に結成された英プログレッシヴ・ロック・グループで、中世音楽やクラシック、ジャズの要素を取り入れた、変拍子や転調を繰り返す曲展開が特徴です。
今作からドラマーがジョン・ウェザーズに交代し、よりリズムが強力且つ躍動的になっています。
すべて4~5分前後というコンパクトな楽曲ながら、複雑に絡み合うリズムと完璧なコーラス・ワーク、各メンバーのテクニカルなプレイが万華鏡のようにくるくると変わり、なお且つポップで叙情的な面も持ちあわせているという、驚異的な作品です。(みなと)
次にご紹介するのは、イタリアのジャズ・ロック・バンド、AREA。
72年に結成され、前衛性と「地中海ロック」とも呼ぶべきエキゾチズムを結び付けた孤高の音楽性を発揮してきた彼ら。
そのキャリアの記念すべき1発目、1stアルバム『ARBEIT MACHT FREI』からしてもう物凄い。
疾走感たっぷりに繰り広げられる怒涛の変拍子、ウネリのあるバルカン~中近東風のフレーズをスピーディーに紡ぐサックスやムーグ・シンセやベース。
そして何と言ってもプログレ界を代表する名ヴォーカリストの一人、エジプト生まれのギリシャ人デメトリオ・ストラトスの強烈なヴォーカル!
デビュー作とは思えない圧倒的な貫禄と火花散るようなテンションで繰り広げられるアンサンブル。
一曲一曲聴き終えるごとにまるで全力で50mを走ってきたかのようなアドレナリンと爽快感が脳内を駆け巡ります…。
その中でも特に変拍子名曲と言えるのがコチラの3曲目「Consapevolezza」。
イントロから3拍子、3拍子、8分の7拍子…?かどうかよくわからないフレーズが炸裂し、さらにその後も「GENTLE GIANTなんて屁じゃないぜ」とばかりの変拍子の嵐。
でもただ「複雑で難解」なだけではなく、ちゃんとロック的なダイナミズムに富んでいて非常に「カッコイイ」のが彼らの素晴らしい所です。(増田)
今日取り上げたいのは、スウェーデンのプログレ・グループTRETTIOARIGA KRIGETの74年デビュー作です。
ギターをメインに据え、凶暴性をむき出しに展開していく硬質かつ緊張感みなぎるサウンドに圧倒される本作ですが、特筆すべきは息つく暇もなく変拍子によって畳みかけていく怒涛の展開。
奇数拍子特有のいい意味で安定感のないリズムが、切れ味鋭いスリリングなアンサンブルを生み出しています。
ただ、それだけなら先の2枚を筆頭に多くのプログレ作品が共有するものかもしれませんが、このバンドのもう一つの魅力が、74年にしてヘヴィ・メタルすら彷彿させる程の強烈なヘヴィネスにあります。
弦も切れんばかりにゴリゴリ弾きまくるギターと存在感あるリッケンバッカーベースが絡み合いながら疾走する、重厚にしてハイテンションな演奏がただただカッコいいの一言。
変拍子を自在にコントロールする「精緻さ」と実際のプレイにおける「荒々しさ」との両立にこそ、彼らならではの個性が発揮されているように感じます。
ANGLAGARDやANEKDOTENなど後進が揃って影響を公言する、北欧ヘヴィ・プログレの源流とも言える傑作です。(佐藤)
今日は同じく北欧スウェーデンから、暖かみあふれるキテレツ変拍子プログレ・グループSAMLA MAMMAS MANNAをご紹介!
71年にデビューし、中心人物のkey奏者ラーシュ・ホルメルが逝去する08年まで解散と再結成を繰り返しつつ活動してきたこのグループ。
HENRY COWを中心としたRIOにも参加していたりとアヴァンギャルドで難解なイメージもありますが、実際に聴いてみるとそのサウンドは超絶テクニックを駆使しながらも、始終どこかおどけているような暖かみのあるユーモアでいっぱい。
今日はそんな彼らが99年にオリジナル・メンバーで再結成して発表したアルバム『KAKA』から、「Frentelsens Cafe」をピックアップ!
初っ端から問答無用で変拍子炸裂しておりますが、演奏の感触はフュージョン・タッチで非常に軽やか。
スピーディーな変拍子の中木琴やキーボードやギターがアグレッシヴにソロを炸裂させつつ、どこか郷愁を感じるアコーディオンの音色やユニークな音素材、北欧トラッドの要素を織り交ぜて実に面白おかしく聴かせています。
変拍子バリバリの楽曲って確かに格好いいけど聴いてて疲れるんだよな…。という方にも是非オススメの、スタイリッシュさとユーモラスさを併せ持ったサーカスの如き変拍子ジャズ・ロック作品です。(増田)
ラストを飾るのは、カナダはケベックのグループPOLLENによる76年唯一作『POLLEN』です!
カナダでプログレと言えば、オンタリオ州トロントを拠点としたラッシュが真っ先に思い浮かびますが、オンタリオ州の北部に隣接するケベック州には、英国やユーロ圏にも通じるシンフォニックなサウンドを聴かせるグループが多数存在しました。
そんなケベック・シーンの中でも比較的有名なのがこのPOLLEN。
そのサウンドは、GENTLE GIANTの変拍子を多用した音数多く技巧的な演奏、YESのスケールいっぱいに広がるファンタジー、GENESISの気品ある叙情美をバランスよく取り入れたような驚くべきものです。
ケベックの公用語であるフランス語によるヴォーカルも印象的で、英米にはない異国風のロマンティシズムを添えていますね。
また怪しさ満点のジャケットはずっとサーカスの光景だと思いこんでいたのですが(どうやら関係ないようですが…)、色彩感のあるキーボードを主体にスリリングに駆け抜けていくパートなんかは、さながらサーカスの如き目まぐるしさと言えるかも。(無理やり)
ジャケットもサウンドもインパクト抜群の名盤です!(佐藤)
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Derek Shulman、Ray Shulman、Phil Shulmanの三兄弟を中心とする、ブリティッシュ・プログレの代表的なグループのひとつ。ポップ・フィーリング、古楽の様式美を思わせるクラシカルなアプローチ、そして高い演奏技術に定評があり、変拍子を含む複雑な構成の楽曲を軽々と弾きこなす超絶技巧グループです。『Gentle Giant』は1970年の記念すべきデビュー・アルバムであり、比較的とっつきやすい作品とされていますが、それはあくまで彼らのディスコグラフィーの中ではの話。デビュー・アルバムにしてすでに、後の彼らの個性となっていくポップなメロディーと複雑怪奇な楽曲構成は顔をのぞかせており、一度聴けばその完成度の高さに舌を巻くことでしょう。タフなリズム・セクションが跳躍するヘヴィー・プログレから、ヴァイオリンやチェロを迎え室内楽的に聴かせる牧歌的な楽曲まで様々なスタイルの音楽性を披露。マニアックな仕掛け、そしてそれに反するポップな全体像というミスマッチな個性は次作以降、より強固なものとなっていきます。プログレッシヴ・ロック前夜のサウンド・アイディアを放り込み独自の音楽性を提示した傑作です。
Derek Shulman、Ray Shulman、Phil Shulmanの三兄弟を中心とする、ブリティッシュ・プログレの代表的なグループのひとつ。ポップ・フィーリング、古楽の様式美を思わせるクラシカルなアプローチ、そして高い演奏技術に定評があり、変拍子を含む複雑な構成の楽曲を軽々と弾きこなす超絶技巧グループです。『Acquiring The Taste』は1971年のセカンド・アルバムであり、聴き手を選ぶツウ好みの内容ながら、彼らの溢れんばかりの音楽的探究心が結実したという意味ではやはり傑作。GENTLE GIANTといえば、メンバーたちのマルチ・プレイヤーぶりがしばしば話題となりますが、その印象は本作を発端としているのでしょう。おびただしい数の楽器がクレジットされており、その様はまるで劇薬を生み出さんとするマッド・サイエンティストの実験室のようです。一聴して耳に残るような派手さにこそ乏しい印象を持つものの、プログレッシヴ・ロックの特徴のひとつである緻密なバンド・アンサンブルの始祖的な位置にある作品であり、噛めば噛むほど味が出る、聴くたびに新たな発見のある名盤です。
盤質:無傷/小傷
状態:並
カビあり、ケースツメ跡あり
シャルマン3兄弟を中心に結成された英プログレッシヴ・ロック・グループ、73年4th。クラシックやジャズの要素を取り入れ、変拍子や転調を繰り返す複雑な曲展開が特徴です。本作は従来通りの変化に富んだ楽曲展開に加えて、牧歌的なメロディを前面に押し出し、よりPOPになったアルバム。端正なコーラス・パートから一転、切迫感をあおるキーボードがフェード・インし、力強いドラムとギターがスリリングに展開。メンバーそれぞれが楽器を持ち替える曲芸的演奏によって生み出されるダイナミックなアンサンブルが最大の持ち味で、長くても5分程の中につまった山あり谷ありの展開はこのグループならではの魅力でしょう。知名度では劣りますが英プログレの5大バンドに匹敵するオリジナリティを持つグループ。バンドの代表作と評価される名作です。
盤質:無傷/小傷
状態:良好
盤質:全面に多数傷
状態:並
カビあり、ケースツメ跡あり、黄ばみあり
盤質:無傷/小傷
状態:良好
Derek Shulman、Ray Shulman、Phil Shulmanの三兄弟を中心とする、ブリティッシュ・プログレの代表的なグループのひとつ。ポップ・フィーリング、古楽の様式美を思わせるクラシカルなアプローチ、そして高い演奏技術に定評があり、変拍子を含む複雑な構成の楽曲を軽々と弾きこなす超絶技巧グループです。前作『Octopus』をリリース後に三兄弟のPhil Shulmanが脱退するアクシデントに見舞われたグループでしたが、そのピンチを乗り越え発表された本作でも彼らの生み出すサウンドに一切ブレはありません。1973年の5thアルバム『In A Glass House』は、「ガラスの家に住む者は石を投げてはならない」という格言(自分自身も完璧ではないのだから他人のことを批判してはならない、という意味)から生まれたタイトルであり、その名の通り、ガラスが割れる音色を切り貼りしたリズムから始まります。4thアルバム『Octopus』時に、ドラマーがMalcolm MortimoreからJohn Weathersに交代した好影響は本作にも表れており、バラエティー豊かなリズムの存在によって彼らの技巧色が際立つ作風となっています。その一方で、リコーダーによる古楽的なアプローチなど、クラシカルな聴きどころもある名盤です。
RGFCD1001(ROAD GOES ON FOREVER)
プリントが入った特殊ケース仕様
盤質:傷あり
状態:良好
ケース不良、スレあり、ケースにスレ・シール貼り付けあり
Derek Shulman、Ray Shulman、Phil Shulmanの三兄弟を中心とする、ブリティッシュ・プログレの代表的なグループのひとつ。ポップ・フィーリング、古楽の様式美を思わせるクラシカルなアプローチ、そして高い演奏技術に定評があり、変拍子を含む複雑な構成の楽曲を軽々と弾きこなす超絶技巧グループです。1974年の6thアルバム『The Power And The Glory』は、ウォーターゲート事件などの時事問題に影響を受け、「腐敗する権力」や「市井の人々が権力者からどのような影響を受けるか」といったテーマに基づいて制作されました。前作『In A Glass House』と比べると、各曲の収録時間が短くなったことが最も大きな変化と言えるでしょう。またサウンド面については、耳に馴染むソフトな音色が多用されており、重厚なヘヴィー・プログレが後退したことによって彼らの持ち味であるポップ・フィーリングが強調されています。とは言え、そこはもちろんクセのある音楽性で知られるGENTLE GIANTであり、コンパクトな中にも変則的なリズムの跳躍や突拍子もない急展開など、聴き手の予想を裏切るユニークな仕掛けが満載の名盤となっています。
Derek Shulman、Ray Shulman、Phil Shulmanの三兄弟を中心とする、ブリティッシュ・プログレの代表的なグループのひとつ。ポップ・フィーリング、古楽の様式美を思わせるクラシカルなアプローチ、そして高い演奏技術に定評があり、変拍子を含む複雑な構成の楽曲を軽々と弾きこなす超絶技巧グループです。1976年のヨーロッパ・ツアーの模様を収めた77年発表のライブ・アルバム『Playing The Fool』は、セカンド・アルバム『Acquiring The Taste』を除いた、当時リリース済みのすべてのスタジオ・アルバム(1976年の8thアルバム『Interview』まで)からバランスよく選曲された作品。本作への賛辞として最も多いのは、「ライブで録音された演奏だとは信じられない」というものですが、その一言が本作のすべてを表現していると言っても過言ではないでしょう。スタジオ・アルバムの再現度の高さはもちろんですが、特にマルチ・プレイヤーのメンバーたちが次々と楽器を持ち替えながらこの演奏を繰り出しているという事実に驚かされる必聴作です。
74年ドイツ、75年アメリカ・ツアー時のTV放送ライヴ映像を収録。全盛期の超絶パフォーマンスをたっぷり味わえる必見DVD映像!いずれも良好な画質・音質にて、楽器の持ち替えを含む超絶的テクニックとアンサンブルを見ることができます。
強靭な声帯の持ち主であるDemetrio Stratosを中心に結成され、超絶的なテクニカルさとバルカン独特の叙情香る、イタリアのプログレッシブ・ロックシーンを代表するジャズ・ロックグループの75年4th。彼らの技巧的な演奏の熱気を収めた素晴らしいライブ作品となっており、デビュー作から3rdまでから選ばれた楽曲はスタジオ作以上のダイナミズムで聴かせ、表題曲は15分から成る壮絶なインプロヴィゼーションの応酬。ピアノ中心のテクニカルなジャズ・ロックからドラムソロ、そしてDemetrio Stratosのスキャットが襲う壮絶なエンディングへと雪崩れ込みます。
紙ジャケット仕様、Blu-spec CD2、19年デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2100+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
ステッカー付
スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンド、74年作の1st。伊ロックばりに手数多いドラム、YESを彷彿とさせるゴリゴリとアグレッシヴなベースを中心に変拍子バリバリで疾走する「動」のパート。北欧の詩情豊かなメロディが彩る「静」のパート。アンサンブルのテンションと、「動」と「静」が鮮やかに対比された構築美はキング・クリムゾンを彷彿とさせます。ここぞで溢れ出すメロトロンもまたプログレ・ファン号泣。北欧プログレを代表する名作です。
70年作の記念すべき1stアルバム。初期ソフト・マシーンに通ずる、実験精神旺盛でユーモラスな変態ポップ/ロック。シリアスさはあまりなく、全体的に肩の力の抜けたアットホームな雰囲気が愛すべき作品。
スウェーデン出身、北欧アヴァンギャルドを代表するグループ。74年作。変拍子バリバリのテクニカルなパート、民族音楽色豊かなユーモラスなパート、メロウ&ジャジーなパートなどが脈絡無く放り込まれた先の読めない展開は超刺激的!ジャケット裏のニヒルな笑みを浮かべるメンバーショットがまたグッド。名作。
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