2018年11月29日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
スタッフ増田です。只今カケレコでは新鋭プログレの新譜良作が大充実中!
その中からスタッフが特にイチ押ししたい作品をご紹介するこのコーナー。
今回はアメリカから登場した個性抜群のサイケ・プログレ・グループ、KARMIC JUGGERNAUTの18年デビュー作をご紹介いたします!
2004年に米国アズベリー・パークにて結成された彼ら。これまでに3枚のEPをリリースしていたものの、フルアルバムとしては第1作目となるのが本作『DREAMS THAT STUFF ARE MADE OF』です。
そのサウンドの特徴は、「様々なジャンルが入り組んだ先の読めない楽曲構成」と「ヴィンテージかつ硬質さと柔軟性を併せ持ったアンサンブル」。
内容は社会風刺やB級映画をコンセプトに据えているようで、テクニカルながらも人を食ったようなユーモアをふんだんに織り込んだストレンジ&痛快なプログレッシヴ・ロックを展開しています!
一曲目から90年代クリムゾンを思わせる不穏なイントロに、GENTLE GIANTやSAMLA MAMMAS MANNAを思わせる変拍子バリバリのヴォーカル・パート、さらにはザッパやGONGのようなヘロヘロのサイケ・パート・・・と次々に表情を変える掴み所のないアンサンブルが炸裂。
かと思えば次の曲では溌剌としたファンクが飛び出したり、流麗なフュージョン・ナンバーがあったり、さらにはメタル色濃厚な楽曲もあったりと、予測不能なサウンドがアルバム通して次々と現れて翻弄されっぱなし。
かつそんな風にジャンルを変幻自在に行き来しながらも、全体的な音像はどこか暖かみがあってまろやか。強靭さもあれど程よく角の取れたギターを筆頭に、ヴィンテージ感溢れるオルガンやホーン・セクション、フルートなどなどの楽器を織り交ぜ、アグレッシヴなパートから叙情的でファンタジックなパートまでを巧みに表現しています。
もう一つ特筆すべきなのがヴォーカリスト、Daimon Santa Mariaの歌唱力!
力強く伸びやかなハイトーンを見事に歌いこなす彼、往年のヴォーカリストに例えるならばジョン・アンダーソンの声質に似ているかな?とも思ったのですが、一部ではゲディ・リーばりの金切りヴォイスを聴かせるパートもあり、ピーター・ガブリエルやピーター・ハミルなんかを彷彿させるクセの強い部分もあり・・・楽器陣と同じく、これまた一筋縄では行かぬ掴み所なさを発揮。変幻自在のサウンドにふさわしいDaimonのレインボー・ヴォイスにも要注目です。
色々なジャンルを「ごった煮」にしているだけでなく、底知れない表現力と技巧性で自由自在に繰り出していくような彼らのサウンド。
本人たちは「サイケ・プログレ」を自称していますが、強靭でテクニカルな部分もあれど決してシリアスすぎない、柔軟でユーモア溢れる音像は確かにサイケデリック!
SAMLAやMATS/MORGAN、DRY RIVERといった一筋縄ではいかないプログレがお好みなら是非チェックして頂きたい逸品です!
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