2018年11月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
今日は、カケレコ棚からプログレッシブなフォーク作品を探してまいります。
まずはこちらから。
英国フォーク・ロックの名バンド、ストローブスの6枚目のスタジオアルバム。
DAVE COUSINSとDAVE LAMBERT以外はみんな脱退し、オリジナル・ルネッサンスに在籍していたJOHN HAWKEN等加わって大幅にメンバー・チェンジをした74年作です。
ジョン・ホーケンの気品溢れるキーボードで、一気にシンフォニックなサウンドとなりました。メロトロンもしっかり入ってます。
プログレとフォークの隙間に埋まってしまったニッチなアーティストですが、これはジェネシスとグリフォンの間に位置づけられるような愛すべきファンタスティック英プログレ逸品です。
ゴードン・ギルトラップが在籍していた英フォーク・グループです。
バート・ヤンシュからの影響を感じる巧みなフィンガー・ピッキングが光る格調高いバッキングを軸に、気品に満ちたフルートや幻想的なビブラフォンが彩りを添えるアンサンブル。
英シェフィールドのフォーク・バンド85年唯一作。
ケルト音楽の影響が色濃いメロディは、強烈な湿気を伴って響き渡ります。
英国の3人組フォーク・グループ、70年作。
A面全てを使った組曲「四季」が素晴らしいです。
四季の移り変わりを、温かみあるアコースティックな楽器や上品なオーケストレーション、詩の朗読やSEなどを織り交ぜながらドラマチックに展開していきます。
英国の誇るいぶし銀ギタリスト/SSW、アンディ・ロバーツの71年作。
組曲「25 Hours A Day / Breakdown / Welcome Home」や、ラスト15分に及ぶ大作「Dream Tree Sequence」など、静かなドラマ性を持った曲構成が素晴らしい作品です。
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リュートなど古楽器による中世テイストと英国的な牧歌性や叙情性があわさった愛すべき英フォーク・ロック、70年デビュー作。
小川のほとりでのうたた寝のような牧歌性とともに、古楽器をフィーチャーした中世宮廷音楽エッセンスもあって、歌声は英国的でジェントルだし、ブリティッシュ度120%の愛すべきフォーク・ロック。
英エレクトリック・トラッド、70年1st/71年2nd。
トラッドに根ざしたメロディーが、サイケなオルガンやドコドコ太鼓でどんどんおかしくなっていく様子が最高です!いなたいケイト・ブッシュみたいなキャロルの声も癖になります。
ここから、英国以外の国に参ります~
スケール大きなシンフォ系作品群でプログレ・ファンにもお馴染みのギリシャ人アーティストのデビュー作は、アフロディーテズ・チャイルド~エロス人脈を従えレコーディングされた、素朴で心温まるフォーク・ロック・アルバム。
スペイン、バスク産プログレッシヴ・フォーク76年作。
幽玄なフルートやチェロ、虚ろな女性ヴォーカル、エキゾチックなパーカッション。でも、混沌とすることはなくて、もうそれはそれは美しいんですよね。これぞバスキッシュ・プログレ・フォーク。
初期ストーミー・シックスに在籍した名カンタゥトーレ、72年作。
アコースティック・ギターによる弾き語りをベースに、ストリングス・シンセ、ピアノ、フルート、ヴァイオリンなどが繊細優美なフレーズを奏でる幻想的なプログレッシヴ・フォーク作品。
いかがでしたでしょうか。新しい音楽との出会いになりましたら幸いです。
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プログレ・ファンにも愛される英国フォーク・ロック・バンド、長年所属したA&Mからオイスターに移籍しリリースされた76年作。SAILORやSPARKSを手掛けたルパート・ホルムスをプロデューサーに迎えた本作は、前作で示したアメリカ志向のポップ・ロック・サウンドをさらに押し進め、AORフィーリングを取り入れたサウンドを展開します。ウエストコースト風の伸びやかなメロディとギターが美しい「I Only Want My Love To Grow In You」、スプリングスティーンが歌ってもハマりそうな力強い「Turn Me Round」、持ち前の甘いハーモニーが素敵な「Hard Hard Winter」と、3曲目までの流れが特に秀逸。
スタジオ・ミュージシャンとしての経験を持つ英国出身のギタリスト、78年発表の第8作。これまでの音楽性を引き継ぐ、クラシカルな管弦とロック的ダイナミズムが融合したシンフォニック・ロックを展開します。本作では女性スキャットなどを導入し、楽曲にドラマ性とメロディアスな聴きやすさが加わっているのが印象的。管弦の導入の仕方も整理され、ドラマティックに盛り上がっていくアンサンブルを力強く支えます。GILTRAPによるテクニカルなアコギさばきも聴き所。従来の音楽性を継承しつつ、劇的かつわかりやすくまとめあげた完成度の高い力作です。
紙ジャケット仕様、SHM-CD、最新リマスター、ボーナス・トラック7曲、定価3143+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
60年代にはマイク・オールドフィールドやバート・ヤンシュらとともにフォーク・シーンで活躍し、70年代半ばにプログレッシヴ・シーンでソロ・デビューしたギタリスト&コンポーザー。最高傑作とも評される79年作。バックが特筆で、ベースのジョン・G・ペリー、ヴァイオリンのRic Sanders、ダリル・ウィエズ・ウルフやトレースやマリリオンでお馴染みのドラマーIan Mosely、クォーターマスのベースJohn Gustafsonほか、錚々たるメンバーが参加しています。サウンドの方は、ジェネシスとグリフォンの間に位置づけられるような、古楽器やクラシック・ギターやリコーダーにより繊細に紡がれる格調高くもファンタスティックな英国シンフォニック・ロックが印象的。次々と溢れ出る明朗なメロディに心豊かになるインストゥルメンタル・ロックの愛すべき逸品です。
盤質:傷あり
状態:良好
リヴァプール・シーンやグリムズやプレインソングでの活動でもソロでも英ロックのファンにはお馴染みのいぶし銀SSW。73年の3rdソロ。プロデュースは、サンディ・ロバートソン。米ルーツへの憧れからこぼれ落ちる英国的な陰影に富んだ叙情美やシニカルなタッチや牧歌性。郷愁と緊張感とのバランスが絶妙で、これぞ英国フォーク・ロック/SSWと言えるサウンドを堪能できます。リチャード・トンプソン、名ペダル・スティール奏者B.J.Cole、イアン・マシューズ、ニール・イネスなどによる、アンディ・ロバーツにも負けないいぶし銀のアンサンブルも聴き所。
71年にVERTIGOレーベルよりリリースされた3rd。流麗なメロディー・ライン、優しさに満ちたハーモニー、郷愁を誘うマンドリンの響き。トラッドの要素は感じられず、フォーク・ポップと呼べるような清涼感あるサウンドが持ち味。時おり聴くことができるサイケデリックな味わいが印象的で、曲によっては、ピンク・フロイド「原子心母」「おせっかい」あたりの穏やかなフォーク・ロックを思い出します。
英国然とした美しいメロディーと、フォーク・ロックを基調にプログレッシヴな薫り漂うアンサンブルが秀逸な英国フォークの名グループ。Vertigoレーベルより72年にリリースの4thアルバムで、71年10月のアムステルダム公演を収録したライヴ・アルバム。空気の震えが伝わってくるような繊細かつ気品溢れる好ライヴ。
73年にUKヴァーティゴからリリースされたChris Simpson率いる英国フォーク・ロック・バンド4thアルバム。主要メンバーは、ヴォーカル・ギターのChris Simpson、スポークン・ワードにGlen Stuart、同じくヴォーカル・ギターのStan Gordonのトリオ編成。そしてスリーヴ・デザインは、ロジャー・ディーン。楽曲のプログレッシヴなアプローチも相まって、作品の雰囲気を良く捉えています。湿り気のある英国のフォーク・サウンドが粒ぞろいの楽曲に乗って心地よく風に吹かれるかのような作品。
実力派ブリティッシュ・フォーク・グループのマグナ・カルタが、76年にリリースした6枚目のアルバム。オリジナル・メンバーのクリス・シンプソン、トム・ホイに加え、脱退したグレン・スチュワートに代わる新メンバーとしてナイジェル・スミスが加入。タイトル通り、グループの再たなスタートを高らかに宣言した一枚。
紙ジャケット仕様、09年24bitリマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2730
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
軽微なしわあり
70年発表のデヴュー作と71年のセカンド(ラスト作)を収録した2in1。英国フォークを基調にしたメロディーに被さるエレクトリックな味付けがなかなか。
コアなプログレ・ファンにはシンフォニック・ロックの傑作を多数発表しているミュージシャンとして知られている、現代ギリシャを代表する音楽家である彼が、72年にリリースした1stアルバムが本作。APHRODITE’S CHILD〜EROSのドラマーLucas Siderasや同じくEROSのkey奏者Lakis Vlavianosらを迎え、自身はギターと英語によるヴォーカルを担当。基本的にはギリシャ的なエキゾチックさはほとんどなく、英米フォーク・ロック影響下の飾り気のない素朴で心温まるフォーク・ロックを聴かせてくれますが、サイケがかったトーンで泣きのメロディを紡ぐエレキギターや哀愁のハモンド・オルガンが被さってくるところはギリシャらしい濃厚なドラマチシズムに溢れていてかなりグッと来ます。英米ロック・ファンにもオススメの良作。
プログレ・ファンにも人気の高いギリシアを代表する音楽家、76年作。アコースティックな響きを基調とする中に、気品あるストリングスやサイケデリックなギターやオルガンを配置した巧みなアレンジのサウンド、そこに自身の哀愁漂うジェントルなボーカルが乗ります。時おり聴こえてくるキーボードやパーカッションのエキゾチックな旋律とリズムが耳を惹き、英米作品には無いギリシャならではの民族エッセンスを帯びたフォーク・ロックが心地良い一枚です。
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