2018年10月27日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,今週のカケレコFacebook
こんにちは。いよいよ10月も終わりますね。
そして来週の10月31日はハロウィンです。
かぼちゃをくり抜いて灯りをともしたり、お菓子をもらいに近所を練り歩いたり。見たことはありませんが何だか楽しそうです。
ここ日本でも各地で盛り上がったり、企業が乗っかったりしていますね。
ということでカケレコも乗っかって、今週は「オカルティックなロック・アルバム」というテーマでFacebookにて投稿をしてまいりました。
どうぞご覧ください。
最初はもちろんこのアルバム。ブラック・サバスの1970年1st『BLACK SABBATH(黒い安息日)』です。
魔女や妖精の伝説が根付く土地柄ゆえか、この頃の英国のロック・バンドはたびたび悪魔や黒魔術を曲やバンドのイメージに用いていますが、彼らブラック・サバスはその筆頭。
洋館の前に女性が佇む不気味なジャケ、「サタンが来て人々は逃げ惑う」といったおどろおどろしい歌詞、そしてヘヴィなギター・リフを中心とした「暗くて重い」サウンド・・・13日の金曜日にリリースされたこのデビュー・アルバムからして既に、60年代末のラヴ&ピースは何処へやらといったダークな世界観を作り上げていて見事ですよね。
ちなみにサバスのメンバーは特に悪魔崇拝者というわけではなく、歌詞や世界観はベーシストのギーザー・バトラーのオカルト趣味を反映したもの。
とはいえこんな音楽性のためオカルトな集会にしばしばお呼びがかかってしまい、断ると「お前たちを呪う」と脅されたため、その後メンバーは皆ステージなどで十字架を身に付けるようになったそうです。
有名なヴォーカルの人が生きた鳩を食べたり死んだコウモリを食べたりしているせいで勘違いされがちですが、あくまでファッションとしてのオカルティズムですよ!(増田)
今日の一枚は、イタリアのグループ、ゴブリンの77年作『SUSPIRIA(サスペリア)』です!
イタリアン・ホラー・ムービーの名匠ダリオ・アルジェントの映画を中心に音楽を務め、数々の傑作サントラを生み出してき彼らですが、その代表作として世界的に知られるのがこのアルバム。
ミステリアスで緊迫感ある導入部に背筋がゾクゾクしてくる「サスペリアのテーマ」は、ホラー映画の主題曲として「エクソシスト」に使用されたマイク・オールドフィールド「チューブラー・ベルズ」と共に有名な一曲と言えるでしょう。
アルバム全体でも、焦燥感を煽るようなリズムやかつてなく不気味に響くメロトロン、狂気が滲む笑い声などが散りばめられていて、恐怖を音にすることにかけて右に出るものはいないその手腕を存分に発揮。
一方で高い演奏力を生かしたジャズ・ロック・パートも設けられていて、プログレ・アルバムとしてもしっかりと聴かせる内容なのがお見事です。
いずれにしろ、夜中に一人では絶対に聴けないアルバムの一つですよね…。(佐藤)
今日はチェンバー・ロックの始祖にも位置づけられる英国のグループ、THIRD EAR BANDの69年デビュー作『ALCHEMY』です。
「オカルト」とは、「隠されたもの」という意味のラテン語が元となっており、目で見たり、触れたりできないものを意味しているそうです。
THIRD EAR BANDはまさしく超自然現象のような、奇妙極まりない音を奏でています。
黒魔術や古代ケルト宗教、禅宗やエジプト神話に感化されたグレン・スウィーニーを中心として、無秩序なバイオリンやヴィオラ、原始的なパーカッションが呪術的なアンサンブルを繰り広げています。
おどろおどろしさ満点かと思いきや、繰り返すミニマムなリズムが意外と気持ち良く、異空間に引きずり込まれてしまいそうになります。(みなと)
今回ご紹介するのはアメリカ最初のオカルト・ロック!?67年に結成されたシカゴのグループ、COVENによる70年デビュー作『WITCHCRAFT DESTROYS MINDS AND REAP SOULS』です。
70年といえばBLACK SABBATHがデビューした年と同年。さらに不思議なことにアルバムの1曲目は「Black Sabbath」という曲名で、しかもクレジットにあるベーシストの名前はMike “Oz” Osborne…。あまりにも早すぎるサバス・フォロワーなのかとも思いましたが、録音は69年という事で、(超自然的な力が働いていなければ)偶然でしょう。
内容の方はというとサバスほどはヘヴィではなく、グレイス・スリック風の芯の強い女性ヴォーカルをフィーチャーした西海岸サイケ・ロックがメイン。
ただ歌詞には黒魔術などのオカルティズムをたっぷり盛り込んでいるし、ちょっぴり不気味なコーラスや笑い声などは後のハード・ロックに通じているしで、なかなか他にはない個性的なサウンドを作り上げています(アルバムの最後には13分に及ぶ黒魔術の儀式の模様を収録…)。
ちなみに本作の裏ジャケを見ると、なんとメンバーがメタルで良く使われる「メロイックサイン」をしていてビックリ!
ロニー・ジェイムズ・ディオが元祖とも言われるメロイックサインですが、これは元々ラテン圏で不幸なことがあった時に使われる「角のサイン」で、それを彼らが初めてロック・カルチャーに持ち込んだのだとか。
彼らCOVENは75年に解散したものの07年に再結成し、現在も活動を続けるベテラン・グループ。英国BLACK SABBATHと並び、今のヘヴィ・メタルやハード・ロックになくてはならないオカルティズムの系譜を生み出した名グループと言えるでしょう。(増田)
ラストの一枚は、本物の黒魔術信仰者だったと云われるイギリスのオルガン奏者グレアム・ボンドによる71年作『HOLY MAGICK』です。
重鎮アレクシス・コーナーのブルース・インコーポレイテッドで活動後、60年代中期にリーダーバンド グレアム・ボンド・オーガニゼーションを率い、オルガン・ロックの始祖的存在として君臨したご存知ハモンドの名手。
同バンドには、クリームを結成するジャック・ブルース&ジンジャー・ベイカーやコロシアムで活躍するサックス奏者ディック・ヘクストール・スミスらが在籍したことでも知られます。
そんな彼が、60年代より傾倒していた黒魔術からの影響を反映させた作品として発表したのが、この『HOLY MAGICK』になります。
ストーン・ヘンジで撮影されたジャケット写真からしていかにもな感じが漂っていますが、「アブラカタブラ…」という呟きや複数人で呪文と思われる謎めいた言葉を繰り返す冒頭の「HOLY MAGICK SUITE」からは、ある種戦略的に黒魔術という題材が用いられるケースと異なる「マジ」な感じがピシピシと伝わってきます。
とは言え、ハモンドとサックスを軸とする重々しい切れ味を持った演奏はさすがで、黒魔術に関心がない人が聴けば、所々怪しげな雰囲気のあるフリーキーかつ硬質なジャズ・ロック・アルバム、というほどの印象で普通に楽しめる作品ではないかと思います。結構好きです。(佐藤)
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言わずもがな、LED ZEPPELIN、DEEP PURPLEとともに英国三大ハード・ロック・バンドにそびえ立つBLACK SABBATHが70年に放った偉大なる1st。ブルース/ジャズを基調としたヘヴィなサウンド、サタニックで暗黒なバンド・コンセプト。それらを掛け合わるということが当時としては革命的であり、のちに勃興するヘヴィメタルの元祖と称される所以である。暗黒時代の幕開けを告げるかのようなTony Iommiの不穏なリフが印象的。
70年にVertigoレーベルよりリリースの2nd。グループを代表する「Paranoid」や人気ナンバー「War Pig」など、後のブリティッシュ・ヘヴィ・メタルへとつながる古典といえる名曲を多数収録した傑作。キーフによるジャケットも素晴らしい。
SHM-CD、デジタル・リマスター、定価1714+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
若干ケースツメ跡あり、帯中央部分に色褪せあり
オジー・オズボーン、トニー・アイオミを中心とする英国出身元祖ヘヴィ・ロック・グループ、71年にVergitoよりリリースされた3rd。トニー・アイオミによるヘヴィ・リフをフィーチャーした楽曲を中心とする一方で、トラッド、クラシック要素が芽を出し始め、叙情的なギター・ソロが挿入された楽曲をいくつか収録。メリハリのついた構成となり、重低音が炸裂するアルバムながら一気に聴けるアルバムとなりました。本作のハイライトは「Embryo」から「Children Of The Grave」へと至る流れでしょう。「Embryo」は英トラッド調の旋律で絡み合う30秒のインストゥルメンタルで、静かで美しい旋律にも関わらず、怪しい儀式の如き不穏な空気感に包まれます。雷鳴の如く鳴り響くドラム・ロールが静けさをぶち破り、ヘヴィ・チューン「Children Of The Grave」がスタート。歪んだベース・ラインとハシり気味のドラムにより強力なうねりを作り出します。ギターはヘヴィ・リフを自在にテンポ・チェンジ、左右チャンネルを分けて攻めてくる流麗なソロも素晴らしい。他にも「Sweet Leaf」、「Into The Void」といったヘヴィ・ロックの名曲を収録しています。抒情的な小曲を挟むことによって、重厚なアンサンブルの魅力が際立った、これぞブリティッシュな深みに満ちた名作。
67年に結成されたバーミンガム出身の4人組ヘヴィ・ロックの帝王ブラック・サバス。「マスター・オブ・リアリティ」がゴールド・ディスクを獲得したことにより不動の地位を築き上げ、その後のヘッドライナー・ツアーにより全米を席巻した絶頂期の彼らが、72年にヴァーティゴからリリースした4作目。「スーパーナート」「スノウブラインド」での凄まじいばかりのヘヴィ・グルーヴに加え、「チェンジス」でのメロトロンの導入で新機軸をみせ、よりドラマティックに深化した中期の代表作。
直輸入盤(帯・解説付仕様)、リマスター、定価1500+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
若干スレあり
直輸入盤(帯・解説付仕様)、87年規格、WEST GERMANY盤、定価3200(税表記なし)
盤質:傷あり
状態:並
帯無
帯無、ケースツメ跡あり、折れ・若干カビあり
78年の8thアルバム『Never Say Die』リリースに伴う同年のツアーより、ロンドン/米ペンシルバニア/米テキサスでのライヴを収録、全14曲!
イタリアン・シンフォニック・ロックの代表格バンドの78年4th。それまでインスト路線を貫いてきたわけですが、本作では初めてボーカルナンバーも配置され、およそGoblinのイメージとは遠い、とてもファンタジックなコンセプトアルバムとなっています。「Goblin=サスペリア」、「Goblin=サントラ」というのはもはや常識なわけですが、数は少ないながらサントラではない、いわゆる「オリジナルアルバム」も残しており、その貴重な1枚が本作と言うわけです。ビシバシにキメるリズム隊、そして、恐怖ではなく優美なファンタジーを描かせても超一流の表現が出来てしまう、引き出しが多すぎるClaudio Simonettiのキーボードがやはり圧巻。ボーカルを取り入れたことに対する賛否両論は、それだけバンドとしてのまとまりに隙が無いことの、なによりの証です。テクニカルさを駆使したシンフォニックロックとして最高の出来であり、Goblinの新たな一面を垣間見ることの出来る名盤。
紙ジャケット仕様、エンハンスドCD、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、紙ジャケに若干圧痕あり
Glen Sweeneyを中心に結成され、その非常に個性的な酩酊感、呪術的な作風が持ち味のイギリスのアヴァンギャルド・ロックグループの69年作。ヴィオラ、オーボエ、チェロなどを用いたチェンバー・ロック的なアプローチを取りながらも瞑想的でエスニックなフレーバー漂うタブラなども取り入れ、太古からの呼び声を感じるような神秘的な作風となっています。非常にヨーロッパ的な中世古楽のような室内楽と、オリエンタルな神々しさが混ぜ合わさった音楽性を示しており、非常に実験的ながらも独自の世界を描く作品です。
地火水風の四元素を表現したコンセプトアルバム。70年発表。
72年にHARVESTレーベルからリリースされた3rd。ロマン・ポランスキー監督の映画「マクベス」のサントラとして制作された作品。元HIGH TIDEのヴァイオリン奏者Simon Houseが加入。ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、リコーダー、ギターによる、ダークで怪しくも、アングラ感はあまり無く、クラシカルな格調高さを感じさせるチェンバー・ロック。
60年代初期からR&Bとブリティッシュ・ジャズとの融合をはかっていたブリティッシュ・ロック界の重鎮GRAHAM BOND。VERTIGOレーベルに移籍後の70年作と71年作をカップリングした2in1CD。
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