KANSASやRUSHを生んだ北米プログレ新鋭特集！

• ツイート

KANSAS、RUSH、BOSTON、JOURNEY・・・世界に影響を与えた有名なバンドはいるものの、英国やユーロ、南米に比べるとそれほど盛んな印象のない現代の北米プログレ・シーン。

しかしながら９０年代初頭にアラン・モーズとニール・モーズ兄弟を中心に結成されたSPOCK’S BEARD、また89年に結成され今も活動を続けるベテラン・バンドECHOLYNなどがシーンを牽引し、彼らの後を追うように北米でもプログレッシヴ・ロックの遺伝子を継いだ数々のグループが誕生し発展してゆきました。

往年の英米プログレのエッセンスに北米大陸らしい抜けの良さと洗練されたモダンネスを加えた、アメリカやカナダの新鋭プログレッシヴ・ロック。ここではそんなグループたちの一握りをご紹介したいと思います。

まずは今年2018年にリリースされたばかりの新鮮な作品たちをピックアップ！

ECHOES OF GIANTS/WAY TO US

ポストロック、アンビエント色を織り交ぜた凛とした叙情美を放つ米新鋭プログレ。無駄なく洗練された展開の中にも確かに息づいた70年代エッセンスが好印象。「静」の演出力にかけては近年のアメリカのバンドでも屈指！

CELL15/RIVER UTOPIA

ニール・モーズ在籍時のスポックス・ビアードが好き？なら、この米新鋭はきっと直撃！突き抜けるような爽快を伴ったキャッチーなテクニカル・シンフォニック・ロックが痛快です。ジェネシス憧憬の英国風味の取り入れ方も絶妙だなぁ～。

視聴はこちら

VOID CONTACT/SECRETS AND ALIBIS

SUPERTRAMPやSTYXやELOやPILOTが好きなら、このバンドも要チェック！ビートリッシュなエッセンスも感じる気品たっぷりの管弦楽器アレンジを施した、瑞々しすぎるサウンドに胸キュン必須の米プログレ/パワー・ポップ18年作！

PROPORTIONS/REBOOT

米国とカナダとスウェーデンのミュージシャンによる多国籍グループですが、こちらもご紹介。CAMELみたいにリリカル＆ファンタジックで、GENTLE GIANTばりに変拍子炸裂してて、カンタベリー・ロックの暖かみと流麗なフュージョン・テイストも散りばめて、かつスペーシーな浮遊感もたっぷりで。このインスト・プログレ/ジャズ・ロック、個性抜群でスゴク良いです！

さてここからは、現代北米プログレが誇る名作たちをご紹介してまいりますよ〜！

SPOCK’S BEARD/LIGHT

前述の90年代米プログレを代表するグループによる95年デビュー作！抜群に垢抜けたポップ・センスとプログレ然とした大作主義を見事に両立させた、新世代アメリカン・プログレの金字塔。プログレは苦手…という方にも一度聴いてみてほしい！

ECHOLYN/I HEARD YOU LISTENING

同じく90年代以降屈指と言える米国プログレの雄、2015年作9th。デビュー以来のジェントル・ジャイアントのDNAを軸に、アメリカのバンドながら、ビートルズ以降の英国ロック＆ポップスの系譜を俯瞰している感じで、ベテランらしい円熟味とらしからぬ気鋭っぷりに満ちた大傑作！

GLASS HAMMER/ODE TO ECHO

こちらもSPOCK’S BEARDと同様92年結成のベテランで、イエスのヴォーカルとしても活躍するJon Davison在籍の米シンフォ・バンドによる2014年作！イエスやカンサスの持つ爽快なファンタジー、そして、ジェントル・ジャイアントばりのコーラス・ワークやリズムのキレを持ち合わせた快作！

IZZ/MY RIVER FLOWS

96年結成の実力派米プログレ・グループ、05年作。キメ細かいシンセと歯切れ良いギターが織り成す強靭な変拍子に、二人の女性コーラスも加えた歌心あふれるヴォーカル・メロディ。ファンタスティックなパートと重厚なパートを巧みにを使い分けるテクニカル・シンフォが痛快。

JOHN GALGANO/REAL LIFE IS MEETING

こちらはIZZでベース・ギター・ヴォーカル・キーボードを担当するマルチ・ミュージシャンによる12年ソロ作。アメリカン・プログレとは思えない神秘的で浮遊感溢れる音空間が素晴らしい！

SUPERNAL ENDGAME/TOUCH THE SKY VOLUME 1

明快で煌びやかなアンサンブルに、一瞬で心奪われるキャッチーなメロディ。まさしくKANSASやYES直系、青空へと手を伸ばすように気持ちよすぎる米国プログレ・ハード/シンフォ09年デビュー作！FLOWER KINGSでおなじみロイネ・ストルトも1曲でゲスト参加！

TEN POINT TEN/1225

KANSAS系の抜けの良さ、YESのような明瞭な楽曲展開、そしてGENESISのようなリリカルでファンタジックな雰囲気まで。クリスマスをテーマにした北米プログレの傑作。

MARS HOLLOW/MARS HOLLOW

YESやKING CRIMSON、RUSHといった往年のプログレ・グループの遺伝子を受け継ぎつつ、終始「洗練」された流れるようなアンサンブルが素晴らしい。これぞアメリカン・プログレの正統派といえる10年デビュー作！

INNER EAR BRIGADE/DROMOLOGY

ジャズ・ロックですがこちらも大注目！ゴングばりの強度と緩急自在さで聴かせるジャズロックをベースに、カンタベリー風の芳醇なホーンセクションとスラップハッピーあたりが浮かぶ浮遊感あるメロディをミステリアスに歌う女性ヴォーカル。カリフォルニア発ジャズ・ロック・バンド、17年作2nd！

MALCOLM SMITH/WE WERE HERE

米プログレ新鋭METAPHORのギタリストによる2014年作ソロ。まるでGILGAMESHのキラメキと精緻さをシンフォニック・ロックに仕立て直したような感じ！北欧ISILDURS BANEに通じる映像喚起的なリリシズムや幻想性もあるし、これはエクセレント。

KINETIC ELEMENT/TRAVELOG

EL&Pやレ・オルメが好きなら要注目のキーボード・プログレ15年作。ヴィンテージなキーボードや暖かみあるアコギをフィーチャーし、派手さはないもののじっくりと聴かせています。

TCP/TEMPORAL CHAOS

ジェネシスからの影響を土台に、ピンク・フロイド的な映像喚起的なエッセンスを盛り込んだ叙情的な幻想世界にはいつまでも浸っていられそう。09年にデビューした新鋭、16年作3rd。

HOLDING PATTERN/BREAKING THE SILENCE

新鋭ではありませんが、こちらもご紹介！81年に傑作を残したGENESIS/CAMEL系米シンフォの隠れた名バンドによる07年復活作。バンクス直系のファンタジーを描くkeyとハケットを彷彿させる名手Tony Spadaの叙情的なプレイが胸に迫る、歳月を感じさせない充実の逸品！

SOURCE/PRICKLY PEAR

ここまで聴いてきたけど、ちょっぴりテンション高くてハードな作品が多いなあ・・・というアナタ。北米にはこんなメロウでふくよかなサウンドに包まれるような逸品もございますよ！暖かなリラクゼーション感に包まれた09年作。

JELLYFICHE/SYMBIOSE

最後はこちらのカナダ産新鋭11年作。歪んだ音色でうねるギター、激しいアタック音のドラム、焦燥感をかきたてるヴァイオリンによるダイナミック且つヘヴィなアンサンブルがカッコイイ！テクニック、楽曲構成共に一級品のクリムゾン系シンフォニック・ロック！

こちらの記事もどうぞ！

関連カテゴリー

• 北米＆オセアニア・プログレ
• アヴァン・ロック/チェンバー・ロック/レコメン
• プログレ新鋭
• 米ポップ/パワー・ポップ
• 60年代の遺伝子を継ぐ80年代以降グループ