2018年7月8日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
今日は、英国フォーク・グループ、ファラウェイ・フォーク75年作『SEASONAL MAN』をピックアップしてまいります。
英デヴォン州、ブリックハムにて結成された、フォーク・グループ。
70年代に活躍していました。
ターク夫妻を中心にしたメンバーです。
John Turk (lead guitar, mandolin, vocal)
Shirley Turk (vocals, finger cymbals, xylophone, kazoo, recorder, percussion, flute, tambourine)
50年代からフォーク・ミュージックを演奏していたターク夫妻は62年に結婚し、デヴォン州ブリックハムに引っ越します。
ブリックハムで、John HartshornとJudy Whittingtonに出会いました。
John Hartshorn (vocals, rhythm guitar, kazoo)
Judy Whittington (vocals, tambourine, recorder, washboard)
John Hartshornはギターが上手く、フォーク・ミュージックに強い関心を持っていたため、4人はすっかり意気投合。
2人のジョンのギターに合わせてシャーリーとジュディが楽しく歌っているうちに、やがて人前で演奏したくなり、地元ブリックハムのボルトン・ホテルでライヴを決行。
4人のライヴは非常に好評で、毎週日曜に演奏することになりました。
1970年には4曲入りEP『INTRODUCING』をリリース、ライヴの物販で良く売れたそうです。
ボルトン・ホテルでのライヴを録音し、初のLPとして『LIVE AT THE BOLTON』を出した後、
1972年に2nd『TIME AND TIDE』をリリース。
♪Melanie
♪Seasons Of Time
アコースティック・ギターと2人の女性ボーカルを軸に、リコーダーやシロフォン、カズーなど様々な楽器を交えた非常に楽し気で、いい意味でアマチュア感あふれるフォーク作品となっています。
12曲中3曲はトラッド、他はほぼ自作曲で構成され、英国的な陰りあるフォークと当時のモダン・フォークがいい塩梅にブレンドされた、非常に優れたメロディの楽曲ばかりです。
1974年にはJohn HartshornとJudy Whittingtonがバンドを離れます。
新たに加わったのが
Bryony Smith(Bass, Vocals, Banjo)
Adrian Morris(Vocals, Rhythm Guitar, Harmonica)
の2人。
Bryonyはバンドを離れるJohn Hartshornが連れてきた、当時17歳のベーシスト。
Adrianは、カナダで教師をしていましたが、ブリックハムに戻ってきたギタリスト。
新たなメンバーで、74年に『ON THE RADIO』をリリース。
ビートルズやキンクスのカバーもしています。
そして、75年に『SEASONAL MAN』をリリース。
♪Coming Back To Brixham
前作から、ベースがしっかりと鳴る独特なフォークを奏でていましたが、今作は更にJohn Turkのエレクトリック・ギターもささやかながら印象的なフレーズを弾いており、トラッドベースの楽曲に華を添えています。
♪Seasonal Man
4人それぞれボーカルをとっており、決してうまくはないのですが、気取らない素朴なハーモニーがリラックスしていて非常に良いです。
フェアポート・コンヴェンションなどとはまた違った、洗練されていないローカルなエレクトリック・トラッドです。
ファラウェイ・フォークは1980年に解散、ジョンとシャーリーはその後も活動していたようです。
まずは、フェアポート・コンヴェンション。
トラッド・フォークの最高峰の1つに上げられるイギリスのグループによる69年4th。
サンディー・デニーに憧れたマンディー・モートンを中心とするバンド。
英国、夫婦を中心とするフォーク・グループ。
フォーキーで、サイケデリックで、プログレッシブで。ストレンジなエレクトリック・フォーク名バンド!
いかがでしたでしょうか。英国の音楽というのは、入っても入っても抜け出せない深みがありますね。
【関連記事】
KAKERECO DISC GUIDE、今回はイギリスの女性フォーク・シンガーJanet Jonesが72年に発表した1stアルバム『SING TO ME LADY』を取り上げたいと思います。
JohnとShirleyのTurk夫妻を中心とする男2女2の4人組ブリティッシュ・フォーク・バンド。70年のライヴ・アルバムに続き72年にリリースされた1stスタジオ・アルバム。躍動感のあるドラムとよく動くメロディアスなベースによるリズムをバックに、アコギやマンドリンがメロディアスなアルペジオやリードを奏で、グロッケンシュピールやリコーダーが陽光のようなキラメキを添えるアンサンブルが印象的。清楚な女性ヴォーカルと誠実さが伝わるバリトン・ヴォイスの男性ヴォーカルによるハーモーニーもいい感じです。メロウ・キャンドルのフォーク・ロックな曲やトレイダー・ホーンあたりが好きなら気にいるはず。明朗なサウンドが心地いい快作です。
女性ボーカリストSandy DennyとギタリストRichard Thompsonを擁し、トラッド・フォークの最高峰の1つに上げられるイギリスのグループによる69年3rd。69年に彼らは3枚ものアルバムをリリースしており、本作は連続リリースの2作目となります。前作からIAN MATTHEWSが脱退しリリースされた本作は、BOB DYLANの楽曲が3曲、トラッド1曲、グループの楽曲4曲から成る彼らの代表作の1つ。前2作以上に統一感を感じさせるエレクトリック・トラッド・フォークを奏でており、Sandy Dennyの歌声の素晴らしさは説明するまでもなく、ゲストのフィドル奏者DEVE SWARBRICKによるヴァイオリンなどが自然にバンドに溶け込んだ名盤です。
サンディー・デニーを迎え制作された2ndアルバム。68年作。彼女の儚くも凛としたヴォーカルは別格の美しさで、「FOTHERINGAY」などコンポーザーとしても一流。そんな彼女の加入が化学反応を引き起こしたのか、リチャード・トンプソンもギタリスト/コンポーザーとして見事にその才能を開花させています。楽曲、演奏とも新人離れした風格すら感じさせる出来栄えで、英国フォークロックを代表するグループとしての地位を早くも確立した名作。
女性ボーカリストSandy DennyとギタリストRichard Thompsonを擁し、トラッド・フォークの最高峰の1つに上げられるイギリスのグループによる70年5th。名盤となった前作「Liege & Lief」をリリースした後、Sandy DennyとAshley Hutchingsが脱退、Dave Peggが加入して男性グループへとシフトした作品ですが、その内容はグループのフロントであったSandy Dennyの脱退を全く感じさせないブリティッシュ・トラッド・フォークの名盤となっており、特にRichard Thompsonのギターをはじめとしたバンドの緊張感溢れるパフォーマンスは、さすが全盛期の彼らならではのものです。
紙ジャケット仕様、01年リマスター、ボーナス・トラック5曲、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
特典帯付(紙ジャケに巻いてあります、若干汚れあり)、解説に小さい折れ・帯中央部分に色褪せあり
76年作1st。ピアノやストリングスの荘厳な雰囲気、室内楽的な格調高さ、流れるようなメロディー、Mandy Mortonのミスティックなヴォーカルなど、メロウ・キャンドルを彷彿とさせる英国フォークを基調に、エレクトリック・トラッドなヴァイオリンをフィーチャーしたサウンドが印象的。名作です。
帯下部に「Distributed By GardenShed」シールが貼ってある帯、定価記載なし
盤質:傷あり
状態:並
帯有
カビあり、帯中央部分に色褪せあり
英国フォークを代表するフィーメール・ヴォーカリストの一人、マンディー・モートンを中心としたバンドで、本作は、77年発表の2ndアルバム。トラッドを下地にしたブリティッシュ・フォーク・ロックを基調としながらも、エレクトリックな楽器をふんだんに用いたアレンジが、新たな地平を切り開いた名盤です。ブリティッシュ・フォーク3美神が提示した”気品”に、70年代ブリティッシュ・ロックの持つ”けだるさ”が加わったような内容は、60年代末から脈々と流れる英国サウンドを総括したと言っても過言では無いほどの素晴らしさ。気品溢れる管弦楽の調べ、ニック・ドレイクの1stにて素晴らしいオーケストラを吹き込んだロバート・ギルビーによる重厚かつ荘厳なストリング・アレンジ、表情豊かなエレクトリック・ギター、ミスティックなマンディーのヴォーカルと、すべてが有機的にからみあったサウンドは、もう究極の一言。
「Distributed By GardenShed」シールが右下に貼ってある帯、定価記載なし
盤質:傷あり
状態:並
帯有
カビあり
70年発表のデヴュー作と71年のセカンド(ラスト作)を収録した2in1。英国フォークを基調にしたメロディーに被さるエレクトリックな味付けがなかなか。
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