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「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ」 第十回 禊(みそぎ)のロバート・フリップ ーー噂の27枚組BOX『セイラーズ・テール 1970-1972』の正しい聴き方 文・市川哲史

第十回: 禊(みそぎ)のロバート・フリップ ーー噂の27枚組BOX『セイラーズ・テール 1970-1972』の正しい聴き方

やっとロック駄文集の最新作『どうしてヘヴィ・メタルは好きにならなかったんだろう』を脱稿でき、2ヶ月ぶりにプログレの巣窟に還ってまいりました。いいなあ、ここの相変わらずな澱(よど)み感。ではいきます。

❶クリムゾン・キングの宮殿【5CD+1DVD】……『クリムゾン・キングの宮殿』期。2009年12月。14,040円也。
❷太陽と戦慄【13CD+1BD+1DVD】……『太陽と戦慄』期。12年11月。22,628円也。
❸ザ・ロード・トゥ・レッド【21CD+2BD+1DVD】……『レッド』『USA』期。13年10月。30,000円也。
❹スターレス【23CD+2BD+2DVD】……『暗黒の世界』期。14年11月。32,400円也。
❺スラック【12CD+2BD+2DVD】……『スラック』『ヴルーム』『B‘ブーム』『スラックアタック』『ヴルーム・ヴルーム』期。15年11月。27,000円也。
❻オン(アンド・オフ)ザ・ロード【11CD+3BD+5DVD】……『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』『アブセント・ラヴァーズ』期。16年12月。30,000円也。

いつの間にか〈歳末の風物詩〉の座にちゃっかり居座ったというか、「年越しの銭は持たねぇ」とばかりに全国2千人(←推測)のKC-ATMに足掛け8年、もはや条件反射的に出金させ続けてきた悪徳プログレ商法が、例の《キング・クリムゾン40周年記念アーカイヴBOXシリーズ》。

サウンドボードからオーディエンス・ソースまで猫10数匹分の手を駆使して、日めくり状態と化したライヴ音源。デモ音源。別テイク音源という名の、マルチトラック・テープに潜んでいた〈最終ミックスで採用されなかった〉貴重な各種ダビング音源。膨大なカセットテープや小型のオープンリールに人知れず残されてた、リハ音源やらセッション音源やらオーディション音源やら。そして、30周年記念リマスターに40周年ステレオ・ミックス&5.1サラウンド・ミックスにオリジナル・ミックスのニードル・ドロップ(失笑)などの各種マスタリング音源。聴く者の心を折るほどの、圧倒的な物量攻撃だ。

だけど辛抱強く聴いた者だけが、オリジナル・アルバムを聴いてるだけではわからない創造的説得力に溢れたキング・クリムゾンに出逢うことができたのだ。

2016-17年の年末年始、私は主に❸❹両BOX所収の公式発表された74年ライヴ音源全29本を批評する作業に文字通り――明け暮れた(苦笑)。正直「面倒くさぁ」と恨みながら年を越したのだけれど、『レッド』という到達点が持たらした解散への究極的な収斂を、至近距離で仮想体験できたのはまさに至福の歓びだった。

そういう意味では、《フリップ+ウェットン+ビルブル》期の奇蹟を〈実物の演奏〉でドキュメントした❸❹❺は理想的なリイシュー・アルバムだし、〈唯一のドキュメント・プログレ・バンド〉キング・クリムゾンに相応しい。

BOXの編纂のみならず、膨大なライヴ・アーカイヴの配信ビジネスもまた然り、だ。

クリムゾン以外ではこんなバンド、超重量級〈結局27枚組+1〉BOX『THE EARLY YEARS 1965-1972』で“原子心母”の誕生から行く末までを10ヴァージョン超えで堪能できるピンク・フロイドぐらいか。イエスは演奏力の熟練に特化し過ぎてるし、ジェネシスは過去や記録にとことん無頓着だし、ELPは〈クリムゾン流アーカイヴ商法〉を真似しようにも生来の雑な体質が災いしてか、発掘する音源が無いからお話にならないのだから。

あれ。気がついたらすっかりフリップ商法に乗せられてるじゃん。

ただし――クリムゾンに限らず大抵のBOX物が輸入国内盤仕様だから仕方ないのだけど、チケットやらチラシやら手書きのセットリストやら何やらの各種メモラビリアてんこ盛りには閉口する。なぜ外国人は、毒にも得にもならないトレジャーBOX的な復刻メモラビリアが好きなのか。積極的にどうでもいい。

しかし、某ディスクユニオン&某クリムゾン日本公式サイト限定販売の《日本アセンブル・パッケージ仕様》に、胸躍らぬ日本人プログレッシャーはまずいないだろう。だって20枚を超える全ディスクを収納できるアウター&インナー箱に、オリジナル・アルバム各国盤、関係『コレクターズ・クラブ』盤、関係ブートレグ盤の完全復刻超精巧紙ジャケが独自の特典なんだもの。

やはり日本人のマニア魂は、〈作品〉に立脚してるからこそ美しい。
だからアセンブル盤は海外盤に較べ万単位の割高にはなるけれど、資料性の高い完全日本語訳ブックレットも含めて納得するしかないじゃないの。
って、まんまとKC-ATM。

昨年末にとうとう、金35,000円也もの大枚をはたく羽目になったBOXシリーズ最終作❼は、『セイラーズ・テール1970-1972』。クリムゾン史上最多タイの【21CD+4BD+2DVD】計27枚のヴォリュームを誇る。

あ、ちなみに40周年シリーズは完結だけど、来年2019年リリースを目指して『クリムゾン・キングの宮殿』50周年記念BOXが、現在鋭意制作中らしい。おいおい、我々資金源に断わりもなく勝手に制作してるんじゃないよ。
もしかしたら未来永劫続くのか、〈時をかけるKC箱〉。

さて今回の守備範囲は、〈70年4月『ポセイドンのめざめ』~同年12月『リザード』~翌71年12月『アイランズ』〉のアルバム三重殺だ。そして『ポセイドン』期も『リザード』期もレコーディング要員を確保するのが精一杯で、ツアーどころかギグ1本すら実現しなかっただけに、その分『アイランズ』期のライヴ音源をこれでもかと詰め込んだ。
69年12月以来のライヴとなった1971年4月12日の@独フランクフルト・ズーム・クラブから、翌72年4月1日@米アラバマ・バーミンガムまでの全112公演中、収録されたのは計24公演。その半数以上がオーディエンス録音で、残りのサウンドボード音源も相応の忍耐を聴く者に強いるから、なかなかしんどい。
しかし永い間、あの世界一音質が極悪なカセット音源のライヴ盤『アースバウンド』でしか〈フリップ+ボズ+ウォーレス+コリンズ〉クリムゾンのライヴが聴けなかったことを想えば、はるかに幸福過ぎて死ぬぞ。
贅沢は敵だ。くそ。

世間とは勝手なもので、いつの間にか『アースバウンド』の海賊盤レヴェルの劣悪な音質を〈当時の殺気を伝えるローファイ・サウンド〉と過大評価するとともに、難だらけの音質の向こう側に聴こえる四人の緊張感溢れるスリリングなアンサンブルを、《実はすごかった『アイランド』キング・クリムゾン》として伝説化した。
言い換えれば、音質が劣悪だからこそかえって伝説化を助長したフシもないではないが、それは言ってはいけない。

不条理な話ではあるが、まあよしとしよう。
《島クリムゾン》が『太陽と戦慄』以降の《メタル・クリムゾン》とはまた違う、ジャズとブルーズが〈ジャムのちアドリブ〉りながら激しく攻めぎ合う、野趣溢れる個性派バンドだったのは事実なのだから。02年にKCCC増刊号扱いで発表されたこの時期のライヴ超編集盤『レディース・オブ・ザ・ロード』も、しっかり実証してたわけだし。
ただし2012年の春、《DGM Live Library》から1971年ライヴ音源が一挙16作品も配信されたこともあり、正直飽きちゃった感も否めない。そのほとんどが聴くのに忍耐を要するレヴェルの音質だったことも、大きく影響したと思う。
しかしそんなハンディキャップを背負ってるにもかかわらず、この『セイラーズ・テール 1970-1972』は魅力的で、しかも意義あるアーカイヴ箱に仕上がってるではないか。
奇蹟的ですらある。

『レッド』に結実する《メタル・クリムゾン》を生んだのは、言うまでもなくKC伝家の宝刀・インプロヴィゼイションだ。フリップ言うところの〈エクステンポラゼイション〉で、要は「曲が自ら作られていくのがインプロで、優秀なインプロはあたかも作曲されたかのように聴こえる」というやつである。

一方、メル・コリンズは自分が在籍していたこの《島クリムゾン》期のインプロを、「僕たちのは、事前に作られたフォーマットの上に新たな音符や音色を作り出すという意味でのインプロ」とか「ちょうどジャズ・ミュージシャンがスタンダード曲の主題を弾いてから、あとはコード進行に沿ってソロを繰り出すような感じ」と捉えている。

私は勝手に、〈無から音楽を創造する〉インプロと〈楽曲を壊して拡げる〉ある意味スクラップ&ビルドなアドリブ、と識別してきた。

無論、あの『スターレス・アンド・バイブル・ブラック』をライヴで完成させちゃったインプロ力の方が、圧倒的に映る。というか、それが〈クリムゾンそのもの〉となっていったわけだから、問答無用の話だ。だけど、この《島クリ》期特有のスリリングな壊し屋っぷりも、わずか1年足らずながら我々に別のカタルシスを届けてくれた。

あのフリップ卿のコントロールが効かなかった、唯一のキング・クリムゾンっ。

そして、フリップvsグルーヴや気分で奔放にジャムるボズ+コリンズ+ウォーレス組の根深く激しい軋轢が、クリムゾン史上最も感情的で衝動的なバンド・アンサンブルを実現させた――というのが、世間(←どこのだよ)の定説となって久しい。

粗野で感情剥き出しな『アースバウンド』の世界が、これまで雄弁に物語ってきた。本BOX収録のライヴ群もまた、同様だ。しかし今回、これまで単体で捉えられてた『ポセイドン』『リザード』『アイランズ』の3作品を《1970年から1972年までのキング・クリムゾン》として括ったことで、点と点が繋がったのである。

『クリムゾン・キングの宮殿』という稀代の名盤を完成したのにバンドは呆気なく崩壊し、文芸担当(!)のピート・シンフィールドと二人ぼっちになってしまったフリップ卿。人も時間もない中、過去のアイディアを発掘すると共に脱退した連中に頭を下げてバイトを頼み、なんとか『ポセイドンのめざめ』を完成させた。

それでも名ばかりのバンドにライヴなど物理的にできるはずもなく、ならばとようやく集めたゴードン・ハスケル&アンディ・マカロックと〈助っ人〉キース・ティペット軍団の流動的な編成で、『リザード』ができた。助っ人への音楽的依存度の高さが作品をジャズ・ロックに接近させたが、「元々嫌いじゃない世界観だからこの際いいやと納得したに違いない。
でもって待望のツアーも70年1月開始予定で組んで意気揚々としていたら、いきなりそのリハ初日にハスケルが遁走して、中止。呆れたマカロックも続いて脱退したから、また二人ぼっちときたもんだ。

スタジオでどんなに創造力と技術と技能を駆使してレコーディングしたところで、ライヴで演奏しなければ楽曲は〈その究極の形〉に向かって進化を遂げられない。

とフリップは、自分の考えるキング・クリムゾンの矜持を今度こそ果たすべく、流動的ではない〈パーマネント・バンドによる再建〉を至上命題に掲げた結果、バンド・アンサンブルにおける圧倒的なプレイヤビリティーを有した三人をチョイスしたわけだ。

『ポセイドン』と『リザード』で具現化を図ったものの、バンドの力量不足で余りある未知のポテンシャルを引き出しきれなかった〈ロックとジャズの英国的がらがらぽん〉を、スタジオとライヴの両面で実現するための強力なメンツのキープである。

実際、フリップの目論見は成功するかに見えた。

全112公演に及ぶ《島クリ》ライヴは、3期に大別できる。
❶71年4~9月の、腕試し独ズーム・クラブ【4本】+全英ツアーⅠ【16本】+英ミニツアー【8本】×2。

思春期にはすっかり《島クリ=暴走アースバウンド》の先入観に支配されてた我々としては、この時期のライヴは112公演全てが〈フリップvsブレーキの壊れた下剋上ブルース・ロック・アンサンブル〉の対立構造全開だったと思い込んできた。そして鬼気迫りはするけど、クリムゾンとしては〈あくまでも特異な一時期〉という例外として封印されていた気がする。

まあ自分の論理的脈絡がおもいきり無視されたフリップ本人が、ずっと〈見て見ぬふり〉もしくは〈忘れたふり〉して放置してたのだから、我々が倣っても誰も責められまい。

ところが今回まとめて聴いたら、『アイランズ』制作前のこの時期のライヴはとても端正でリリカルで、ライヴが実現しなかった『ポセイドン』&『リザード』作品の世界観を意外にも忠実に再現してたりするから、正直驚いた。

セトリもツアー終盤から“レディーズ・オブ・ザ・ワールド”が登場するまで新曲は“船乗りの話”のみで、披露されてた楽曲は『ポセイドン』の“冷たい街の情景”“ケイデンスとカスケイド”“ザ・デヴィルズ・トライアングル”と『リザード』の“水の精”“サーカス”、そしてシングルc/w曲“グルーン”。マニアお馴染みの初期未発表曲“ゲット・ザイ・ベアリングス”ときた。

Get Thy Bearings(4-14-71 Zoom Club, Frankfurt, Germany)

試聴 Click!

ちゃんと抑制された即興演奏も含めて完成度が高く、もしも『アースバウンド』より先にこの時期のライヴ音源がリリースされていたら、《島クリムゾン》に対する我々の印象もかなり変わってたかもしれない。ねえ?
❷同年7~10月の『アイランズ』レコーディング作業を挟み、10~12月の全英ツアーⅡ【18本】+全米ツアーⅠ【20本】。

実は今回のBOXにはたった1公演しか収録されてないのだけど、曲間でだらだらしたり不規則発言が増えたり気分にできが左右されたりと、明らかに緊張感が欠落していった時期だ。これはこれでクリムゾンだと思わなければ当時のロック・バンドっぽいノリで日常的な風景だが、あのクリムゾンだからこその違和感なのだろう。新鮮で面白いけど。

ちなみに“クリムゾン・キングの宮殿”をしつこくリクエストする客に腹を立てて、「The Court of the BB King(BBキングの宮殿)!」と揶揄してハードなブルース・ロック・ヴァージョンを演奏。「満足したかぼけ」とウォーレスが吐き捨てたデトロイト公演が、唯一の収録公演である。

そして丹精込めて丁寧に手入れした〈ファンタジックな文学性〉の花壇を、土足で踏み荒らして嬌声あげる三人の輩の仕打ちに耐え切れず、文芸担当のピート・シンフィールドが脱退したのもこのツアー終了後だった。

ただ個人的には――どうやらフリップも同じ想いだったようだが――寓話度が増量する一方のシンフィールド的世界観と歌詞が度を過ぎ始めてたし、自分にも担当楽器ができたのがよほど嬉しかったのか、ライヴ中にやたら稼働させる最新小型ポータブル・シンセ(失笑)VCS3の音も鬱陶しかったから、彼の脱退は積極的に歓迎した私だ。鬼。

❸同年12月の新作『アイランズ』リリース後の翌72年2~4月、全米ツアーⅡ【38本】。

そしてお馴染み、〈バンドが解散しようがそんなの知るか既に契約済みのライヴはちゃっちゃと一つ残らずこなせよこの野郎〉ツアーである。
泣く泣く馬謖という名のシンフィールドを切り、ボズらとの〈ジャズとブルース・ロックの向こう側〉路線をせっかく選択したのに、ツアー・リハ初日にコリンズが持参した新曲のアイディアを「くだらん」と一笑に付したら村八分にされちゃったフリップ。なのに一緒に全米廻って40本近くもライヴ演るんだから、そりゃしんどい。

しかしそれだけ殺伐としてた分だけ、何が起きるか誰もわからないライヴが来る日も来る日も続き、45年経ったいま我々がその魅力をこうして堪能できてるのだから、そろそろ成仏してほしい。

ときどき現れるブギー・クリムゾン。インプロでクリスマスでもないのに“きよしこの夜”を吹くコリンズ。“レディーズ・オブ・ザ・ロード”の終盤で突如“デイ・トリッパー”を弾くフリップ。頭からケツまで三人がふざけまくりの“レディース・オブ・ザ・ロード”も。度重なる機材トラブルに比例して過激になるフリップの荒ぶるギター。全然ボズの唄が似合わないのに、なぜか最後まで演奏され続けた“ケイデンスとカスケイド”。いつもいつも暴走する“21馬鹿”。全てがノリ次第なのである。

素晴らしき〈毎日がアースバウンド〉。

これまで「あくまでも発展途上の一時的な経過に過ぎず、二度と経験したくない時代」との公言をはばからず、90年代にはハスケルのベースやヴォーカルを差し替え、ライヴのセトリからは40年近く外し続けるという、とても当事者とは思えぬ冷たい仕打ちをフリップから受けてきた、悲劇の《『ポセイドン』『リザード』『島』三部作》。

ミッシング・リンクというかラスト・ピースというか、今回のBOX編纂は《キング・クリムゾンの20世紀・自己再検証》事業の最終章だ。それでも、この時期に関して頑なに〈自己否定の権化〉だったはずのフリップ卿の翻意は、意外だったりする。

彼の翻意の最大理由は言うまでもなく、2014年以降稼働中の7~8人キング・クリムゾンが予想以上に好評を博した点にある。

14年ツアーで“ザ・レターズ”“船乗りの話”→15年“冷たい街の情景”“クリムゾン・キングの宮殿”“平和”→16年“夜明けの歌”“サーカス”→17年“アイランズ”に各種“組曲リザード”。
レイクもハスケルもボズもウェットンも唄えるジャッコ・ジャクスジクと、最後の当事者メル・コリンズが参加したことで、おそるおそる悲劇の三部作の楽曲群をライヴで披露してみたら、やたらウケるではないか。即物的な動機でもいいと思う。

実際は、生まれて初めて買ったクリムゾンのアルバムが『ポセイドン』だったジャクスジクと、『リザード』がクリムゾンの最高傑作と信じてやまない、フリップ&DGMのアーカイヴ音源事業の絶対エースであるスティーヴ・ウィルソンという、二人の〈変わり者〉が現在のフリップを支える助さん格さんだったことが有効に働いたはずだ。

最初の契機はなんであれ、彼の内面でこの三部作の自己評価が上がったのはいいことだ。いま思えば、フリップにとってのトラウマとはアルバム『アイランズ』ではなく、1972年冬の北米ツアーだったのだから。

気がついたことがある。

1981年にキング・クリムゾンが再結成して『ディシプリン』を発表したとき、日本のクリムゾン・ファンの95%が失望した。胸躍らせた初来日公演を観ても、である。その理由は簡単だった。

あのクリムゾンは、我々が大好きだったキング・クリムゾンではなかったからだ。


市川 日本では『ディシプリン』期のクリムゾンに対して、「これはクリムゾンじゃない」といった否定的な声が圧倒的に多かったですからねぇ。

フリップ どうしてアレは〈クリムゾンじゃない〉のだ? わからないな。では彼らにとってのキング・クリムゾンとはどういうものなんだね。

市川 やはり74年以前のクリムゾンへの想い入れが未だに、しかも非常に強いからでしょうね。

フリップ 74年以前のキング・クリムゾンというものを考えるとき、それは三つの異なるバンドから成っている。ひとつは69年、二つ目は71年と72年、三つ目が73年から74年まで――この三つの異なったバンドには共通性と相違性があった。そして81年から84年までのバンドを考察したときに、その中に非常に特殊なミュージシャン同士の結びつきが二つ……いや三つかな、存在した。このパターンは常に繰り返されてきた。だから僕個人としては、74年までと81~84年期のクリムゾンを別種のものと考えるその見方を、全面的に理解できないね。

市川 あのですから――。

フリップ (私の存在そのものを遮り)キング・クリムゾンというバンドの活動とは、プロセスそのものに他ならない。特定の作品とは、そのプロセスによりパフォーマンスというスクリーンに映し出される影に他ならない。だから例えば、『クリムゾン・キングの宮殿』ばかりをずっと続けていくのは、キング・クリムゾンのアンチテーゼになってしまう。もし日本のマニアックなファンが1stアルバム、あるいは解散前のアルバム群を特に好きだというのであれば、それはただ彼らがそれらのアルバムを手元に置いてあるという――歴史の一断片を把んでいるということだよ。キング・クリムゾンは時を通じて活動し続けていくのであって、凍りついてしまったものではないのだ(←きっぱり)。


なぜ私が日本人を代表して、フリップに叱られねばならんのか。

とはいえ、Wトリオ編成の90年代クリムゾン式〈アナーキーなダイナミズム〉で翻訳された『ディシプリン』の楽曲群は、見違えるように恰好よく変貌しており、リリースから10年以上も経ってようやくあのクールでダイナミックなポリリズムの魅力に気づいたのは事実だ。さすがに続く『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペア』は積極的に無視するけれど、私は己れの不徳をフリップに詫びるしかなかった。

自分の価値観を当事者に押しつける筋合いなどないのだ、と。

ん、ちょっと待て。
だったら、『ポセイドン』『リザード』『島』を《あくまでも経過措置》三部作と、頑なに見て見ぬフリし続けてきたフリップ卿はどうなのだ。近年の高評価が居心地悪いというか、かなり面映ゆいに違いない。といっても彼は絶対顔には出さないだろうが。

そういう意味では、いまやフリップにとっての『島』三部作は我々にとっての『ディシプリン』のような、自らへの〈戒め〉的存在のはずだ。反省だ反省。

そしてこの『セイラーズ・テール 1970-1972』は、ロバート・フリップ自らの禊なのである。きっと。







第一回「ジョン・ウェットンはなぜ<いいひと>だったのか?」はコチラ!

第ニ回 「尼崎に<あしたのイエス>を見た、か? ~2017・4・21イエス・フィーチュアリング・ジョン・アンダーソン、トレヴァー・ラビン、リック・ウェイクマン(苦笑)@あましんアルカイックホールのライヴ評みたいなもの」はコチラ!

第三回「ロバート・フリップ卿の“英雄夢語り”」はコチラ!

第四回「第四回 これは我々が本当に望んだロジャー・ウォーターズなのか? -二つのピンク・フロイド、その後【前篇】-」はコチラ!

第五回「ギルモアくんとマンザネラちゃん -二つのピンク・フロイド、その後【後篇】ー」はコチラ!

第六回「お箸で食べるイタリアン・プログレ ―24年前に邂逅していた(らしい)バンコにごめんなさい」はコチラ!

第七回「誰も知らない〈1987年のロジャー・ウォーターズ〉 ーーこのときライヴ・アルバムをリリースしていればなぁぁぁ」はコチラ!

第八回「瓢箪からジャッコ -『ライヴ・イン・ウィーン』と『LIVE IN CHICAGO』から見えた〈キング・クリムゾンの新風景〉」はコチラ!

第九回「坂上忍になれなかったフィル・コリンズ。」はコチラ!

KING CRIMSONの在庫

  • KING CRIMSON / 21ST CENTURY GUIDE TO KING CRIMSON VOLUME TWO 1981-2003

    81〜03年までのスタジオ音源/ライヴ音源で構成されたアンソロジー、全65曲

  • KING CRIMSON / COLLECTORS’ KING CRIMSON VOL.2

    DGMコレクターズ・クラブ会員にのみ頒布されたライヴBOXの第二弾、82年と95年のライヴ音源を収録、全25曲

    • PCCY01440

      2タイトル3CDボックス、ボックスに帯付仕様、各タイトルはプラケース入り仕様、ボーナス・トラック3曲、36Pブックレット付仕様(英語版・日本語版)、定価5500+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      若干解説ホチキス錆あり、側面部に色褪せあり

  • KING CRIMSON / COLLECTORS’ KING CRIMSON VOL.6

    DGNコレクターズ・クラブ会員にのみ頒布されたライヴBOXの第六弾、71/98/01年の音源を収録、全29曲

    • PCCY01583

      3枚組ボックス、ボックスに帯付仕様、各CDはプラケース入り仕様、定価6500+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:

      帯有

      帯に破れあり、ボックスにスレあり、その他は状態良好です

  • KING CRIMSON / EPITAPH VOLUME ONE AND TWO

    69年BBCセッション音源&69年ライヴ音源を収録

    69年のBBCセッションと69年10月のアメリカ公演を収録したライヴ・アルバム。

    • PCCY01087

      2枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、オリジナル・ブックレットと日本製ブックレット付仕様、定価4369+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯無

      帯無、1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり、ボックスに黄ばみあり

    • PCCY01087

      2枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、オリジナル・ブックレットと日本製ブックレット付仕様、定価4369+税

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯有

      カビあり、帯に折れあり

    • PCCY01087

      2枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、オリジナル・ブックレットと日本製ブックレット付仕様、定価4369+税

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯無

      帯無、1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり

  • KING CRIMSON / ESSENTIAL KING CRIMSON – FRAME BY FRAME

    69年〜84年までの音源から選曲された4枚組アンソロジー・ボックス、全45曲

    • KCBOX1VIRGIN

      4枚組、LPサイズボックス、各CDはプラケース仕様、ファミリーツリー・ブックレット付仕様

      盤質:無傷/小傷

      状態:並

      ジャケット1枚にケースツメ跡あり、カビ多めにあり

      1300円

      1040円
      (税込1144円)

      286円お得!


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  • KING CRIMSON / GREAT DECEIVER – LIVE 1973-1974

    92年リリース、73-74年の未発表ライブ音源を収録、全47曲

    • PCCY00393

      4枚組ボックス、各CDはプラケース入り仕様、帯・解説付仕様、68ページオリジナル・ブックレット&88ページ対訳ブックレット付仕様、定価9709+税

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯有

      カビあり、帯に破れ・折れあり

  • KING CRIMSON / LIVE IN GUILDFORD 1972

    72年11月、『太陽と戦慄』期メンバーによるサリー州ギルフォードでのライヴを収録

  • KING CRIMSON / NEAL AND JACK AND ME

    82-84年の傑作ライヴ映像集

  • KING CRIMSON / NIGHT WATCH

    73年、アムステルダムでの壮絶なライヴパフォーマンスを収録!

    • PCCY01177

      プラ製透明スリップケース&ブックレット付仕様、2枚組、定価3689+税

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯無

      帯無、スリップケースに汚れあり

    • PCCY01177

      プラ製透明スリップケース&ブックレット付仕様、2枚組、定価3689+税

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯有

      帯中央部分に色褪せあり、スリップケースに経年変化あり

  • KING CRIMSON / VROOOM VROOOM

    96年メキシコ公演/95年NY公演を収録

  • KING CRIMSON / ELEKTRIK: LIVE IN APAN 2003

    ロバート・フリップ/エイドリアン・ブリュー/トレイ・ガン/パット・マステロットによる03年東京公演を収録、全12曲

  • KING CRIMSON / POWER TO BELIEVE

    「ヌーヴォ・メタル」を標榜した03年作

    • IECP10048

      紙ジャケット仕様、初回プレス限定ステッカー付仕様、デジタル・リマスター、定価2415

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯有

      汚れあり、ステッカー裏にメモ書きあり

    • UICE1045

      定価2427+税

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯有

      若干カビあり

    • UICE1045

      定価2427+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

    • IEMQ20

      紙ジャケット仕様、MQA-CD、フリップ&シングルトン・リマスター、19年版ステレオミックス、ボーナス・トラック3曲、英文ブックレット封入、定価2800+税

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯有

      3800円

      3040円
      (税込3344円)

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    • IEMQ20

      紙ジャケット仕様、MQA-CD、フリップ&シングルトン・リマスター、19年版ステレオミックス、ボーナス・トラック3曲、英文ブックレット封入、定価2800+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      4200円

      3360円
      (税込3696円)

      924円お得!


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  • KING CRIMSON / CIRKUS

    ライヴ音源集、NEON HEAT DISEASE(84〜98年)、FRACTURED(69〜96年)

  • KING CRIMSON / COLLECTABLE KING CRIMSON VOLUME 1

    74年、ドイツとアメリカでのライヴ音源

  • KING CRIMSON / CONDENSED 21ST CENTURY GUIDE TO KING CRIMSON 1969-2003

    06年リリースの高音質ベスト、全32曲

    • IEZP1

      2枚組、ボックス入り仕様、Tシャツ付き仕様、フリップ監修による06年デジタル・リマスター、定価4410

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯有

      ボックス・Tシャツなし、帯に折れ・黄ばみあり

      1000円

      800円
      (税込880円)

      220円お得!


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  • KING CRIMSON / LARKS’ TONGUES IN ASPIC 40TH ANNIVERSARY BOX

    圧倒的な緊張感とダイナミズムが支配する73年大傑作5th、40周年を記念した15枚組ボックスセット!

    • KCCBX5DGM

      13CD+DVD+ブルーレイディスクの15枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、DVDはリージョンフリー、36pブックレット/アルバム・カバー・プリント/ポスター2点/フォトカード5点付き仕様

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      CD6枚は無傷〜傷少なめ、他7枚は傷あり、DVDは傷あり、ブルーレイディスクは無傷〜傷少なめ、ボックスに若干スレあり

  • KING CRIMSON / LIVE IN ARGENTINA 1994

    全35曲、ダブル・トリオ時代の歴史的パフォーマンスを捉えた映像作品

  • KING CRIMSON / LIVE IN CHICAGO

    17年6月28日シカゴでのライヴを収録

  • KING CRIMSON / LIVE IN VIENNA

    2016年のツアー、ウィーン公演のライヴ音源。CD3には、日本のみに発売が許可されたライヴ・イン・ジャパン2015公式ライヴ・アルバム『ジャパン・ツアー・オーディオ・ダイアリー』を収録。

  • KING CRIMSON / AUDIO DIARY 2014-2017

    14〜17年のライヴ音源集

  • KING CRIMSON / IN THE COURT OF THE CRIMSON KING

    69年発表、ロック・シーンの流れを変えた歴史的デビュー作!

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1969年に発表されたデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』は、プログレッシヴ・ロックのスタート地点となった大名盤であり、プログレッシヴ・ロックを聴くならまずはこのアルバムからと断言できる作品です。メンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストGreg Lake、ドラマーMichael Giles、管楽器に加えて鍵盤楽器(メロトロン)も担当するIan McDonald、そして作詞家Peter Sinfieldという布陣。「21世紀のスキッツォイド・マン」のオープニングから緊張感のある変拍子アンサンブルやユニゾン・フレーズが畳み掛け、「風に語りて」では牧歌的でありながら浮世離れした音世界を構築。“混沌こそ我が墓碑銘”の一節があまりに有名な「エピタフ (墓碑銘)」と、同じくリリックの幻想美に酔いしれる「ムーンチャイルド」を経て、メロトロンの洪水に溺れるシンフォニックな最終曲「クリムゾン・キングの宮殿」へ。“THE BEATLESの『Abbey Road』をチャート・トップから陥落させた”というエピソードの真偽はともかくとして、プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを告げる衝撃的な作品であることは間違いありません。『クリムゾン・キングの宮殿』に触れずにプログレッシヴ・ロックを語ることは、まず不可能でしょう。

  • KING CRIMSON / IN THE WAKE OF POSEIDON

    衝撃のデビュー作「クリムゾン・キングの宮殿」の構成を踏襲した70年2nd、前作に匹敵する重厚さドラマ性に加えジャズ系ミュージシャンを起用し新機軸も打ち出した一枚

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1970年に発表されたセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』は、デビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』の延長上に位置する作品となっています。『クリムゾン・キングの宮殿』発表後、ギタリストRobert Frippと作詞家Peter Sinfieldを除く3名が脱退を表明するも、諸事情によりGreg LakeとMichael Gilesは引き続き本作のレコーディングに参加。新たにKING CRIMSONに参加したのは、ピアニストKeith Tippett、管楽器奏者Mel Collins、ベーシストPeter Giles(Michael Gilesの実弟)、そしてヴォーカリストGorden Haskell。その結果、本作には8名ものミュージシャンの名前がクレジットされることになりました。音楽的にはデビュー・アルバムと同一線上で捉えることも可能ではありますが、例えばKeith Tippettのジャズ・ピアノをフィーチャーした「キャット・フード」、あるいは、ホルスト作曲の組曲「惑星(火星、戦争をもたらす者)」を思わせるリズムとカオティックなメロトロンが凄まじい相乗効果を生む「デヴィルズ・トライアングル」など、新たな試みも行われています。なお本作の後、Greg LakeはEMERSON, LAKE & PALMERとして再デビュー、そしてMichael GilesとPeter Gilesの兄弟はすでにKING CRIMSONを脱退していたIan McDonaldと共にMcDONALD AND GILESを結成します。

  • KING CRIMSON / LIZARD

    70年3rd、表題曲にはYESのジョン・アンダーソンが参加

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。セカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』を最後に、Greg Lake、Michael Giles、Peter Gilesが脱退。1970年に発表されたサード・アルバム『リザード』は、『ポセイドンのめざめ』に参加していたベース・ヴォーカリストGorden Haskellと管楽器奏者Mel Collinsが正式加入、さらにドラマーAndy McCullochを迎え入れ制作されました。ゲスト・ミュージシャンは、過去作にも参加のジャズ・ピアニストKeith Tippettがバンドメイト(コルネット奏者Mark Charigとトロンボーン奏者Nick Evens)を引き連れ参加している他、オーボエ奏者Robin Miller、さらにYESのヴォーカリストJon Andersonが、表題組曲「リザード」の「ルーパート王子のめざめ」で歌声を響かせています。本作は、Keith Tippettが持ち込んだフリー・ジャズのエッセンスがグループに新たな息吹を注ぎ込んだ作品であり、特に「インドア・ゲイムズ」や「ハッピー・ファミリー」におけるインプロヴィゼーションなどで、その影響をはっきりと聴き取ることができるでしょう。一方で、フルートが舞う「水の精」ではこれまでのKING CRIMSONらしい牧歌性も披露。ラストには20分を超える表題組曲「リザード」が控えます。フリー・ジャズへの接近を通じて、後のKING CRIMSONサウンドの重要なポイントとなる即興色を拡張した傑作です。

  • KING CRIMSON / ISLANDS

    クリムゾン史上最も儚く美しいサウンドを聴かせる71年4th

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。サード・アルバム『リザード』をリリース後に、ベース・ヴォーカリストGorden HaskellとドラマーAndy McCullochが脱退。1971年に発表された4thアルバム『アイランズ』は、ベース・ヴォーカリストBoz(Boz Burrell)とドラマーIan Wallaceを迎え制作されました。ゲスト・ミュージシャンは、前作『リザード』にも参加のジャズ・ピアニストKeith Tippett、コルネット奏者Mark Charig、オーボエ奏者Robin Millerに加えて、ダブル・ベース奏者Harry Millerと女性オペラ歌手Paulina Lucasが新たに参加しています。本作は、いて座三裂星雲のジャケットが示す通り「静寂」あるいは「静謐」といったワードが相応しい神秘的なサウンドが展開される傑作。KING CRIMSONらしいヘヴィネスが炸裂する『船乗りの話』のような楽曲も収められていますが、全体的にアコースティック楽器に比重が置かれています。Keith Tippettらは言うまでもなく、Harry Millerの浮世離れしたダブル・ベースや、Paulina Lucasの魔術のようなソプラノ・ヴォイスも楽曲に素晴らしいアクセントを加えています。本作を発表後、Peter SinfieldがRobert Frippと対立し解雇、さらに残る3名も音楽性の違いが明確になりKING CRIMSONは解散。Robert Frippは再始動に向けて新たなメンバーを探すことになります。

  • KING CRIMSON / EARTHBOUND

    72年アメリカ公演時のライヴ作、あまりに凶暴な『21世紀のスキッツォイドマン』ライヴテイクは必聴!

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1971年の4thアルバム『アイランズ』を発表後、Peter SinfieldがRobert Frippと対立し解雇され、さらに残る3名もRobert Frippとの音楽性の違いが明確になりKING CRIMSONは解散となりました。1972年に発表された『アースバウンド』は、解散決定後のアメリカ・ツアーの模様を収録したライブ・アルバムであり、KING CRIMSONのディスコグラフィーの中で最も批判的意見の多い作品と言えるでしょう。その最も大きな理由は音質の悪さにありますが、やはり録音状態の良し悪しは作品の評価に直結してしまうため、本作に対する評価は必ずしも高くありません。ただし、発売から半世紀が経過した現在であれば、本作にもKING CRIMSONの歴史上重要な史料的価値があります。ライブ・アルバムとしては必ずしもオススメできる作品とは言い切れませんが、『クリムゾン・キングの宮殿』から『アイランズ』までを聴いた後でこの作品に触れると、KING CRIMSONに関する知識をより深めることができるでしょう。

    • IECP10007

      紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、内袋付仕様、初回プレスのみステッカー付仕様、定価2500+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      帯に紙ジャケに角折れあり

    • IECP10007

      紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、内袋付仕様、初回プレスのみステッカー付仕様、定価2500+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      ステッカー無し

      1000円

      800円
      (税込880円)

      220円お得!


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  • KING CRIMSON / LARKS’ TONGUES IN ASPIC

    フリップ以外のメンバーを一新して制作された73年作5th、圧倒的な緊張感とダイナミズムが支配する大傑作!

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。4thアルバム『アイランズ』を発表後に解散したKING CRIMSONですが、Robert Frippは新たなメンバーを探しKING CRIMSONを再始動。グループの最高傑作と名高い1972年の5thアルバム『太陽と戦慄』を世に送り出しました。メンバーはギタリストRobert Frippに加えて、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Bruford、パーカッション奏者Jamie Muir、ヴァイオリン奏者David Crossという布陣。本作は、確かな技巧を持ったミュージシャンたちによる最高品質の実験音楽作品であり、1曲目の「太陽と戦慄 パートI」と最終曲「太陽と戦慄 パートII」に象徴される、即興演奏を重視したメタリックなプログレッシヴ・ロックの大傑作となっています。また、2つの先鋭的な楽曲に挟まれた中盤の楽曲たちも素晴らしく、John Wettonのヴォーカルが冴えわたる「土曜日の本」や、最初期のKING CRIMSONサウンドが頭をよぎる「放浪者」、 ヘヴィーなギターとスキャットから始まる「イージー・マネー」 、Jamie Muirの話し太鼓(西アフリカの伝統的な太鼓の奏法)を曲名に冠した「トーキング・ドラム」と、どの楽曲も強烈な個性を持っています。ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックを聴くうえで、避けて通れない名盤です。

  • KING CRIMSON / RED

    フリップ、ウェットン、ブルーフォードの三人が尋常ならざる緊張感の中で生み出したクリムゾンを代表する傑作、74年作7th

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。6thアルバム『暗黒の世界』後にヴァイオリン奏者David Crossが脱退。3人体制となったKING CRIMSONは、1974年に7thアルバム『レッド』をリリースしました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Brufordという布陣。ゲストには、ソプラノ・サックス奏者Mel Collins、アルト・サックス奏者Ian Mcdonald、ヴァイオリン奏者David Cross、コルネット奏者Mark Charig、オーボエ奏者Robin Millerという旧メンバーあるいは過去作にもゲスト参加の経験を持つミュージシャンたちが迎えられています。その内容は、アルバムのオープニングを飾る「Red」から破壊的なギター・サウンドとアグレッシヴなリズム・セクションに驚愕する傑作。KING CRIMSON作品の中で最も素晴らしいバラード曲との呼び声も高い「堕落天使」、初期のKING CRIMSONサウンドをヘヴィーに再構築したような「再び赤い悪夢」、インプロヴィゼーションのライブ録音楽曲「神の導き」、抒情的なヴォーカルが印象的な前半部とギターやサックスが暴れまわる後半部から成る長尺曲「スターレス」と、全曲がプログレッシブ・ロック史に残る名曲です。本作のリリースをもって、KING CRIMSONは再び解散することとなりました。裏ジャケットに使われている、レッド・ゾーンに振り切れた音量メーターが、本作の狂暴な音楽性と当時のグループの状況を示唆しています。

  • KING CRIMSON / STARLESS AND BIBLE BLACK

    精緻にしてヴァイオレンス!ライヴ音源とスタジオ音源に巧みな編集を施した74年作7th、クリムゾン史上の難曲「FRACTURE」収録

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。5thアルバム『太陽と戦慄』に続いて1974年にリリースされた6thアルバム『暗黒の世界』は、スタジオ・レコーディングとライブ・レコーディング(73年録音)が混在する変則的な作品となっています。収録曲順に見ていくと、「偉大なる詐欺師」と「人々の嘆き」は完全なスタジオ・レコーディング。「隠し事」はライヴ・レコーディングで、「夜を支配する人」はライヴ・レコーディングの冒頭から途中でスタジオ・レコーディングに切り替わります。「トリオ」はライブ・レコーディングで、「詭弁家」はライブ・レコーディングに後からスタジオ・ヴォーカルをかぶせた楽曲。「暗黒の世界」と「突破口」はライブ・レコーディングとなっています。前作『太陽と戦慄』でパーカッション奏者Jamie Muirが脱退したため、本作のメンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストJohn Wetton、ドラマーBill Bruford、ヴァイオリン奏者David Crossという布陣。内容的には、初期の強烈なKING CRIMSONサウンドに回帰したようなスタジオ楽曲と、インプロヴィゼーションで聴かせるライブ楽曲に分かれています。本作を発表後にDavid Crossが脱退し3人体制となったKING CRIMSONは、次作『レッド』の制作に取り掛かります。

  • KING CRIMSON / USA

    75年リリース、『RED』発表前の爆発的パフォーマンスを収録した名ライブ盤!

    75年発表のライブ・アルバム。「RED」発表前の74年に録音されており、当時のラインナップはRobert Fripp(g)、John Wetton(b、vo)、 Bill Bruford(ds)、David Cross(vln、key)の4人編成。アルバム中3曲でEddie Jobson(vln、key)のパートがダビングされています。鮮やかなヴァイオリンの旋律を切り刻むメタリックなギター・リフ、グイグイとウネリを生み出して暴走するリズム隊。この時期ならではのパワフル且つ緊迫感溢れる即興演奏に終始圧倒されっぱなし。代表的名曲「21st Century Schizoid Man」では原曲のサックス部分をヴァイオリンで再現しており、よりヒステリックな爆発力を楽しむことが出来ます。沸点目掛けて上り詰めるRED期クリムゾンの凄さを体験出来る名ライブ盤。

  • KING CRIMSON / DISCIPLINE

    80sクリムゾンの幕開けを告げた衝撃の81年作!

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1974年に7thアルバム『レッド』を発表し、KING CRIMSONは解散。しかし、ソロ・ミュージシャンとして活動する中でバンドへの意欲が高まったRobert Frippは、ギター・ヴォーカリストAdrian Brew、ベーシストTony Levin、そしてドラマーBill Brufordと共にKING CRIMSONを再結成しました。アメリカ人ミュージシャン2名が加入した新生KING CRIMSONによる1981年の8thアルバム『ディシプリン』は、フリッパートロニクスと称されるギター・シンセサイザー、スティック・ベース、電子ドラムといった新しい楽器が導入され、音楽性も、アフリカン・ミュージック(ポリリズム)の民族色を取り入れたアプローチや、ミニマル・ミュージック、そしてニュー・ウェイヴやディスコ・ミュージックのような流行音楽にまで手を伸ばし新しいKING CRIMSONサウンドを生み出しています。『ディシプリン』はリリース当時こそ音楽性の変化が賛否両論を巻き起こしたものの、現在では『クリムゾン・キングの宮殿』や『太陽と戦慄』と並んでグループの傑作アルバムのひとつと言われる高い評価を受けています。

    • VJCP2308

      ロバート・フリップによる89年リマスター 、ファミリーツリー付き 、定価2233+税

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯有

      若干折れ・若干ケースツメ跡あり、側面部に色褪せあり

    • IECP10041

      紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、初回プレス盤限定ステッカー付仕様、定価2,500+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      帯中央部分に色褪せあり

    • PCCY00668

      ロバート・フリップによる89年リマスター、定価2136+税

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯無

      帯無、黄ばみあり

    • UICE9060

      紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、定価2345+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

    • IEMQ15

      紙ジャケット仕様、MQA-CD(CDプレイヤーで再生可/ハイレゾ再生にはMQA対応プレイヤーが必要)、11年スティーヴン・ウィルソン・ステレオ・ミックス、英文ブックレット封入、定価2800+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      6000円

      4800円
      (税込5280円)

      1320円お得!


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    • KCSP8KING CRIMSON

      40TH ANNIVERSARY SERIES、デジパック・スリップケース付き仕様、2枚組(CD+DVD)、ボーナストラック3曲、DVDはNTSC方式、リージョンフリー

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      スリップケースにスレあり

    • 724381012321/CAR101232CAROLINE

      30th ANNIVERSARY EDITION、HDCD、24bitリマスター

      盤質:傷あり

      状態:良好

  • KING CRIMSON / BEAT

    80sクリムゾン第2弾、82年作

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1981年の8thアルバム『ディシプリン』で再始動したKING CRIMSONは、翌82年に9thアルバム『ビート』を発表しました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ギター・ヴォーカリストAdrian Brew、ベーシストTony Levin、そしてドラマーBill Brufordという布陣であり、KING CRIMSONの歴史上初めて前作と同一メンバーによるスタジオ・アルバムとなりました。本作は、ビートニク(第二次世界大戦後のアメリカで起こったカウンター・カルチャー)の作家であるジャック・ケルアックの作品「路上」に着想を得たアルバム。例えば冒頭の「ニール・アンド・ジャック・アンド・ミー 」はニール・キャシディ(上記「路上」の登場人物のモデルとされる)、ジャック・ケルアック、そして「ミー」がAdrian Brewを指しています。同一メンバーということもあって8thアルバム『ディシプリン』からの流れを汲んだ内容であり、ポリリズムの多用、ミニマルなフレージング、エスニック・ミュージックのテイスト、そしてインプロヴィゼーションなど、前作から継承されたサウンドを聴かせています。ニュー・ウェイブ風のポップな衣装を身にまといつつも、注意深く耳を傾けてみると非常に高度な音楽的アプローチを行っているというのが、この時期のKING CRIMSONの特徴でしょう。

    • IECP50011

      HDCD、デジタル・リマスター、定価1886+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

    • IECP70011

      デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、解説はネット上でダウンロードする形式です、定価1500+税

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯有

      若干ケースツメ跡あり

    • IEMQ16

      紙ジャケット仕様、MQA-CD、スティーヴン・ウィルソン・ステレオ・ミックス、16年版ステレオミックス、ボーナス・トラック3曲、英文ブックレット封入、定価2800+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      5600円

      4480円
      (税込4928円)

      1232円お得!


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  • KING CRIMSON / THREE OF A PERFECT PAIR

    フリップ/ブリュー/レヴィン/ブルーフォードによる80sクリムゾンの最終幕を飾る84年作

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1984年に発表された10thアルバム『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』は、8thアルバム『ディシプリン』と9thアルバム『ビート』と同一メンバーにて制作されました。メンバーは、ギタリストRobert Fripp、ギター・ヴォーカリストAdrian Brew、ベーシストTony Levin、そしてドラマーBill Brufordという布陣。本作は、KING CRIMSONのスタジオ・アルバムの中ではあまり目立たない存在かもしれません。その理由は、契約履行のために作ったアルバムという印象が強いことや、Adrian Brewのポップ・センスに寄せた出来になっていることなどが挙げられるでしょう。確かにアルバム前半には分かりやすいヴォーカル・ナンバーが収録され聴き手を困惑させるかもしれませんが、後半ではKING CRIMSON版インダストリアル・ロックとでも名付けたくなるようなインストゥルメンタルが配置されています。もちろんインプロヴィゼーションもフィーチャーされており、最終楽曲のタイトルは、なんと「太陽と戦慄 パートIII」。Robert Fripp本人も本作に対してはポジティブな感想を持っていないようですが、8thアルバム『ディシプリン』からの一連の流れを知る意味で、チェックしておきたいアルバムでしょう。

  • KING CRIMSON / VROOOM

    90sクリムゾンの第1弾アルバム、94年作

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1980年代に『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』を発表し活動を休止したKING CRIMSONの次なるリリースは、94年のミニアルバム『ヴルーム』。この時期のKING CRIMSONは
    ギタリストRobert FrippとAdrian Brew、ベーシストTrey GunnとTony Levin、ドラマーPat MastelottoとBill Brufordという布陣から「ダブルトリオ期」と呼ばれています。本作は、95年のフル・アルバム『スラック』へのウォーミング・アップのような意味合いの作品であり、事実6曲中4曲がアルバム用にリミックスされ『スラック』にも収録されています。内容は、7thアルバム『レッド』に通じるヘヴィーな楽曲を中心としており、KING CRIMSONの進化はまだまだ続くと確信させられる出来栄えです。

  • KING CRIMSON / THRAK

    10年の沈黙を破り再始動したクリムゾンが放った95年作!

    ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1980年代に『ディシプリン』『ビート』『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』を発表し活動を休止したKING CRIMSONは、94年に久々の新作となるミニアルバム『ヴルーム』を送り出し、翌95年には『ヴルーム』の楽曲を含むフル・アルバム『スラック』を発表しました。この時期のKING CRIMSONはギタリストRobert FrippとAdrian Brew、ベーシストTrey GunnとTony Levin、ドラマーPat MastelottoとBill Brufordという布陣から「ダブルトリオ期」と呼ばれています。内容は、冒頭の「ヴルーム」を聴いただけで7thアルバム『レッド』の衝撃がよみがえるような、強烈なヘヴィー・プログレッシヴ・ロックとなっています。Robert Frippは、新たなKING CRIMSONの音楽性を「ヌーヴォ・メタル (Nuovo Metal)」と標榜しました。

    • UICE9064

      紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、定価2345

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯無

      帯無、側面部に色褪せあり

    • IEMQ18

      廃盤希少!紙ジャケット仕様、MQA-CD(CDプレイヤーで再生可/ハイレゾ再生にはMQA対応プレイヤーが必要)、ジャッコ・ジャクジク&ロバート・フリップ・ステレオ・ミックス、15年版ステレオ・ミックス収録、英文ブックレット封入、定価2800+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      5600円

      4480円
      (税込4928円)

      1232円お得!


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    • IEZP95

      廃盤、紙ジャケット仕様、K2HDHQCD+DVDオーディオの2枚組、デジタル・リマスター、NTSC方式、リージョンフリー、ブックレット付仕様、定価4500+税

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯有

      3400円

      2720円
      (税込2992円)

      748円お得!


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    • KCSP13DGM

      デジパック仕様、スリップケース付き(画像はスリップケースです)、CD+DVDオーディオの2枚組、NTSC方式、リージョンフリー

      盤質:傷あり

      状態:良好

      スリップケースに角潰れあり

  • KING CRIMSON / THRAKATTAK

    95年ツアーのライヴ音源より、インプロヴィゼーション・パートのみを編集した96年作

  • KING CRIMSON / EPITAPH VOLUMES THREE AND FOUR

    97年リリース、歴史的1st『宮殿』製作時のメンバーによる69年のライヴ音源を収録、全15曲

  • KING CRIMSON / COLLECTORS’ KING CRIMSON VOL.1

    DGMコレクターズ・クラブ会員にのみ頒布されたライヴ・ボックス、69/72年のライヴを収録

    • PCCY01394

      3枚組ボックス、ボックスに帯付仕様、各CDはプラケース入り仕様、ボーナス・トラック1曲、48Pブックレット付仕様(英語版・日本語版)、定価6500+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:並

      帯有

      側面部に色褪せあり、ボックス・ブックレットに若干カビあり、その他は状態良好です

  • KING CRIMSON / GREAT DECEIVER 1 LIVE 1973-1974

    73-74年期のライヴ音源、全24曲

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