2020年9月10日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
著名なミュージシャンが歌っていて、てっきり本人のオリジナルだと思っていたら実はカバー曲だったってことがありますよね。
今回はそんな名曲の数々のオリジナル版を収録した作品たちを探求!
有名なカバー・バージョンと聴き比べながらお楽しみください♪
まずは、「キング・オブ・ロックンロール」エルヴィス・プレスリーの初期の代表曲から。女性ブルース・シンガーのビッグ・ママ・ソーントンがオリジナル・シンガーです。強靭な喉から放たれるコクのある歌声が素晴らしいですね~。
シャドウズやデヴィッド・ボウイやゲイリー・ムーアほか数多くのアーティストがカバーを残している名曲ですね。オリジナルは、60年代オーストラリアを代表するビート・ポップ・バンド、イージービーツが66年にリリースしたシングル。イージービーツにはAC/DCのヤング兄弟の長兄ジョージ・ヤングがメンバーとして名を連ねていて、この曲の作曲者の一人としてクレジットされています。コアなプログレ・ファンなら、ルーマニアのバンドPHOENIXが68年の1stアルバムでこの曲をカバーしているのをご存知かもしれません。
ビートルズの名曲「TWO OF US」も実はカバーだった!? ・・・と言っても通常のオリジナルとカバーの関係とはやや事情が異なります。APPLEと契約したNY出身のトリオ・グループMORTIMERのためにポールが書き下ろしたのが、のちに「TWO OF US」として知られる「ON OUR WAY HOME」でした。69年にリリースされる予定だった本曲収録のアルバムは、結局APPLE社内のゴタゴタの煽りを受けて未発表に終わってしまいます。
レッド・ツェッペリンの1stに収録されたヘヴィなブルース・ロック・ナンバー「幻惑されて」。その事実上のオリジナル・バージョンと言えるのが、アメリカのフォーク・ミュージシャン、ジェイク・ホルムズによる同名曲です。聴き比べるとまずカバーで間違いないと思うのですが、歌詞は書き変えられていて、ヤードバーズ時代よりジミー・ペイジはこの曲をオリジナル曲として演奏していました。のちに本曲を巡っては裁判沙汰にまで発展しています。
84年に全米No.1ヒットとなったディスコ・ソングとしての認知度が大きいと思いますが、原曲はロジャー・ディーン・ジャケットが印象的なベーブ・ルースの72年1stに収録。後半インスト・パートのフレーズは誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。なお両バージョンとも実はヴォーカルは同一人物で、女性シンガーのジェニー・ハーンが歌っています。
ロッド・スチュワートの代表曲として人気の高いこの曲も実はカバーです。オリジナルはスコットランドの兄弟デュオSUTHERLAND BROTHERSが72年に発表した2ndアルバムに収録。ロッドのバージョンに負けないドラマチックに盛り上がる展開が感動的な名曲!
ニルソンが歌い7カ国で1位に輝く世界的なヒットを記録したこの曲は、バッドフィンガーのカバー。ポール・マッカートニーをして「音楽史上のキラーソング」と言わしめた一曲です。両バージョンとも、訴えかけるような切ない歌声が胸を打ちます。
ジョージー・フェイムらしい軽やかで洒脱なサウンドが心地よい名曲ですよね。作者は「英国のJimmy Webb」とも称される名コンポーザー/ミュージシャンGary Benson。本人バージョンは、ボサノヴァっぽいリズムで進行する洒落たサウンドはGeorgie版に共通しますが、より躍動感ある管楽器アレンジとメロウかつ伸びやかな歌声が印象的で、思わずウキウキしてきます。こっちのほうが好きかも!
カバーを選ぶ目は厳しいあのカーペンターズが採用した事実も、ビートルズの覆面バンドと噂されただけの実力を持つ彼らなら納得ですね。スペイシーかつシンフォニックなアレンジも含めて原曲とかなり近い雰囲気のカバーに仕上がっています。う~ん名曲。
レア・アースやシュープリームスのヴァージョンでお馴染みのナンバーですが、オリジナルは66年のテンプテーションズによるもの。後にはディスコ・チューンの定番となりましたが、白人ミュージシャンによるカバーも多数。カケレコ的には英バンドSTRIDERのソリッドなハード・ロック・アレンジ版がイチオシ!
70年代英国ロック・シーンにあってハードなシャウトを聴かせる女性シンガー、ジェニー・ハーンの熱唱を前に出した豪快なハード・ロックと、英国らしい陰影や技巧を凝らした知的なアンサンブルが生むプログレッシヴ性が合体した個性的名バンド、ベーブ・ルースの初期3作を収録したボックス。モリコーネやザッパの曲も個性的にカヴァーして多彩な音楽性を見せつけたデビュー作、最もプログレッシヴなセカンド、豪快でストレートなハード・ロック寄りのサードまで、いずれも劣らぬ個性的名盤ぞろい!(レーベル・インフォより)
GavinとIainのSutherland兄弟によるデュオ。ISLANDより72年にリリースされた2nd。ロッド・スチュワートでお馴染みの名曲「Sailling」は実はこのデュオの曲のカヴァーで、原曲は、このアルバムに収録されています。英国的な哀愁いっぱいでグッときっぱなしのデビュー作と同じスタイルのサウンドで、もっさりゆる〜いグルーヴのドラム、柔らかにロールするピアノ、哀愁いっぱいのオルガン、メロディアスなオブリガードに胸が熱くなるギター、そして、二人の郷愁のヴォーカル&コーラス、叙情的なメロディが素晴らしすぎて、オープニング・ナンバーからその魅力全開。ロニー・レインやヘロンの2ndやブリンズリー・シュウォルツやリンディスファーンのファンなら間違いなく泣きそうになっちゃうはず。これぞ英フォーク・ロック!といえる枯れた哀愁にみちた佳曲ぞろいの逸品!「Sailing」のオリジナルVer、泣けるなぁ。マフ・ウインウッドがプロデュースで、その弟のスティーヴ・ウィンウッドもゲスト参加!
英ハード・ロック・グループ、73年作の1st。エッジの立ったキレ味抜群のギター、リズミックで叙情性溢れるピアノ、力強いシャウト・ヴォーカル、コシのあるリズム。これは文句なしに格好良いです。ピアノが美しく響く引きの部分から、左チャンネルにギターがテンション溢れるフレーズで切れ込んでくるのを合図に全パートが一体となって畳みかけ、シャウト・ヴォーカルが仁王立つ。鳥肌ものの格好良さ。圧倒的な存在感です。ハード・ロック・ファン必聴の名作。
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