2017年3月25日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
アメリカのシンガー、カレンダルトン。
一度聴いたら忘れられないその歌声で、現在も多くの人を惹きつけています。
カレンの生きた歴史を振り返ってみますので、どうぞお付き合いください。
1937年に米オクラホマ州で生まれたカレン。アメリカの先住民族であるチェロキー族の血をひいているそう。19世紀、強制移住のため何マイルも「涙の道」を歩かされたというチェロキー族。カレンの歌にそこはかとなく漂う「悲しみ」はその出自からも来ているのかもしれません。
それではまず、チェロキー族の音楽をいくつか。
さてカレンダルトン。
細かな生い立ちはいまだ不明らしいです。50年代後半、フォークリバイバルで沸いていたニューヨークのヴィレニッジ・ヴィレッジで活動をしていて、フレッド・ニールやボブディランもカレンの歌声に魅了されていたそう。
ニューヨークではあまり評価されなかったカレンは、コロラド州に移り住み活動をするように。
この頃のコーヒーハウス「Attic」での音源が『COTTON EYED JOE』として07年に発売されてます。
夫と娘とでコロラドの山小屋に住んでいたようです。『GREEN ROCKY ROAD』『1966』もこの時期のレコーディングです。
ではそちらからいくつか。
間の取り方が絶妙!12弦ギターの響きもいいです。
カレンは原曲を、だいぶゆっくり演奏しています。
素朴な歌唱が胸に沁みます。
「I don’t know where I’m going next」なんて、いかにもカレンが思ってそうですね。
さて、コロラドとニューヨークを行き来して活動をしていたカレン。
(と言っても、かなり遠い距離ですね・・・)
1969年、『It’s So Hard To Tell Who’s Going To Love You The Best』を発表します。
プロデュースはニック・ヴェネット。
2NDを手掛けることになるハーヴェイ・ブルックスがベースで参加しています。
ではアルバムの中からいくつか。
うーん。カレンの歌にずぶずぶと引き込まれてしまいます。
この白昼夢感・・・!
唇がけっこう分厚く、上手くすぼめたりしながら発声してますね。あの独特な声は厚い唇から来ているのかもしれません。
1971年には2nd『IN MY OWN TIME』を発表。
カレンの歌もさることながら、間奏のバイオリンが素晴らしいです。
珍しくアップテンポなカレン。
80年代もコーヒー・ハウスで細々と歌い続けていたようですが、24年前の93年3月、ニューヨークの片隅でひっそりと息を引き取りました。
コマーシャリズムに乗ることなく、カレンはカレンの音楽を歌って、死んでいきました。
カレンのCDジャケットや写真はカメラを直視しているものが無く、歌う時もほとんど目を閉じていたようです。
ライナーノーツやウェブサイトを見ていると、どうやら非常にシャイだったようで、人前で「シンガー」として在ることが難しかったのではないか、と感じます。あくまで憶測ですが。。
何にせよ、こんなにも魂に響く音楽を残したカレン。いつも心に留めておきたいものです。
71年2nd。カレンの素朴で暖かな歌声と、名ミュージシャンによる安定感ある演奏が作り上げた、悠々たる大自然のようなアメリカンフォーク。何といってもカレンの歌が素晴らしい。ボブ・ディランが「ジミー・リードのようにギターを弾き、ビリー・ホリデイのように歌う」とカレンを賞した通りの、厚みがあり暖かな歌声。録音はベアズヴィル・スタジオ。プロデューサーはハーヴェイ・ブルックスで、ギターにエイモス・ギャレットやジョン・ホール、スティールギターにビル・キース、ピアノにジョン・サイモンなど、ウッドストックの錚々たるメンバーが演奏している。
紙ジャケット仕様、07年リマスター採用、ボーナス・トラック7曲、定価2500
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せ・帯に小さい折れあり
アメリカンSSWの第一人者が放った、上質なカヴァー・アルバム72年作!冒頭からファンキーでゴキゲンなブルース・シンガー、WILLIE DIXONのカヴァーからもうノリノリのタイトで力強い歌声を披露!BADFINGERのPETER HAM、歌の相性が絶対合うに決まっているRANDY NEWMAN、JESSE WINCHESTERのカヴァー等々、時に激しく、時に優しい男気に溢れた包容力でもって、表情豊かに歌い綴る彼の歌うたいとしての力量がいかんなく発揮された最上級のカヴァー・アルバム!これはもうカヴァーにしてカヴァーにあらず!一つのあたらしい芸術作品と言えると思います!
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