2016年12月23日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊,中古CDレコメンド
こんにちは、スタッフのユモトです。
先日、コピス吉祥寺の野外ステージで、スティック(Chapman Stick)奏者Toshiaki KanamaruさんとEWI(Electric Wind Instrumental)奏者のdaichiさんのフリー・ライヴを観ました。ジャズやニューエイジ・ミュージックがミックスされたサウンド。冬空の下でも暖かく伝わっていく、ほっこりとした音楽に好感を持ちました。
Toshiaki Kanamaru 『Prime of Life』
この不思議な楽器は形そのままのスティックというものですが、これを目にするようになったのは間違いなくトニー・レヴィンの演奏からでしょう。
トニー・レヴィンが81年に再結成したキング・クリムゾンでこれを弾くのを見たときの驚き。ギターぽいのにベースの音出てるよ。いったいどうやって弾いてるの?
そんなわけで、今回はトニー・レヴィンの参加作品をカケレコ中古棚からピックアップすることにしました。スティックはテーマに至るきっかけということで。
しかしながら、トニー・レヴィンの参加作品はとにかく膨大です。基本的にはクリムゾン、ピーター・ゲイブリエルなどプログレ人脈での仕事が目立ちますが、その立ち位置が定着するまでは、選んでいないのかと訝るほどの様々な『お仕事』をやってきています。
ルー・リード、アリス・クーパー、ジョン・レノン、トム・ウェイツ等々名だたるミュージシャンのアルバムのバックもやれば、誰も知らないような無名のミュージシャンともやる。日本人アーチストでは野口五郎、渡辺美里、山下久美子など歌謡曲・ニューミュージック勢のアルバムでベースを弾いています。
総括するとなると、とても一回では終わりそうもないため、初回の今回はシンガー・ソング・ライターのバッキングをやった仕事限定で並べることにします。
ポール・サイモンのソロ4作目、75年リリース『時の流れに (Still Crazy After All These Years)』でトニー・レヴィンはベースを弾いています。ニューヨークのフュージョン界の手練れプレイヤーを集めて制作された本作はアルバムチャートの1位を獲得。グラミー賞の最優秀アルバム賞と男性ポップ・ボーカル部門の2部門も受賞しました。シングル・カットされた「恋人と別れる50の方法(50 Ways To Leave Your Lover)」も1位を獲得。コンビ解散後、サイモン&ガーファンクル初のリユニオン作として発表された「My Little Town」もヒットしました。
「Still Crazy After All These Years」
そのサイモン&ガーファンクルの片割れ、アート・ガーファンクルの3枚目のソロ・アルバム『(Watermark』にもレヴィンは参加しています。
ジェイムス・テイラー、ポール・サイモンとの共演作「(What a) Wonderful World」以外は、アート・ガーファンクルが敬愛するソングライター、ジミー・ウェッブ(Jimmy Webb)の作品で固めた意欲作です。
ジェームス・テイラーの11作目『変わりゆく人々へ(That’s why I’m here)』でスティックではなく普通にベース・ギターで参加しています。ジョニ・ミッチェル、ドン・ヘンリー、ブレッカー・ブラザーズら多彩なゲストを迎えて制作された落ち着いたサウンドが印象的な作品です。このアルバムをきっかけに、ジェームス・テイラーは精力的な活動を再開させます。
ジェームス・テイラーの実弟であるリヴィングストン・テイラーの3作目にもトニーは参加しています。表題曲はThe Wizard of Ozのカバー。ほかにジョージ・ハリソンの “If I Needed Someone”のカバーも収録されています。レヴィンはジェームス、リヴィングストンの兄弟ケイト・テイラーの作品『Kate Taylor』にも参加しています。
ニューヨーク生まれのピアニスト、SSWであるローラ・ニーロの8作目『愛の営み(Nested)』にも参加しています。試聴曲はベースレスですな。
フォーク・シンガーでソング・ライターのティム・ハーディンの『Bird on a Wire』でもレヴィンはプレイしています。表題曲はレナード・コーエンの有名曲。ほかにも『Georgia on My Mind』をカバーしていたりと、10曲中4曲がカバーで占められています。沁みる!渋すぎ。
細かい紹介ができないほど大量な参加作品数は約500!今後も第2弾、3弾と続けるつもりですのでよろしくお願いします。
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廃盤、紙ジャケット仕様、12年デジタル・リマスター、6種類のカード・内袋付仕様、定価2095+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり
廃盤希少!紙ジャケット仕様、Blu-spec CD、12年デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2095+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
解説に若干インク汚れあり
狂騒と革命の60年代の果て、内省の70年代、即ちシンガー・ソングライターの時代を、静かなアコースティック・ギターを爪弾きながら、高らかに告げた金字塔的大名作。プロデューサーにPeter & GordonのPeter Asher。コンビ解散後はBEATLESのアップル・レーベルで新人発掘の仕事を始め、初めて契約を交わしたのがJamesだったのです。結果としては、7曲目に収録されている「FIRE AND RAIN」のヒットをきっかけに彼を一躍スターダムへと導くのですが。特筆すべきことは彼の作品世界が、ボーイ・ミーツ・ガールでもなく、直接反戦を問うプロテスト・ソングでもなくて、個人の何気ない日々の生活感情を吐露した、個々の内面描写に、その表現欲求を照射していたこと。ごく個人的な感情ほど多くの人々の胸を打つという、新しい形のシンガー・ソングライター像を、優れたギターの表現力を通して描き出していたことが重要なのです。個人心象に長けた歌には、必然的にNYMN(聖歌)のような救済が含まれ、柔らかいカントリーのフレイヴァーを基調にブルース、R&B、黒人霊歌、ブルーグラスといったアメリカン・ルーツ・ミュージックと絡ませながら、巧みなバランス感覚と都会的センスによって息づいています。大切な時間に、そっと耳を傾けたい。そんな一枚です。
前作、「SWEET BABY JAMES」で人気絶頂の最中にリリースされたJTこと、JAMES TAYLORの第3作目。CAROLE KINGとのデュエット曲「YOU’VE GOT A FRIEND」(全米第1位)を含む非常に充実した内容。世間はシンガー・ソングライター・ブームの真っ盛り。前作から更にぐっと落ち着いた雰囲気で、タイトル曲等はとりわけレイドバックしていて脳天気な雰囲気さえ感じられるのは、お百姓になった自分を「MUD SLIDE SLIM」と呼ぶ洒落っ気さがそうさせるのでしょうか。冒頭から幸せに満ち足りたかのような、恋人との生活を謳歌するかのようなその屈託のない明るさがとても魅力的な本作品。それでいて、「HEY MISTER THAT’S ME UPON THE JUKEBOX」等「FIRE AND RAIN」以降の自分の成功を冷静な目で見つめるような曲も。家族を呼んで録音された「HIGHWAY SONG」は白人流ゴスペル・ソング。反戦の世評感情を滲ませた曲がヴェトナム戦争の傷跡を甦らせるかのようでもあり。CAROLE KINGの「SO FAR AWAY」を意識したかのような MITCHELLとのデュエット「LONG AGO AND FAR AWAY」も収録と、ジャケットから醸し出される伊達男ぶりも眩しい、成功の光と影を秘めた大傑作です。
廃盤希少!スリップケース付き仕様、24KゴールドCD、HDCD、シリアルナンバー入り
盤質:無傷/小傷
状態:良好
キャロル・キングやジョニ・ミッチェルとともに60〜70年代のアメリカを代表する女性SSW。68年作の2nd。キャロル・キングに通ずるR&Bやソウルからの影響が色濃い洗練された感覚、そしてジョニ・ミッチェルばりの奔放さや色鮮やかさとを併せ持つスタイルは、ただ一言、孤高。自由自在に転調やテンポ・チェンジを繰り返すソングライティングもまた鮮烈です。68年にこれほどまでに瑞々しくも崇高な作品が生まれていたとは。60年代の米ロック屈指と言える傑作。
Blu-spec CD2、02年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、定価1800+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
若干カビあり
キャロル・キングやジョニ・ミッチェルとともに60〜70年代のアメリカを代表する女性SSW。69年作の3rd。自由奔放で瑞々しい2ndに比べ、オープニングから深遠なサウンドに驚きます。ニューヨークの喧噪がフッと立ち消え、スローモーションのモノクロへと景色が崩れていく中、静かに立ち上がるような静謐なピアノ。重厚かつ凛としたヴォーカル。録音当時、まだ22歳とは思えない、魂をえぐるような底知れる表現力はただただ圧倒的。前作『イーライと13番目の懺悔』と並ぶ代表作であり、60年代の米ロック屈指の傑作。
スリップケース付き、2枚組
盤質:傷あり
状態:良好
1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり、スリップケースに若干汚れあり
紙ジャケット仕様、07年リマスター採用、ボーナス・トラック7曲、定価2500
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せ・帯に小さい折れあり
アメリカンSSWの第一人者が放った、上質なカヴァー・アルバム72年作!冒頭からファンキーでゴキゲンなブルース・シンガー、WILLIE DIXONのカヴァーからもうノリノリのタイトで力強い歌声を披露!BADFINGERのPETER HAM、歌の相性が絶対合うに決まっているRANDY NEWMAN、JESSE WINCHESTERのカヴァー等々、時に激しく、時に優しい男気に溢れた包容力でもって、表情豊かに歌い綴る彼の歌うたいとしての力量がいかんなく発揮された最上級のカヴァー・アルバム!これはもうカヴァーにしてカヴァーにあらず!一つのあたらしい芸術作品と言えると思います!
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