2016年7月29日 | カテゴリー:〇〇ジャケ調査委員会,世界のロック探求ナビ
ジャケット/アートワークに注目してアルバムをピックアップしていくジャケ買いレコメンドのコーナー!
今回は、いかにも夏を感じさせるアートワークが魅力的な作品をカケレコ中古棚よりご紹介してまいりたいと思います☆
夏ジャケを語るならビーチ・ボーイズは外せませんよね!
と言いつつも、サーフボードを抱えて夏全開な初期アルバムは出払っていたので、このややニッチな作品をピックアップ!
カール・アンド・ザ・パッションズとはビーチ・ボーイズがデビュー以前に名乗っていたグループ名だったそうです。
なお深民淳氏が連載するコラム「音楽歳時記」でも取り上げられていますので、そちらも是非お楽しみください☆
シスコ・サイケの重鎮バンドによる69年発表の第3作。深い緑が生い茂る森を描いたジャケットが初夏の香りを放つようですね。名セッション・ピアニストのニッキー・ホプキンスが初参加した作品で、熱量の高いサイケな音像にニッキーの気品高いピアノが素晴らしいアクセントを加えています。名盤!
セクシーに掠れた歌声を特徴とする英国のSSWクリス・レアによるAOR調の86年作。タイトルからもジャケットからも、夏の作品であるのは間違いないのですが、彼のハスキーヴォイスが乗るとどこか夕暮れの浜辺を思わせる哀愁が漂ってくるように思います。マックス・ミドルトンによる少し翳のあるエレピの音色がたまりません。
定番中の定番ですね。夏の夕暮れに佇むホテル・カリフォルニア・・・ではなく名称はビバリーヒルズ・ホテルなのだそう。サウンドのほうは、初夏の爽やかな風を思わせる「New Kid In Town」、夏の日のふとした感傷が滲むような「Wasted Time」、そして夏の終わりにも似た言いようのない哀感を湛えた表題曲まで、夏のあらゆる場面にマッチする名盤と言えるかもしれません。
ヤシの木(かな?)が写っていると、途端に夏感がグッと増しますね。ドラッグ中毒によりミュージシャン生命すら危ぶまれた状態からの劇的なカムバック作で、マイアミの燦々と降り注ぐ陽光を感じさせる生命力に満ちた楽曲が並ぶ大名盤!
日の暮れかかった夏の空を思わせる雄大なジャケットに負けない、オーストラリアの雄大な自然風景がイマジネーション豊かに立ち上ってくるようなサウンドを聴かせる珠玉の名盤。エモーショナルに飛翔するギターも素晴らしいですが、それを支える幻想的なメロトロン・ストリングスもまた絶品~!
最後は、たった4年の活動ながらフュージョン・シーンを代表するまでの存在感を放った名バンドの、まさかの09年再結成作をピックアップ。夕暮れの海を映した雰囲気抜群のジャケットもさることながら、29年前と変わらぬオシャレでメロウで最高に心地よいサウンドを提供してくれます。重鎮ジャズ・シンガーのアル・ジャロウ参加も聴きどころ!
74年にリリースされた、Eric Claptonの今でも根強い人気を誇る、大傑作アルバム。Derek and the Dominos名義で大ヒットを記録した、『いとしのレイラ』から早4年近くの沈黙を破って、制作された久方ぶりのスタジオ作品です。この作品は、Claptonが約3年間のヘロイン中毒を克服し、満を持して人間復帰、ミュージシャン復帰を遂げた、男の人生の節目的アルバムでもあります。レコーディングは、彼がDerek and the Dominos時代の友人Carl Radleに声をかけ、CarlがプロデューサーのTom Dowdと、Claptonが共に心を開き合える親しいミュージシャンたちを集めて制作されました。冒頭の「MOTHERLESS CHILDREN」から疾走するスライド・ギターが心地よく、「Willie And The Hand Jive」の反復リフも温かみのある演奏。マイアミの降り注ぐ陽光に、暗闇から手を伸ばそうと必死で外の世界へ戻ってきた彼の起死回生の、それでいて穏やかで温かみのある大傑作です。全米1位のシングル・ヒットとなった「I Shot The Sheriff」は、Bob Marleyのカバー。「Steady Rollin Man」は、Claptoに大きな影響を与えたブルースマン、Robert Johnsonのカバーです。全曲必聴!
76年度グラミー賞最優秀レコード賞を受賞した、彼らの文句なしの代表傑作、同75年第5作目がこちら。既に74年リリースの『ON THE BOADER』において全米第1位を獲得していた彼らですが、その多大なプレッシャーを押しのけ、J.D.Southerを迎え完成させた今作。それまでのカントリー・テイストは薄れ、よりタイトでヴィヴィットなロック・サウンドを導入しています。それでいて、70年代に入り、次第に産業として体制に取り込まれてゆくロック界を皮肉ったかのような歌詞が印象的な大名曲「HOTEL CALIFORNIA」を筆頭に、「NEW KID IN TOWN」、「THE LAST RESORT」等、Daryl Hallを歌の主人公のイメージとしたかのような内政的で、示唆的な歌の世界が、正に70年代という疲れを見せ始めたロック界の空気感を上手く捉えた作品であるとも言えるでしょう。
デジタル・リマスター、定価1314+税、帯以外の規格番号はWPCR75130
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
軽微なスレあり
紙ジャケット仕様、内袋・リーフレット付き仕様
盤質:全面に多数傷
状態:
盤に目立つキズあり
ヨーロッパ大陸から遠く離れた南半球はオーストラリアから登場したグループによる75年デビュー作。当時若干20歳のMario Milloによる甘く切ないギターは泣きメロを連発し、雄大なオーストラリアの大地を想起させる不自然さの無いバンド・アンサンブルはドライに響き、大陸の朝焼けを想起させる映像的なメロトロン・ストリングスの幻想で魅了する、全てが完璧なランドスケープを描き切った大傑作です。邦題「哀愁の南十字星」というタイトルが全てを象徴するような、緩やかな時の流れを感じるシンフォニック・サウンドであり、プログレッシブ・ロックを語る上で外すことの出来ない名盤です。
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