2016年6月24日 | カテゴリー:スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。
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こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。
「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」は、一般的にはあまり注目を集めることのない作品ながら「実は良い作品なんだけどなぁ、もっと聴かれてほしいなぁ。」とスタッフ佐藤が日頃から感じている、愛して止まない作品たちを取り上げてご紹介していこうというコーナー。
今回取り上げるのは、ビートルズの『ビートルズ・フォー・セール』です。
第20回目となる本連載、今回は天下のビートルズを取り上げてみたいと思います。
スタッフ佐藤にとって初めて海外のロックに触れたのがビートルズだったという話は以前ジョージ・ハリスンを取り上げた際に書いたと思います。オリジナル・アルバムを聴き進めた順番は『アビーロード』→『リボルバー』→『サージェント・ペパーズ』or『マジカル・ミステリー・ツアー』という感じで、中~後期の作品を先に聴いていきました。
初期ビートルズに関しては、『プリーズ・プリーズ・ミー』から『ヘルプ』までの30曲ほどをまとめた権利の怪しいコンピレーションCDが家にあったため、それを一番最初に聴いていて初期のビートルズは大体分かった気になっていたのと、聴いた曲が重複して入っているアルバムを買うのがもったいないという思いがあり、ダブり曲のないアルバムを調べた上で中~後期ビートルズのアルバムを先に集め始めたというわけでした。
当時の自分からすると、リマスターや紙ジャケ化するごとに買い換える現在の自分など想像もできない姿だろうと思いますね。
そんな経緯があって、ちゃんと初期ビートルズを聴くようになったのは中~後期のアーティスト性が強まったビートルズを経た後だったため、そうするとまだロックの入口を覗いた程度にすぎない新参者からすれば、どうにも面白みが感じられなかったのです。
もちろん現在はそういう印象もなくなり、初中後期と分け隔てなく楽しめるようにはなりましたが、やはり聴くとなると自然と『ラバー・ソウル』以降のアルバムから選んでしまう傾向があったりはします。最初に聴いたコンピにおかげで変にバイアスがかかってしまったのは、仕方ないとはいえちょっと残念に思っています。
ただ、そんな初期ビートルズの中で、一枚だけ最初に聴いた時からなぜかずっと気になっていて、今では後期の傑作群と並び好きでたまらないという一枚があります。それが4th『ビートルズ・フォー・セール』。スタッフ佐藤にとっては初期ビートルズの中で一番「グッと来る」一枚なのです。
グッと来るポイントその1がジャケット。なんてことない地味ジャケと言ってしまえばそうなのですが、ここまでの順風満帆を絵に描いたような彼らの活躍ぶりとは裏腹な、言い知れない哀愁が漂っているように思えます。4人の表情からも若干の疲れが見て取れる気がして、そういう部分にも何だか哀愁味を感じさせるんですよね。
グッと来るポイントその2が、そんなジャケットの印象そのままと言えそうなオープニング・ナンバー「ノー・リプライ」。これまで「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」、「イット・ウォント・ビー・ロング」、「ア・ハード・デイズ・ナイト」とノリの良い軽快なナンバーでアルバムをスタートさせていたビートルズが、ここに来てこのメランコリックな失恋ナンバーを頭に持ってきたのはなかなか興味深い変化だと思っています。バンドとしての何か深みのようなものが現れている部分とも捉えられる気がしているのですがどうでしょう。
カバーの多いアルバムという印象もある本作ですが、前作『ア・ハード・デイズ・ナイト』が全曲オリジナルだったためそう感じてしまうというのはあると思います。実際は14曲中6曲でそれ以前の2作『プリーズ・プリーズ・ミー』『ウィズ・ザ・ビートルズ』と同じなんですよね。
本作のカバーの中でたまらなくグッと来るのが「ミスター・ムーンライト」。とにかくこの曲のジョンのヴォーカルが大好きで、一日一回は聴かないと落ち着かない時期があったほど。開始いきなりの「ミスタァァ~、ム~ンラァイト!」で持って行かれちゃいます。今でもビートルズにおけるジョンのヴォーカルでベストワークの一つだと思っています!
月と来れば太陽。ジョン大活躍の「ミスター・ムーンライト」と対を成すようなポールの「アイル・フォロー・ザ・サン」も好きですね~。ポールが得意とする「愛すべき小曲」系の走りと言えるナンバーではないでしょうか。ちなみに、名作として知られるカントリー・ミュージシャンたちによるビートルズ・トリビュート・アルバム「COME TOGETHER」収録、David Ballによるカヴァー・ヴァージョンも同じくらい好きだったりします。
決して派手な作品ではありませんし、本作がビートルズのトップ3とかに入っているという方はそう多くないと思います。
ただ、このそこはかとなく滲み出る「哀愁」とか「陰影」のようなものは前3作にはなかったものだと感じますし、個人的にはここで早くも「アイドル」から「アーティスト」への進化が始まっているように思えるのです。
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24bitデジタル・リマスター、ノーノイズ・テクノロジー、32Pオリジナルブックレット付仕様、解説と歌詞カード付仕様、定価2667+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干黄ばみあり
ボーナスCD付き2枚組、CCCD、24bitデジタル・リマスター、32P英語ブックレット・44P日本語ブックレット付仕様、定価2800
盤質:傷あり
状態:良好
帯無
帯無、1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり
3枚組、三方背ケース付き仕様、特殊ケース・歌詞付き仕様、定価2800+税、全75曲
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯有、帯はスリップケースに貼り付いている仕様です、帯ミシン目に沿って切れ目あり
63年11月リリース。デビュー以後の勢いそのままに、デビュー作からわずか8ヶ月でリリースされた2nd。エネルギーに溢れた「It Won’t Be Long」、ポール屈指の名曲「All My Loving」、ジョンの歌唱が光る「Please Mister Postman」、哀愁のメロディが素晴らしい「Not A Second Time」など、名曲・佳曲てんこ盛り!「You Really Got A Hold On Me」「Devil In My Heart」などカバー曲も絶妙なスパイスに。
64年12月4日に発表された、BEATLESのオリジナル・アルバム、第4作目。今作は作詞者としてのLennon-McCartney(JohnとPaulの共同クレジット)のターニング・ポイントとなった作品でもあり、「I’M A LOSER」はJohnがBob Dylanの影響を初めて認めた曲でした。大部分のアルバム制作は、イギリスでの演奏のオフの合間を縫って行われ、アルバムのレコーディング・セッションの大半は9月29日からわずか3週間で完了させたと言います。いかに多作のLennon-McCartney作曲チームでも、クリスマスに間に合うように、自分たちの新曲だけでアルバムを作ることは出来ず、アルバム用の数曲をカバー録音に頼ることに。アルバムには6曲のカバーが入っており、これは彼らの初期の2枚のアルバムと同じ構成でした。とは言え、彼等が初期のアイドルからの脱皮の始まりを感じさせる過渡期的なアルバムであり、George Martinのアレンジも前作「A HARD DAY’S NIGHT」の一発取りの雰囲気に比べて、かなり凝った作りになって来ています。
65年作。ジャケットから受けるイメージ通りの、陰影のあるメロディに溢れた、しっとりとした楽曲が印象的な作品。「NORWEGIAN WOOD」、「MICHELLE」、「IN MY LIFE」の格調高い美しさは絶品の一言。「DRIVE MY CAR」、「YOU WON’T SEE ME」、「NOWHERE MAN」、「RUN FOR YOUR LIFE」など、アコースティカルな中にもバンドのダイナミズムが詰め込まれたフォーク・ロックもまた素晴らしい。シニカルな雰囲気のあるジョージの楽曲も際立っていて、「THINK FOR YOURSELF」「IF I NEEDED SOMEONE」はアルバムを彩り豊かにしています。落ち着きたいときは「RUBBER SOUL」、アッパーな気分の時は「REVOLVER」。そんなイメージで、この2作品を対で考えています。どちらもビートルズのメロディ・メーカーとして頂点を極めた名作。
67年作。同名映画のサントラとして作られたアルバムですが、あなどるなかれ。ポップ・アルバムとして、名作「REVOLVER」に引けを取らない完成度。ポール作の「THE FOOL ON THE HILL」「HELLO GOODBYE」「PENNY LANE」、ジョン作の「I AM THE WALRUS」「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」「ALL YOU NEED IS LOVE」など、名曲がずらりと並んでいて、ベスト盤みたいにワクワクと楽しめる作品。それにしてもポールとジョンのメロディ・メーカーとして才能。凄いです。
初回限定3ツ折パッケージ仕様、09年デジタル・リマスター、初回限定CD-EXTRA付
盤質:傷あり
状態:並
ブックレット中央のホチキス外れあり(ページがないようです)、ブックレットの端にホチキス跡あり
67年作。架空のバンドのショウというコンセプトで制作されたロック史上初のコンセプト・アルバム。ジャケットのイメージ通りのカラフルなサウンドは英国中に広がり、60年代後半を華やかに彩った英サイケ・ポップ・ムーブメントへと発展。ロックが真に芸術へと到達した金字塔。
88年規格、黒帯一体型スリップケース・カラー・ブックレット付き仕様、税抜定価2920
盤質:傷あり
状態:並
帯有
若干カビあり、色褪せあり
68年作。ロック、ポップス、ブルース、フォーク、クラシック、前衛音楽、インド音楽、これらすべてを呑み込み、彼ら一流の音楽センスで咀嚼し、異なるジャンルがぶつかり合う化学反応そのままに一気にぶちまけた、才気みなぎる大傑作。洗練された前作「Sgt.Pepper’s 〜」の反動からか、音を整理することなく、それぞれのメンバーのアンテナが向かうままに、剥き出しの音が鳴らされています。アルバム全体の統一感こそ薄いですが、1曲1曲はかなり尖っています。あのビートルズの、あのメンバー達の「アンテナ」が閉じこめられてるんですから、そりゃ、半端ではなくエネルギッシュ。
デジパック仕様、3枚組、SHM-CD、ジャイルズ・マーティンによる18年ステレオ・ミックス、イーシャー・デモ27曲収録、定価3600+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
「GET BACK」セッションが空中分解し、バラバラになってしまったビートルズ。「昔のように結束して作ろう」というポールの呼びかけに応じ、メンバーみんなが「ビートルズ最後」を意識しながら録音された悲壮感溢れる傑作。特筆すべきは、B面のメドレー。数々の音の断片が、時にダイナミックに、時に優雅につながり、最後まで流れるように聴かせています。ビートルズ最後で最高の名演と言えるでしょう。昔、このメドレーのギターをコピーしたことがありますが、楽曲の彩り豊かさからは想像できないシンプルなフレーズに驚きました。各フレーズはシンプルに洗練されつつも、バンドになると輝きが倍増する。やはり唯一無比のグループです。シングル曲で構成されたA面も見事。特にジョージの2曲、「SOMETHING」「HERE COMES THE SUN」は、彼の生涯でもベストと言える名曲。
帯無し、発売直後に回収された超希少盤、東芝盤(CBS/SONY刻印なし)、ディスク内周に「17A1」表記あり、定価3500
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯無
帯無
直輸入盤、帯付き仕様、デジパック仕様、2枚組、解説元からなし、定価2300+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
1枚は無傷〜傷少なめ
直輸入盤(帯・解説付仕様)、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック8曲、定価2000+税、全11曲
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
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