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プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 2016@日比谷野音(5/22) ライヴレポート

こんにちは、カケハシ・レコードの佐藤です。

5月22日(日)に日比谷野外音楽堂にて開催された「PROGRESSIVE ROCK FESTIVAL 2016」に行ってまいりました!

今年の参加バンドは、3年ぶり7回目の来日公演となったスティーヴ・ハケット、16年ぶり6度目のキャメル、そして日本のバンド原始神母という3組。

何と言ってもスティーヴ・ハケットとアンディ・ラティマーという英国プログレを代表するギタリスト2人の演奏を一度に聴くことができるこの贅沢さ。特にキャメルは00年以来の来日ということで、初の生キャメルを大変楽しみにしておりました。

ライヴ日和と言えそうな気持ちのいい晴れの天気となった22日、16時開演ということもありまだ日差しの強い中でフェスが開始します。
開演時間10分前くらいに会場に入ると、早くも幾度となく聴いたことのある曲が演奏されています。これはピンク・フロイドの「One Of These Days(吹けよ風、呼べよ嵐)」です!

フェスの1組目を務めたのが、レベッカのオリジナル・ギタリストで元レッド・ウォリアーズとしても知られる木暮shake武彦氏が率いるフロイド・トリビュート・バンド、その名も「原始神母」!

ギュワァァ~ンと風を切り裂くようなあのギルモアのギタープレイを見事なまでに再現するshake氏。まさに嵐が吹きすさぶがごとくの轟々と鳴り響く演奏に、のっけから圧倒されました~!

「Set the Controls for the Heart of the Sun」に続き、切ないピアノの旋律に導かれて名曲「Cymbaline」がスタートします。shake氏とはカジノ・ドライヴで活動を共にしたアメリカ出身シンガー、ケネス・アンドリュー氏の叙情的な歌声が本当に素晴らしくて、会場中が聴き入ります。フロイドのオリジナル・バージョンよりもグッと厚みのあるサウンドでドラマティックに盛り立てていく演奏に感動。個人的に大好きな曲だけに、早くもちょっと泣きそうになってしまいました・・・。

目覚まし時計のけたたましいSEが響き渡ると「Time」に突入!shakeさんによる入魂のギターソロ、間違いなくギルモアが宿っていました。
そして続く「Great Gig In The Sky(虚空のスキャット)」がまたとんでもなく素晴らしい!Clare Torryによるオリジナルのスキャット・パートを女性シンガーのお二人が完全再現。鳥肌が立つくらいの豊かな声量で歌い上げます。オリジナルでのソウル・フレイヴァーの香るスキャットに対して、オペラやクラシックの素養をより強く感じさせる声質だったのですが、これがまたイイ!独特の崇高さのようなものが漂っていましたね。

最後はバンド名にも象徴される大曲「Atom Heart Mother」を演奏。SEや中盤の呪文のようなヴォーカルも完璧で、再現度がとにかく高い!
ここでもshake氏によるブルースフィーリングたっぷりのソロに酔いしれます。まさに「ギターに歌わせる」ようなプレイでした。

フロイドの代表曲をたっぷりと披露してステージを後にした原始神母。びっくりするくらいの再現度で、そのクオリティたるや往年のフロイド自身でもライヴでここまでの再現性で演奏できただろうかと思うくらい。彼らについては前情報はほとんど入れずに来たのですが、思いがけず素晴らしいステージを体験することができました!10月にはアルバム『狂気』の全曲ライヴを行うということですので、フロイド・ファンの皆様は原始神母、要注目ですよ~!


続いては、スティーヴ・ハケットのステージ!
前回13年の来日時に見た時も、プレイはもちろん見た目も63歳とは思えない若々しさだったのが衝撃的でしたが、あれから3年が経った今もなお66歳の人物には見えない出で立ち。相変わらず衰えなど一切感じさせません。

ステージ向かって右側に目をやると、ハケット・バンドのベーシスト、ニック・ベッグスの姿が!ブロンドの長髪をなびかせキルトを身につけたあの目立つ姿は見間違えようがありません。ご存知カジャ=グーグーのメンバーとして一世を風靡、以後はアイオナやスティーヴン・ウィルソン、そして00年代以降のハケット作品などでその手腕を振るうベテランです。左側にはお馴染みのサックス奏者ロブ・タウンゼントの姿もあります。

冒頭は、15年リリースの最新作『Wolflight』からのナンバー数曲を披露。演奏・構成ともに尖ったヘヴィなプログレッシヴ・チューン「Wolflight」、12絃ギターの綺羅びやかな音色が心地よい透明感溢れるバラード「Loving Sea」など、フレッシュな感性に満ちた楽曲に、まだまだ現役を強く感じさせます。流れるように優雅なタッチでソロを弾くハケットのカッコいいこと!3年前に感動を味わわせてくれた彼をこうして再び見ることができた喜びを噛みしめます。

ソロからは他に、「A Tower Struck Down」~「Shadow of the Hierophant」を披露。終盤のヴォリューム奏法を巧みに使ってデリケートに紡ぎ出される音色はこれぞスティーヴ・ハケット。

そして後半はいよいよジェネシス・ナンバーを演奏!13年来日の際にも素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれたナッド・シルヴァンがステージに登場すると大きな歓声が沸き起こります。

「Cinema Show」が始まると、ナッド・シルヴァンがピーター・ガブリエル特有の少し粘りのあるあの歌声を見事に再現。第一声を聴いた時点で、やはりジェネシスを歌うなら彼しかいないと改めて痛感します。英国的な気品たっぷりのギターとオルガンが交感し演奏が深みを増していくと、緑豊かな日比谷公園が英国の神秘的な森へと早変わり。場の空気を変えるだけの世界観がやはりジェネシスの楽曲には宿っていると強く実感されます。

曲後半のスリリングなインストパートも文句のつけようのない素晴らしさ!中でもトニー・バンクスのプレイを再現するロジャー・キングの鮮やかなキーボードさばきが特筆でした~。ゲイリー・オトゥールのダイナミックなドラミングもカッコ良かったですね。最後はアルバム通りに再びナッドが登場して切なく歌い上げる「Aisle Of Plenty」で締め。初期ジェネシスでも個人的TOP3に入るナンバーなだけに、原曲に忠実なパフォーマンスに大大興奮でした!

他にも「The Lamb Lies Down On Broadway」や「Can-Utility And The Coastliners」など初期の代表曲の数々を演奏してくれましたよ!「Can-Utility~」終盤の派手なベースパートでは、ニックが超絶プレイでばっちり決めてくれて最高でした!ニック、あなたカッコ良すぎですっ!あんなにキルト姿が様になるミュージシャンは他にいないでしょう。(BCRくらい?)

「Dance On A Volcano」では、今度はフィル・コリンズそのものの甲高くソフトな声で歌い出すナッド。このピーガブとフィルのヴォーカルを巧みに歌い分ける技術こそナッド・シルヴァンの真骨頂。彼の存在があってこそ観る側はジェネシスの世界にどっぷりと浸って楽しめるんですよね。多くのプログレファンが愛してやまない初期ジェネシスの楽曲を、ヴォーカルを含めたこの再現度で今味わえるというのは、本当に幸せなことです。

最後の「Firth Of Fifth」も泣けましたね~。オリジナルでのキーボード・パートの多くがサックスで演奏されるのがハケット版の特徴ですが、ロブの叙情的なサックスのプレイはただでさえ泣けるこの曲をさらに泣かせてきます。そして満を持してのハケットのギターソロ!思いのたけを全て乗せて紡ぎ出される泣きのフレーズの連続に、ここはもう涙せずにはいられません。

最後の最後に一番の泣かせどころを持ってくるとは憎い限りです。

会場はもちろんオールスタンディングの大歓声!いやはや3年ぶりの生ハケットでしたが、やはりレジェンドでしたね…。第一線のミュージシャンが放つオーラのようなものがしっかりと感じ取れたように思います。選曲も『Genesis Revisited II』では聴けないナンバーが多く、その辺も嬉しかったですね。堪能いたしました!


宵の口といったあたりで、いよいよトリを務めるキャメルのステージが幕を開けます。

一曲目は、デビュー作収録の「Never Let Go」。オリジナルに比べてもかなり力強いアレンジで突き進む演奏に圧倒されます。そして曲終盤、ついにラティマーのギターソロが炸裂!天を衝くように力強く淀みのないギターはこれぞラティマー!とガッツポーズしたくなる素晴らしさ。ギターサウンドの迫力は70年代よりもはるかに増していて、この時点で感動がこみ上げてきます。

初期キャメルでも特に好きな、『Moonmadness』収録「Song Within A Song」もやってくれて嬉しかったな~。ラティマーはフルートを操り、キャメルらしい透明感と叙情美を加えます。そしてパッションみなぎるギタープレイもとても印象的でした。特にこの曲でのラティマーのプレイは繊細でメロディアスというイメージだったのですが、そのプレイを生で聴くとサンタナあたりにも通じる魂のこもった力強さのようなものがひしひしと感じられました。

『Snow Goose』からは可憐にしてスリリングな「Rhayader」~「Rhayader Goes To Town」をプレイ。フルートが主導する印象的なリフレインを経て優美なるファンタジーが幕を開けます。流麗なキーボードソロが聴きモノの「Rhayader」、そしてブルージーなギターソロを中心とする「Rhayader Goes To Town」、ラティマーのルーツでもあるブルースフィーリングに溢れたソロもやはり抜群に冴えわたっていました!

他にも、コリン・バースが切なく歌い上げる「Spirit Of The Water」やラティマーの叙情溢れるギターが涙を誘う「Ice」など、名曲が目白押しでいつまでも感動が収まりません。

そしてアンコール前の最終曲、アラン・パーソンズ・プロジェクトやキャメルのサポートメンバーとして活動し昨年惜しくも亡くなったSSWクリス・レインボウへ捧げる曲として、彼がヴォーカルで参加したナンバー「Long Goodbye」をプレイ。この一連の流れでもう涙が出てきそうでしたね。これが格別に美しいメロディのバラードなんですよね~。

演奏後はもちろんこちらもオールスタンディングの拍手喝采に包まれます。アンコールに応えステージに再登場し鳴り響くのが、あのけたたましいシンセの音!これは名曲「Lady Fantasy」!おお~っ!と会場にどよめきが起こります。およそ13分にわたる熱演、しっかり堪能いたしました!

いや~キャメル圧巻でした…。13年にはスノーグースのリメイクなどをリリースしていて健在なのは知っていましたが、16年ぶりの来日であることやラティマーの体調のことなども含め、どういうステージになるのか想像できない部分もあったのですが、そういったことをすべて払拭してくれるような、最高に素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれたと思います!


まるでキャメルとジェネシスとフロイドが一つのフェスでやっているかのような(半分くらいは本当にそうなのですが)、これぞリアル・プログレ三昧!と言いたくなる濃密で素晴らしいフェスでした!

STEVE HACKETTの在庫

  • STEVE HACKETT / SOMEWHERE IN SOUTH AMERICA…LIVE IN BUENOS AIRES(DVD)

    99年作『ダークタウン』発表後のツアー、01年ブエノスアイレス公演

  • STEVE HACKETT / LIVE ARCHIVE NEARFEST

    02年アメリカ公演を収録、ジェネシス・ナンバーを含む全22曲

  • STEVE HACKETT / ONCE ABOVE A TIME

    04年ブダペスト公演の映像を収録、全20曲

  • STEVE HACKETT / LIVE ARCHIVE 05

    05年ライヴ作、全33曲

  • STEVE HACKETT / LIVE RAILS

    2009-2010年の欧州ツアーを収録した11年作

  • STEVE HACKETT / WUTHERING NIGHTS: LIVE IN BIRMINGHAM

    17年5月1日の英バーミンガム公演を収録

  • STEVE HACKETT / UNDER A MEDITERRANEAN SKY

    21年作

  • STEVE HACKETT / VOYAGE OF THE ACOLYTE

    ジェネシス在籍中にリリースされた75年1stソロ、初期ジェネシスの幻想的なパートだけを抽出したような珠玉のシンフォニック・ロック名作

    英国プログレッシブ・ロックを代表するバンドGENESISの全盛期を支えたギタリストによる、GENESIS在籍中の75年ソロ・デビュー作。本家のGENESISはちょうど代表作である「幻惑のブロードウェイ」を発表した時期であり、Phil CollinsやMike Rutherfordのサポートを受け、Peter Gabrielに採用させることのなかったSteve Hackettの求めたGENESISの音が詰め込まれた傑作といえます。またGENESISを想起させるばかりではなく、最初期のKING CRIMSONにも通じるような荘厳なメロトロンの使用、Sally Oldfieldのソプラノ・ボーカルなどが豊かなバリエーションを描き、彼独自のシンフォニックな音像を形成しています。

  • STEVE HACKETT / HIGHLY STRUNG

    スリリングに白熱するバンド演奏が魅力の83年作

    アメリカのマーケットを意識した作風だった前作から、再び彼本来の英国らしい気品とリリシズムが溢れるサウンドへと回帰した83年作。前作のパートナー、ニック・マグナスに加え、ダリル・ウェイズ・ウルフやマリリオンでの活動で知られるイアン・モズレーがドラムを担当しており、アンサンブルにダイナミズムに進化。それに触発されるように全編でエネルギッシュなプレイを炸裂させるハケットのギターも出色です。ずばり名作!

    • VJCP68801

      紙ジャケット仕様、ボーナス・トラック3曲、07年デジタル・リマスター、定価2600

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯有

      紙ジャケに若干折れあり

  • STEVE HACKETT / TILL WE HAVE FACES

    ブラジリアン・テイストを取り込んだ84年の異色作

    84年発表の第8作目。初のクラシック・ギター作品である83年作『BAY OF KINGS』と、スティーヴ・ハウとのバンドGTRでの活動の間に位置する作品。本作の特徴がブラジリアン・リズムを大胆に取り入れたサウンドで、その意味で彼の作品の中でもとりわけ個性的な一枚と言えます。ラテン音楽の華やかで軽快なサウンドを基調に、R&B調のナンバーから、ジャズ/フュージョン・タッチのナンバーまで、そのすべてに表情豊かなプレイを乗せていくハケットの卓越したギターがやはり出色。異色作ながら、ハケットの個性的なギタープレイの魅力が存分に発揮された好作品です。

  • STEVE HACKETT / BLUES WITH A FEELING

    異色のブルース・アルバム、94年作

    言わずと知れたジェネシスのギタリスト。ブルースに真っ向から挑んだ94年の異色作。オープニングを飾る「Born In Chicago」からエネルギー全開で、雄弁なギターはもちろん、自身が奏でるブルース・ハープのなんと巧みなこと!円熟味のあるヴォーカルも魅力的です。クラプトンの出世作であるジョン・メイオールズ・ブルースブレイカーズの65年作を彷彿させる熱気むんむんのブルース・カヴァーをはじめ、英国的な陰影と叙情も織り交ぜたオリジナル・ナンバーなど、どの曲も伸びやかな演奏が良い感じです。ジェネシスで聴ける繊細なタッチとは別のスティーヴの魅力が堪能できる一枚です。

  • STEVE HACKETT / TOKYO TAPES LIVE IN JAPAN

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CAMELの在庫

  • CAMEL / LIVE IN CONCERT LONDON 77

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  • CAMEL / MOONMADNESS

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    Andrew Latimerを中心にファンタジックなアプローチでプログレッシブ・ロックの重要バンドに位置づけられるイギリスのバンドの76年4th。前作「スノー・グース」と並んでファンタジックなCAMELの音楽性をダイレクトに伝える作品であり、Andrew Latimerの消え入るような儚げなフルート、Peter Bardensの堅実かつ時に奔放なキーボードの妙技、そして軽やかに変拍子を紡ぐリズムセクションのトータル感で聞かせます。シンフォニックに、そしてジャジーに、肌触りの良いマイルドさを持った傑作であり、ゆったりと身を任せられるような自然なサウンドが一貫して個性的な1枚です。

  • CAMEL / RAIN DANCES

    リチャード・シンクレア、メル・コリンズが参加した77年リリース5th

    英国出身、Peter bardens、Andy Latimerを擁するファンタジックなプログレッシヴ・ロック・グループによる77年作5th。本作よりベーシストRichard Sinclair、サックス奏者Mel Collinsの二人が参加しています。特にRichard Sinclairはヴォーカリストとしても貢献していて、その甘く繊細な歌声はCAMELの世界観と見事にマッチ。親しみやすいメロディが際立つ一方、インスト面ではよりジャジーな方向へと音楽性をシフトしています。表情豊かで柔らかな音色を奏でるサックス、変幻自在に躍動するベース・ラインが、透明感溢れるキーボード・サウンドに溶け込んだジャジーなアンサンブルを奏でており、甘いヴォーカルと伸びやかなギターは叙情的なメロディを謳い上げます。「Elke」ではBrian Enoがムーグ・シンセで参加、アンビエント要素を加えてより神秘的なCAMELを聴くことが出来るなど、聴き所は多数。次作『BREATHLESS』と本作でしか聴けない貴重な6人編成、『SNOW GOOSE』など代表作を聴いた方におすすめしたい一枚です。

  • CAMEL / BREATHLESS

    元キャラヴァンのメンバーが多く在籍した「キャラメル」期の名作、78年7th

    英国叙情派プログレを代表するバンドによる78年作。CAMELらしい叙情的なサウンドと、元CARAVANのリチャード・シンクレアによるカンタベリー・ロックを彷彿させるノーブルなヴォーカルの組み合わせが素晴らしい、CAMELとCARAVANの美味しいとこ取り的な名作!

  • CAMEL / I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE

    敏腕ルパート・ハインがプロデュースを手掛けた79年作、新加入した元HAPPY THE MANのKit Watkinsによるスペイシーなシンセワークが冴える傑作!

    キーボードにキット・ワトキンス(元ハッピー・ザ・マン)を加え、更にサウンドの幅を広げた第三期キャメルの傑作アルバム。79年作品。

  • CAMEL / NUDE

    81年リリース、小野田少尉の実話を基にしたコンセプト・アルバム

    第二次世界大戦後、南方の島に取り残された一兵士(小野田寛郎氏/ヌードとはオノダのもじり)の実話を音楽化。人間味に溢れたドラマティックなサウンド・ストーリー。81年作。

  • CAMEL / SINGLE FACTOR

    80年代に相応しいポップな作風の82年作、アンソニー・フィリップスがゲスト参加

    アンディ・ラティマー(g)のヴォーカル・ナンバーを中心に、80年代に相応しいポップなサウンドを収録。82年作。

  • CAMEL / STATIONARY TRAVELLER

    東西分割時代のベルリン市民たちに焦点を当てたシリアスな作風の84年作

    東西分割時代のベルリンの人々をテーマにしたシリアスな内容のアルバム。内省的な彼らの美学が光る。1991年に復活アルバムをリリースする以前のラスト・スタジオ・アルバム。1984年作品。

  • CAMEL / COLLECTION

    86年リリースのベスト盤

  • CAMEL / NEVER LET GO

    結成20周年記念で行なわれた92年ワールド・ツアーを収録したライヴ盤、全28曲

    傑作「ダスト・アンド・ドリームス」の完全再現を含む、キャメルによるライヴ・アルバムの最高峰。スタジオ盤より遥かにダイナミックな「エコーズ」他選曲良し、演奏良しの充実作!

    • PCCY00443

      セパレート2枚組、プラ製スリップケース付仕様、帯1枚付仕様、定価3689+税

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯有

      盤に若干曇りあり、カビあり、帯中央部分に色褪せあり、スリップケースついていません

  • CAMEL / ON THE ROAD 1981

    81年のBBCライヴ音源、同年リリース作『NUDE』の再現を含む全13曲

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    97年ワールドツアーの模様を収録したライヴ盤、全28曲

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