2015年11月6日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
言わずと知れた名曲からあまりスポットの当たらない隠れた逸曲まで、毎回1曲を取り上げてご紹介していくこのコーナー「プログレ今日の一曲!」。
今回は、70年代初頭のブリティッシュ・ロック隆盛を支えた、フォノグラム傘下ヴァーティゴ・レーベルを代表するバンドの一つ、クレシダの71年作2nd『ASYLUM』より、ハイライトと言うべき大作ナンバー「MUNICH」をヒップアップ☆
英国叙情溢れるヴォーカルパート、緊張感みなぎる白熱のインストパート、そして劇的なエンディングへと、圧巻の構築性を誇る大作。中心となるのが、クラシックの確かな素養を感じさせる気品高いプレイからテクニカルで攻撃的なプレイまで自在な活躍を見せるハモンド・オルガン。ジェントルに歌い上げるヴォーカルパートでは、優雅に流れるストリングスとともにゆったりとたなびくような叙情味溢れるプレイでヴォーカルに寄り添います。一転インストパートへと突入すると、エモーショナルな泣きのギターに応ずる、テクニカルで派手なソロプレイを披露。終盤はハモンドによる印象深いクラシカル・フレーズを合図に、ヴォーカルも伴ったダイナミックな全体演奏へとなだれ込み、一気にエンディングまで駆け抜けます。パートごとの巧みなリズムチェンジでアンサンブルを支えるリズム隊の仕事も特筆です。ずばりハモンド・オルガンを堪能するならこの曲、と言いたい名曲!
VERTIGOレーベル発のブリティッシュ・ロックを代表するグループの71年作2nd。KEEFの手によるジャケットアートがよく知られているその内容は、前作のポップ・センスはそのままに、より起伏に富んだアンサンブルで聴かせる作品であり、英国然としたジェントルな気品に満ちた質感と湿り気が特徴的な名作です。コロコロと転がっていくクラシカルなオルガン・ワークを中心にした渋いアンサンブルを放っており、また、ブルージーに泣くギターや所々でドラマチックに楽曲を彩るストリングス・セクション、ブラス・セクションも素晴らしく、英国ロックの奥深さと味わいを伝えています。
英国オルガン・ロックを代表するグループがVERTIGOレーベルより70年と71年にリリースした1st&2ndをカップリングした2枚組CD。叙情性溢れるメロディーと憂いのあるオルガン、クラシックやジャズの要素を取り入れたプログレッシヴなアンサンブルというスタイルがいかにもブリティッシュ・ロックと言える1st。1stに比べて、演奏、アレンジとも磨きがかかり、美しいメロディーとドラマティックなアレンジが絶妙に絡んだサウンドが圧倒的な完成度を誇る2nd。どちらの作品も英国ロックを語る上では欠かせない名作です。2ndの2曲目「Munich」は、クラシック、ジャズ、ロックを剥き出しのままぶつけたようなテンション溢れるサウンドが絶品で、緩急自在の曲構成が秀逸な出色の名曲。
盤質:傷あり
状態:良好
スリップケースに軽微なスレ・軽微な圧痕あり
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!