2014年11月11日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
土曜日から喉が痛みだし、咳と鼻水とともに昨日は微熱。
熱は下がったので、スタッフにうつさないように、マスク着用でブログを書いております。
せっかくの芸術の秋、音楽の秋ですから、みなさまもお体ご自愛ください。
といっても、熱が出ると仕事ができないのは困るのですが、寝てる分には、音楽三昧で我ら音楽ファンは退屈することはないんですけどね^^。
ということで、昨日入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
プログレ、ロック、ジャズ・ロック、サイケ、ハード・ロック、フォークなどジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいります。
一枚目は、昨日入荷したユーロ・ロック注目の最新リイシュー盤からまいりましょう!
これはフランス印象派サイケ・ポップと言えそう!?
初期ピンク・フロイドからの影響とともに、ドビュッシーやバッハなどクラシックの要素を練り込んだ愛すべきサウンドを奏でるフランス東北部はモンベリアル出身のグループ。72年唯一作。
フランスの片田舎らしい、神聖ローマ帝国の伯領時代の面影が残るような、気品と優美さに包まれた愛らしい名品です。
この作品をリイシューしたドイツのO-MUSICからは他に3タイトルがリイシュー。こちらの記事でピックアップしております。試聴できますので、是非、ご覧ください。
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ドイツのリイシューレーベルO-MUSICより、ニッチ&ディープなユーロ・ロックの新譜が4枚届きましたので、ピックアップいたしましょう。
世界各国の新鋭プログレを5枚、ピックアップいたしましょう。
まずはロシアから。
近年のロシアからは続々とプログレ新鋭の好グループが登場しておりますが、その筆頭格と言えるのがLITTLE TRAGEDIES。
14年の最新作は相変わらず人気で、よく売れております。
EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まる「動」のパートと、対照的にエニドばりにクラシカルでロマンティックな「静」のパートの鮮やかな対比。
ロシア新鋭屈指のグループによる渾身の2014年大傑作!
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あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院出身で、作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された、90年代以降のロシア・プログレを牽引するグループ、LITTLE TRAGEDIESを特集!
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LITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDを双頭に、豊かなクラシック音楽の土壌に根ざしたダイナミックかつ格調高いプログレ・グループが続々と登場しているロシアのプログレ新鋭シーンを特集!
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クラシカルな美旋律に彩られたドラマティックなキーボード・プログレをピックアップ!往年の名作から90年代以降の新鋭作品までセレクトいたしましたよ~。
YESを受け継ぐスケール感いっぱいのファンタスティックさとポスト・ロック的音響感覚が出会ったような米新鋭だって!?
エモーショナルにたゆたうパートから、キメの細かいテクニカルパートまでを流れるように紡ぐ快作!
ハンガリーの人気の新鋭グループによる2016年作ですが、MUSEA盤がソールドアウトで長らく入手困難でしたが、新装ジャケにて目立たく再発されました!
たおやかなアコギをバックにフルートがリリカルに舞い、溢れんばかりにメロトロンが鳴らされる!極めつけは、美声の女性ヴォーカル!
ファンタスティックなシンフォニック・ロックとして一級品の傑作!
英国から登場したカケレコおすすめのバンドがこちら!
スタックリッジ meets カンタベリーな新鋭がイギリスから登場!
この2014年作、ニッチ・ポップとカンタベリー・ミュージックのファンならド直球ですよ~。
パット・メセニーや北欧のロイネ・ストルトに比肩する色彩感覚と映像喚起力を持ったギタリストをなんとインドネシアで発見!
カンタベリーのファンも一聴是非!
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NHK-FMの『プログレ三昧』でDISCUSが取り上げられ、プログレ・ファンにとって注目すべきエリアとなったインドネシア。DISCUSにも勝るとも劣らない硬派かつイマジネーション溢れるジャズ・ロック/プログレの名作が続々と届いておりますので、ピックアップ!
プログレ新鋭グループによる2014年新譜は以下の記事にて特集しておりますよ~。
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90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2014年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
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00年代に入ってジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロックの充実ぶりが凄い!ということで、ユーロ各国から北米、南米まで、世界中から届くジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロックの2014年新譜をピックアップ!
ここからはユーロ・ロックの人気リイシュー盤をピックアップしてまいりましょう。
この作品こそ、イタリアン・ロックを聴いたことがないロック・ファンに聴いてもらいたい!
パッションと詩情が溢れロックとして、偏見なく聴いてもらえれば、きっと驚いてしまうはず。
ラディウスが奏でるアコギのカッティングだけでもってかれますよ!
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「イタリアン・ロック?プログレ聴かないしな~。」 そんなあなたにオススメしたい『プログレ嫌いなロック・ファンにこそ聴いて欲しいイタリアン・ロック・セレクション!』
「NUMERO UNO」レーベルからリリース間近ながらお蔵入りとなった幻の伊ロック作だって!?
このクラシカルでジェントルな気品。やはりただ者ではないグループですね。
イタリアン・ロックは新品・中古ともに在庫豊富!カケレコの過去の販売枚数から評価した人気順でどうぞご覧ください。
地中海つながりでスペインのプログレもピックアップ。
スペインはバルセロナのジャズ・ロックは、カケレコ激レコメンド中です!
女性ヴォーカルのスキャットもフィーチャーし、「RETURN TO FOREVERへのスペインからの回答」と言えるたおやかなアンサンブルから、ベルギーのCOSあたりに通じる暗黒カンタベリー的アンサンブルまで、とにかく演奏が芳醇なこと!
ユーロ・ジャズ・ロック屈指の名作。
スペインはバルセロナのジャズ・ロック・ムーヴメント「ライエターナ・ミュージック」。是非、こちらの特集をチェックください!
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70年代にスペインでおこったロック・ムーヴメント「Musica Laietana ライエターナ・ミュージック」を特集!
地中海沿岸のバルセロナもいいが、やはりスペインらしいロックを聴かせるのが、南部アンダルシア地方のグループですね!
これぞスパニッシュ・プログレ!
シンフォニック・ロックに、フラメンコなどアンダルシアの民族音楽、そしてフュージョンが融合したサウンドはかなりの完成度ですよ~。
スペイン北東部のフランス国境にほど近い町ジローナ出身のプログレ・グループ。
キース・エマーソンになったりリック・ウェイクマンになったり忙しいキーボードがたまらない!
この熱気と哀愁こそスパニッシュ・プログレの醍醐味!
ラストは、昨日売れたブリティッシュ・ロック作品を3枚ピックアップ!関連ジュークボックスもあわせてご覧ください。
スコットランドを代表する歌姫と言えば?
この透明感と凛とした歌いっぷり。エレクトリック・トラッド屈指の一枚ですね。
インド出身者を中心とする英サイケ・グループの72年唯一作ですが、サード・イヤー・バンドやタンジェリン・ドリームのファンは必聴ですよ~。
プリミティブなパーカッション、焦燥感を掻き立てるヴァイオリンがカッコよし。
バキっと歪んだスリリングなギター、ツェッペリンばりにタイトでヘヴィ級のリズム隊、熱くシャウトするヴォーカル。バンド全体が塊となったソリッドなアンサンブルは、本格感ぷんぷん。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
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土曜日、月曜日と連続で中古CDを放出いたしました。
中古CDの在庫も充実中ですので、リストをチェック是非。
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聴かなくなったプログレ&オールド・ロックのCDがございましたら、カケレコを是非ご検討ください。
1枚1枚、専任スタッフが丁寧に査定させていただきます。
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英国出身グループのアメリカでのみリリースされた71年唯一作。(録音もイギリス)バキっと歪んだスリリングなギター、ツェッペリンばりにタイトでヘヴィ級のリズム隊、熱くシャウトするヴォーカル。バンド全体が塊となったソリッドなアンサンブルは、本格感ぷんぷん。各パートそれぞれを見ても、演奏の切れ味抜群。それにしてももの凄い強度と疾走感です。ハード・ロック・ファンは必聴の名作。
ハンガリーのグループ。06年のデビュー作。たおやかなアコギをバックにフルートがリリカルに舞い、溢れんばかりにメロトロンが鳴らされる!極めつけは、流れるように美しいメロディとスッと入ってくる美声の女性ヴォーカル!全体的に柔らかな音像でハードさは無いものの、タイトなリズム隊のせいか、演奏はダイナミズムに溢れています。全員がテクニック抜群ですが、特にアコギ奏者はかなりの腕前で、格調高くリリカルなリードは必聴。ファンタスティックなシンフォニック・ロックとして一級品の傑作。本当に素晴らしいです。
ペーパーケース仕様、新装ジャケット&オリジナル・オーディオでの2014年新規リイシュー盤。バンドサイトでは、MUSEA盤と異なる06年にハンガリーでリリースされた音源で、LPのようなアナログのフィーリングを最大限に活かし、アコースティックやメロトロンが魅力的に響くようにミックスされているそうです
盤質:傷あり
状態:良好
軽微な汚れ・軽微な圧痕あり
スペインはバルセロナ出身、60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、70年代にはギタリストのToti Solerとともにスペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループOMを結成したことで知られるピアニスト。Edigsa/Zelesteレーベルより75年にリリースされた2ndソロ。ピアノとエレピを基本にした前作とは異なり、バンド編成で録音。OMで一緒だった名ギタリストToti SolerとベースのManolo Eliasをはじめ、元JARCAのギタリスト、後にORQUESTRA MIRASOLで活躍するドラマーなどがサポート。女性ヴォーカルのスキャットもフィーチャーし、「RETURN TO FOREVERへのスペインからの回答」と言えるたおやかなアンサンブルから、ベルギーのCOSあたりに通じる暗黒カンタベリー的アンサンブルまで、とにかく演奏が芳醇なこと!ピアノやエレピはもちろんのこと、フィル・ミラー的な滑らかに緊張感あるフレーズからゴリゴリとアグレッシヴに弾き倒すフレーズまで縦横無尽なエレキも特筆。パーカッシヴなフラメンコ・ギターとの対比も見事です。15分を越えるオープニングの組曲はユーロ・ジャズ・ロック屈指と言える名曲。
現行イタリアン・ポップスの礎を築いたLucio Battistiのバック・バンドとしてその歩みを始め、彼のプロデュースでデビュー。サイケデリックな質感を残したへヴィー・ロック・サウンドを放ち、シンフォニック・ロック、メロディアスなボーカルを中心にした普遍的ロックの境地へとシフトして行ったグループの74年4th。MogolのプロデュースでLucio Battistiが直接関わっていない本作は、前作での路線変更により急成長を遂げた彼らの代表作として名高い名盤。前作よりもプログレッシブ・ロック然としたサウンドが後退した代わりにポップでメロディアスなボーカルナンバーが充実し、とにかくどこまでも溢れ出るイタリア叙情に心震える傑作となっています。
本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したKey奏者&コンポーザーのGennady Ilyinを中心に、ロシア南西部のウクライナ国境に近い町クルスクで結成された新鋭プログレ・グループ。2014年リリースの恐らく9枚目。エネルギッシュかつ流麗に鳴らされるムーグのリード、そこに時にユニゾンで超絶的に合わせ、時に単独で鳴り響くハモンド。オープニングから躍動するヴィンテージ・キーボードのスリリングな演奏に言葉を失います。タイトかつアグレッシヴなリズム隊とエッジの立ったギターのリフによるロック的ダイナミズムも印象的で、EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まるキーボード・プログレを基調に、クラシック直系の華麗なキメのパートを挟みつつ、これでもかとドラマティックに展開していきます。一転して、音が瑞々しく響く格調高いピアノによる静謐なパート、管楽器が豊かに鳴るロマンティシズム溢れるパートも絶品ですし、ロシア語によるエモーショナルかつ演劇的なヴォーカルか醸すもの悲しさも特筆。「静」と「動」の鮮烈な対比。LOST WORLDと並ぶ現代ロシア・プログレ屈指のグループによる渾身の大傑作です。
スペイン北東部でフランス国境に近いジローナ出身のグループ、76年作2nd。エネルギッシュなドラム、よく動くベース、キース・エマーソンになったりリック・ウェイクマンになったり忙しいキーボード、ハードかつエモーショナルなギターによる、熱気と哀愁に溢れるプログレ・ハード。洗練とはほど遠く、なかなかバタバタとしていますが、それがまた哀愁を増幅していてグッとくるものがあります。スリップ・ケース付。
ドイツとスイスとの国境近くにあるフランス東部にある町モンベリアルにて1970年に結成されたグループ。72年の唯一作。ビートルズなど英ビート・ポップのほか、米西海岸のサイケデリック・ロック・ムーヴメントや、バッハ/ベートーヴェン/ドビュッシーなどクラシックの影響の元でサウンドが練られたようで、なるほど、シド・バレット期のピンク・フロイドをアンニュイにして、バロック調のオルガンを入れ、英アンダーグラウンド・サイケのジュライのようなローファイ感もまぶしたような、そんな印象派サイケ・ポップと言えるような、もやに包まれたサウンドが印象的です。ファルセットを中心としたナイーヴなフランス語によるヴォーカルと幻想性たっぷりな多声コーラスも素晴らしい。ベースがゴリゴリと走るハードな曲は、英クレシダやグレイシャスあたりも頭に浮かびます。フランスの片田舎らしい、神聖ローマ帝国の伯領時代の面影が残るような、気品と優美さに包まれた愛らしい名品です。
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