【ユーロロック周遊日記】現代版ARTI E MESTIERI『TILT』！？イタリアのテクニカル＆スピーディなジャズ・ロック新鋭INGRANAGGI DELLA VALLEの13年デビュー作『IN HOC SIGNO』

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毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、イタリアの新鋭ジャズ・ロック・グループINGRANAGGI DELLA VALLEによる13年作1st『IN HOC SIGNO』をピックアップいたしましょう。

INGRANAGGI DELLA VALLEは、ローマの学生たちによって結成されたグループ。ヴォーカル、ギター、キーボード、ベース、ドラム、そしてヴァイオリンという6人で構成されています。

この13年リリースのデビュー作『IN HOC SIGNO』で聴かれるサウンドは、手数多く畳み掛けるテクニカルなジャズ・ロック/フュージョンを軸としながらも、70年代プログレを思わせるヴィンテージなシンフォニック・サウンドを随所で織り交ぜた非常に高度なもの。

Furio Chiricoを思い出さずにはいられない超絶ドラミングを始め、ギターのハードエッジに切れ込むプレイ、イタリアらしいしなやかで気品溢れる音色を聴かせるヴァイオリン、そしてPFMやELPを彷彿させるヌケの良いシンセが気持ちいいヴィンテージなキーボードなど、いずれのメンバーも目を見張るテクニックと表現力を披露しており、とても20代前半の若者たちが演奏しているとは思えない驚異のパフォーマンスが詰まっているんです。

イタリア語ヴォーカルも若干線は細いものの、イタリアンな情感を豊かに感じさせる伸びのある歌声が印象的。十字軍の遠征をモチーフとしたストーリーを、一糸乱れぬファンタジックでアグレッシヴな演奏が描き出していきます。

また、VAN DER GRAAF GENERATORのDavid Jackson、ANGLAGARDのドラマーMattias Olssonなど豪華なゲストにも注目。デビュー作にしてこれほどのメンツが参加しているというだけで、グループのポテンシャルの高さは十分に伝わってきますよね。

では、そんな彼らの圧巻のパフォーマンスをどうぞお聴きください♪

Musqat (Masqat)

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3.Mare In Tempesta

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いかがですか？最初の曲は本作収録のボーナストラックなんですが、序盤はBRAND Xを思わせる若干アブストラクトな掛け合いが続くものの、ヴァイオリンが加わる2分前後からは芳醇な叙情美を湛えたARTI E MESTIERI直系のジャズ・ロックへとダイナミックに移り変わっていきます。『TILT』好きの方ならここからの展開はたまらないはず！

2曲目は、なんともイタリアンな気品たっぷりのメロディラインを歌い上げるヴォーカル、そしてPFM/ELPを受け継ぐファンタスティックなシンセ＆オルガンが主役のナンバー。
これも名曲！