2014年6月10日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記,世界のロック探求ナビ
毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。今回は、イタリアン・ラブロックの最高峰バンドI POOHに在籍したシンガーのRiccardo Fogliが、77年にリリースしたソロ作『Il SOLE L’ARIA LA LUCE IL CIELO(太陽、空気、光、空)』をピックアップいたしましょう。
Riccardo Fogliは、言わずと知れたイタリアン・ラブロックを代表する名グループI POOHにオリジナルメンバーとして在籍、73年に脱退した後はソロアーティストとしても大きな成功を収めた人物。80年代にはイタリア音楽界最大のイベントであるサンレモ音楽祭でも優勝を果たすなど、現在に至るまでイタリア音楽界のトップミュージシャンとして活躍しています。
I POOH時代は持ち前の甘く繊細な歌声と端正なマスクで、女性人気はメンバー中でもダントツでナンバー1。ベーシスト兼メインシンガーとして数々の名曲を歌い上げてきました。
OPERA PRIMA(『OPERA PRIMA』/1971)
IO IN UNA STORIA(『ALESSANDRA』/1973)
そんな彼ですが、人気絶頂期だった73年に突如I POOHを脱退しソロアーティストの道を歩むことになります。当時の恋人だったシンガーのPatti Pravoが所属するRCAに移籍しソロキャリアをスタートさせますが、74年に初参加のサンレモ音楽祭で選外となったり、NEW TROLLSのVittorio Di Scarziを起用した2ndがお蔵入りになったりなど、思うような結果を残せずにいました。
その後I POOHと同じCBSに移籍し、I POOHのプロデューサーGiancarlo Lucarielloを起用してリリースされたのが、76年作『RICCARDO FOGLI(世界)』。本作からは数枚のヒットシングルが生まれ、3年目にしてようやくソロ活動が軌道に乗りはじめました。
勢いを得たRiccardoが翌77年にリリースした3drアルバムが、今回ご紹介する『Il SOLE L’ARIA LA LUCE IL CIELO(太陽、空気、光、空)』です。
その内容は、前作と同様に初期I POOHの甘く雄大なイタリア叙情を余すことなく継承したクラシカル・サウンドに、Riccardoのナイーヴな歌声が乗る珠玉の歌曲集。「愛を歌う」ということにかけて彼の右に出るものはいないということを、改めて実感させてくれるドラマティックな名盤に仕上がっています。
それでは本作からのナンバーをお聴きください♪
2.IL GIORNO COMINCIA QUI
6.STELLA
10.PICCOLA BUONANOTTE
いかがですか?優雅なオーケストラの端々から、彼の優しげでセンチメンタルな歌声の一声一声からまるで愛が零れ落ちるてくるかのようなこのサウンド、実に感動的ですよね~。
77年といえば、I POOHが『プーラヴァー』『ロマンの誕生』などで、オーケストラを減らしシンプルかつポップな作風を打ち出し始めた時期。それと同時期に、元メンバーだったRiccardoがこんなにも初期I Poohのクラシカルさを受け継ぐ音を聴かせたというのは何とも興味深いところ。まるで80年代前後のGENESISとSteve Hackettのような関係性ですよね。
初期I POOHに在籍していたカンタウトーレ。ソロとして最も脂がのっていた76年〜82年の作品から選曲されたベスト盤。切々としたエモーションが胸を打つヴォーカル、叙情性溢れるメロディ、ストリングスがメロディを優しく包み込むドラマティックなアンサンブル。美しすぎる名曲、佳曲揃い。素晴らしい
プログレというより、今やイタリアを代表する国民的ロック・バンドとなったイ・プーの2012年作。75年から92年までの楽曲を、オーケストラと共演して再録音したリメイク作。2012年の来日公演でも披露された「CANTERO PER TE (あなた色のうた)」や、美しき名曲「Pierre」などが華麗なストリングス・アレンジで甦っています。彼らが紡ぎ出す美しいメロディ、ハイ・トーンの胸を打つヴォーカルがこれでもかと堪能できます。『パルシファル』など70年代初期の名作が好きなリスナーの琴線を打ちまくる逸品です。
プログレッシブ・ロック・フィールドの枠を飛び越えてイタリアを代表するポップ・ロックバンドであり、イタリア然とした甘美なバラードやオーケストラとの華麗なる融合など、プログレッシブ・ロック的なアプローチも聴かせるグループによる71年作。CBS移籍1作目である本作は、バロック・アンサンブルのオーケストラを大々的に楽曲に取り込み、彼ららしい甘美なメロディーを散りばめた初期の名作と名高い1枚であり、Giancarlo Lucarielloのプロデュース、Franco Monaldiのアレンジによってゴージャスなイタリアン・ロックを聴かせる名盤です。ヒット曲「ペンシエロ」「君をこの胸に」などを収録。
SHM-CD、05年マスター使用、定価2381+税
盤質:全面に多数傷
状態:良好
帯有
盤に研磨跡あり、ケースツメ跡あり、帯に折れあり
プログレッシブ・ロック・フィールドの枠を飛び越えてイタリアを代表するポップ・ロックバンドであり、イタリア然とした甘美なバラードやオーケストラとの華麗なる融合など、プログレッシブ・ロック的なアプローチも聴かせるグループによる73年作。ワーグナーの同名歌劇を元にしたコンセプト・アルバムの形を取った本作は、脱退したRiccardo Fogliに代わりRed Canzianが参加し不動のラインナップが完成。オーケストラの登用や楽曲の良さは当然のことですが、そのコンセプト性や大仰な作風はプログレッシブ・ロック的に最も完成されたものであり、10分を超える表題曲は特に圧巻です。
紙ジャケット仕様、05年マスター、リーフレット付仕様、定価2800+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
紙ジャケに小さい汚れあり
84年作。前作同様、イタリアから飛び出してハワイで録音された意欲作。広大な大海原のごとくシンフォニックに展開する愛と望郷の旅。アルバム・チャートで2位、年間チャートでも9位を記録した大ヒット作。
再びイタリアのアルバム・チャートで1位に返り咲いた、イ・プーの記念すべき20作目。86年作。新たにアレンジャーとしてイタリアン・ポップス界の重鎮であるフィオ・ザノッティを迎え、デジタル楽器を駆使しながらも壮大なダイナミクスを感じさせる音楽へと昇華した、まさにファンタスティックな作品。
特殊缶ケース仕様、スリップケース付き
盤質:全面に多数傷
状態:良好
スリップケースに目立つ傷み・経年変化あり
世界のニッチなロックにフォーカスした膨大なディスク・レビュー、マニアック過ぎる特集、濃密なコラム。質・量ともに過去最大の読み応えとなった「不思議音楽館 ORANGE POWER」第6弾!!
不思議音楽館/不思議音楽館 ORANGE POWER VOL.6
ORANGEPOWER6(–)
2700円 (税込2970円)
在庫あり
奇跡の復活を果たして、2012年作をリリース!しかも、あの77年の名作と、同時期にイングランドで生まれたイングランド『ガーデンシェッド』を掛け合わせたような、最上級の傑作だって!?
LOCANDA DELLE FATE/MISSING FIREFLIES
FAD005(ALTROCK/FADING)
2690円 (税込2959円)
在庫あり
イタリアン・ロックの大きな魅力が、バロック音楽の遺伝子を継ぐ構築美と叙情美。そんなイタリアン・ロックの金字塔として君臨するのがこの作品ですね。格調高さの中に息づく芳醇なポップ・センスにも唸らされます。
MAXOPHONE/MAXOPHONE (ITALIAN LYRICS VERSION)
AMS138CD(AMS)
2420円
2220円 (税込2442)
220円お得!
在庫あり
あまりに流麗かつ艶やかなクラシカル・ロックに感涙する前半、バンドのエネルギーがむき出しになったパワフルなハード・ロックに圧倒される後半。イタリアン・ロックの醍醐味が凝縮された大名盤!
NEW TROLLS/CONCERTO GROSSO N.1 AND N.2
3984266022(WARNER)
2390円 (税込2629円)
在庫あり
イタリアン・ロックの大きな魅力が、バロック音楽の遺伝子を継ぐ構築美と叙情美。そんなイタリアン・ロックの金字塔として君臨するのがこの作品ですね。格調高さの中に息づく芳醇なポップ・センスにも唸らされます。
MAXOPHONE/MAXOPHONE (ITALIAN LYRICS VERSION)
AMS138CD(AMS)
2490円 (税込2739円)
在庫あり
AMS280CD(AMS)
790円 (税込869円)
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!