2014年6月4日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。今回も番外編として、アメリカから現れた新鋭PSYCHEDELIC ENSEMBLEによる13年4th『TALE OF THE GOLDEN KING』をピックアップいたしましょう。
09年にデビューしたこのPSYCHEDELIC ENSEMBLEというバンド、現在までに4枚の作品をリリースしているのですが、実はバンドについての情報がほとんど公開されておらず、マルチ・ミュージシャンを中心とするプロジェクト・バンドであるという以外は彼の名前すらも謎に包まれているんです。今回ご紹介する13年作では、ゲストヴォーカルとオーケストラ人員を除きすべての楽器をこのマルチ奏者が担当しています。
実質的にマルチ・ミュージシャンのソロ作品と言える本作ですが、そのハイレベルな音楽性と作品としての極めて高い完成度が、彼の実力と才能を如実に物語っているんです。
まず注目したいのが、リック・ウェイクマンを受け継ぐクラシカルな気品とファンタジックな飛翔感を併せ持つキーボード、そしてスティーヴ・ハウばりに鋭いトーンで音数多く畳み掛けるギターワーク。この二つが時に絡み合い時に拮抗する白熱のアンサンブルはとにかく強烈!『こわれもの』~『危機』の黄金期イエスを思い起こさずにはいられない超絶技巧でゴリゴリと突き進む演奏は圧巻です。
そんなバンド・アンサンブルをスケール感いっぱいに盛り立てるのが、SPYCHEDELIC ENSEMBLE ORCHESTRAなる生オーケストラの存在。テクニカルで込み入った演奏を繰り広げるキーボードとギターをよそに、雄大なファンタジーを描くオーケストラがサウンドに豊かな広がり感を加えています。単なるエッセンス的な使用ではなく、フルオーケストラを導入したルネッサンスを彷彿させる格調高く壮麗に響く本格的な管弦が押し寄せてきます。
そう、まさに往年のイエス+ルネッサンスと言うべき何とも贅沢なサウンドを聴かせてくれる逸品に仕上がっているんです。
では本作より、そのあたりが実感できるナンバーをお聴きください♪
いかがですか?各種キーボード、ギター、ヴォーカル、リズムセクションなど、このテクニカルで複雑に絡み合う演奏を全て一人で演奏しているというから凄まじい才能ですよね。ゲストの女性ヴォーカルがセンシティヴな歌声を聴かせる2曲目などは、まるでRENAISSANCEにウェイクマンが飛び入り参加したような、格調高く美しいヴォーカルパートとテンションみなぎるインストパートとの対比が素晴らしいナンバー。ここぞという場面でドラマティックに雪崩れ込んでくる管弦の仕事もお見事ですね~。
往年の英プログレの名プレイヤー達を彷彿させる音色がところ狭しと躍動する、ファンタスティックでスケール感いっぱいの名作!イエスやルネッサンス、ELPやエニドなどを愛する70年代プログレファンの方にもきっとお楽しみいただける良さを持ったバンドです♪
09年にデビューしたアメリカの新鋭シンフォ・バンド、中世をモチーフとした13年作4th。次々と格調高いクラシカルなフレーズを紡ぐ分厚いシンセを中心に、オルガン、ピアノ、メロトロンが荘厳に舞う圧巻のキーボード群。そこにハケット風の鋭いトーンで弾きまくるギターが絡み、管弦も交えてエネルギッシュに繰り広げられるアンサンブルに思わず圧倒されます。イエス「ラウンドアバウト」ばりのキレ味でギターとキーボードがアグレッシヴなソロを応酬したかと思うと、静謐なアコギとピアノが優雅なストリングスに乗って香り高い中世ロマンを演出したり、アメリカのバンドらしい豊かなハーモニーを聴かせたり、ドラマティックな展開は圧巻。少し鼻にかかったジェントルなヴォーカルと時折フィーチャーされる美声フィメール・ヴォーカルも魅力的です。まるでリック・ウェイクマンの初期3作を、現代的なサウンドでよりスリリングによりダイナミックに甦らせたようなサウンドは、ハンガリーのRUMBLIN ORCHESTRAにも引けを取らない完成度。圧倒的なスケールで綴られるクラシカル・シンフォニック・ロックの傑作です!
「太陽と戦慄」期クリムゾンやヘンリー・カウ的な攻撃性を軸に、HF&Nに通ずる繊細さと緻密さ、フランスらしい芸術性や演劇性を融合させたサウンドは、素晴らしき完成度!
VOC1031(VOCATION)
2850円 (税込3135円)
売り切れ
まさか00年代のエストニアに、ソフト・マシーンやハットフィールドのDNAを継ぐカンタベリーなグループが生まれるとは・・・。硬質さとリリシズム、それを包むエストニアならではの透明感。絶品です。
MKDKCD0029(MKDK)
2390円 (税込2629円)
売り切れ
ハンガリーで今最も繊細でイマジネーション豊かなサウンドを鳴らすこの新鋭グループ、もう聴きました?全シンフォ・ファンの皆様へ、カケレコが自信をもってオススメ!
192914872986(YESTERDAYS)
1990円
1592円 (税込1751)
438円お得!
在庫あり
まさか00年代のエストニアに、ソフト・マシーンやハットフィールドのDNAを継ぐカンタベリーなグループが生まれるとは・・・。硬質さとリリシズム、それを包むエストニアならではの透明感。絶品です。
KRC9001(KAKEHASHI RECORDS)
2990円 (税込3289円)
売り切れ
イタリアの新鋭グループですが、ルネッサンス直系の気品を漂わせる逸品。波打つようなピアノを基調とするクラシカルで繊細な演奏と透明感ある凛とした女性ヴォーカルのなんと美しいこと。これは心洗われる名作です。
CDWK0612B(WHITE KNIGHT)
2490円 (税込2739円)
在庫あり
あまりに流麗かつ艶やかなクラシカル・ロックに感涙する前半、バンドのエネルギーがむき出しになったパワフルなハード・ロックに圧倒される後半。イタリアン・ロックの醍醐味が凝縮された大名盤!
NEW TROLLS/CONCERTO GROSSO N.1 AND N.2
3984266022(WARNER)
2390円 (税込2629円)
在庫あり
LA LEGGENDA NEW TROLLS CON LUIS BACALOV/CONCERTO GROSSO N3
ARS/IMM1014CD(AEREOSTELLA)
2390円 (税込2629円)
在庫あり
こ、この一曲目、ヒープやVERTIGOオルガン・ロックのファンはイチコロですよ。クラシック大国ドイツらしい荘厳なオルガンや叙情的なヴァイオリンをフィーチャーした名作ですね。
28709004(BELLAPHON)
990円 (税込1089円)
Pete Sinfieldのプロデュースで、Keith ChristmasがVoを務めた弦楽プログレ・グループと言えば?シンフォニックと言うにはあまりにも肉感的でスリリングなクラシカル・ロックの名盤!
SRMC5013(SI-WAN)
830円 (税込913円)
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!