イタリアと双璧をなすダッチ・プログレ・シーンの新鋭バンド達を一挙ご紹介！

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古くはFOCUSやTRACE、EARTH & FIRE、KAYAKなど数々の名グループが知られたオランダのプログレ・シーン。

ブリティッシュ・ロック/プログレに影響を受けた格調高く陰影豊かな演奏と独特のキャッチーなメロディーセンスで、親しみやすいプログレ作品を多く生み出したプログレ名産地の一つと言えます。

実は近年、70年代を凌ぐ勢いでハイクオリティな新バンドたちが続々と登場しており、イタリアにも引けをとらない実力派たちがプログレ・シーンを席巻しているんです。

ここではそんなオランダの期待の新鋭たち一挙ご紹介してまいりたいと思います☆

FLAMBOROUGH HEAD

98年デビューの現ダッチ・シンフォを代表するグループ、09年作より。胸躍るような躍動的でポップなメロディラインと70\’sキャメルを宿すギター/フルートらによる優美なシンフォニック・アンサンブル。これぞオランダ！と言うべき魅力に溢れた好グループ！

SILHOUETTE

06年結成のシンフォニック・ロック・グループ、12年作より。キャメルを始め、ジェネシスやBJHなど、英国叙情派からの影響を強く受けた優美で格調高いシンフォを持ち味とします。本作は、従来に比べ演奏に厚みとダイナミズムが加わり、ドラマ性が格段にアップした力作。

LIFE LINE PROJECT

70年代より活動するキーボード奏者Erik De Beerが女性シンガーAnja Dirkzwagerと結成した94年デビューのシンフォニック・ロック・ユニット、10年作。TRACEのRICK VAN DER LINDENを思わせるクラシカルでアグレッシヴなキーボードさばきに、ふくよかなフィメール・ヴォーカルが乗るスタイルは唯一無二。フルート、オーボエ、クラリネットなど各種管楽器が織りなす柔らかな叙情美にも注目です。

PBII

08年結成のシンフォ・グループ、13年リリースのロック・オペラ大作。オーケストラを大々的に導入した本格派シンフォニック・アンサンブルと、ヘヴィにもメロディアスにも自在な表情を見せるバンド演奏が見事な調和を聴かせる好盤。一曲のみですがSteve Hackettの参加も作品に彩りを加えます。

MARATHON

90年代初頭に結成されたネオ・プログレ/プログ・ハード・バンド、94年作。まさしくエッジの効いたキレのある往年のプログレ・ハードとIQ/PENDRAGON的なネオ・プログレ系メロディアス・シンフォの融合と言える、重厚さとシンフォニックな流麗さが同居する力作。

AYREON

オランダのHRバンドVENGEANCEのギタリストだったArjen Anthony Lucassenが、95年より始動させたシンフォニック・プロジェクト、13年作より。Keith Emarson、John Wetton、Rick Wakeman、Steve Hackettなど往年のプログレ名士たちが参加、へヴィで荘厳、そしてシンフォニックな流麗さにも満ちたドラマティックな大作！

TRION

FLAMBOROUGH HEADとODYSSICEのメンバーによって結成されたグループ、13年作。これはもうずばり蘇る「MOONMADENESS」キャメル、という一言で説明できてしまうほどのキャメル愛溢れるハイクオリティな一枚。特にA.ラティマーがゲスト参加？と一瞬思ってしまうほどの再現度を誇るギターは一聴の価値あり。

ODYSSICE

TRIONに参加しているドラマーを含む89年結成97年デビューの叙情派バンド、97年にリリースされたデビューEPを拡張した03年リリース作。70年代のキャメルの叙情性を余すことなく受け継ぎ、そこにプログレ・ハード的な疾走感を加えたような音楽性が特徴ですが、リズムはジャズ・ロック的タイトさを感じさせるのが何とも個性的。

LEAP DAY

TRION、KING EIDER、NICE BEAVERなどオランダのキャメル系シンフォ・グループのメンバーたちが一堂に会した現ダッチ・シンフォのスーパー・グループ、13年2ndより。FLAMBOROUGH HEAD、TRIONが気に入った方なら本グループもまず間違いないはずと言える、こちらもキャメルファン直撃の逸品。メリハリの効いた構築性、キャッチーに歌い上げるPeter Gabriel/Phil Collins系統のハイトーンVoが本バンドならではの魅力。

CHRIS

若干25歳というダッチ・シーン期待の新鋭ミュージシャン、13年作。プログラミングを駆使した現代的なサウンド、MOON SAFARIタイプのメロディアス・シンフォなど、才気みなぎる多彩なアプローチを操る実力派ですが、本作ではアコギや管弦を主体としたアコースティカルで温かみいっぱいの作風で叙情的に聴かせてくれます。FLAMBOROUGH HEADなどのキャメル系統のサウンドとは一味違うセンスの持ち主です。

SKY ARCHITECT

そのCHRISがロッテルダム音楽院の仲間たちと結成したテクニカル・プログレ・バンドがこちら。KING CRIMSON的ヘヴィネスからANGLAGARDばりの変拍子＆メロトロン、果てはスペースロック調の拡散するシンセプレイまで、音楽性の幅広さを見せつけるかのような変幻自在なサウンドが痛快な一枚！

NINE STONES CLOSE

08年結成のメロディアス・プログレ・グループ、12年作。北欧プログレを思わせるセンシティブな静謐さが印象深い演奏と、メランコリックな哀切に満ちたメロディラインが、他のオランダのグループにはないドラマティックさを醸し出す好作品となっています。

ILLUMION

女性ギタリストEveline van Kampenによるアグレッシブに弾きまくるプレイが鮮烈な02年結成のシンフォ・グループ、12年作2nd。イギリスのMAGENTAあたりを彷彿させるハードエッジなシンフォを展開。それにしてもギターは女性とは思えないソリッドで骨太なプレイを聴かせてますが、映像を見ると男性ギタリスト顔負けのカッコよさに痺れること間違いなし！

SYLVIUM

10年結成のヘヴィ・プログレ・グループ、13年作。オランダには珍しい『RED』クリムゾン直系の凶暴な演奏を聴かせる新鋭ですが、ギターと同等かそれ以上のヘヴィネスで迫るベースの存在感みなぎるプレイが一際印象的。そうかと思うとふいに訪れるピアノと泣きのギターによる物悲しく叙情的なアンサンブルとの鮮やかな対比も聴きどころです。

ENORM

03年にMARATHONのメンバーによって結成されたメロディアス・プログレ・バンド、12年作。これぞオランダと言いたいキャッチーで開放感に満ちたメロディアスなサウンドが見事な一枚。メインストリームでも通用しそうなモダンなポップセンスが心地よく響き渡る好盤！

いかがでしたか？80年代以降続くキャメル系シンフォの伝統を現代的なセンスで再構築したバンドから、MOON SAFARI佳のファンタスティック＆メロディアスなバンド、果てはクリムゾン直系ヘヴィ・プログレまで、実に多彩なタイプのバンドが次々と登場しているのがお分かりいただけたかと思います。

今後も実力派揃いのオランダのプログレ・シーンにどうぞご注目ください♪

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