2013年12月16日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
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こんにちは。
カケレコ店長の田中です。
昨日、今日と冷たい風がびゅうびゅうと吹いているここ埼玉県寄居町。
週末は、家の中でじっくり音楽探究を楽しみました。
最近、アヴァン/チェンバー/ZEHUL系の新鋭が続々と登場していて活気が凄いので、特集したいな、と思い、さかのぼって、MAGMAやUNIVERS ZEROをあらためて聴き、そこからさかのぼって、コルトレーンやストラヴィンスキーなどを聴きました。古い雑誌を引っ張ってきて、クリスチャン・ヴァンデのインタビューを読んで、均一化している世界に対するクリスチャンの憂いに、個人的に読んでいる本「成長から成熟へ 天野 祐吉 著」を重ね合わせて、カケレコや仕事人としての自分自身の進む道を考えたり、有意義な時間を過ごしました。
ロック探求を続けながら、その背景である歴史や文化や哲学なども学びながら、人として成熟していければ、そしてそこで得たことをカケレコに還元できて、みなさんとのロック探求ワクワクの輪が広がれば最高だな、とあらためて思いました。
さてさて、昨日売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー。
プログレ、ロック、ジャズ・ロック、サイケ、ハード・ロック、フォークなどジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいります。
まずは、今いちばん勢いのある新鋭チャンバーの中から、大人気の一枚をピックアップ。
アメリカに現れた恐るべき高速変拍子で疾走する狂気の暴走チェンバー・ロック・バンド!この2012年作2nd、凄まじ過ぎです・・・。
ブラジルからも新鋭アヴァン・グループが登場!全世界的な規模で誕生していますね。凄い。
クリムゾン、ヘンリー・カウ、キース・ティペット、オーネット・コールマンから影響を受けたブラジルの新鋭トリオ、充実の2013年作!
なんとインドネシアからも!
NHK-FM『プログレ三昧 3』で、DJがプログレ~ユーロ・ロックのサンプリング音源を披露しましたが、そういうクラブシーンとも結びついて、クリムゾンやジャズ・ロックやチェンバー・ロックやMAGMAなどZEHUL系音楽がヒップな音楽として若者に再評価されてるんでしょうね。
僕の想像がつかない経路で、クリムゾンにたどりついているリスナーが増えてるんだろうなぁ。
インドネシアより注目のジャズ・ロック・グループが登場!ジョン・マクラフリンやフィル・ミラーに影響を受けたギタリストと、チック・コリアやジョー・ザヴィヌルに影響を受けたKey奏者による卓越したサウンド。インドネシア恐るべし。
イタリアのAlt-Rockレーベルは、新鋭チェンバーのムーヴメントを仕掛けている震源地とも言えるレーベルですね。
その代表グループ、YUGENは必聴ですが、そのメンバーのソロもまた注目ですよ~。
伊チェンバー注目の名グループYUGENのKey奏者による11年リーダー作は、「一日千秋」という日本語の持つ美しさと儚さを見事に描いた叙情派チェンバー・ロック!
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新世代チェンバー/ジャズ・ロック・シーン形成の立役者と言えるYUGENとそのメンバーによるサイドプロジェクトにフォーカス!
ハード・ロック・シーンにも新鋭が登場していますね。
これはずばり、サバスやバッジーやカクタスやサー・ロード・バルチモアなど70年代のヘヴィ・ロックのDNAを受け継いだ正統派新鋭!
シンフォ・シーンも負けじと新鋭が元気。イタリアや北欧に負けじと、本場!?イギリスからも傑作が誕生しました。
目の覚めるような壮麗かつリリカルなギター・ワーク、シャープな変拍子でめまぐるしく切り替わる展開、クリアで伸びやかな女性ヴォーカル!00年代以降の英シンフォを代表するグループによる13年のまばゆい傑作!
オランダも注目ですね。CHRISにインタビューしましたが、このTRIONもハイクオリティ。
キャメルタイプの実力派がひしめくオランダ新鋭の中でも一際ハイクオリティーなのがこのバンド。『SNOWGOOSE』~『MOONMADNESS』期のキャメルが好きな方なら興奮必至の13年作がリリース!
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注目のプログレ新鋭の魅力に迫る「アーティスト・インタビュー」企画。近年続々とメロディアスな名作がリリースされているオランダのプログレ・シーンの中でも特にその才能に注目が集まるコンポーザー&マルチ・インストゥルメンタル奏者のCHRISことChristiaan Bruinにインタビュー。
BANCOとともに、とうとう、来年4月に来日が決定したイタリア新鋭の筆頭格!
これから注目度が増すでしょうから、品切れにしないようにしておかねば!
バンコやムゼオなど往年の名作を彷彿させる2010年リリースの傑作だって!? オルガン、ピアノ、フルートが入り乱れて、ヘヴィにクラシカルにめくるめく展開!
4月12日が、LA MASCHERA DI CERAが前座で、4月13日は、HOSTSONATEN!
こちらのジュークボックスをチェック是非!
南米のシンフォ新鋭といえば、アルゼンチンのSEINが注目ですが、ブラジルからも素晴らしいグループが登場。
Flavio VenturiniやLo Borgesが好きという方には問答無用でオススメ!往年のミナス一派に通じる珠玉のメロディーをファンタジックなシンフォ・アンサンブルが包み込むブラジル期待の新鋭~!
90年代以降の新鋭プログレ・ムーヴメントの幕を開けたのが、ANEKDOTENやANGLAGARD擁するスウェーデン。00年代にはMOON SAFARIがブレイクして、今やプログレ中心地と言っても過言ではありませんね。
そのスウェーデンでMOON SAFARIの13年作と並んで売れているのが、こちら。
WHITE WILLOWとANGLAGARDのメンバーによるプロジェクトバンド、待望の13年作2nd!ポスト・ロック的先鋭性と、シンセ/オルガン/メロトロンが淡く重なる透明感に満ちた幻想美が絶妙に溶け合った傑作!
ここからは、70年代の作品をピックアップいたしましょう。
バスクは個人的にもっともっと探求したい地域。ITOIZと並び、このグループも人気です。
地中海や北アフリカの風を感じるバグパイプ、ブズーキ、パーカッションによるエキゾチズム。そこに影をおとす、バスクならではの悲哀。ITOIZと並ぶバスクの名グループ!
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スペインはバスクが誇る名作を特集。アルゼンチンのPABLO EL ENTERRADORやイタリアのLOCANDA DELLE FATEのファンは必聴ですね!当時のライヴ映像が素晴らしすぎ!
カンタベリーに通じる世界のジャズ・ロックもまたカケレコの重点エリア。
アメリカで一押しなのがこれです。
ゴングばりのスペーシーさ、ソフト・マシーンばりの知性、マグマばりの強靭さをもつ、なんとアメリカのジャズ・ロック作、70年のずばり傑作!
アメリカン・ジャズ/フュージョン・ロックのトップセラー/ロングセラー作がこちら。
そりゃ、ジャズ/フュージョンの本場ですからね。凄いキレ味です。
イエス『リレイヤー』ってカッコ良いよね。そんなあなたに一押しなのが、これ☆ 試聴びびります!
来日したエディ・ジョブソンの音源といえば、最近発掘リイシューされたこのライヴ盤が今熱い!
80年作『A』のリリースに伴うツアー音源を収録したライヴ作!聞き所は何と言ってもエディ・ジョブソンの参加。I.アンダーソンのアグレッシヴなフルートにキレのあるヴァイオリンが絡む演奏は英プログレ・ファンなら必聴!
「愛すべき70s大英帝国ポップ」というカケレコならではのカテゴリーの中のロングセラー作品。メロトロンの名盤ですね。
これほどまでの轟々たるメロトロンをこのポップフィーリング溢れる楽曲の中で鳴らしてしまうとは。圧倒的な才能とセンスがみなぎるニッチポップ名盤ですね☆
相変わらず人気の韓国BIG PINKレーベルからのリイシュー盤。最近は、英国ものも多くなってブリティッシュ・ファンもニンマリですね。この作品、たまりません!
デラムからリリースで、ニッキー・ホプキンスやミック・ウィーヴァーやヘンリー・ローサーも参加した英スワンプの逸品なのに、このマイナーっぷりときたら(涙)。最高の「イギリスのアメリカ」ですよ!
ラストは、フロイドのKey奏者、愛すべきリチャード・ライトのソロ作を。
フロイドのリリシズムはこの人が居ればこそですね。「虚空のスキャット」「Summer 68」が好きなら、このソロ作もまた涙ものです。
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ピンク・フロイドのKey奏者、リチャード・ライトの活躍が光る楽曲TOP10を米「ULTIMATE CLASSIC ROCK」が発表したのでシェア。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
言わずと知れたPINK FLOYDのキーボード奏者。78年のソロ・デビュー作。『狂気』収録の「虚空のスキャット」での静謐でリリカルで格調高いピアノ、『原子心母』収録の「Summer 68」でのゆったりとたうたうようなヴォーカルとメロディ。PINK FLOYDのそれらの楽曲や、彼の作るメロディやヴォーカルが好きな方は間違いなく気に入るサウンドがここにあります。サックス&フルートのMel Collins、ギターのSnowy Whiteなどバックの演奏も絶品。フロイドの作品のような強靱さや存在感こそありませんが、柔らかな叙情美に包まれた心地良い名作。
後にTHE SPIDERS FROM MARSに参加することとなるDave Blockが在籍したグループであり、非常にポピュラリティーのある楽曲とプログレッシブな感性を絶妙に同居させた稀有の音楽性で名盤を作り上げたイギリスのプログレッシブ・ポップ・ロックグループの75年作。その音楽的な骨格はプログレッシブ・ロック版THE BEATLESなどと言われる通りキャッチーなポップ・ロック・サウンドですが、プログレッシブ・ロックとしての旨みはDave Blockのワイルドなギター、そしてキーボードのJohn Cookによるオルガン、メロトロンの洪水にあると言えるでしょう。適度に英国然とした湿り気と叙情を帯びている点も魅力的であり、プログレッシブとポップという相容れにくい要素の融合を果たした名盤です。
オリジナル・マスター・テープからの2015年デジタル・リマスター。シングル・バージョンや別バージョンや未発表曲など6曲を収録したボーナスDISC付きの2枚組
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