2018年4月11日 | カテゴリー:MEET THE SONGS,世界のロック探求ナビ
タグ: ロック&ポップス
今日の「MEET THE SONGS」は、愛すべき英フォーク・ロック・バンド、キンクスが68年にリリースした代表作『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』をピックアップ。
今でこそ傑作として名高い代表作ですが、ビートルズ『サージェント・ペパーズ~』以降のサイケ・ポップの時代に、古き良きイギリスの田園風景へと眼差しを向けた素朴な作風は受け入れられなかったようで、なんとチャートインはしないまま、当時は人気バンドながら10万枚しか売れなかったようです。
このオープニング・ナンバーを聴いて心ウキウキしないロック・ファンは居ないと思うんですが、あまりラジオでオンエアされなかったんですかね~。
キンクスの中心人物で、英国が誇るソングライターといえば、言わずとしれたレイ・デイヴィス。
イギリス南西部の片田舎デヴォン州でライヴをしたときに、その美しい田園風景に感化され、「Village Green」という楽曲を完成。これに着想を得て、古き良き英国の田園風景や素朴な生活へと目を向けたコンセプト・アルバムとなりました。
労働者など市井の人々やテクノロジーの発達により失われた風景への優しい眼差しは、レイ・デイヴィスならでは。
レイの弟のギタリスト、デイヴ・デイヴィスによるゴリっとヘヴィなギター・ワークと、レイの祈るような切ないヴォーカルとの対比にグッときっぱなし。
レイ・デイヴィスお得意のお昼寝ソング。ピアノはニッキー・ホプキンスでしょうか。いいなぁ。
このアルバムの原点となった楽曲。彼らの代表曲「サニー・アフタヌーン」にも通じる哀愁いっぱいのメロディが泣けます。
最後に、『ヴィレッジ・グリーン~』収録曲ではありませんが、同時期にリリースされたシングルで、最近のリマスターCDにはボーナス・トラックで収録されている名曲をピックアップ。
おっ、当時のTV映像を発見。
ハンカチを用意してから、ご覧ください!
何気にメロトロン鳴りまくりですね。「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」と「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」が一緒になったような名曲だなぁ。
いかがでしたか?
『ヴィレッジ・グリーン~』は、何度もリイシューされていて、弊店にも中古盤がだいたい在庫あると思いますので(しかも、安い!)、是非、未聴の方はゲットしてください。
前作の『SOMETHING ELSE BY THE KINKS』、次作の『ARTHUR OR THE DECLINE AND FALL OF THE BRITISH EMPIRE』も文句なしの傑作でオススメですよ~。
廃盤、不良修正版、7インチサイズペーパーケース仕様、ブックレット・スリップケース付仕様、CD5枚+7インチシングル盤
盤質:傷あり
状態:良好
2枚は盤に目立つキズあり、ボックスに若干シワあり
エッジの立ったギター・リフが炸裂する名曲「You Really Got Me」収録の記念すべきデビュー作。64年10月リリース。当時のロンドンのクラブ・シーンの熱気を真空パックした熱気溢れる名演ぞろい。
デイヴィス兄弟率いる大英帝国のモッズ・バンド、我らがキンクス!本作は不朽のメロディを持ったロックンロール・ナンバー「You Really Got Me」を収録した1stから、わずか半年未満のインターバルで発表された65年発表の2ndです。基本的にファーストの延長線上にありながら、決定的に違うのは作曲能力の進歩。前作ではオリジナルが半分ほどだったのに対し、2ndでは2曲を除いて全てがオリジナルとなっています。ヒットの自信からレイの作風にも余裕が出てきて、楽曲の幅が広がっています。特にフォークやバラードなどの落ち着いた曲調が、キャッチーでありながら、独特の捻りのあるフレーズ、憂いと哀愁を帯びた深みのある旋律、皮肉の中にも笑いが共存する諧謔溢れる詞世界、シンプルでタフなロック・サウンドが伸び伸びと映る好盤です。
67年発表の第5作目である今作は、前作『FACE TO FACE』とは兄弟的関係にある作品。前作が、英国社会の表裏をさりげなく描いたものとすれば、今作はRAY DAVIES達の出身である労働者階級の人々に捧げられたもの。とは言ってスポークスマンのような政治性はあまりなく。しかしながらここに厳然と横たわっているのは、労働者階級の人々の生活が織り成す圧倒的な諦観のようなもの。ドラッグや反戦を歌う代わりに彼が歌ったのは、当時の流行とは何か「別のもの」だったのではないかと言われています。午後の紅茶、ベーコン・エッグ、茶色く汚れたテムズ川、ウォータールー駅、求人広告、煙草…。これら生活感に溢れた言葉を紡ぎ出したRAYは、サイケデリック・カルチャーとは全く「別のもの」、労働者階級の人々の悲哀と喜びに満ちた、素朴な短編小説の数々を歌い上げました。「全ての人間が平等なはずなのに、一部の人間だけがそれを享受するこの偉大なる下級社会の中へ、優しくそしてしっかりと戻してあげよう」とするRAY DAVIES。そして「大国の片隅にあるのはいつの時代もイギリスしかいない!」と皮肉るKINKS。時代を超えて人々の心に刻まれた、大英帝国労働者階級のロック大名盤です。
バンドのリーダーでありソングライターであるRAY DAVIESが、イギリスの田舎生活と古き良き時代に対する敬意を表して製作したコンセプト・アルバム。RAYはヒット・シングル志向から、より個人的でノスタルジーを感じさせる方向へと作風を変え、2年をかけて本作をレコーディング。スタジオ第6作にして、詩人DYLAN THOMASの作品にインスパイアされた一大コンセプト・アルバムであり、古き佳き英国への郷愁が描かれた秀逸なストーリーは勿論、フォーキーで牧歌的なサウンドに乗った才気迸るメロディ群は、キンクス最高傑作との名声に相応しいものとなりました。
71年リリースのRCA移籍第一弾。THE BANDあたりのアメリカン・ロックのテイストを盛り込んだ骨太で哀愁に満ちたアンサンブル、Ray Daviesが描く人生の悲哀に満ちた歌詞。英フォーク・ロック/パブ・ロックの最良の形がここにあります。ルーズな酔いどれ曲から美しいバラード「Oklahoma U.S.A.」、そしてドライヴ感いっぱいのフォーク・ロック「Muswell Hillbilly」まで、味わい深い楽曲が次から次へと続きます。キンクスを代表する傑作です。
紙ジャケット仕様、K2HDコーディング、デジタル・リマスター、インサート付き仕様、定価2200+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
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