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アメリカン・ロック特集

2013-07-22

アメリカン・ロック特集

【前章】芹沢聡一郎の「学べるアメリカン・ポピュラー音楽ダイジェスト講座」

  • 皆さん、こんにちは、芹沢聡一郎です。今回は、いよいよ、ロック発祥の国アメリカを特集いたします!
  • 芹沢さん!遂に、ロックンロールが生まれた自由と希望の国、アメリカが登場ですね!僕は、ブリティッシュ・ロックと同じくらい、アメリカのロックが大好きなんです!でもアメリカって、国がとっても大きいし、いたるところで様々な音楽が生まれていて、それぞれの繋がりやルーツや時代との関係性が見えにくい印象があります。でもこうしてロックン・ロール誕生までの流れを見てみると、アメリカの音楽にも非常に豊かな歴史があるんですねえ!』
  • そうなんだ。そもそもアメリカにロックンロールという音楽が誕生して約60年。この歴史的大事件がなかったら、イギリスのBEATLESや、その後のプログレッシヴ・ロック、そしてパンク・ロックやオルタナティヴ・ロック等の現在のロック・ワールドは全て存在しなかった事になってしまうんだからね。
  • ですよねえ!でも、そもそもロックンロールって何で登場して来たのかなあ?やっぱりロックンロールにも、ご先祖様のようなルーツがあるんですか?
  • もちろん。広義の意味でのロックンロールは、黒人音楽のリズム&ブルース(R&B)と白人音楽のカントリーが融合した音楽として、今日では定義づけられているよ。R&Bは、元々、アメリカが植民地時代だった頃にアフリカから連れられてきた、黒人奴隷の人々の子孫が生んだ、エネルギッシュでリズムの躍動感に溢れた音楽が元としてあるだ。カントリー・ミュージックは、アメリカという国の建国を担った英国系移民による、トラディショナルな民謡等のDNAが含まれていると言えるだろうね。
  • なるほど。やっぱりアメリカのロック誕生の裏側には、黒人と白人の音楽の、せめぎあうような混交の歴史があるんですね!
  • そうだね。イングランドやアイルランドの移民達によるトラディショナル・フォーク、クラシックから派生したラグタイム、黒人の大道芸ミンストレル・ショー等の音楽なんかが、初期のアメリカ音楽を形作っているんだ。
  • なるほど〜。それで、こう言った音楽の中から、ゴスペル(黒人霊歌)、ジャズ、ブルース、フォーク、カントリー、リズム&ブルース(R&B)が、次第に生まれてくるんですね!
  • そうだね。そして、1950年代、戦後の豊かさの反面、米ソ冷戦という鬱屈とした時代背景の中で、若者達は欲求不満のはけ口としてロックンロールを生んでいくんだ。その中ででてきたスターがエルヴィス・プレスリーだね。
  • 腰をくねくね歌うスタイル、カッコ良いですよね〜。でも、当時の大人達から、大批判を浴びたんですよね?
  • うん。彼の踊る姿は、反抗の音楽としてのロックンロールの登場を象徴しているね。そしてこの音楽は、この後、未曾有の歴史的試練を経験したアメリカと共に、「何の為の反抗なのか?」「何ゆえの反抗なのか?」というロックそのものの存在意義を絶えず自らに問いかけながら、非常に知的な創造性を発揮して行くことになるんだ。
  • そして、イギリスではいよいよビートルズが登場ですね!
  • そうだね。エリヴィスのロックンロールは海を渡り、イギリスでビートルズを生み出したわけだ。彼らが全世界を席巻し、ブリティッシュ・インヴェイジョンとして、米国から出発したロックの波が英国で一気に増幅され、米国にかえってきたわけだ。
  • なるほど。イギリスのバンドとも切磋琢磨しながら発展していったロック・ミュージック。ウッドストックという頂点へと一気に上り詰めるわけですね。ワクワクしてきました。
  • それじゃ、イギリス勢とも呼応したアメリカン・ロックのメインストリームとも言える、フォーク〜フォーク・ロック〜サイケデリック〜SSW時代と代表作を聴きながら進めていくよ!

【第一章】ブリティッシュ・インベンションへの回答、フォーク・ロックの逆襲へ。

【第一章】ブリティッシュ・インベンションへの回答、フォーク・ロックの逆襲

スター不在のアメリカを席巻した、BEATLES旋風

1962年、アメリカの黒人音楽(R&B)に触発された、英国のスキッフル・ブームの中からデビューを果したBEATLESは、「マッシュルーム・カット」に「襟なしシャツ」という斬新なスタイルで、英国のティーンエイジャー達を熱狂させて行きました。彼等の大ヒットは、ROLLING STONESを始めとする、その他のブリティッシュ・ビート・バンド達へのチャンスへと繋がって行き、世に言う「ブリティッシュ・インベンション(英国の侵攻)」という現象を生み出し行きました。

フォークの貴公子から、ロックの風雲児に変身した、BOB DYLAN

空前の「英国の侵攻」ブームに対し、大きくファイティング・ポーズをとる形となったのが、あのBEATLESにもソングライティングの面で大きな影響を与えた、BOB DYLANの存在です。彼は65年、当時一大論争を巻き起こした、フォークとロックンロールの融合、即ち「フォーク・ロック」作品を発表。続いて同年6月には、BEATLESと似たルックスを持つBYRDSが、DYLANの「MR.TAMBOURINE MAN」をロック・スタイルでカヴァー。このフォーク・ロック・サウンドは、次々に多彩なバンドを生んで行き、ELVIS以来停滞していたアメリカン・ロック・シーンを、再び蘇らせる事となりました。

BOB DYLANの歌詞、BYRDSのサウンドに影響を受けた、新生BEATLES

このフォーク・ロック・サウンドは、元々の影響源でもあったBEATLESへと更に新たな影響を与え、「RUBBER SOUL」という幅の広い音楽性を兼ね備えた名作を生んで行きます。こうして米国と英国のロックは、互いに影響を与え受けながら成長して行きます。

 

「スター不在のアメリカを席巻した、BEATLES旋風」

 1962年、アメリカの黒人音楽(R&B)に触発された、英国のスキッフル・ブームの中からデビューを果したBEATLESは、「マッシュルーム・カット」に「襟なしシャツ」という斬新なスタイルで、英国のティーンエイジャー達を熱狂させて行きました。彼等の大ヒットは、ROLLING STONESを始めとする、その他のブリティッシュ・ビート・バンド達へのチャンスへと繋がって行き、世に言う「ブリティッシュ・インベンション(英国の侵攻)」という現象を生み出し行きました。

「フォークの貴公子から、ロックの風雲児に変身した、BOB DYLAN」

 空前の「英国の侵攻」ブームに対し、大きくファイティング・ポーズをとる形となったのが、あのBEATLESにもソングライティングの面で大きな影響を与えた、BOB DYLANの存在です。彼は65年、当時一大論争を巻き起こした、フォークとロックンロールの融合、即ち「フォーク・ロック」作品を発表。続いて同年6月には、BEATLESと似たルックスを持つBYRDSが、DYLANの「MR.TAMBOURINE MAN」をロック・スタイルでカヴァー。このフォーク・ロック・サウンドは、次々に多彩なバンドを生んで行き、ELVIS以来停滞していたアメリカン・ロック・シーンを、再び蘇らせる事となりました。

「BOB DYLANの歌詞、BYRDSのサウンドに影響を受けた、新生BEATLES」

 このフォーク・ロック・サウンドは、元々の影響源でもあったBEATLESへと更に新たな影響を与え、「RUBBER SOUL」という幅の広い音楽性を兼ね備えた名作を生んで行きます。こうして米国と英国のロックは、互いに影響を与え受けながら成長して行きます。

BOB DYLAN

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その時、歴史が動いた。ブリティッシュ・インベンション・バンドの一つANIMALSが、米フォーク「朝日のあたる家」を64年に電化。このサウンドに刺激を受けたDYLANは、新たにフォーク・ロックを打ち出し、既存のフォーク・ファンは集団ヒステリーに!

BYRDS

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DYLANのフォーク・ロック化の僅か数ヶ月後にリリースされた、フォーク・ロックの金字塔!BEATLES直系の体を揺すらせるロック・サウンドと、甘やかなコーラス・ワークに、DYLAN特有の警句的で文学的な深みのある歌詞が融合した代表作…!

SIMON & GARFUNKEL

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時代の空気感を敏感に察知したDYLANやBYRDSとは対照的に、心ならずも電化させられてしまったのが、彼等S&G。二人に無断でDYLANのバック・バンドの音で多重録音されてしまった「SOUND OF SILENCE」が大ヒット。フォーク・ロック仲間入り。

LOVIN' SPOONFUL

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FRED NEIL等のサポートで活躍していた、JOHN SEBASTIANを中心に結成された4人組。彼等BEATLESに触発されたバンドでしたが、その多様な音楽性は、KINKSやTHE BAND等の後続に影響を与え「グッド・タイム・ミュージック」と呼ばれました。

MAMAS & PAPAS

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男女4人組のポップなコーラス・ワークで、カリフォルニアのヒッピー・サウンドの先駆けとなった大ヒット曲。純粋にフォーク・ロックとしての形態を有しながら、そのカリフォルニアの陽光を思わせる眩しい旋律から「サンシャイン・ポップ」とも呼ばれます。

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【第二章】サンフランシスコ発、「愛と平和」のサイケデリック革命

花を愛し、歌を歌い、争いをやめよう!

1960年代後半、アメリカはベトナム戦争という大義の見えない泥沼に深くはまり込み、国民の多くが、その戦争の意味について強く疑念を噴出させて行きます。そんな中、「一体、何の為に戦っているのか?」と、敵も味方も同じ顔をしているベトナム人を相手に戦うアメリカ人兵士…。そんな彼等の「恐怖心」を紛らわせる為、アメリカ政府は彼等に、精神安定を目的としたドラッグの支給を行います。

戦争の為のドラッグから、愛と平和のサイケデリック革命へ

このドラッグが国内にも広く波及。そんな背景の下に花開いたのが、西海岸はサンフランシスコを中心としたドラッグ・カルチャーとサイケデリック・ロック・ムーブメントです。彼等は、物質文明の行き着く果てにある、殺戮と破壊の世界に強く「NO!」を突きつけ、「花を愛し、歌を歌い、争いをやめよう!」という理想を掲げて、既存の体制に大きく反旗を翻します。これは「カウンター・カルチャー(抵抗文化)」と呼ばれ、20世紀世界の文化傾向として一大潮流を成して行く事となります。

Sgt.Pepper's、ブリティッシュ・プログレのご先祖…!?

この後、サイケデリック・カルチャーは大西洋を渡り、BEATLESの東洋思想、インド音楽への傾倒を促し、あの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」を誕生させます。「Sgt. Pepper's」は、ブリティッシュ・ビート・バンドの創作意識を飛躍的に高め、その遺伝子は、プログレッシヴ・ロック・ムーブメントへと受け継がれて行く事となるのです。

「花を愛し、歌を歌い、争いをやめよう!」

1960年代後半、アメリカはベトナム戦争という大義の見えない泥沼に深くはまり込み、国民の多くが、その戦争の意味について強く疑念を噴出させて行きます。そんな中、「一体、何の為に戦っているのか?」と、敵も味方も同じ顔をしているベトナム人を相手に戦うアメリカ人兵士…。そんな彼等の「恐怖心」を紛らわせる為、アメリカ政府は彼等に、精神安定を目的としたドラッグの支給を行います。

「戦争の為のドラッグから、愛と平和のサイケデリック革命へ」

このドラッグが国内にも広く波及。そんな背景の下に花開いたのが、西海岸はサンフランシスコを中心としたドラッグ・カルチャーとサイケデリック・ロック・ムーブメントです。彼等は、物質文明の行き着く果てにある、殺戮と破壊の世界に強く「NO!」を突きつけ、「花を愛し、歌を歌い、争いをやめよう!」という理想を掲げて、既存の体制に大きく反旗を翻します。これは「カウンター・カルチャー(抵抗文化)」と呼ばれ、20世紀世界の文化傾向として一大潮流を成して行く事となります。

「Sgt. Pepper\'s、ブリティッシュ・プログレのご先祖…!?」

この後、サイケデリック・カルチャーは大西洋を渡り、BEATLESの東洋思想、インド音楽への傾倒を促し、あの「Sgt. Pepper\'s Lonely Hearts Club Band」を誕生させます。「Sgt. Pepper\'s」は、ブリティッシュ・ビート・バンドの創作意識を飛躍的に高め、その遺伝子は、プログレッシヴ・ロック・ムーブメントへと受け継がれて行く事となるのです

JEFFERSON AIRPLANE

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「革命が起こっている」と歌い、事実上サンフランシスコ発サイケデリック革命の急先鋒を担った彼等。最大のヒット曲の一つであるこの曲は、本来「愛する誰かが欲しい」と言う意味合いの歌で、一人に絞らないトコロが当時のヒッピー思想を反映しています。

GRATEFUL DEAD

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LSD、音楽、映像による、全く新しい表現革命を起こした、GERRY GARCIA。彼が率いたこのバンドは、新しい生き方を目指した多くの若者達の共感を呼び、生活意識や人生観念の変容をもたらしました。感覚に根ざしたインプロは、正に彼等の生き様そのもの!

JANIS JOPLIN

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激しく命を揺らし、束の間の生を燃焼させた、ブルースの女王。「ステージの上では、何万人とファックしてるのに、部屋に帰れば一人ぼっちだわ」と語った彼女は、人一倍情熱的で寂しがり屋だったのかも知れません。その後、英国でも多くのフォロワーを生みました

DOORS

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LAの映画学校の学生だった、JIM MORRISON率いる、文学的狂気と退廃的なカリスマ性を発揮した、サイケデリック・ブルース・ロック・バンド。その陰りのある濃厚なサウンドは、後に英国において多くのフォロワーを生み、現在にあっても絶大な影響力を誇っています。

SANTANA

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サンフランシスコで結成された、ラテン・ロックとジャズの要素を打ち出した彼等の、レコード契約直後ウッドストック出演時の貴重な映像から。現代のミクスチャー感覚を先取りしたかのような、グルーヴィーで洗練されたサウンドは、先見の明あり。現役バリバリです。

JIMI HENDRIX

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ブルース・ロック・ギタリスト不世出の奇才による、WOODSTOCKフェスティバルでのアメリカ国歌のカヴァー。爆音で飛来する爆撃機や、逃げ惑う人々をエレクトリック・ギターで表現。アメリカ政府へのベトナム戦争の災禍を痛烈に批判した、歴史に残る名演です。

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【第三章】崩れた60年代幻想、内省の季節〜SSW、ウェストコースト・シーン〜

失意のアメリカ、内省の季節

75年「大義なき戦争」ベトナム戦争は、アメリカの完璧な敗戦に終わりました。戦争終結を境に、アメリカの民衆意識は大きく変わって行きます。一方、60年代のロック・スター達もまた、過剰なドラッグ摂取等がたたり相次いで他界。変革と狂騒の季節を生き抜いた人々は、やるせない挫折感と疲労感を味わいながら、次第に内省的に自己を見つめ直す作品を生み出して行く事となります。

個を見つめる眼差し、シンガー・ソングライターの時代

ベトナム戦争の挫折を、個人的挫折のメタファーとして用いた作風等で再出発したJAMES TAYLOR、伝統的なティン・パン・アレーの職業ソングライターから脱却し、自立した女性像を歌に託したCAROL KING。彼等は「シンガー・ソングライター(自作自演歌手)」と呼ばれ、70年代と言う個人的内省の時代にフィットした人肌の音楽を追求して行きます。

洗練された大人のロック、ウェスト・コースト・サウンドの登場

LAを中心とした西海岸では、開放的で爽やかな「ウェスト・コースト・サウンド」が隆盛を極めて行きました。そんな中、映画の都ハリウッドに代表される芸能界の退廃ぶりを象徴的に歌に託し込んだEAGLESは、洗練されたカントリー・ロック・サウンドを聴かせます。その潮流の極みとして、都会的なロック、「AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)」が誕生します。ジャズやソウルのスムージーなサウンド感覚をロックの中に組み込んだそのサウンドは、様々な音楽とクロスオーヴァーしながら、80年代のメインストリーム・ミュージックへと大きく取り込まれて行く事になります。

「失意のアメリカ、内省の季節」

75年「大義なき戦争」ベトナム戦争は、アメリカの完璧な敗戦に終わりました。戦争終結を境に、アメリカの民衆意識は大きく変わって行きます。一方、60年代のロック・スター達もまた、過剰なドラッグ摂取等がたたり相次いで他界。変革と狂騒の季節を生き抜いた人々は、やるせない挫折感と疲労感を味わいながら、次第に内省的に自己を見つめ直す作品を生み出して行く事となります。

「個を見つめる眼差し、シンガー・ソングライターの時代」

ベトナム戦争の挫折を、個人的挫折のメタファーとして用いた作風等で再出発したJAMES TAYLOR、伝統的なティン・パン・アレーの職業ソングライターから脱却し、自立した女性像を歌に託したCAROL KING。彼等は「シンガー・ソングライター(自作自演歌手)」と呼ばれ、70年代と言う個人的内省の時代にフィットした人肌の音楽を追求して行きます。

「洗練された大人のロック、ウェスト・コースト・サウンドの登場」

LAを中心とした西海岸では、開放的で爽やかな「ウェスト・コースト・サウンド」が隆盛を極めて行きました。そんな中、映画の都ハリウッドに代表される芸能界の退廃ぶりを象徴的に歌に託し込んだEAGLESは、洗練されたカントリー・ロック・サウンドを聴かせます。その潮流の極みとして、都会的なロック、「AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)」が誕生します。ジャズやソウルのスムージーなサウンド感覚をロックの中に組み込んだそのサウンドは、様々な音楽とクロスオーヴァーしながら、80年代のメインストリーム・ミュージックへと大きく取り込まれて行く事になります。

JAMES TAYLOR

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「火も水も経験し、永遠と思われる幸せも、堪え難い孤独も経験したが、この人だけはという人の死を知らされて、甘い夢も空飛ぶマシーンも粉々」と歌う。ベトナム戦争での敗戦と、アメリカの失意を端的に象徴する、彼の代表曲。内省の70年代を告げる名曲。

CAROLE KING

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伝統的な職業ソングライターであるティン・パン・アレー界隈から、そのキャリアをスタートさせた彼女。そんな彼女がパートナーであったGERRY GOFFINとの離婚の末に、「自立した女性像」を高らかに歌い綴ったのが、この女性SSW名曲中の名曲。

JACKSON BROWNE

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LAを拠点に、少年から青年へと成長して行く過程の苛立ちや困惑を、ヴェトナム敗戦の70年代(内省の季節)を背景に歌い上げた、最重要SSWの一人が彼。無力感や気落ちした感情と情熱との相克を、美しいメロディに昇華したその才能は見事なもの。

EAGLES

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「1969年以来、精神は切らしている」と歌い、シーンに登場した彼等。映画の都ハリウッドに代表される芸能界の退廃ぶりや、商業化したロック界の凋落への皮肉、現代都市社会の歪み等を、洗練されたカントリー・ロックの曲調に載せて大ヒットを記録したのがこの名曲。

CHICAGO

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シカゴ民主党大会における反戦暴動、世に言う「流血の日」の模様を歌にした楽曲。時のシカゴ市長デイリーは、警察だけでなく州軍と連邦軍を出動させ「火炎瓶を所持している者は射殺!略奪を働こうとした者には不具にする程度の射撃とせよ!」と無条件で指示を出したのです。

STEELY DAN

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洗練されたカントリー・ロックの極みとして、都会的なロック、「AOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)」が誕生します。このサウンドの先駆け的存在であった彼等は、ジャズやソウルのスムージーなサウンド感覚をロックの中に組み込む事に成功しました。

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【第四章】アメリカン・ロック・ジュークボックス 〜 シーンを彩る名グループたちへ。

【第四章】アメリカン・ロック・ジュークボックス 〜 シーンを彩る名グループたち

フォーク・シンガーの都、NYグリニッジ・ヴィレッジの60年代

アメリカのフォーク・ロックの原動力となった、フォーク・ミュージックの一大発信地となったのが、1960年代初頭のNYグリニッジ・ヴィレッジです。ここではその代表的な存在であり、若き日のBOB DYLANにチャンスを与えたヴィレッジ界隈のフォーク親分、FRED NEILを始めとした代表的フォーク・シンガーから、少しマニアックな顔ぶれ等にも焦点を当てて紹介して行きます。

特筆すべきは、これらのフォーク・アーティストが、21世紀に入り「アシッド・フォーク」と言う新たな概念で再評価著しいと言う点が上げられるでしょう。正確には、彼等は60年代後期のサイケデリック・ムーヴメント以前に、その作品の多くを残しているのですが、霧がかったリヴァーヴの向こう側でたゆたうように歌われるこれらのフォーク・ソングは、来るべき未来のサイケ・サウンドを図らずも予見していたかのように響いていたのです。

アメリカン・フォーク・ロック・シーンを彩った、BYRDS周辺の鬼才達

第二章でも触れた、アメリカのフォーク・ロック・ブーム最大の立役者、BYRDS。このバンドを中心軸に異彩を放った、フォーク・ロック、カントリー・ロックの風雲児、GRAM PARSONS。LAで結成された、BUFFALO SPRINGFIELDから巣立った、STEPHEN STILLSや、NEIL YOUNG等々、ここでは、BYRDSという大きな潮流の大樹を軸に、フォーク・ロックの鬼才達のキャリアに焦点を当てて、そのサウンドが持つ魅力を紹介。

第一章で紹介した、R&Bとカントリーに起源を持つロックンロールと、前章で紹介した、イギリス民謡等に古く起源を持つアメリカン・フォークが融合したそのサウンドは、文字通り、アメリカ民衆音楽の歴史を体現した「真にアメリカらしいロック」と言えるのではないでしょうか。とりわけ、BYRDSのROGER McGUINNが使用した12弦ギターは、BEATLESを始め、80年代以降のオルタナ・カントリーやギター・ポップに至るまで、大きな影響を与えています。

アメリカ音楽の揺りかご、南部地方のスワンプ、ルーツ・ロック

アメリカン・ロックの歴史は、東海岸や西海岸だけではありません。建国の遥か昔から、黒人奴隷による農場経営を主としたアメリカ南部地方では、早くからブルース、ジャズ、R&B、ゴスペルと言った黒人音楽の発祥の地として、またカントリーの発祥地としても、その存在を特別なものとして来ました。そこでは、プリミティヴなブラック・ミュージックの芳醇なエッセンスをたっぷり吸い込んだ、個性豊かなルーツ・ロック・シーンが花開きました。

ヒルビリー、カントリー、ブルースと言った南部音楽色の強いロックをサザン・ロックと呼び、その中でもとりわけ泥臭さを強調したものは、スワンプ・ロックと呼ばれています。英国のROLLING STONESや、ERIC CLAPTON、DAVE MASONと言ったアーティスト達も、これらの米南部音楽への憧憬が強く、何度か南部を訪れては本場の音楽を自分たちの中に取り込む試みを行っています。

米スワンプ・ロック/ルーツ・ロック特集『沼へ行く』

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ジョージア、アラバマ、テネシー、テキサス、フロリダ、オクラホマ、アーカンソー州といったアメリカ南部生まれのミュージシャンによる、ハードでいてヌケがよく、哀愁いっぱいのサザン・ロックをご紹介。

BEATLESに憧れた、甘酸っぱいメロディのアメリカン・ビート!

BEATLESに対する、アメリカ側が放ったもう一つのあからさまな反撃が、人工的に作られた対BEATLES反撃バンドこと、MONKEESです。彼等はテレビ・ショーとの企画オーディションで集められた名もない4人組で、BEATLESがツアーを休止し、スタジオ活動に専念していたタイミングで、一気にアメリカのスターダムにのし上がります(余談ですが、あのCSN&YのSTEPHEN STILLSもオーディションに応募していたと言うから驚きです)。

ここでは、ブリテッシュ・インベンション後のにわかに活況を呈したアメリカン・ロック界に躍り出た、BEATLESスタイルのバンド達を紹介。70年代以降、とりわけ甘酸っぱいメロディーでシーンを形成し、後のパワー・ポップの先駆的存在となったRASPBERRIESもまた、遅れてやって来たBEATLES旋風への、一つの回答と見る事が出来るでしょう。

ソフト・ロック

鍛えられた複雑なコーラス・ワークと、BEATLESに触発されたスタジオ録音技術

カリフォルニアのサーフィン/ホットロッド・グループとしてスタートしたBEACH BOYSのBRIAN WILSONは、1965年、BEATLESの『RUBBER SOUL』を聴いて衝撃を受け、このアルバムを越える作品作りに着手。PHIL SPECTORの影響と、LAのミュージシャンを駆使したそのサウンドは、世紀の大傑作『PET SOUNDS』を生みます。

片や複雑なコーラス・ワークで他を圧倒したのが、CURT BOETTCHERです。彼は68年に結成した、MILLENNIUMでコーラス・コラージュの一大絵巻、「BEGIN」を制作。8チャンネルのレコーダーを2台(計16チャンネル)使用し、日本の琴まで導入したその革新的なサウンドは、後にサーフィン音楽畑のGARY USHERと組んだSAGITTARIUSでのマイルドなサウンドと共に、アメリカン・ソフト・ロックの中心的潮流を成して行きます。紛らわしい事ですが、本国アメリカでのソフト・ロックとは、ほぼイージーリスニングを指す言葉なので注意が必要です。

ブルース / ブラス・ロック

英国勢に対する、ブルースの本場、シカゴからの回答

ブリティッシュ・インベンションの原動力であった、50年代英国のスキッフル・ブームは、一方でアンダーグラウンドなロックの方向性として、ブルース・ロックという道を指し示しました。その中で一躍人気を獲得して言ったのが、ERIC CLAPTONやROLLING STONESですが、これら英国勢に対する、ブルースの本場、シカゴからの回答がPAUL BUTTERFIELD BLUES BANDでした。シカゴ生まれのハーモニカ奏者、PAUL BUTTERFIELDと、ギタリストのMIKE BLOOMFIELDは、共にシカゴ生まれのユダヤ人。黒人音楽をラジオから貪欲に吸収した筋金入りのブルース・マニアでした。

一方、BOB DYLANのフォーク・ロック作品でキーボードを演奏するチャンスに恵まれたAL KOOPERは、その後ロックとジャズを融合させ、重厚なホーン・セクションをバックに従えた、BLOOD SWEAT & TEARSを結成。ブラス・ロックを牽引します。

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JEAN-LUC PONTY / ENIGMATIC OCEAN の商品詳細へ

JEAN-LUC PONTY/ENIGMATIC OCEAN

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390円 (税込429円)

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