2013-07-21
イタリアン・ロックを語る上で、避けては通れないその音楽的基盤の一つに、「バロック音楽」があります。バロック音楽とは、17世紀初頭から18世紀半ばまでヨーロッパを席巻していた音楽の総称。その語源はポルトガル語で「いびつな真珠」を意味する言葉であったとされ、20世紀ドイツの音楽学者、クルト・ザックスの著書によると、バロック音楽とは「彫刻や絵画等と同じように速度や強弱、音色などに対比があり、劇的な感情の表出を特徴とした音楽」とあります。
それまでの声部の模倣や不協和音の使用に強い制限があったルネサンス音楽とは対照的に、バロックはその人間本来のパトス(苦悩をも包含した感情の発露)を表す行為を恥とせず、その内面からわき起こる感情のダイナミズムを、あらゆる「対立項」によって誇張し、力強く表現する方向へ突き進んで行きます。
多数の声部の競い合いによるポリフォニー。コンチェルティーノと呼ばれる独奏群とリピエーノと呼ばれるオーケストラとの対比。緩さと性急さ。テンポの交代によるアクセント。強引に畳み掛ける大胆な転調…。まるでイタリアの強烈な太陽が生み出す光のコントラストにも例えられる、そのような力強い対比こそ、イタリア人の血統とも言うべき壮大なバロック・ドラマの音楽世界であり、イタリアン・ロックの中に脈々と受け継がれている熱き血潮なのです。
マンティコア・レーベルからの世界デビュー作のオープニング・ナンバー。イタリアの太陽が生み出す『陽』と『陰』のコントラストのようにドラマティック&ダイナミックな名曲。この鮮やかな構成には、綿々たる西洋音楽史の伝統が息づいています。
バロックと言えばオペラ。オペラと言えばバンコのVo、ジャコモ!緩急にダイナミックな構成、大げさなほどの劇的さはバロックのDNA。この爆発的なエネルギーはイタリアならでは!
ルイス・エンリケ・バカロフがオーケストラ・アレンジした傑作『コンチェルト・グロッソ』より。優雅なストリングスと感情ほとばしる熱いギターとのコントラスト。この鮮やかな対比から生まれる激情こそバロックのDNA。
バッハで有名な『受難劇』をモチーフにした組曲形式の壮大な1stより。「緩」から「急」への唐突なスイッチ。アコースティックな美しい前半部とギターが感情を剥き出しにする後半部との鮮やかな対比。全編通してダイナミックな構成が素晴らしいアルバムを是非。
音楽の都ヴェネツィア生まれの名グループ。「クラシック」と「前衛」を融合した格調高くダイナミックなサウンド、オペラチックで感情表現豊かなドネラのヴォーカル。ルネッサンス〜バロックのイタリアの遺伝子とロックとの見事な融合。
名作『Felona E Serona』収録。荘厳なオルガンと煽るようにエネルギッシュなドラムとの鮮やかな対比。陰鬱に攻め立てるパートとまるで教会に響き渡るように美しくエモーショナルなパートとの対比が生み出すダイナミズム。イタリアらしいドラマに溢れた名曲。
イタリア音楽のたぎるような熱き歌心は、一体どこからやって来たのでしょうか。その秘密を解く鍵として、「オペラ」と「カンツォーネ」があります。
オペラは、16世紀末のフィレンツェで、古代ギリシャの演劇を復興する目的で作られた、歌うような台詞で進行する歌劇。18世紀にかけて、ナポリを中心にイタリア各地で上演されるようになり隆盛を極めました。オペラ全盛の時代、音楽の中心はイタリアでした。そんな世界の音楽の主導権を握っていた時代への憧憬と自負もまた、イタリアン・ロック・バンドには欠かせない要素なのです。
一方、カンツォーネは、元来イタリア語で「歌」そのものを指す言葉で、我が国では特にナポリのカンツォーネである、「カンツォーネ・ナポレターナ」を指すことが多いようです。そもそもこのカンツォーネを始め、一般的にイタリアのイメージとして定着しているのが、あのナポリ人気質。駅でお爺さんに道を尋ねれば、歌で返事が返って来る(誇張ではなく、ナポリ旅行での経験です)その陽気さもまた、彼らの歌好きという性格と切り離せないものと言えます。いつも歌が溢れている国のロック・ミュージックにこそ、かつてのイタリア音楽への追憶と誇りが満ち満ちているのです。
『L'Isola Di Niente』より。英語盤『蘇る世界』にも収録。たおやかで穏やかなメロディが切々と響く美しい名曲。極めつけは後半。メロトロンが溢れ出し、リコーダーが詩情豊かなメロディを奏でると、誰もが胸を締め付けられます。
陽光が目に浮かぶ美しいメロディ、イタリアらしい詩情豊かなアコースティック・アンサンブル。ジャコモの包み込むようなヴォーカルの表現は、さすが歌の国イタリア。
名作『UT』より。歌の国イタリアならではの切々と胸に迫るメロディ。そして聴き所は後半のギター・ソロ。英国ではありえない詩情が一気に溢れ出し、聴き手を感動の渦へと引き込みます。
代表作『パルシファル』より。「胸に迫るメロディ」と表現されますが、この曲こそその最高峰でしょう。邦題は「限りなきふたり」。センチメンタルですねぇ。イタリアだからこそ紡がれる、感情を爆発させつつも優美なメロディ。ピアノとストリングスも絶品。
名作『神秘なる館』より。格調高くロマンティックなピアノのイントロ、そしてアコギが爪弾きだし、切々と胸を締め付けるように詩情豊かなメロディが歌われる。イタリアらしい詩情はギターにも宿り、間奏ではメロトロンをバックに、ラディウスが赤裸々にギターを奏でます。
ルイス・エンリケ・バカロフがオーケストラ・アレンジした2nd『Milano Calibro 9』の最終曲。オザンナと言うと、熱く呪術的なヘヴィ・ロックのイメージですが、こんなに美しい曲も書ける、というのがさすがイタリアの歌力。
最後に、格調とダイナミズム溢れるイタリアン・ロックに、どこかエキゾチックな魅力を与えてきたエッセンスとして、地中海音楽をご紹介しましょう。バロックやオペラ、カンツォーネは、ある意味、彼らイタリア人固有の芸術とも言えますが、彼らはまた、自分たちとは違う様々な異文化を通して、周辺に隣接する国々の民族音楽をも深く探求してきたのです。
その最たる例として、マウロ・パガーニはこのような発言を残しています。
「私はロック・ミュージシャンです。それと共にイタリア人であり、そのような環境で育ちました。私の創造する音楽にアラブ等、他の国の要素が含まれ実って来たものが、私の音楽なのです。」
古代ローマ帝国の崩壊後、イタリアは、北西に西欧世界、東には分裂した東ローマ帝国によるビザンティン文化、そしてその東欧を次第に制圧して行くイスラム勢力という文化の一大集結点として多難な歴史を経験していきます。その中でも、北イタリア都市国家群の、地中海交易によるバルカン地方からの音楽的影響、やがて南イタリアを支配するイスラムからの中東音楽の影響は大きいものでした。AREA?P.F.M.のパトリック・ジヴァスは、ギリシア系フランス人という出自から、ギリシアの民族音楽のエッセンスをバンドにもたらしています。
リズムとギターによる躍動感、たおやかなフルートによる高揚感。聴くものすべてをワクワクさせてくれる代表曲。イタリアン・ロックでしか味わえない突き抜けたアンサンブルですね。
地中海ジャズ・ロックの代表作。エジプト生まれのギリシア人ヴォーカル、デメトリオ・ストラトスの国籍でも分かる通り、イタリアのみならず、バルカン半島、北アフリカ、ギリシアなど、広く地中海の音楽を取り込んだエキゾチックなサウンドが特徴。
P.F.M.で活躍したヴァイオリン&フルート奏者。自らの音楽の源泉を見つめるべくP.F.M.を脱退。地中海の民族音楽を研究し、AREAのメンバーをバックに制作した1stソロ。そのオープニングがこの曲。地中海の歴史あるイタリアだからこそ生み出せた名曲。
【第三章】地域色豊かなイタリアン・ロックへ。
愛と情熱の都「ナポリ」は、イタリア南部カンパニア州の州都であり、古代ギリシア人による植民都市の建設から、約2600年の歴史を誇る華の都です。「ナポリを見て死ね」という決まり文句にあるように、一度訪れるなら、その街の興奮と感情的な営みが、旅人の胸をつかんで離さない、魔性の都…。有史以来、様々な外的勢力によって翻弄されつづけた歴史を持つナポリの人々は、「人生はデザートのように甘く素晴らしもの」と言った達観にも似た開き直りの上に、時に悲しく時に愉しく、逞しい音楽の数々を生んできました。
ローマ・カトリック教徒としての信仰心や迷い、ラテン人としてパトス(苦悩をも包含した感情の発露)溢れる感性が生んだ、ナポリ独特の音楽…。その特異な音楽的資質の上に、全世界に波及した1960年代のサイケデリック・ムーヴメントが出会った時、世界のどこを見回しても見出すことの出来ない、オリジナリティ溢れる、「ナポリ・ロック」が誕生する事となりました。
ここでは、ナポリ・ロック・バンドの最重要バンド、OSANNAを中心軸に、その派生バンドや関連バンド、CITTA FRONTALE、UNO、NOVAやCERVELLOと言ったナポリ出身グループの動向を追う事で、日々が祝祭、生と死のメリーゴーラウンドに乗った、絶望と希望の狭間で鳴らされる「ナポリ・ミュージック」の本質的な秘密に光を当てて行きたいと思います。
ナポリの代表格。1stより。胸をかきむしるメロディ。つっかかり気味のドラム、フリーキーなサックス、祝祭的なコーラスが聴き手の感情をさらにあおり、そしてラストの叫びへとなだれ込む。この表現の激しい振幅こそナポリ。
名作『パレポリ』より。ナポリの熱気と喧噪がつまった荒れ狂う名曲。呪術的なイントロから祝祭ムードへと高揚。メロトロンがぶちまかれ、サックス、ギター、フルートが狂ったように爆発!
むせ返るようなヘヴィなオザンナに比べ、地中海色豊かな、たおやかで明るいサウンドが特徴。しかしそこは元オザンナ。ジャジーでシャープな変拍子パートのキレはさすが。
オザンナのSAX奏者ダニーロの弟コッラード(ギター)率いるグループ。イタリアン・バロックから綿々と受け継がれる『静』と『動』の対比。イタリアらしい『美』のメロディ、そしてサックスとギターがフリーキーに畳みかける『暴』のパートの鮮やかな対比。
イタリア有数の主要都市であるジェノヴァは、イタリア半島西の付け根に位置し、古くは海洋都市国家として繁栄。地中海貿易を通して、経済的、文化的豊かさをも背景に、鮮やかな音楽を育んできた音楽都市でありました。
20世紀後半、60年代の音楽シーンにおいては、ジェノヴァを主な活動の拠点としながら、シャンソン歌手の如く社会や市民生活の問題を作品の中で取り上げた、カンタウトーレの第一人者、FABRIZIO DE ANDREを始めとして、カンタウトーレ、カンタウトリーチェ達の新しいムーヴメントが生まれます。それらのアーティスト達は「ジェノヴァ派」と呼ばれ、それまでのイタリア歌謡の主流であったカンツォーネの甘美な作風から離れ、現在に至る詩情溢れるイタリアの歌心に新しい血を注いでいきました。そうした「歌」の街、ジェノヴァで育ったロック・バンドの作品群からは、プログレッシヴな楽曲の中に一際印象を残す、「歌心」溢れる一面を垣間見ることができます。
クラシックからハード・ロックまで、ダイナミックなサウンドが特徴のグループですが、根底には、ジェノバならではの詩的な歌心が流れています。ダイナミックな曲の間に挟まれる小曲の美しさが特筆もので、この曲もそんな愛すべき佳曲。
EL&Pスタイルのキーボード・ロックとバロック音楽が出会ったような名作『パピヨン』より。ダイナミックな曲の間を華麗に彩るこの曲のような美しい小曲の中に、イタリアの魅力がつまっている気がします。これぞジェノヴァの詩的な歌力。
後にカンタウトーレとして活躍するIvano Fossati率いるグループ。71年の名作1stより。アコギのバッキングとリリカルなピアノによる胸に切々と響くアンサンブル、そしてストリングスが入り、歌が入ると詩情が一気に放たれます。
71年の1stより。ハードなアンサンブルが基本ですが、「緩」「急」鮮やかで、クラシカルの拡張高さ、詩情溢れる歌心を持ったパートがハードなパートと絶妙なコントラストを描きます。
イタリアのジミ・ヘンと異名を取るギタリスト、Bambi Fossati率いるグループ。ファズ・ギターをフィーチャーしたサイケデリックなサウンドが特徴ですが、やはりジェノバの詩情が散りばめられています。切々としたメロディと美しいハーモニーが出色。
後に新生NEW TROLLSへも参加するメンバー在籍のグループ。71年作の1stより。全体的にはサイケデリックでハードなプログレですが、包み込むようにセンチメンタルなメロディを持った楽曲が魅力的で、イタリアらしい歌心が胸を打ちます。
イタリアン・ヘヴィ・シンフォの特徴は、イギリスのそれと比べると、若干その印象を異としています。イギリスの『ヘヴィ』が、エレクトリック・ギターの歪み、バンド・サウンドの音圧や音量、そして表現の混沌さをその特徴としているのに対し、イタリアの『ヘヴィ』は、楽曲表現の荘厳さ、核となる表現そのものの強度、そしてそれらを展開するダイナミズムを特徴としています。そのベクトルを思い返してみると、やはりそこには、かつてのクラシック先進国としてのプライドが見え隠れしているかのようです。
伊ヘヴィ・シンフォの大傑作『YS』より。圧倒的なエネルギーで牙をむく「急」のパートとメロトロン溢れる「緩」のパートとの落差。とにかくその差が半端ではなく、常に直滑降で展開。生きた心地がしないダイナミズムこそ伊ヘヴィ・シンフォ。
73年唯一作より。イタリアのヘヴィネス=ギターの歪みや音量ではなく、表現の先鋭さ、だとすると、本作こそ伊ロック史上最もヘヴィな一枚。EL&Pにも負けない荒技と伊バロックから続くダイナミックな対比とが融合したサウンドの強度は唯一無比。
73年唯一作より。イタリアらしい爪弾かれるアコギと狂暴なパートとが描く強烈な「光」と「影」。圧倒的なエネルギーを放つギター・リフと煽るようなドラムを中心にどこまでも強度を高めていくアンサンブルこそイタリア的ヘヴィネス。
アメリカでは、MILES DAVIESやRETURN TO FOEVER、英国においては、SOFT MACHINEやNUCLEUSと、ジャズ・ロックと言えばまず英米のバンド群が想起されるかもしれません。しかし、イタリアのジャズ・ロックだって負けてはいません!世界的な流行を見せたRETURN TO FOEVERに代表するフュージョン感覚や、SOFT MACHINEに匹敵するサックスやエレピが、イタリア人特有の構築美と地中海的なしなやかさを両立させながら、時にアグレッシヴに、時に静逸に緩急鋭く展開して行きます。
74年の1stより。イタリアを代表するグループであり、伊ジャズ・ロック屈指の傑作。フリオ・キリコの超絶ドラムをはじめ、すべてのパートがテクニック抜群。さらに、イタリアらしい叙情美やたおやかさもあり、緩急自在の構成も見事。イタリアならではの魅力に溢れた名曲。
イタリアを代表するジャズ・ロック・グループ。73年の代表作2ndより。イタリア人ならではのセンチメンタルなリリシズムと、SOFT MACHINEやNUCLEUSなどカンタベリー・ミュージックとの出会い。
伊ジャズ・ロックの名グループ。73年作の1stより。イタリアらしくシャープに細かく刻まれるリズムの上を、SOFT MACHINEを彷彿とさせるサックスとエレピが理知的にフレーズを組み立てる。チェロが入ってくると、一挙に不穏に混沌に。イタリアならではの小宇宙を描く。
イタリアン・ロックを語る上で、そのカリスマ的な存在感を呈した二大レーベルが、こちらにご紹介するバンド達が在籍した、CRAMPS(クランプス)レーベルとL'ORCHESTRA(ロルケストラ)レーベルです。
CRAMPSは、フランケンシュタインの忌まわしい姿を借用した印象的なロゴ・マークで、偶発性の音楽を標榜した現代音楽家のJOHN CAGEの作品をリリースしたりと、独自の審美観に裏打ちされたレーベルでした。このレーベルは、グラフィック・デザイナー、アート・ディレクター、プロデューサーのGIANNI SASSIが、AREAの『ARBEIT MACHT FREI』リリースに伴って発足したものです。
L'ORCHESTRAは、アヴァンギャルド集団『RIO(ロック・イン・オポジション)』参加のSTORMY SIXを擁していた繋がりで、HENRY COW等のレコメン系アーティストをイタリアに紹介する役割を果たし、そのレーベルの音楽性は、ロック、ジャズ、民族音楽、現代音楽、フォーク、カンタウトーレ、演劇音楽と幅広くアヴァンギャルドな音楽性を志向し、イタリアン・ロック・シーンをより先鋭的で刺激のある方向性へと導きました。
伊アヴァン・ロックと言えばアレア!75年の名作3rd『CRAC !』より。ハイ・テンションの変拍子、エキゾチックにウネリを上げるギター、アラビアンな旋律、民族音楽のごとく喉を振るわすデメトリオの超絶ヴォーカル。アヴァンギャルドかつ痛快!
初期は、政治色の強いビート・グループでしたが、自主レーベル「ロルケストラ」の設立、R.I.O.への参加など、実験色を増し、クラシック、ジャズ、地中海音楽などが一体となった豊かな音楽を確立。代表作の一つ77年作「L'apprendista」より。
イタリアのハットフィールドと異名を取るグループ。76年作1stより。カンタベリー・ミュージックからの影響が土台ですが、クラシックの格調高さやしなやかさを織り込んだサウンドは、西洋音楽の伝統が息づいています。一聴するとアヴァンギャルドでも、聴き手に寄り添う包容力があります。
イタリアと言ったらカンタウトーレと答える人もいるほどに、オペラ、カンツォーネに続き、「歌の国」イタリアの新しい歌唱表現として、60年代という激動の時代を駆け抜けた歌い手達…。世界的なブリティッシュ・インベンション?サイケデリア・ムーヴメント?プログレッシヴ・ロックというロック界の流れと合わさり、よりダイナミックで切ない、独自の表現へとたどり着いたプログレッシヴなカンタウトーレ達をこちらにご紹介。
P.F.M.の前身QUELLI、後にFORMULA 3を結成するアルベルト・ラディウスなどが参加した71年作3rd。この後、NUMERO UNOレーベルを設立。P.F.M.やFORMULA 3の活躍を後押しする。この作品から栄光のイタリアン・ロックがスタートした!
60年代前半から活躍する名カンタウトーレ。IL VOLOが全面参加した75年の名作より。しわがれた哀愁のヴォーカル、そしてラディウスのセンチメンタルなギター。イタリアらしい詩情がこれでもかと放たれる名曲。
名カンタウトーレ、ファブリツィオ・デ・アンドレとP.F.M.の豊かな出会い。P.F.M.はさすがのアンサンブルで、プログレッシヴな派手さこそないものの、ファブリツィオの歌を活かしながら、地中海色のフィドルなどをフィーチャーし、しなやかに鮮やかに楽曲を彩っています。
60年代後半、イタリアの地でもブリティッシュ・インベンションが吹き荒れます。LE ORME、I GIGANTI、I DIK DIK、EQUIPE 84など、後にプログレッシヴ・シーンで活躍するバンドたちも、そのデビュー当時は、英米のビート・チューンのカヴァー曲を中心にヒットを連発するビート・グループ達でした。60年代後半?70年代はじめにかけて、KING CRIMSON、JETHRO TULLなどがヨーロッパでヒットを飛ばし、イタリアでもライヴを行います。プログレッシヴ・ロックの興隆と共に、彼らの表現もまた、多層的で奥行きのある世界を目指していく事となります。
60年代前半に結成されたイタリア最初期のグループ。初期はビート・グループとして英米カヴァーを中心にヒットを連発。70年作の本作4th『ID』より、時代の流れとともにプログレ色を増します。ゾンビーズ『オデッセイ&オラクル』にも通ずるマジカルなポップ・ソング。
71年作の『TERRA IN 〜』は、60年代のビート時代に活躍したグループが70年代のプログレの時代にリリースした作品の中で、最高峰と言える傑作。詩情豊かな歌心、メロトロンはじめ格調高くも美しいキーボード群、大作を一気に聴かせる構成美。素晴らしい。
70年代以降のプログレッシヴな作品で有名なグループですが、初期のサイケデリック・ポップな作品も完成度高く人気。カラフルなジャケットの通り、エコーに包まれたコーラスやハープシコード、メロウなファズ・ギターが渦巻く、極上サイケ・ポップ。
イタリアのみならず、ユーロ・ロック屈指の傑作が『コンチェルト・グロッソ』。バンドの熱い演奏とバカロフのクラシックなアレンジとが融合した奇跡的な一枚。前半の美しすぎる「歌」と後半のフルートとギターが畳みかける演奏とのコントラストは圧巻。
名作2nd『MILANO CALIBRO 9』より。ナポリの熱気と喧噪を音で表現し聴き手を飲み込むオザンナとバカロフとの奇跡の出会い。混沌としたヘヴィネスから突如噴出するバロックの艶やかで美しい旋律。エネルギーが2乗となって迫る!
ヘヴィ・ロック・グループとバカロフとの出会いが産んだ、イタリアン・ロック史上に残る壮大なクラシカル・ロック作。豪華絢爛な宮廷が目に浮かぶストリングスとヘヴィなギターとの完璧な融合。西洋音楽のDNAを持つイタリア人でしか到達できない世界。
世界のニッチなロックにフォーカスした膨大なディスク・レビュー、マニアック過ぎる特集、濃密なコラム。質・量ともに過去最大の読み応えとなった「不思議音楽館 ORANGE POWER」第6弾!!
不思議音楽館/不思議音楽館 ORANGE POWER VOL.6
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奇跡の復活を果たして、2012年作をリリース!しかも、あの77年の名作と、同時期にイングランドで生まれたイングランド『ガーデンシェッド』を掛け合わせたような、最上級の傑作だって!?
LOCANDA DELLE FATE/MISSING FIREFLIES
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冒頭から2分近くにわたって幽玄に鳴り響くメロトロンに早速やられます。ジャジーなテイストを強めつつ、気品高くファンタジックなシンフォニック・ロックを終始堪能させてくれる2025年作!
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あまりに流麗かつ艶やかなクラシカル・ロックに感涙する前半、バンドのエネルギーがむき出しになったパワフルなハード・ロックに圧倒される後半。イタリアン・ロックの醍醐味が凝縮された大名盤!
NEW TROLLS/CONCERTO GROSSO N.1 AND N.2
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ソフト・マシーン『4th』収録の悶絶オープニング・ナンバー「Teeth」が好き? でしたら、このマイナーなイタリアン・ジャズ・ロック・グループ、きっと気に入ってもらえると思います☆
FREE WAVE SYSTEM/NONOSTANTE TUTTO
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イタリアン・ロックの大きな魅力が、バロック音楽の遺伝子を継ぐ構築美と叙情美。そんなイタリアン・ロックの金字塔として君臨するのがこの作品ですね。格調高さの中に息づく芳醇なポップ・センスにも唸らされます。
MAXOPHONE/MAXOPHONE (ITALIAN LYRICS VERSION)
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イタリアの地中海プログレと言えば、マウロ・パガーニ? この作品も忘れずに!『地中海の印象』という邦題で当時日本盤もリリースされた逸品ですね。
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イタリアの新鋭グループですが、ルネッサンス直系の気品を漂わせる逸品。波打つようなピアノを基調とするクラシカルで繊細な演奏と透明感ある凛とした女性ヴォーカルのなんと美しいこと。これは心洗われる名作です。
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「四季」を描ききった伊プログレ新鋭による傑作をまだ聴いていない!? この「冬」編で聴けるメロトロンとピアノによる「凛」としたサウンドは、並の才能では出せませんよね。
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この【四季】シリーズは、00年以降の伊プログレの最高峰ですね。その中でも、ヴィバルディの世界を彷彿させるリリカルでたおやかな名品がこちらの『SPRINGSONG』!
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何とスタジオ・ジブリの作品世界に触発され制作されたという19年作7th!従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった傑作です!
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